復活☆師弟対談 Part2 「五月二日 新日本プロレス東京ドーム大会〜後編〜」
■日時:2003年5月1日
■書き手:品川 愚傾(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

品: まあ蝶野の良さっていうのは投げられたときの受身の上手さとか、チョップへの打たれ強さっていうのとは違うじゃない。
愚: そうですね。
品: やっぱり新日流+ヨーロピアンスタイルの蝶野に対して、小橋が受けて受けて受けまくるような試合をするしかないと思うんだけども。いわゆる四天王プロレスみたいなのはできないじゃない。
愚: 今年の一月に蝶野と小橋がタッグで絡んだじゃないですか(一月十日 NOAH日本武道館)。あのときの試合って、小橋のチョップを蝶野が真正面で受けてないんですよね。そりゃ蝶野にはチョップに対して胸を突き出す習慣っていうのはあんまり無いだろうし、小橋だって正面向かない相手にチョップをぶち込めない。オデコくっつけて睨みあうところなんかは凄く迫力あったんですけど。
品: それに蝶野はじっくり地味に試合を作るタイプだしな。小橋はそういう相手とあんまりやったことないだろう。
愚: 小橋にとっても蝶野にとっても厳しいっすよね。お互いにネームバリューがあるぶんだけハズすわけにはいかない。まして今回はVTルールの試合と対比させられるわけですから。ある意味、中西vs藤田よりも不安要素大きいと思いますよ。
品: 中西にしてみれば、イザとなれば玉砕するなり反則するなりでも男を上げることはできるかもしれんしな。絶対負けられないぶん、藤田のほうがキツイだろう。
愚: ヒョードル戦も決まりましたしね。中西勝ったら面白いなぁ。でも藤田は中西に負けるとは万に一つも思ってないでしょうね。僕らも思ってないですけど(笑)。
品: 新日本のフロントだって思ってないだろう。
愚: でしょうね(笑)。しかし、なんでまたこのカードをガチンコでやらなきゃならないんでしょう。
品: まあいままで中西をトップにするために色々とやってきたじゃない。グッドリッジとやらせたり、ルッテンとやらせたり。でも全部コケてんだよね。残念ながら。
愚: 笑いはとれてましたけどね。ルッテン戦なんか特に。
品: プロレスマスコミの間ではあのルッテン戦が中西の裏ベストバウトらしいぞ(笑)。
愚: でもチャンスを与えられ続けて、それをことごとく台無しにしてきたわけですけど、まだ埋没させてもいいアレじゃないですよね。
品: おそらく猪木さんの還暦祝いってことで、そのプレゼントとして藤田の相手を一人、猪木さんに選ばせたんじゃないかな。それで選ばれたのが中西だった、と。ほかのガチ四試合は猪木さん絡んでないっぽいだろう? LYOTOの相手である謙吾にしたって猪木さんは多分知らないよ。
愚: 「一回くらいヤッてみろ」ってとこですかね。
品: 健介がいなくなったことで、彼がいたポジションを中西に任せるうえでの通過儀礼っていうことも考えられるよな。いまのIWGPチャンピオンだって一昨年の年末にミルコとヤッてるじゃない。外様だけど高山だってサップとやって玉砕して、その御褒美としてNWFのベルトを貰ったんだしさ。いわゆる「行ってこい」みたいなもんで、そこから生還した人間にはそれなりの褒賞を与えますよ、と。そういうことじゃないかな。
愚: 誰よりも壮絶なセメントマッチから生還してきた棚橋にはいまのところ褒賞がいってないみたいですが(笑)。
品: あとセメントといえば金本な。対戦相手にもファンのおねえちゃんにも「カタいの」をバンバンいれてくるらしいぞ。
愚: 天山なんかは敢えてガチには進まないだろうと思うんですよ。(純プロレスを推進する)蝶野派の番頭だし、新婚っていうことでファンのおねえちゃんに「カタいの」も入れられない(笑)。そういう選択をした彼が、今後どういう扱いを受けるのかっていうことにも注目ですよね。
品: 蝶野に結婚式の媒酌人をやってもらった時点で「勝ち」だろう。媒酌人っていうのは親も同然だからな。そういう部分では無闇にガチンコやらなくても大丈夫じゃないかっていう気はするなあ。
愚: やっぱり新日本はバックステージが一番面白いですね(笑)。
品: 自民党みたいなもんだからな。離合集散してナンボだし。三銃士だって結局離れ離れになっちゃったもんな。
愚: いま自分が思うのが、武藤全日と橋本ZERO−ONEっていう対立構造っていうかアングルがあるじゃないですか。あれって、それぞれのファンは「乗れてる」んですかね?
品: おまえ武藤嫌いだっけ?
愚: いや、むしろ好きですよ。橋本も嫌いじゃないです。ただZERO−ONEファンが嫌いなだけであって(笑)。
品: はっきり言うねえ(笑)。全日ファンはどうなんだ?
愚: ある意味リスペクトできる反面、意地を張り続けるのはやめてみんなこっち(NOAH)においでよっていうふうにも思います。複雑っすね。だっていま残ってる全日ファンの多くは川田ファンじゃないすか。
品: 武藤でも馬場元子でもなく(笑)川田なのか。
愚: そうみたいです。こないだの復帰戦でも大歓声だったみたいですし。すがる相手が川田しかいないと思うんですよ。三沢は「裏切り者」だし、武藤は外様だし。
品: 拠り所が 川田 しかないわけか。
愚: プロレス上手いですしね。性格はアレですけど。チャンカンで優勝もしてるし、三冠も巻いてるし、プロレス大賞のベストバウトも取った(92年 vsスタン・ハンセン)ことがある。自分にとっても思い入れのある選手ではありますし。Uインターの高山とか、新日本の健介とか、他団体と積極的に絡んでいった人ですからね。
品: 全日本の歴史を語る上で外すことのできない選手ではあるよな。まぁ全日本っていうのはいま武藤体制になって、いろいろやってるけど、でもやっぱり私にしてみれば「インディー」なんだよな。名前以外にメジャーを意識させるところが無いんだよ。それはZERO−ONEもそうだけど。
愚: ZERO−ONEが面白いのは確かなんですよね。メジャーとインディーのイイトコどりを見事にやってのけてる団体だと思うし。でもとにかくファンが嫌いなんです。
品: しかし、なんでまた。
愚: 見てて気色が悪いんです(笑)。いやZERO−ONEファンからすればノアヲタの自分なんて寄生虫みたいな存在でしょうけど。
品: まあどっちもどっちだわな。
愚: なんていうのかなあ。とにかく「ZERO−ONEが最高! あとはクズ!」みたいな風潮があるじゃないですか。あれがとにかくダメ。一頃のリングス信者とかパンヲタと同じような気色の悪さを感じますね。
品: ふむ。
愚: ガチンコファンって既存のプロレスに幻滅した人が多かったりするじゃないですか。そういう人がえてして「ガチンコしか認めないガチバカ」っていう存在になったりするんですけど、ZERO−ONEにはガチンコに幻滅した人が「プロレスしか認めないプロバカ」になっちゃってる人が多いように思うんです。
品: とりあえず新日ドームと同日開催の後楽園ホールな。メインがOH砲vs武藤、小島という黄金カードなわけだけども。TV東京もつくし、団体自体は力あるよね。面白いと私も思うし。
愚: 自分も同感です。でもしつこいけどもファンが嫌い(笑)。一頃のUWFにあった選民思想みたいなものを感じますよね。しかもUWFみたいなエリート意識じゃなくて、ZERO−ONEのインチキさが醸し出す場末感に酔ってるっていうか。
品: 浅草の一杯飲み屋で「オレらみたいなのにゃこんな程度の店がお似合いさ」みたいにクダ巻いてるやつか(笑)。
愚: そんな感じですね。自分はそういうの好きじゃないんです。存在が「マイナーである」ことは否定材料にはならないんですけど、武器として「マイナーである」ことを自慢されると逆に引いちゃうんです。
品: それは「ノアヲタであるが故に思い至った考え」なのかね。
愚: かもしれませんね。少なくともノアヲタにはマイナー志向って無いですからね。まぁノアヲタのなかにだって「俺は川畑輝鎮のファンだ!」とか「泉田純を猛烈に愛してる!」っていううらぶれた人もいるわけですけど(笑)。まぁ悪口にしかなってないのでこのへんでやめます。
品: じゃぁ話を戻すけども、今度のドームで私は「村上vsエンセン」に注目してるんだよな。
愚: 中西vs藤田とは逆に「なんでこの二人がプロレスルールで闘うの?」ってやつですよね。
品: 村上は別れたんだよな?エンセンだって今売り出し中じゃないかバンプ取らないし。この二人ほどガチンコが似合うのもなかなかいないだろう。受けない二人対決だし・・・
愚: ・・・ですね(笑)。
品: まあ、こういうガチンコ畑の人間がプロレスやったり、プロレスラー同士でガチンコやらせたりっていう、そういうダイナミズムを新日本のファンが許容できるようになれば、いろいろ面白いことができると思うんだよな。
愚: でもそこまで啓蒙できますかね?
品: きっかけの一つにはなるんじゃないの? 今度の中西vs藤田だって、中西の勝利を信じて疑わないファンだっているかもしれないじゃない。そこで藤田が勝ったら、ガチンコっていうのはそういうもんなんだって思える人間が増えるわけだよな。ま、プロレスラー同士のバーリトゥードって試合自体はつまらなくなりがちだけどな。
愚: 背負ってるものがお互いデカイですからね。自分の予想は中西が下からガッチガチにしがみついて、それで決め手に欠ける藤田が終始上で攻めあぐねるけども結局は判定勝ち、ってとこじゃないかなと。自分はそれでいいですけどね。
品: 私は中西の反則負けを期待するけどな。それが新日本として最良の方法かな、と。まあなんにせよ、内外から注目を集める大会ではあるわけだし、成功して欲しいよなぁ。やっぱり新日本から客が離れるとプロレスも、そして格闘技も地盤沈下するって。
愚: ですね。やっぱりNo1プロモーションであることは間違いないですし。
品: あとなんだっけ。中邑vsノルキヤか。
愚: 「なんだっけ」ってこたないじゃないすか(笑)。
品: なんか興味そそらないんだよなあ。中邑っていうのは新日本のガチンコ部門を背負ってたつ選手なわけだけども。中卒で新日入ったわけじゃないし新日生え抜きと言ったら船木や高田に(笑)失礼だよな・・・
愚: スミヤバザルは外人だし、藤田は新日本プロレスを一応辞めてるしで、生え抜きで「芯」となりえる選手って彼しかいないですもんね。パンクラスから美濃輪を引き抜けばそのへんのアレは一気に解決しそうですけど。
品: パンクラスと新日本の急接近というのも気になるよな。ついにismとは別にプロレス部門を作って、鈴木みのるがそこにいって、今度ライガーとやるんだけども。
愚: ええ。
品: 私はぶっちゃけ、鈴木みのるはどうでもいいんだよな。むしろ船木にプロレスの場にでてきてもらいたい。
愚: 「ドロップキックの船木」だ!
品: あと高橋義生、それとパンクラスの株主である冨宅とかも呼んでな?(笑)
愚: すでに柳澤とシャムロックは抱えてますもんね(笑)。凄いや!、初期パンクラシストが大集合だ。
品: 魔界倶楽部パンクラス支部とかな。面白いぞ。
愚: 長井とか垣原もそっちに混ざろうとしたんだけど「おまえらはいらない!」って言われたり(笑)。
品: 尾崎社長は唯一、猪木やPRIDEに対して強気に出れる人だからな。ま、そんなわけでafter ULTIMATE CRUSHの鍵を握るのはパンクラスだ! ってことでシメようか。



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