復活☆師弟対談 Part1 「五月二日 新日本プロレス東京ドーム大会」
■日時:2003年4月29日
■書き手:品川 愚傾(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

品: いやあ、それにしても久しぶりだな。
愚: かれこれ一年半ぶりですか。
品: いま仕事のほうはどうしてるんだ?
愚: とりあえず、出向先との契約を満了したので充電中です。先月と先々月とマトモに体を休められる日が一日たりとも無かったっすからね
品: おまえの場合は充電期間が長すぎるからな。漏電するまで充電するだろう。
愚: いやいや、今回は充電中の生活費に充てる蓄えもあんまり無いっすからね。来月中にはまた働きだしますよ。
品: 「働かざるもの食うべからず」だからな。
愚: やっぱ人間「JOB(ジョブ)」しないやつはダメってことですね。
品: そうだよ。JOBするといえば今度(五月二日)の東京ドームでの蝶野な…。
愚: また上手いこと繋ぎますね(笑)。
品: ほんとよくやってるよな。武藤に逃げられて橋本に逃げられ、小川(直也)にソッポ向かれてな。長州と永島も出てっちゃって、挙句の果てには猪木に怒られる(笑)。そういうなかで現場監督として日本一のメジャー団体を切り盛りしてるっていうのは偉いよ、ホントに。
愚: なんか4.26別府大会で左ひざ怪我した!怪我した!って(靭帯損傷)スポーツ紙に載せて当日への不調ぶり煽ったり大変ですね。もう頭下がりますね。今度の小橋戦も九割九分九厘九毛…もっとか? そのくらいの確率で蝶野が寝るでしょうし。
品: おまえは無職で自宅で寝っ転がってばっかだけどな。
愚: いや自分も立つときゃ立ちますけどもね(笑)。
品: まあ、三沢がGHC王座を譲ったり。怪我したりなんだので紆余曲折あったけどね。そういう意味では遠回りしたけど、ようやくNOAHっていう団体は「勝負」をかける体勢が整ったわけだよな。今年こそはNOAHの、ひいては「小橋の年」にしなきゃいけないと私は思うんだよな。
愚: なんか自分がノアヲタだからって気ぃ使ってないすか? これがmayaさん相手だったら「今年こそはGAEAの年にしなきゃいけない」って言ってそうな気がしないでもないんですが(笑)。
品: バカヤロウ(笑)。オレはな昔から馬場全日プロレススタイルの正統継承団体はNOAHだけだと思ってたんだよ。「NOAHだけがガチ」だよ。

・・・いや、一つだけ暗雲たちこめたのが大森の離脱だよな。ド真ん中団体に行っちゃったじゃない。
愚: 行きましたね。
品: ありゃぁ 三沢社長も久しぶりにマジで怒ってたな。怒るってか呆れてた。そもそも大森はなんでアメリカ行ったんだ?
愚: 本人的には、かねてからの夢だったみたいですね。全日時代からそんなことを言ってたような気がするんですけど。
品: 馬場夫妻が行かせるわけないわな。
愚: ないですね(笑)。んで、まぁノーフィアーっていうタッグチームをやってくうちに、高山はどんどんステータスを上げているのに対して、自分はやることが頭打ちになってきた、と。そこで海外に活路を見出したみたいなことは本人も言ってたし、実際そんなところでしょう。
品: でも高山の場合はNOAHが旗揚げのときから(表向きは所属だが)、フリーとして参戦してたわけじゃない。そこでいとうさんていう辣腕マネージャーがいて、良きビジネスパートナーと二人三脚で歩んでいくことができたわけだけど、大森はそうじゃないよな?
愚: だからアメリカにいって「セルフプロデュース」のなんたるかを学ぶつもりなのかと思ったんですけどね。どうもそこまでのビジョンは持ってなかったぽいです。東北や九州の田舎者が「東京にいけば何かが俺を待っている」って勘違いするみたいなもんじゃないすか?
品: 何も待ってなかったわけだがな。
愚: 本人的には「荒野に立ち向かうドンキホーテ」なんだけど、ハタから見れば「東京に向う吉幾三」というか。
品: 東京で牛が飼えると思ってしまったわけだな(笑)。で、うまいこといかずに失意のうちに帰ってきたところに永島さんの「悪魔の囁き」があった、と。
愚: そりゃ気持ちも傾きますよね。「健介と並ばせるよ」とか「年収も倍払うよ」くらいのことは言ったでしょうし。吉幾三だって千昌夫にそそのかされて演歌を歌ったら大当たりしたわけだし。
品: WJの社長も金持ってるもんな。金持ちの意見は強いな(笑)。
愚: 大森に限らず、よっぽどNOAHっていう団体に愛着のある選手でも無い限り動くと思いますよ。自分は「金で動いた」ことを責めるつもりは全然無いんですよ。プロフェッショナルとして当然の選択だと思うし。我々一般人だって安月給に嫌気がさして会社を辞めたりするじゃないですか。
品: おまえは、そこそこの給料を貰ってるにも関わらず仕事そのものに嫌気がさしたりするけどな。
愚: いやまぁそうなんですけど(笑)、とりあえず大森に関しては新天地で頑張って欲しいと思いますよ。できればNOAHで頑張って欲しかったというのが本音っちゃぁ本音ですけど。なんだかんだ言って自分も期待してましたもん。
品: いずれは健想の踏み台にされることくらいわかりそうなもんだけどなあ。わからんのかね。
愚: 健想も「いずれは大森を踏み台にする」ってことがわかってなさそうですが(笑)。
品: あいつこそ「ド真ん中」を象徴するファイターだよな。道場のド真ん中でファンの女をヤッちゃうし。
愚: できたばっかりのWJ道場でもそういう伝説を作って欲しいですよね。
品: あの道場って大田区に出来たんだよな。こないだ餅つきやってたよ。ハチマキしめた長州が「どまんなかー! どまんなかー!」っていう掛け声をあげながら餅をペッタンペッタンしてたのは笑ったな。
愚: トンチが効いてるのか痴呆が進んでるのか微妙なとこですね(笑)。
品: 時代錯誤も甚だしいしな。やっぱり猪木さんが新日本を仕切りだすようになった時点で彼の役目は終わったんだろうな。まあここで強引に話を戻すけど、今度の五月のドーム大会だけどな。
愚: はいはい。
品: 去年の暮れから石井館長が逮捕されたり、森下社長がブラブラ…いやその不可解な事件があったり、格闘技界がゴチャゴチャしてるなかで、ついに新日本がVTを導入するわけだけども。
愚: そうですね。
品: 昔、ドームの興行っていうのはVALISっていうビデオ会社の社長(新日)が仕切ってたわけだけどな、これが全日本のほうにいっちゃったから残されたものが仕切るようになったんだけど、今回のVT導入っていうのはやっぱり事件というか、画期的かつ実験的な試みだよな。
愚: なんかルールブックに凄いことが書いてあるらしいですね。「試合前の談合は禁止」とか、「馴れ合い試合は禁止」とか(笑)。
品: いままでの試合では談合とか馴れ合いがあったのかっていう話だよな(笑)。まあともかく、本気の本気でシュートをやるってことだな。レフェリーも和田(良覚)さんだしな。
愚: スマックガールでもお世話になってる和田さんだ(笑)。ある程度「大人の約束」も知ってるけど、やっぱりシュートのレフェリーですよね。少なくとも島田裕二よりは全然シロい。
品: で、今回の一番のポイントは中西vs藤田だな。
愚: ですよね。中西はシリーズも休んでエンセンのところで練習してるとか。
品: エンセンは中西の練習を見てクスクス笑ってたらしいな。相変わらず性格良いなアイツ(笑)。まあ、どうなるかねえ。下馬評では藤田圧勝だろうと言われてるし、実際にそうなるだろうな。
愚: 中西がどれだけ場を盛り上げるか…ですよね。個人的にはプロレス技を使っての玉砕とかっていうのはあんまり見たくないですけど。
品: ほう?
愚: 食傷気味なんですよね。ライガーが鈴木みのるに対して浴びせ蹴りをやったことにしても、自分はあんまりピンとこないんです。ヘンゾに延々としがみついてた小原みたいな「負けたくない」という心意気のほうが、いまの自分には琴線に触れやすいです。
品: 今回は全部で五試合か? LYOTOと謙吾、バーネットとアンブリッツ、スミヤバザルと高阪、中邑とノルキヤか。
愚: 世間一般的には「横綱の実兄」っていうことでスミヤバザルが目玉なんでしょうけど、やっぱりプロレスファンにとっては中西じゃないですか。個人的には、なんで中西にVTやらせるのかまったくわからないですけど。
品: まあ中西が負けたところで救済措置はあるだろうけどな。藤田のほうがよっぽどやりにくいだろう。ともかく、プロレス経験者の高阪が世間一般の目玉であるスミヤバザル相手にどういう試合をするのか、とかな。いろいろ見所はあるんだけども、やっぱり真剣勝負だけに、試合自体は物凄くつまらないものになる可能性も高いんだよな。
愚: ええ。
品: いままで「勝ち負け」を事前にコントロールしていた選手たちが、今度は「勝ち負け」の決まってない勝負をするとどうなるか。そのへんのダイナミズムというか違和感はあるけども、やっぱりこれまでプロレスみてきたお客さんが「あっけない真剣勝負」を見てどう反応するか。
愚: 蝶野なんかは、それと対比させることでプロレスの凄みをアピールするっていうふうに言ってますよね。そしてそのためなら喜んで寝ますよ、と。そいで、その相手としてふさわしいのが小橋建太である、と。それはよくわかるんですが…。
品: 「ミスター・プロレス」決定戦と銘打ってるしな。
愚: でも蝶野って毎回そんな感じのこと言ってるんですよね(笑)。去年の三沢戦のときだって「プロレスの凄みを うんたらかんたら〜」って言ってたし。
品: それで見事に失敗したしな。
愚: 自分はあの試合自体は嫌いじゃないんですけどね。ビデオとかで見るぶんには。ただ、東京ドームのメインとして、あの時、あの場でふさわしい内容だったかと言われると、それはやっぱり違うだろう、と。当然、蝶野だけじゃなくて三沢にも責任あると思いますけど。
品: 夏のG1クライマックス以外で蝶野が「プロレスの凄み」を見せたことなんて、少なくともここ数年は無いだろう。無理はないけどな。現場監督として大所帯を仕切りながら、それでいて 一選手 としてあれだけの円熟味を見せてる時点で偉いと思うし。ただまぁ、正直今度の小橋戦は内容が心配ではあるよな。
愚: ほんと心配ですね(笑)。スタイル的に水と油ですもん。



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