超・週刊プロレス 第六号「頑張ろうぜい篠社長」
■日時:2001年7月4日
■書き手:愚傾(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

 はい。どうも。愚傾です。

 このコラムを読んでくれてる人の何割が気付いてくれてるかわからないですけど、実はですね、当コラムの連載を始めてからというものの、手前は大阪、全日本、コンテンダーズ、フリーハンド、SmackGirlの五興行を生観戦してるわけなんですけど、それらの観戦記を一本も仕上げてないんですよね。

 こんな情けない話はないですよ。手前は他人に職業を聞かれたときに「オマエは何者かって? オレは”観戦記書き”さ」と答えるほど……というのはまぁさすがに嘘ですけど、ようするにそのくらいの気概を持ってKANSENKI.NETのライターというのをやってるわけなんですが、観戦記を書かない観戦記書きほど生産性の無い存在っていうのもなかなかないですし、ちょっと反省した次第です。

 とりあえずですね、今月からは心を入れ替えて、本業である観戦記書きのほうも精進していきたいと思います。さしあたっては今週金曜日の修斗後楽園大会ですか。こっからまた観戦記道のほうも邁進していきますんで。乞うご期待。

 で、前回書いたことに対して読者の方からお便りを頂きました。で、そこには(勝手に紹介させて頂きますが、ご容赦のほどを>T様)「愚傾の分析そのものには感服するが、「三沢は死にたがってる」という結論には、プロレスラーの中では三沢に一番脅威を感じてる人間として寂しいものがある」と書かれてたんですよ。

 この気持ちはねぇ、非常によくわかりますよ。実際のところ、手前にしたって「三沢の死」を受け入れるだけの覚悟ができてるのかどうか正直疑問ですし。

 ただ、後進のために死ねるレスラーって少ないじゃないですか。
 古くはジャイアント馬場だったり、最近では船木誠勝がいたりするわけですけど、例えば長州力なんかは明らかに「死ぬ」ということに失敗してますよね。あと、海外の例で言えばブレット・ハートなんか、死にたくもないのに勝手に会社(WWF)に殺されたりもしてるじゃないすか。
 そういう例を見せられると、やっぱり三沢には「自決」の道を選んで欲しいな、と思うわけです。

 勿論、寂しさはあります。
 けど、手前は「プロレスラー・三沢光晴」の大ファンですが、それ以上に「人間・三沢光晴」が好きなので、それでいいんです。

 というわけで枕が長くなりましたけど、今週の本題。

 2001年もちょうど半分が経過したばっかりだというのにいきなり来年の話をします。渕正信やターザン後藤も大爆笑でしょうね。「来年の話をすれば鬼が笑う」と言いますし。
 まぁそれはともかく、2002年にマット界の台風の目になりそうな人物として、手前が注目してる人がいます。ReMix、渋谷系女子格闘技SmackGirl(以下、SG)、渋谷系女子プロレス(以下、渋女)を手掛ける篠泰樹プロデューサー(以下、篠社長)です。

 あの、プロレス/格闘技界には「注目度」と「集客力」がまったく比例しないというパターンがよくあると思うんですけど、その最たる例がのReMixとSGじゃないかと思うんですよね。次点は埼玉プロレスと掣圏道かな。五月のReMixも、その後で行われた二回のSGも注目度そのものは高いほうだと思うんですよ。でも、それが客足に繋がってない。

 何が原因かっていうと、結局のところ、前面に立っている篠泰樹プロデューサーという人物に【実体】が無いからじゃないかと。いや、無いって言ったら語弊があるんですけど、でも多くのファンは「ていうか、篠って何者?」という印象を持ってると思うんですよ。

 ガチンコ興行におけるプロデューサーっていうのは、往々にして【実体】があります。
 例えば正道会館の石井館長、リングスの前田CEO、修斗の坂本プロデューサー、掣圏道の佐山宗家、シュートボクシングのシーザー武志会長っていうのは「元選手」という【実体】があるじゃないですか。コンテンダーズの宇野やウルフ・レボリューションの魔裟斗なんかは「現役選手」ですし。

 逆にプロデューサーに【実体】が無い組織の場合はその代わりに【客を呼べる選手】がいます。初期のPRIDEやコロシアム2000なんかがこのパターンですね。UFC-JやDEEP2001は【実体】も【客を呼べる選手】もないのでコケました。

 で、ReMixとSGの場合はどうか。
 篠社長には「プロレス村」での実績(ブリザードYUKIの原案、W★INGの元スタッフ、ネオレディースの社長etc)はともかく、「ガチンコ村」での実績は殆ど無いですよね。つまり、上で述べたようにプロデューサーとしての【実体】を感じられる要素が希薄なわけです。
 ならば【客を呼べる選手】がReMixやSGにいるのかというと、これまた厳しい。女子格闘技って未開のジャンルですからね。藪下やクーネンやグンダレンコをつぎ込んだ代々木大会があの程度の入りだったことが現実です。

 たぶん、こう言うと「ReMixもSGもガチンコ村の客層などハナッから相手にしてないのでは?」という反論がきそうですけどね。実際、桜庭あつこをリングに上げたりして一般メディアに取り上げられたりしてるわけですし。それでも篠社長が「ガチンコ村」への対応を疎かにしてるか、そうじゃなくても「村の中」に入れてないというのは異論が無いとこでしょう。それで構わない、といわれたらその通りかもしれないですけど。

 ただ、手前に言わせれば「村の中」ですら輝けない存在が「村の外」から相手にされるわけないんですよね。WWFもPRIDEも新日本も「村の外」だけで注目されてるわけじゃないですから。「村の中」でもキッチリ注目されてるわけですよ。

 ReMixもSGも「藪下や八木、星野が出る興行」じゃなくて「篠社長がやってる興行」なわけじゃないですか。つまり「ReMix/SG=篠」なわけです。長州力っぽく言えば「篠! RとSはオマエなんだよ!」というか。

 そこで、個人的に「篠社長に是非ともやって欲しい!」のが、修斗やパンクラスといった後楽園ホールのガチンコ興行の視察ですね。視察、というとちょっと違うかな。コンテンダーズくらいに洗練された興行ならともかく、いまさら修斗やパンクラスの興行形態から篠社長が学ぶべきものなんて無いでしょうから。
 だから、視察というよりは自らが広告塔となっての宣伝ですよね。あの、NeoDDTをやってた頃のように髪をシルバーに染めて、目立つ格好で後楽園を練り歩く、と。そうすれば絶対に「あ、あの人ってReMixのプロデューサーじゃなかったっけ? へぇ、こういう興行もちゃんと見てるんだ」という風に思われますから。そうなれば「村の中」で意識は確実に違ってきます。

 ようは、まぁアレですな。篠社長も、もう少しガチンコ村に取り入ってみてはどうか? ということなんです。広い世間に目を向けることも当然必要ですけど、その一方でガチンコ村の人たちも先導しましょうよ、と。ソフト(選手、試合)そのものは絶対的に面白いんだから。

 渋女が「99%ファンタジーと1%の真実」という路線だからって、ReMixとSGまで「99%の一般大衆と、1%のガチンコ狂」にする必要は無いと思うんですよ。せめて一般大衆とガチンコ狂の割合を9:1くらいにできれば、状況はかなり変わってきます。2001年下半期は、そのための種蒔きに費やす時期じゃないかと。

 字数も尽きてきたので「渋女」については次回に。

 そいではまた来週。





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