超・週刊プロレス 第九号「親も上司も恋人もほったらかしてNOAH武道館」
■日時:2001年7月25日
■書き手:愚傾(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

 はい。どうも。愚傾です。

 クソ暑い日が続きますが……元気ですかーっ! もうひとつバカヤロー!と言いたいほど楽しみなNOAH武道館大会が近づいてきたということでね、一周年記念ということでまずもってオメデトーっ! え〜、ちょうど夢無き時代を面白く! ということでね、NOAHファン以外にとってはどうも食指が伸びないといわれる同大会の全カードなんですが、せっかく連載を持ってるんだから、なんか面白えことを書かなきゃならねぇのかな、あるいは「極左系NOAHヲタ」と呼ばれる手前が見所を解説してみようじゃねぇかと。そういうわけでね、さっそく本題のほういってみたいと思います。まずは第一試合からね、ガンバレーっ!(今ごろになってZERO-ONE旗揚げ戦のPPV版ビデオを入手したので同大会における猪木の挨拶調)

第一試合
 浅子 覚、杉浦 貴vs志賀 賢太郎、橋 誠


 よくよく考えたらNOAHのことを書くのに猪木調で挨拶するというのも相当に慇懃無礼ですよね。まぁ、それだけ「NOAHファン以外にもこの大会を注目して欲しい」という願望があるってことで。

 で、この試合なんですけど、この大会がNOAH初体験という人は是非とも杉浦に注目して頂きたい。
 杉浦の良さっていうのは藤田和之にも通じる怪物性というか、粗削りな試合運びとかダイナミックな動きは勿論なんですけど、とにかく態度がふてぶてしくてイイんですよ。堂々としすぎてて全然若手らしくないです。技の失敗とかを恐れず、ヘンに間にこだわったりもしないで元気よくガンガン攻めていくところも見てて凄く気持ちいいんですよね。

 あと、NOAHヲタ的には橋と杉浦の絡みが注目ですかね。橋って台頭著しいNOAH若手陣のなかでも一人大幅に出遅れてるじゃないですか。でも、潜在能力でいえば他と比べても決して見劣りはしないんじゃないかと。特にこの日は親分の秋山が一世一代の大勝負に挑むわけですし、気合入ってると思いますよ。杉浦の個性を食っちゃうくらいの活躍を期待したいですね。

 リーダー(浅子)とシガケンは……まぁいいや。若手同士の熱の張り合いに水を差さなければ。

第二試合
 ラッシャー木村、百田 光雄vs永源 遥、青柳 政司


 ラッシャーvs館長って良いなぁ。いや、館長ってメジャーからインディーまでかなりの団体を渡り歩いてるだけあって、空手家というイメージの割に、かなり器用な人だと思うんですよ。その館長が当代唯一の「還暦レスラー」相手に、どれだけシュールな空間を作りだせるか。これがこの試合のテーマでしょう。ハッキリ言って、所謂「ファミ悪」がここまで明確なテーマを持つのって珍しいですよ。さすがは武道館!てとこですか。

第三試合
 丸藤 正道、KENTAvsスコーピオ、スーパースター・スティーブ


 KENTAって小林健太の改名ですかね? オフィシャルHPにも詳しいことは載ってない(7/25現在)みたいなんですが。そうだとしたら先のGHCジュニア王座争奪トーナメントでの負傷からの復帰戦ってことになりますかね。この選手も将来有望ですよ。二〜三年後、いや早ければ来年の今頃にはパートナーの丸藤とのシングルがNOAHジュニアヘビー級の看板マッチとなってるかもしれないです。

 で、このコンビっていうのはNOAHが女性ファンの底辺拡大をしていく上で一番貢献してるんじゃないかと思うんですけど、さらに凄いのは手前みたいな通ぶった野郎のプロレスオタクにも評価されてるとこなんですよね。和製HBKというか、この二人ならそういう選手になるんじゃないかって予感がするんですよ。昨年末にIWAJapanの後楽園大会に出場してアジアン・クーガー&グレート・タケル組と戦ったときも、自分がNOAHヲタであることを差し引いても「次元が違う」と思いましたからね。まぁ、クーガーだって負けてはいなかったですけど。

 で、そんな二人の相手をする外人コンビのほうを。
 まずスコーピオは、4月の有明コロシアム大会で丸藤とシングルでやったんですけど、これが物凄くいい試合だったんですよ。内外の評価はかなり高いです。スコーピオの日本におけるベストバウトTOP3に入るんじゃないかといわれてるほどですから、よっぽど手の合う二人なんだと思います。この試合でも期待してていいんじゃないですかね。

 もう一人のスティーブですけど、ハーリー・レイス門下生だけあって器用ですね。どっちかと言えば地味系な人です。往年のリック・ルードを彷彿とさせる派手なタイツを履いてますけど。まぁ技の繋ぎが甘いのと、復帰戦ということでスタミナ面で不安視されるKENTAの良さ上手いことを引き出してくれるんじゃないでしょうか。

第四試合
 斎藤 彰俊vs菊地 毅


 うーん、正直テーマが見えないなぁ。アキトシの重い蹴りに菊地がちょっとアレな表情を浮かべながら立ち向かっていく、という展開でそこそこ楽しめるだろうとは思うんですけど、まず「先」には繋がりようが無いカードですよね。

 アキトシの貢献度の高さは誰もが認めるところなんですが、やっぱり一周年記念ということで、カード編成もなるべく旗揚げメンバーに配慮したものにしたということなんですかね。どうなんだろ?

第五試合
 池田 大輔、佐野 巧真vs本田 多聞、井上 雅央


 ダイスケといえば前シリーズの最終戦と、今シリーズのディファ有明で改めて「一匹狼宣言」をしたわけなんですけど、どうなんでしょうかねぇ。一匹狼って言ったってどうしても「必然性の無いタッグ」を組まなきゃならない場合というのはあるだろうし(というか今回なんかまさしくそう)、かといって無理にパートナーに合わせたりしたら全然一匹狼じゃないし。難しそうなことする(させる)もんだなぁと思いますよ本当に。

 それとは別に、雅央が結婚してたそうです。五月に式を挙げて、七月七日の七夕に籍を入れたそうです。で、それを公に発表したのが今日二十五日。気合が入らないわけないですね。御祝儀とかあるかもしれないですよ。致命的なまでの華の無さのせいで滅多に注目されることの無かった雅央ですけど、同業者間での評価は高い人ですからね。手前は佐野と「どっちが器用か」という部分に注目します。

 うーん、まだ半分のカードしか書いてないというのにそろそろ文字数がいつもの一回ぶんに達してきたぞ。

第六試合
 田上 明、泉田 純vsベイダー、ブル・シュミット


 というわけでいつもの文字数を越えちゃいましたけど、まぁいいや。今回は特別ってことで。そのぶん次回は楽させてもらいますんで。ウソですスミマセン。いつ何時でも手抜きは絶対に致しませんので。

 で、この試合。
 ベイダーと田上の絡みって個人的に好きなんですよ。見てて心地の良いデクの坊のぶつかり合いというか。適度にハラハラできるしテンポもいいし。

 それよりもオススメしたいのが、新顔のシュミットですかね。これはいい選手ですよ。2メートル近いガタイのくせに飛びますからね。ドロップキックの打点とか凄く高いです。それでいて力強さもある。タイプ的にはグラジエーター(マイク・アッサム)に近いかな。まぁあそこまで器用ではないかもだけど。でも豪快さがいかにもアメリカのガイジンっぽくていいです。

第七試合
 小川 良成vsマイケル・モデスト


 モデストは週プロあたりでは「三沢がアメリカ視察したときの目玉」と評されてた新顔ガイジン選手。体つきも顔つきもゴツイところから攻めて攻めて攻めまくるタイプっぽい印象を受けるけど、思ったほど派手なオフェンスをするわけでもないです。むしろ「受け」の人じゃないかな。三沢が好きそうなタイプですよ。

 アメリカ流のリズムを好むヨシナリが相手ということで、よっぽど手が合うか、よっぽど地味に終わるかのどっちかでしょうな。

第八試合 GHCジュニアヘビー級選手権試合
 (選手権者)金丸 義信vs(挑戦者)ドノバン・モーガン


 金丸もついにチャンピオンとして防衛戦を行うようになりましたか。他団体のファンからの評価は芳しくない金丸だけど、旧全日本でバーニングが分裂する際にも「金丸だけは」と自分の手元に置いておきたがったほどのプロレス頭の持ち主ですからね。

 で、対戦相手のモーガンだけど、まぁこれは今シリーズから参戦した新顔ガイジン四選手に共通して言えるんですが、NOAHへの定着を目指してとにかく気合が入ったファイトをやってるんですよね。中でもモーガンは来日前からNOAHのビデオを大量に仕入れたりとか、研究熱心なところがあるそうです。

 まぁ、プロレス頭の勝負になるでしょうね。ジュニアらしい動きというか体のバネではモーガンのほうが若干上回ってるように思いますので、そんな相手に金丸がどうやって防衛するか。
 ヨシナリ、佐野といったジュニアヘビーの歴史に名を残した選手が「コイツなら大丈夫」と安心して任せられるような王者になれるかどうかの第一歩ってとこですね。

セミファイナル
 大森 隆男、高山 善廣vs森嶋 猛、力皇 猛


 高山がNOAHのリングに帰ってきます! さてさて。これでここのところあからさまに元気の無かった大森も奮起するんじゃないでしょうか。相手は伸び盛りの森嶋・力皇組ですからね。申し分ない「引き立て役」です。

 もっとも森嶋・力皇は「単なる引き立て役」じゃぁ終わりたくないでしょうし、ベテランのタッグ屋相手にどこまで自分たちの色を出せるか。

 と、まぁ活字プロレス雑誌のような無難な予想で終わらせてもいいんですが、それじゃぁクソ面白くないのでもうちょっと踏み込んだ内容を。

 あの、これからノーフィアー(大森・高山組)の試合って希少価値が高まると思うんですよね。というのも、高山が故人事務所を設立して、完全にフリーとしての体制を整えちゃいましたから。現に、藤田と組んで新日本に上がるとか上がらないとか、PRIDEとは別の某ガチ系団体からオファーが入ってるとか入ってないとかっていう噂もあるし、これから忙しくなると思うんですよ。高山は。

 そう考えると、この試合の勝敗の行方というのは微妙です。普通に考えたらノーフィアーの圧勝ですけど、手前は敢えて森嶋・力皇の勝利を予想します。というか、ノーフィアーは勝っちゃいけないんじゃないですかね。今後のNOAHを考えていくと。まぁノーフィアーの辛勝っていうのが一番順当かもしれないですけどね。

 でも、この新旧タッグ屋対決、次期シリーズで行われる(んだよな? 確か)「GHCタッグ争奪戦」を前に波乱が起きそうな気がします。

メインイベント GHCヘビー級選手権試合
 (選手権者)三沢 光晴vs(挑戦者)秋山 準


 この試合に関しては多くの説明はいらないでしょう。いまのNOAHで考えられる、文句無しに一番の切り札ですな。
 しかも、一年前にNOAHを旗揚げして以来、常に舵を奪い合ってきた二人がついにシングルでぶつかるわけです。
 タフな受け身の取り合いに感嘆するも良し。「間」の妙技による主導権の奪い合いを凝視するも良し。頑なまでの両者の「プロレスリング」への意地に驚愕するも良し。二十一世紀最初の「年間ベストバウト」を【取らなければいけない試合】ですから。期待するなっていうほうが無茶な話です。長州と小川直也ほどにイデオロギーの違う、この二人ですが、根底にあるNOAHへの愛、プロレスへの愛が名勝負を作り上げるであろうことは、既に確信してます。

 小橋が来ます。永田も来ます。歴史が動くためのお膳立ては充分に整ってます。あとは時代が変わる瞬間を見届けましょう。

 手前は三沢ファンとして、プロレスラー・三沢光晴の死に様をこの目に焼き付けてくるつもりです。

 というわけで、KANSEKI.NETではこの大会の模様を会場からリアルタイムで速報いたします。
 当然、観戦記も渾身の力を込めて書くつもりです。

 が、メインに関する記述がショボかった場合はご容赦ください。
 溢れる涙でまともに試合が見れなかった、ってことも充分に考えられますので。

 そいではまた来週。





本稿の著作権はすべてKANSENKI.NET及び「書き手」に帰属します。

戻る
TOPへ