超・週刊プロレス 第十号「アンチであれ」
■日時:2001年8月1日
■書き手:愚傾(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

 はい。どうも。愚傾です。

 行ってきましたよNOAH武道館。詳しい感想は観戦記に書きます。ていうかまだ書き終わってないんですけど。まぁこれは絶対に仕上げてみせますから。乞うご期待。

 翌日は代々木第一体育館で娘。の興行を生観戦です。娘。の興行っていうか、正確にはハロープロジェクト全体の興行なんですけどね。個人的にハロプロの中では娘。本隊と、メンバーの別ユニット。あと松浦亜弥にしか興味が無いので手前の中では娘。の興行です。それでもやっぱり娘。の単独興行とういわけでは無いので対バン(という言い方が正しいのかどうかはともかく)のステージも見なきゃならないわけで、それで娘。の持ち時間が少なくていたので若干の物足りなさは感じましたけど、まぁ面白かったです。

 なんとなく、っていう程度の感想でしかないんですけど、新曲の「ザ・ピース」のジャケ写でも真ん中に写っていたりと、ブッカーのつんくは石川梨華をオーバーさせようとしてるのはもはや見てて明白なわけなんですけど、今回のステージでもそれは感じましたね。やっぱりカントリー娘。に出向したのがいい経験になって、ブッカーつんくも「いける!」という判断をしたんじゃないですかね。

 あ、わかってない人がいるかもしれないので一応言っておきますけど、娘。の興行はプロレスですから。だから「超プロ」で取り上げても何の問題も無いわけです。ここまで言ってもまだピンとこないという方はこちらをご覧ください。

 というわけで本題なんですけど、今回はいきなり質問します。

「貴兄が嫌いなレスラー/格闘家は誰ですか? 団体/組織で言えばどこですか?」

 即答できた人は、手前は幸せな人だと思います。逆に即答できなかった人、もしくは熟考したけど思い当たる対象が見つからなかった人、というのは手前はちょっと可哀想かなぁと思います。

 ちょっと他のスポーツの例を出しますけど、例えばプロ野球ファンには二種類しかいないですよね。巨人ファンとアンチ巨人。これだけです。例外的に「巨人は好きでも嫌いでもない。オレは日ハム命」なんていう人もいるみたいですけど、とりあえず手前は日ハムファンという人に生まれてこのかた一度たりとも会ったことが無いので除外します。もし読者貴兄が日ハムファンだとしたらごめんなさい。

 で、まぁジャイアンツです。プロ野球にそれほど興味が無い人でも、ジャイアンツの試合がTVで欠かさず毎日放送されているという我が国の現状はご存知ですよね。ようはそれだけジャイアンツというブランドの影響力の大きさというか、我が国のプロ野球を牛耳ってるということの証左なわけですよ。だからこそファンの数も多ければ、アンチの数も多いってことになる。

 手前はこれが「日本プロ野球機構」にとって良いことなのかどうかはわからないですけど、少なくとも「読売ジャイアンツ」にとっては良いことであるのは間違いないと思うんですよね。

 だって、ファンであろうがアンチであろうが、その人たちはジャイアンツが何かやれば、ネガであれポジであれ必ず「反応」を示しますもん。それが「話題」に昇華して、そしてそれがジャイアンツにとっての「エネルギー」に発展していくんですよ。このシーケンスは何十年も続いています。そうして今日のプロ野球における「読売帝国」が築かれていった、と。

 話をもっとミクロにすると、例えば貴兄がプロレス界の裏情報、例えば○○が××のリングに上がることが決定したとか、そういうのを仕入れたとしますよね。それを同じファン仲間に話したとしましょうよ。で、そのときに「マジっすか! それってスゲェじゃん!」とか「どうせウソだろぉ、くだらねぇガセ掴まされてんじゃねぇよ」ていう反応じゃなくして、「ふ〜ん」って流されたら、貴兄はどう思います? ムカつきません?
 もし「マジっすか!」て言われたら「どうやらマジっぽいよ。○○の△△からチョクで聞いたからさぁ」という感じで、逆に「ウソだろ」って言われたら「いやウソかもしんねぇけどさぁ、実現したら凄くねぇ?」とか、そういう風に話を膨らませていけるじゃないすか。
 でもそこで「ふーん」って流されたら会話はそこで終わりじゃないすか。「ふ〜ん、じゃなくて、もっとこう、なんかいい反応とかできねぇかなぁ?」って思うのはずですよ。せっかくキミにオレの持ってる情報を教えてやってるのに、なんか寂しいぜ、ってなりますもん。エネルギーが膨らんでいかないですよ。

 つまり、構造的には一緒なんですよね。読売帝国のシーケンスも、貴兄が掴んだ裏ネタをめぐるやり取りも。だから、個人であれ組織であれ、なにかを「発信」する立場にある場合、それに反体する存在(アンチ)というか、そういうのってあったほうがいいと思うわけですよ。

 勿論、アンチという立場の人間だって、メリットは作れると思うんですよね。
 手前の場合でいうと、手前は「アンチ猪木」なんですよ。現役の晩年の頃は猪木さんに入れ込んでた時期もありますけど、いまは徹底してアンチ猪木です。PRIDEの会場に行っても「ダー」はやらないですし。ロビーでのびのびとタバコ吸ってますもん。

 で、手前がアンチ猪木であることのメリットというと「PRIDEの会場で混雑を避けて悠々とタバコを吸える」とかそういうことじゃなくて、いやまぁそれも一つのメリットといえば確かにそうなんですけど、もっと他にあるわけです。それは何かっていうと、「批評精神を保てる」ということ。言い換えれば「プロレス/格闘技に対してイライラできる」ということです。

 あの、我々プロレス/格闘技ファンっていうのは、長年”ファン”であるばっかりに、マット界の出来事に対して寛容になりがちじゃないですか。寛容であることじたいが悪いって言いたいんじゃなくて、寛容に”なりすぎる”きらいがあるように思うんですよ。それはいかがなものかと言いたいわけで。批評精神っていうのもそれなりにはもっていたいじゃないですか。

 で、猪木さんです。猪木さんていうのは、何かにつけて話題を振り撒きますよね。手前はそのつどイライライライラするわけです。「またくっだらねぇことやってら」とか、「んなもんに目を向ける前にアンタにゃ落とし前つけなきゃならんことがあるだろ」とか。

 つまり、手前は猪木さんに批評することのエネルギーと、イライラすることのエネルギーを与えてもらってるということなんですよ。そうやって猪木さんからエネルギーを貰ってるからこそ、例えば自分が一番好きな団体であるNOAHや、その次くらいに好きな修斗だとかインディー系とかの団体に向けることができる、と。

 だから、手前は猪木さんという存在を嫌ってるのと同時に、感謝と尊敬もしてます。
 ようは、結局のところ「アンチ」っていうのはその対象の受益者なんですよね。だから「おまえは猪木ファンだ」と言われたら、それはある一面で誤りでもあり、ある一面では正解なんですよ。人によっては「どっちやねん!」と突っ込まれそうですけど、これが猪木さんへの偽らざる思いですよね。反抗期の頃って親の言うに逆らいながらも、結局は親の世話になってたりするじゃないですか。それと同じようなもんじゃないすかね。
 ようは、「発信する側」も「アンチ」も持ちつ持たれつの関係なんですよ。

 で、まぁなんでいきなり「アンチ」について書いたかというと、とある親切な人からのタレコミがきっかけなわけです。

 というのも、とある超有名掲示板集合サイトの中のプロレス掲示板で、とあるスレッドでKANSENKI.NETのアンチを名乗る人が暴れまくってるよ、と。そういう報告を受けたわけです。

 でまぁ、手前も人間ですから、褒められりゃぁ気分良いですし、けなされたら機嫌悪くなったりもするわけですけど、でもそれよりも先に、そのアンチの人に対して「頑張って欲しい」と思ったんですよね。
 おかしいっちゃぁおかしなことですよね。自分や、自分を含めた組織のことを悪く言う存在に対して、ムカつくどころか「頑張れ! もっとやれ!」とか思っちゃったっていうんですから。なんだか手前の感覚は修正不可能なまでにズレちゃったのかと思ったんですけど、ちょっと考えればこれも簡単なカラクリなんですよ。

 だって、その人が暴れてくれればくれるほど、KANSENKI.NETの名前は幅広く知れていくわけじゃないですか。手前は当該の掲示板には雰囲気が怖いのでとても足を踏み入れる勇気は無くて、ごくたまぁにROMるくらいにしてたんですけど、その人のおかげで、超有名な掲示板に「KANSENKI.NET」とか「愚傾」という名前が踊るようになったわけですから。感謝こそすれ、悪く言う筋合いは無いですよ。
 それに、プロレス/格闘技のサイトで「アンチ」がいるのってなかなか無いじゃないですか。旗揚げから一年未満でそういう人が出てきたことに、ある種の感慨みたいなものもありますよね。

 直接喧嘩しないのかって言われそうですけど、手前はケンタッキー大好きの鶏肉野郎ですから、こうやって言いたいこと言って牽制した後は、正々堂々と、チータより速く逃げます。ていうか喧嘩弱いですし。自分の闘うリングはココだけですから。

 そいではまた来週。





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