「タカーシ日記」第十二回 <CUTS LIKE A KNIFE>
■投稿日時:2002年12月3日
■書き手:タカハシ(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

<11月25日(月)>

自分の中でUインターへの思い入れが希薄である事を確認しただけに終わったPRIDE23だが、サップが出なくともビッグショーである事は間違いなく、どのスポーツ紙もかなりの増ページで対応しているようだ。
その最大の要因はもちろん高田の引退ではなく吉田激勝!なのだが、どうにも違和感は拭いきれない。柔術愛好家としてホイスがダマシ討ち食らったという事もあるし、「フライ、そのポジションで顔殴れないの?」という素朴な疑問が心の引っかかりとなっている事もある。
ただ吉田参入によりプロ格闘技興行がビジネスとしてまた少し大きくなる事は間違いないのだから、ファンとしてその恩恵に少しでも浴せればヨシとしよう。もう船は動き始めているのだから。
さて、最近富みに思うのが、プロレス・格闘技記事の「観戦記ネット化」だ。実際問題観戦記ネットの影響なのか、シンクロニシティーなのかはわからないが(自分は「紙プロ」の影響が大きいと思うのだが)、チャカシと言うか言葉遊びがふんだんに取り入れられた文体が目立つようになった。
週プロ愛モードの01速報が、まるで観戦記ネット速報のフォーマットで書かれているかのような書き込みレポートをどこかの掲示板で見た記憶があるが、特にスゴいのはスポーツニッポンの美人記者、丸井乙生記者の01を中心としたインディー関連の記事。自分はどちらかと言うとスポーツ報知の佐藤奈緒記者の方がタイプなのだが、まぁそれはいいや。
「ドームではコンタクトレンズが目に食い込んでの敗戦となったガファリも、01のタッグトーナメントでは賞金がかかるとなれば、今度はどんなに目に食い込んでも視界良好だ」というのが最近の傑作だな。
今回のプライド記事に関しては東京スポーツの桜庭対アーセンの試合レポートが、まさにやりたい放題と言った感じで楽しめた。


結局試合のつまらなさを、書き手の腕で読み物としてカバーするとこうなるという事なのだろうか。ちなみに自分が書く場合は、自分なりに観戦記ネットのフォーマットに従って、多少の毒とどの試合が面白かったかを明らかにした上で、主観を全面に出して書いているつもり。上手く行ってるかどうかは読んだ人それぞれで判断して下さい。


<11月26日(火)>

図書館でゴング格闘技最新刊を読む。史上最大の対談と銘討たれた各誌名物編集長(元含む)の対談がバツグンに面白かったが、引っかかったのはターザン山本の「コンベンションができていない。インサイドワークがない。」という一節。コンベンションって何?初めて聞く言葉だが、スゴい隠語をポロッと口走ってしまったのではないだろうか?妙に気になる。
もうひとつは女子便所で前田のパンチをスウェーで避けた山田編集長。そもそもヒクソンを最初に紹介したのはこの人なのだが、その理由が「プロレスが嫌いだから、やっつけてやろうと思って」。ある意味この人のおかげでPRIDEが始まったようなもの。変人が歴史を動かす(キッカケを作る)のである。
でもこの人、前田をクサすためにか、猪木の格闘技戦は全部ガチみたいな事を平気で書いてた記憶があるぞ。いいのかよ。

この日の夜は01後楽園大会。大谷・田中対耕平・横井を見ながら格闘技からの転向(もしくはバイト)組を活かすのは、受けで試合を組み立てられる選手である事を再確認する。そうなるとやっぱり新日本はツラいよね。中西の奇跡に期待するしかなさそう・・・ってそれは興行のウリにはならないんだけどさ。
今回はカードがそれほど良くなかった事もあってか、まぁ満員といった入り具合。天下一武道会のはずなのにジュニアだからか、準決勝でも休憩前というのは橋本のプロレス観が出ているね。そう言えば大谷対田中の一騎討ちでさえ橋本の6人タッグの前だったし。
それにしても「天下一武道会」とか「ドラゴンボールを集めると願いが叶う」とか著作権に抵触しないのか?ハーレー斎藤はコスチュームのデザインを変えさせられたぞ。
試合は当たり前のように大谷・田中の試合がバツグンに面白かったが、前座でのロウキー人気の高さが何とも嬉しい。一匹狼風のキャラなんだから、コリノのセコンドに付いたりするのは辞めた方がいいと思うけどね。


<11月27日(水)>

水曜と言えば柔術だが、この日は世界一面白い闘龍門の後楽園大会なのである。が!今回はハッキリ言ってダメダメだった。理由は簡単、いくら何でも詰め込み過ぎですよ。
前回の後楽園大会から選手たちにプロデュースを任せているとウルティモ校長も言っていたが、とにかく思いついた全てのネタをその日の内にやってしまおう、という考えなのかボリューム満点ではあるけれど食い過ぎで気持ち悪くなった気分であった。
ここで思い出したのが細野不二彦の「あどりぶシネ倶楽部」の「どんなに苦労した撮影でも勇気を持ってカットする事により、作品をより活かす事になる」というエピソード。これまた15年くらい前のマンガだが、一緒に観戦したのがダイスさんなので、お互いまるで先週読んだかのように話が通じるんですよね。
自分も観戦記では思いついた事全て書いてしまいがちなのだが、それを削る事によって読み易さや伝えたい事が上手く出せるという事なんだろうな。もっとも最近は「こっちは日記ネタに取っておこう」というセコい考えがなくもないのだが。

・・・などと書いておきながらこの日の試合についてのダラダラ書き連ねていこう。
今回から教頭役の神田が試合前にカード発表と見所を軽く説明するようになったようだ。ストーリーがゴチャゴチャになった現状ではいいアイディアだと思う。これで地方でもメインではないアングルを展開し、後楽園に集中させないようにすれば、アラケンとペスカの「敗者髪伸ばしマッチ」の説明などを長々と聞かされないで済むのだ。
第3試合ではTARU欠場から市川、アラケン、ペスカの3WAYに変更となったが、隣の女の子は「そんな3WAY誰も喜ばないよ!」とシュートなつぶやきを連発していた。一番面白かったのは「T2Pは髪の毛サラサラのコが多い。何使ってるのか聞きたいよ!」だったな。
試合自体はメインだけが突出して面白かったが、今闘龍門に来ているファン層は自分とはかなり遠い処にいるので、その人たちにはバッチリOKストライクなのかも知れないから、これはもう何とも言えないな。
ただSUWAに対するリアクションはプロレスファンそのものだったので、それはちょっと安心。
あとマグナムたちのダンスに合わせて、推定6才くらいの女の子が一生懸命踊っていたのが可愛かった。もっと子供が見に来れるようになればいいんだけど。


<11月28日(木)>

この日記のタイトルはいつも曲名から取っているのだが、同じアーティストからは2度使わないようにしているため、我ながら苦しいな、という時もままある。今回は27日分の「余計なトコロはズバッと切れ!」に無理矢理引っ掛けてブライアン・アダムスの「CUTS LIKE A KNIFE」としていたのだが、思わぬトコロからモロな事件が起きていた。別れ話のもつれから棚橋がサムライのアシの子に刺されたという殺人未遂事件だ。
女の子が大して可愛くない・・・というのはさておき、刺した後に全裸で路上に出ているところを見た人がいるトコロからの推測だが、ヤッた後に別れを切り出されたらそりゃ女の子も怒るよね。
棚橋が健介組じゃなくT2000だったら、この道の権威である金本から色々レクチャーを受けられたのだろうが、せめてそんなエキセントリックな女の子相手なら、喫茶店とか人通りの多いところの方がベターでしたね。
それにしても身に覚えがあるからだろうが、新日本の各選手のコメントも棚橋に同情的だったのがなんとも笑える。新日本の数少ない「明るい未来」の棚橋の早期復帰(新日本でね)を期待しよう。


<11月29日(金)>

金曜と言えばもちろん柔術だが、この日の柔軟体操中の話題はやはり棚橋だった。とは言え植野師匠を筆頭にプロレスにはあまり興味のない人たちばかりなので、もっぱらキレイな別れ方や刺された事に対する感想などなど。
ちなみに自分は「ヤッた後に別れを切り出されてキレた」派なのだが、「体でつなぎ止めようとしたが、ダメだったので殺そうとした」という意見もあった。まぁどうなんでしょうね。
新日本関係者の「このスキャンダルを肥やしに」という発言には皆腹を抱えて笑っていた。世間とのズレッぷりを新日本は自覚して欲しいんだけど。

今週もスパーの時間を延長して5本ほどやったが、力を入れ過ぎて自滅してしまった。スパーの相手からも同じようなアドバイスをもらったが・・・どうも脱力してタイミングとバランスで相対するというのができない。
まぁそれができるようになれば、また1つ上のステップに上がれるというもんだ。
練習後はADCCの話になる。今年は開催されなかったものの来年はサンパウロでやるとの事で、早々とアメリカでは予選が終了しているそうだが、日本での予選の開催についてはまだ正式には決まっていないようだ。
植野師匠も今回あればやる気マンマンであるが(前回は推薦で出場選手が決定したため)、前々回は計量で3回チャレンジしたもののあと200グラムがどうしても落ちずに断念したそうだ。しかも後日、正式には65キロではなく65.8キロがリミットで、日本側の間違いであった事が判明したというオチまで付いていたのだ。
アブダビの王子に気に入られればこれからは強くなる事(と王子のご機嫌を損ねない事)だけを考えて生きていけるのだから、世界のトップ選手の目の色も変わるのが当たり前。ブラジルでは1000人近くがエントリー希望だとか。
そう言えば前田はアタッシュケースに収められたたくさんの指輪から「ひとつ選んで下さい」と言われたものの、ついつい 「金の斧と銀の斧」の話が頭をよぎって小さめのを選んでしまったとか。その点品川さんは実原君にはその中で一瞬で一番大きいのを選び、迷わずそれを取るように言い聞かせると言っていた。サスガです。


<11月30日(土)>

仕事を時間通りに終わらせ、いざパンクラス横浜文体へ。ライガー対鈴木は別にどうでもいいが、どうにもヒマなので行く事にした。あえて目玉を挙げるなら美濃輪対佐々木かな。今回は佐々木の圧勝を予想していたのだが。
パンクラスの横浜文体というと思い出すのが、船木対ルッテン、鈴木対シャムロックの2大カードでの文体初進出。この日が初のパンクラ観戦だったのだが、メインの鈴木対シャムロックでは、カメで固まってディフェンスしていた鈴木に対して、試合を動かそうとしてか大きく動いたケンシャムの足かなんかをパッと取っての逆転勝ち。
もちろん鈴木は大喜びだったが、「お前が動かないからだろ!」と非常に不愉快な気分で会場を後にしたものだ。
外に出ると「これだけつまらねぇーんだから真剣勝負なんだろ?」と吐き捨てるように言っている人までいたのはズバリだったけど。
今回諸事情により楽しみにしていたアルメイダの試合が見る事ができなかったのは非常に悔やまれるが、メモ8さんの速報の「渋谷はよくやった。アルメイダが強過ぎただけ」というので、全部わかってしまったような気もする。それにしてもパンクラスの場合、強豪選手は2度と呼べないかも知れないのだから、菊田の相手もパルプンテとかじゃなく、いきなりアルメイダをぶつけるとか、次の保証がないカードの先送りは辞めて欲しいな。
鈴木対ライガーについてはまぁ予想通り。アクシデント以外でのライガーの勝ちは考えられないもんな。
それにしても健介どうするんだろう。こんな状況下でも棚橋のお見舞いに行くところを見ても、アタマが極端に悪い(いいブレーンがいないというか)だけで、メチャクチャいい人ではあるんだよな。突き詰めて考えれば結局器用な選手でしかない永田よりも遥かに魅力的なんだけどなぁ。

<12月1日(日)>

年内メドとしていたこの連載もようやく最後の月を迎えた。「猪木祭3」が火曜なので、2日の木曜アップを最終回とさせてもらおう。新年早々からですが、技術担当の方お願いしますね。

この日は全日本の最強タッグ後楽園大会だが、大谷組対武藤組、小島組対天龍組とこのカードを後楽園に集中させていいのかよ!というマッチメークである。まぁ見に行く分には文句言っちゃいけないわな。
試合内容については特筆する事なし。大谷・田中組も今の武藤・アニマル相手では多くを期待してはいけないとぃうものだ。アッサムとウィリアムスの対戦で世代交替の予感までは行かなかったのも残念。
01の両国大会は大谷対小島にカシン対小笠原と何とも微妙なカード。まぁ行く事は間違いないのだが、できれば田中対アッサムも組んで欲しいところだ。あとはロウキーのカードに期待かな。





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