「某っちのVT群雄伝」第三回
第一部 悪ガキと先駆者(ティトとライオンズ・デン抗争史)パート3
■投稿日時:2002年11月20日
■書き手:某っち (ex:「格闘潮吹きマン○固め!!」

第一部 悪ガキと先駆者(ティトとライオンズ・デン抗争史)

第四章 タンクとの別れ


デビュー戦を終えたティトにあったのは、メッツアーへの怒りだけだった。
奴はタップしたはずだ! タップしてなくてもレフリーがストップしたじゃないか!
逆に俺はタップをしてないのにレフリーに止められた、俺は負けを認めて無いのに・・・・


しかし、当時の柔術をまったく知らないティトでは、あのメッツアーのギロチンから脱出するが不可能なのは素人目にも分かる事だった。
当然、ティトもその事に気づくのに時間はかからなかった。

メッツアーに復讐してやる! だが、その為にはレスリングだけじゃだめだ。柔術、キック、あらゆるものを経験し、吸収していきたい。もっと強くなるために!
しかし、向上心をもった若者にはチーム・タンクはあまりに環境が悪すぎた。
なにせ、このタンクは格闘技と言うものを根底から否定している。そればかりではない、相手が格闘家、一般人問わず、誰もリスペクトしない、誰にでも喧嘩をふっかける。
こんなチームでは技術交流など夢のまた夢だ。

そこでティトは独自に仲間を増やしていく事にした。
そんな中、自分の地元に、同じVT戦士であるジョン・ローバーと言う選手がいる事を知ったのであった。エクストリーム・ファイティングやパンクラスで活躍してるキックベースの選手だ。
ティトは早速、彼に連絡を取った。
キックの技術を教えてくれ! 技術交流をしよう! ローバーは快くティトの申し出を受けた。

これがチーム・パニッシュメントの始まりであった。

さらにUFCで知り合ったチャック・リデルとも連絡を取り合った。
そう、のちにランデルマン、ビクトーら中量級のトップ選手を倒す、現在UFCの裏番長、マニア筋では中量級最強と恐れられるチャック・リデルである。
もっとも、当時はジェレミー・ホーンに絞め落とされるレベルではあったのだが。

リデルはキックの選手で自分のジムももっていたが、日本でルミナらと好勝負を繰り広げ、かつてはヒクソンの弟子であり、現在、BJペン、ヴィトー・ヒベイロ、ジョン・ホーキらをもって世界の軽量級を席巻している、ノヴァ・ウニオンの中心人物である柔術家ジョン・ルイスの弟子でもあった。
リデルの紹介でルイスとも親交が出来た。キック、柔術、ティトの猛稽古が始まったのであった。
だが、辛くはなかった。ティトはハードトレーニングを重ね、スポンジが水を吸い込む様にメキメキと力を付けていったのだ。

しかしここで問題が起こった。ティトの行動を快く思わない者がいたのだ。
そう、タンク・アボットだ。
ティト、お前は俺様に隠れてなんかやってるらしいな? キック? 柔術? そんなもん女のやる事だろ! そんなもんやめちまえ!

実はタンクの柔術嫌いには訳があった。
かつてタンクの突然の気まぐれで、柔術を学ぶと言い出した事があったのだ。行った先はアラン・ゴエスの道場。プライドでもお馴染みのブラジリアン柔術の黒帯だ。
しかし柔術をまるで知らないタンクもティトも、ゴエスをはじめとした柔術勢に何も出来ずタップを奪われまくった。
激怒したタンクはこんなもん女のやる事だ! 柔術なんてくだらねえ! と捨て台詞を残して去ってしまったのだ。
その後、UFCでゴエスとはストリートファイト寸前にまでなっている。タンクの柔術嫌いは半端では無かった。

タンク、あんたは自分だけで強くなれるかもしれない。でも俺はもっと色んな技術を学んでいきたいんだ! 分かってくれ!
うるせえ! 分かってたまるか! 柔術をやるならチーム・タンク追放だ!

ティトはチーム・タンクを去る事になった。

「ボス、あまりに短気過ぎないですか? ティトは才能のある奴だ、惜しい気がしますが」
タンク軍団の番頭、ヘレイラがタンクを取りなした。
いいんだ。奴はこんな所にいるべきじゃない。それに俺はもうすぐプロレス(WCW)に行く。もう奴の面倒をみてられねぇ、これでいいんだ
そう、この時すでにタンクはWCWと契約を済ませていたのだった。

こうして、2人は別々の道へ進む事になった。

タンクと別れた後、ティトはタンクとの時代が無駄では無かった事を主張してる。
確かにタンクは問題の多い奴だった、だが奴からはファイティング・スピリッツを教わった、これは今でも俺の胸に生きている・・・・・


第五章 UFC18

タンクと別れたティトは、盟友ローバー、リデル、それにルイスの所にいたアメリカの脚関節の鬼、現在はプロモーターであるスコット・アダムスらと共に、チーム・パニッシュメントを結成。ルイスにもコーチとして参加してもらった。

練習環境を整えたティトは、更に猛練習に明け暮れた。メッツアーへの復讐のその時まで、牙を研いでその機会を待った。
そんなティトに再びUFCから参戦要請が届いたのであった。対戦相手はジェリー・ボーランダー。
メッツアーと同じライオンズ・デンの選手だ。

面白い・・・・・、ティトは快諾した。

しかし実はティトは噛ませ犬として呼ばれたのであった。
当時のボーランダーは柔術の強豪、ファビオ・グージュウ、そしてバルセロナ五輪レスリング金メダリストの英雄であるケビン・ジャクソンを下して一躍世界の中量級のトップに躍り出ていた。
ここでティトに勝てば、次回大会で当時超新星と称され、UFCでトップ選手であったビクトー・ベウフォートとのミドル級王者決定戦が内定していたのだ。
ライオンズ・デンというUFCのエリート集団から飛び出たニューカマー、ボーランダーへの主催者の期待は大きかった。

またライオンズ・デンの結束は堅い、ボーランダーもメッツアーと戦ったティトとの因縁は当然意識しており、ことある事にティトをバカにする挑発を繰り返した。

奴は偏ったファイターだ、我々の様なオールラウンドな技術を持ち合わせていない。まあまぐれが無いとは言わないが、私が勝利する可能性が圧倒的だろうね。
偏ったファイターに勝利を呼び込む事は出来ないだろう。奴は私に倒される為にオクタゴンに入るのだ。可哀想なものだ


オクタゴンへの入場から、ボーランダーとライオンズ・デン勢は余裕しゃくしゃくだった。
だが、この時のティトがかつての偏ったファイターでは無かった事を、ボーランダーはオクタゴンで思い知る事になる。

ティトをタックルを軽く受け流し引き込み気味にガードを取るボーランダー。
俺はあのジャクソンからもタップを奪ったんだ。何も知らない奴なら、簡単に下からの極めでお終いだ
ボーランダーは下から腕十字、三角締め、アームロックを次々と試みる、だが・・・・・
な、何故だ、何故極まらない・・・・・、俺は悪い夢でも見ているのか・・・・
ティトはボーランダーの仕掛けを全て凌いでみせたのである。

ふふふ、俺は以前の俺じゃない、あんたの計算違いだったみたいだな、さあ、今度はこっちからいくぜ!
インサイドからティトが、ハンマーパンチを肘を、ボーランダーの顔面に矢継ぎ早に叩き込む! ボーランダーの顔面が鮮血で赤く染まった。
ガツッ、ガツッ、躊躇無くティトが更に鉄拳を叩き込んだ。

「ス、ストップだぁ〜〜〜、ドクターを呼べ〜〜〜」
レフリーのマッカッシーが試合を止めた。ティトのTKO勝利だった。

ティトはライオンズ・デンに一矢報いたのだ。
さあ、お次、お次はあんたの番だぜ!
ティトが睨み付ける先には、セコンドのガイ・メッツアーの姿があった・・・・・・・

(つづく)




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