Dr. Inside MOATのプロレス哲学講座
第18回:『佐藤江利子はなぜ生き残ったのか?』中編
■投稿日時:2004年9月30日
■書き手:Dr. Inside MOAT (ex:プロレス至上主義宣言!

中編:林直道 著 『経済学入門』1981年

林直道の『経済学入門』は1969年に発売された同じ題名の『経済学入門』の完全改訂版だ。前作は好評でかなり版を重ねたそうだが、この本も 私が手に入れた91年版までに23刷を重ねている。後書きに『経済学を学ぼうとする学生、労働者、農民、中小商工業者、夫人、生協活動家など のために』 書いたとある。よく分からないtarget層だが、ともかく大阪市立大学教授・大阪経済法科大学教授などを勤めた人の本だけあって、説 得力が有り、面白いところも多い。

ただ、著者は、マルクス主義者の経済学者、いわゆるマル経学者である。なので、経済の未来予測となるとこうなってしまう。

『社会主義とはまさに経済発展法則に基づいて客観的必然的に生み出されるものである』230p

『第一に、彼ら(労働者階級)は一切の生産手段を持たぬプロレタリアとして搾取を一掃する革命を徹底的にやり抜くことが出来る。・・・利己心 を捨て仲間同士強力団結し盲動を避けて組織的に行動すると言う性質を身につけるようになる』232p

『社会主義は資本主義と比べて次ぎの点で根本的に違っている。第一は人間の人間による搾取の消滅である』235p

『社会主義が資本主義と根本的に異なる第二の点は経済の計画的・意図的統制が可能なことである・・・・・中略・・・・・・これと関連して社会 主義では資本主義よりも経済発展の速度が遙かに急速である』236p

『共産主義段階には生産性が増大し共同社会的富のあらゆる泉がゆたかにわき出し労働はもはや単に生活のための手段ではなく労働そのものが第一 の生活欲求となる・・・・中略・・・それは人類の経済制度の最終形態である』238p

マル経学者と言う民族は100年以上前の経済学者の本を信じている。彼らはいかに現実と齟齬が生じようと、時代に遅れようと、『資本主義・帝 国主義・搾取・プロレタリアート独裁・社会主義から共産主義へ』とお題目を唱える。中にはまだ言っている人もいるらしい。いつまで経ってもマ ルクス主義という枠の中にいる。 一説によるとマルクス自身は自分のworkにある共産主義革命を信じてはいなかったそうだ。マル経学者はバカではない。知能だってそこそこ優れて いるはずだ。 しかしマル経学者から現実は隠されている。つまりマルクス・マークかマルクス・シュマークと言うことになる。

こういう思考法を教条的思考法とか教条主義という。固く信じ切った理論(教条)があり、全てをその理論(教条)で説明しようとする。
マル経学者や共産主義者は全ての出来事を共産主義の理論の中で説明する。もし説明が会わなければ、無視するか、怒り出す。もっとも、確たる覚 悟があれば教条で説明できないものなどない。頑固な教条主義者となると、たったひとつの理論でなんだんって説明してしまう。もっとも有名で、 とんちキな事件はルイセンコ事件だ。(知らない人は各自調べるように) そして、教条主義者は何でも説明できる(と思っている)理論を持っている、まさにそのことにより、進歩とは無縁である。

マルクスを経済理論はたぶん革新的なものでそれを抜きに経済学が成り立ってきたとは思えない。実際かなりの自体を説明できる。でも、経済的な 出来事の全てを未だにマルクスの著作を使って説明するのはどうかな・・・資本論から137年経ってるんだし と言うわけで、その思い出を胸に、林直道の『経済学入門』はタンスの奥にしまおう。
(中編へ続く)


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