「週刊タカーシ(仮題)」第十二回 <FANTASISTA>
■投稿日時:2002年7月2日
■書き手:タカハシ(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

ワールド・カップがようやく終わった。最初は「早く始まって早く終わんないかな」と思っていたがのだが、偶然見た開幕戦の「フランス対セネガル」でのセネガルのゴールの後の「呪いの儀式」にやられてしまい、それ以降は3試合に1回くらいの割で見る事となった。
自分でも意外だったがすっかりハマってしまい、予選でのイングランド対アルゼンチンなどは闘龍門後楽園大会と柔術クラスと同日であったが、あの日に限ってはW杯>闘龍門>柔術だったな(チケットを買っていたので闘龍門に行ったが)。
今回はいつもより文章量が少なめになりそうなので、もう少しサッカーで文字数を稼ぐ事にするが、とにかくサッカーについてはサッカーマンガをいくつか読んだくらいの知識なので、「キャプテン翼:ROAD TO 2002(週刊ヤングジャンプ連載中)」も特に疑問なくサクサク読めてしまう。普通のサッカーファンには「リングにかけろ2」を自分が読むのと変わらないくらいのトンデモなのかも知れないが。

ちなみに個人的に選ぶサッカーマンガのベスト3は・・・
1:「オフサイド」塀内夏子
2:「GET!フジ丸」能田達規
3:「キャプテン翼」高橋陽一
と言ったところかな。
ひと昔前のサッカーマンガと大きく変わったのは魔球よりも、オフサイドの存在するルールでやってるかどうかかも知れないなどと思ったりもする。それにしても塀内夏子のマンガはいつも、ジャンプだったらもう少し続きを書かせてしまうような余韻のある終わり方をしているなぁ。

さて現実のサッカーに話を戻そう。

選手を評する言葉に「ファンタジスタ」というのがある。これはセオリーに囚われない独創的なプレイをする選手へのものだそうで、日本代表クラスではマリノスの中村俊輔がこれに相当するのだそうだ。1次リーグを負けナシで勝ち上がった事もあり、「俊輔がいれば・・・」という言葉は聞かなかったが、トルコに負けたとなると急に「コーナーキックを起点とした攻撃では得点できなかった」とか「乱戦の時は声を出すタイプの川口の方がベター」とか言い出す人が案の定出てきたのはどこの世界も同じだなー、と思わせる。
勝手な事を言わせてもらえば「日本サッカー界の女神」とか呼ばれる白石美帆の顔を見て「これじゃダメだな」と思ったもんですよ。やっぱり勝利を呼び寄せようというなら、藤原紀香のように一度掴んだら爪がはがれようとも笑顔をキープしたまま決して離さないような人にしないと。余りにも色々なところに首を突っ込んでるんで有難味は希薄だけど、白石美帆じゃ「何もできないけど、見守ってるから!」とか言えばOKだと思ってそうだもんな。
まー、よく知らないけど。

さて、ここでようやく話がプロレスに戻るのだが、その「ファンタジスタ」の名にふさわしい選手と言えば「セオリーに囚われない独創的なプレイ」というところで、ついついジョージ高野や中西学を思い浮かべてしまう。中西対ルッテンの素晴らしさを書き連ねるのも悪くは無いが、ここはちょっと違う角度で「ファンタジスタ」という言葉のイメージにふさわしい選手について考えてみたい。
サッカー用語では本当はもっと適切な言葉があるのかも知れないが、自分が「ファンタジスタ」という語感から名前を思い浮かべるのはやはり初代タイガーマスクこと佐山サトルだ。タイガーマスクがデビューしてからもう20年以上経っているのに、ビデオさえあれば未だに色あせずにTV画面の中では誰よりも素晴らしい動きを見せている。
これは数年前ミステル・カカオ(現マッチョ・パンプ)に直接聞いた話だが、メキシコのルチャの選手たちとパーティー形式の食事会をした時に、パーティー会場でビデオを流しても「ワグナーJrはどんな仕事ぶりをする事で新日本から呼んでもらえているのか?」という観点くらいでしかビデオを見る人はいなかったらしい。
しかしそれでも佐山タイガーの試合に限っては誰もが食い入るように見るのだそうだ。
先日出版されたDrマサも執筆している「現代思想」増刊では流智美氏が「ドリー・ファンクJrの出現が近代プロレスを変えた」と書いていたが、自分の世代ではやはり佐山タイガーとダイナマイト・キッドがそれに当たるように思う。
これは1wrestling.comの記者であるクリスさんも同意見で、
「ボクは佐山タイガーの影響の大きい選手を"タイガーマスク・チルドレン"と呼んでいるんだ」
と言ったら笑顔で「いいね!」と言ってくれたのは嬉しかったな。
もう少し佐山について書いていくと、折原がメキシコのプロレス道場でいくつか技を習ったら、「これはサヤマ・××。これは○○・サヤマ。」といくつも佐山が開発したらしい技を教わったのだそうだ。
本当かどうかは知らないがロシアでは佐山理論のキックをサヤマキックと呼んでいるのだそうだが、一度その佐山理論が元パンクラスの山田によって披露された事があるので、そのまま紹介する事で佐山についてはひとまず終わる事にしよう。

「(佐山の口調で)あのさぁ、キックっていうのはぁ、水を貯めに貯めたダムがバーッ!と一気に放出する感じ?」続けて「わかんねっつーの。3年間習って最後までわかんなかった(苦笑)」とも言っていたけどね。

さて次に名前を挙げるとしたなら、ここで誰もが思い浮かぶであろう「武藤敬司」という名前を敢えて飛ばして、現在療養中のハヤブサの名を挙げたい。今度はバスケットに話が飛んでしまうが、マイケル・ジョーダンのニックネームである「エアー」は空中での目に焼きつくようなその動きから来るものだと思う。そしてその言葉を自分が実感できた最初の選手がハヤブサだ。
ハヤブサは飛び技ではフェニックス・スプラッシュ以外はオリジナルのものはないんじゃないかと思う。それ自体はまさに誰もマネができそうにないシロモノであるが、彼のスゴイところは普通の飛び技であるドロップキックやフライング・クロスボディがその華麗な動きと滞空時間の長さで、全く別物のように思えてしまうところだ。
「華がある」とは本当に彼のためにあるような言葉だ。
ただハヤブサは決してプロレスが巧い選手ではないし、そこまで求めるのは酷であるほどの素晴らしい動きを見せてくれた選手だ(過去形にしなくてはいけないのが哀しいが)。ハヤブサのような試合の組み立てはともかく、強烈なインパクトのあるスポットをこなせるを自分は最大のリスペクトを持って「ハヤブサタイプ」と呼んでいる。
これは田中さん経由で聞いたポール・Eの話だが、マイク・アッサムをECWヘビー級王者として据えた時は、「対戦相手に田中将斗がいるから(アッサムを)メインで使える」と言っていたのだそうだ。
この辺りはWWFも結構組み合わせを考えていて、ケヴィン・ナッシュ(当時ディーゼル)がWWF王者になった時はショーンやブレットといった試合巧者との対戦で、レッスルマニアやサバイバー・シリーズといった重要なPPV大会を乗り切っていたものだ。

もう一人名前を挙げるとしたらこれまた現在療養中の丸藤直道だろう。NOAH参戦以降の弾けたような試合ぶりを初めて見たのは01旗揚げ戦の時で、NOAHの「自由」という気風を強く感じさせてもらったものだ。
ちなみに時系的にもレイ・ミステリオJrも挙げるべきかとは思ったが、さすがにいくらなんでも小さ過ぎて、佐山やハヤブサあたりと並べて評するのもどうかと思うのでナシとしました。
丸藤に関しては語るべき事は自分にはまだまだないが、上記の2人はキラメキのごとく短期間だけでその「FANTASISTA」と呼びたくなるような時間を終えてしまっている。ハヤブサなどは「知る人ぞ知る」の典型のような終わり方で、下手をすると「過剰に進化したプロレスの犠牲者」としてしか語られないかも知れない。
丸藤には武藤のように自分のその時のコンディションに応じたプロレスで、いつまでも「FANTASISTA」のイメージを感じさせてくれる試合を見せ続けて欲しい。ラッシャー木村よりも早くリングから降りるなどといった事がないように・・・。

この項についてはこれで終わりとすると「誰か忘れてるんじゃないのぉ〜」と言われそうなのは明白だが、書いたら書いたで「この前の昼夜興行見てないのに・・・」とも言われそうなので、永島については他の女子選手と共にいつかまた別の機会で書いてみようと思う。

<先週見た興行>
先週は27日の01のみ。試合はカードから予想されるレベルを越えるものは何一つありませんでした。
あととにかくコリノ試合長過ぎ。アイツは前半の2試合目くらいで8分くらいの試合してればいいよ。
ズバリ言って興行全体の調和を台無しにしていると思うが、本人は仕方ないにしろ01のスタッフは気付いて欲しいところだ。
今回は速報も書かなかったのでちょいと長めで失礼するが、第2試合のスパンキー&スメリーはひねリンさん情報によると、UPWで勝手に企画したジュニアトーナメントのファイナリストで、日本で決勝をする事にアメリカ(のごく一部の地域)では宣伝されているらしいが、そんな事はおくびにも出さずに試合していた。スパンキーはグッドルッキン・ボーイのジェリコ・シートという感じであったが、ショーン・マイケルズのレスリングスクール卒業生らしい。日本のビデオ見まくってるんだろなって試合でした。スメリーは・・・グッド・シェイプな体でしたね。似たような名前ではあるが別にタッグチームというわけではないそうだ。
坂田と横井はそつなくやってる感じ。佐藤耕平が坂田相手に気圧されていたのは安心したと言うかなんと言うか。
石川のヒール人気は大したものだったが、ベビー・タ−ンすればアッサリ受け入れられるような気もする。
休憩明けには「火祭りリーグ」参加希望者が続々とリングに上がるシーンはスケールは比べモノにならないものの、かつて87年のIWGP決勝の時に長州がアジテーションして世代抗争のスタートとなった時の事を思い出した。単純なもんでこの日はコレだけで満足しちゃいましたね。個人的には黒田のブレイク希望。優勝は田中将斗を予想。
さて今回も休憩時に、先日のターザン&吉田豪イベントで声をかけてくれた女の子から再び声をかけられる。一緒にいた愚傾さんが「なるほど確かにキュートですね。あんな子がプロレスなんか見てちゃいけませんね」と言っていたが、別に彼女がプロレス見続けてるのはオレのせいじゃない。とりあえず「幻じゃない美少女」である事だけは証明されたが。
あと案の定観戦記ネットはその存在すら知らないようであった。ガックン。





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