プライド8PPV観戦記
■団体:PRIDE
■日時:1999年11月21日
■会場:有明コロシアム(PPV)
■書き手:タカハシ(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

 さて、例によってプライドPPV観戦記。このカードなら行きたいトコロだが、
エンセン、小川とも欠場という事を抜きにしてもやはり有明は遠く、前座はタルイ。
 このカードで満員にならないと又高田路線に戻ってしまうというマニア筋の懸念も
一応満員マークの付けられる入りだったらしく、このまま桜庭たちプロ意識と実力を
併せ持つ新世代路線への変更に期待したいところだ。

さて第一試合。松井とブラジリアン柔術の選手との対決だ。一応プロレスVSブラジル
のコピーが付いてるようだが、何しろ松井のプロレスの試合を見たことがないのでイマ
イチ思い入れが持てない。桜庭は折原、大谷と対戦相手にも恵まれて好勝負を残せてい
るので、その点でも文句ナシだ。
ちなみに試合はほとんど見ずに、友人がエロ画像をネット上から保存しているのを横目
で見ていた。判定で松井の負けだったような・・・。
第二試合はノーマークだったがなかなか面白かった。アメリカ人の選手がブラジル人に
KO勝ち(だったと思う)。
第三試合は"桜庭を最も苦しめた男"という"ゴッチの娘婿"以来のアオリが付く
アラン・ゴエスVSカール・マレンコ。肩固めでゴエスの勝ち。特に言うことナシ。
第四試合はモラエスVSコールマン。注目はしていたが期待ハズレの試合だった。
勿論見る人が見れば、という内容だったのかもしれないがオレは「見る人」ではない
ので退屈であった。解説陣はコールマンは高田戦の時と違い、奥さんも無事出産した後
なので期待できると言っていたが、どうも顔に覇気を感じる事ができなかったので、
こりゃモラエスの勝ちか?と思っていたが特に目立った攻防もなくコールマンの判定
勝ち。WWF行きの話はどうなっているのだろう?
第五試合はグッドリッジVSエリクソン。最初はパンチの応酬で盛り上がったが、
グラウンドの展開になると決め手のないエリクソンと、妙に頑張るグッドリッジにより
期待ハズレの凡戦となってしまった。エリクソンは強いのかもしれないが、何しろ華が
ない。トーナメントで勝ち上がってもプロモーターは困るだろうなぁ。エリクソンの
判定勝ち。
第六試合はボブチャンチンとブラジルかどこかの人。試合開始後20秒くらいグルグル
回り、コーナーに詰めたところでボブチャンチンが1、2、3と吉川ばりのパンチで
完全KO。完全に失神してピクリともしないので心配しましたよ、死んだらここで興行
中止かと。歩いては帰れなかったようだけど、命に別状はなかった模様。
でもボブチャンチンはKー1では全く通用しなかったんだよな・・・。
第七試合はアレクVSヘンゾ。最初にキレイにタックルが決まり、第1Rはガードを
取られながらも終始打撃を打ち込み続け、オレの目にはアレク有利で終了。
第2Rは古傷の左ヒザへのローが効いたのかアレクのタックルが決まらなくなる。
途中高田なら即タップしそうな十字固めが決まりそうになるが、何とか逃れスタンド
に戻ってからもジャーマン(ブラジリアン?)スープレックスまで喰らい惜しくも判定
負け。常に動き続ける今までの小路・菊田等とはひと味もふた味も違う試合内容に
満足しました。
そしてメインイベント。桜庭がメインを務めるのは恐らく初めてと思われるが、遂に
ここまで来たかという感じ。同時期に垣原が全日本で橋相手に第一試合を務めている
のも皮肉な話だ。現在ミドル級で最強と言えるのはまず桜庭で、あとはフランクくらい
しか候補が残っていないのが実情。そして中軽量級ではまぁホイラーの名前を挙げても
そんなに的外れでもないらしい。ホイラーは柔術の大会に今でも参加し(勝ち続け)、
ヒクソンに最新の技術を伝授する役割を果たしてるそうだが、言ってみれば中量級最強
と中軽量級最強の闘いと言えるようだ。結果から先に言うと桜庭のドクターストップ
による圧勝だが、グレイシー側の策士、策に溺れるという言葉とともに、やはりこの
一族の恐ろしさを知った一戦だった。
桜庭を倒せるとしたら今でもやはりパンチだと思うし、中軽量級のスパー相手には
元日本代表のアマレスの同サイズの選手がいる事から、桜庭絶対有利と確信しながらも
試合を申し込むからにはそれなりの秘策があるのかと思案しつつ試合に注視する。
座位のような格好で膠着状態を保とうとするホイラーに対し、全く表情を変えない
桜庭。予想通り猪木・アリ状態になりビクトー戦同様足へのローでダメージを与える事
に終始して1Rは終了。ここで1R10分を15分にした事で逆に桜庭に余裕を与える
事になったのではと思う。R終了時にホイラーが自分の足で普通に自分のコーナーに
戻ったのには少し驚いたが、2R目も同じような展開(炎のコマにもトライしたが)で
全く危なげなく時間は進む。体も小さく、脅えた表情も隠しようがないためイジメの
ようであった。流石に残り7分くらいになると、まさかこのまま逃げられるのでは?と
不安になったが、桜庭自身は遂に最後までそんな様子は見せずロープ際でチキン
ウィングアームロックを決める。残り時間は約5分。体勢も十分でまさか逃げられる事
はないだろうと誰もが思ったと思う。ところがホイラーは決してタップしない。
「桜庭は腕を折る事ができるのか?」と思いつつ表情を見ると冷静に、そして見た事の
ない角度まで腕を曲げていく。
タオルを入れようとしないヒクソンにドクターが警告した、というレポートが入った
直後ドクターストップで試合終了。誰がどう見ても桜庭の勝ちで判定も妥当だが、それ
でもヒクソンは抗議し、ホイラーは笑顔で腕をグルグル回す。
3年前修斗の朝日に何もさせなかったホイラーに、今回ホントに何もさせなかったワケ
だがそれでも15Kg体重差のある桜庭相手にこれだけ粘り、あそこまで腕を捻られ
ながら遂にタップはしなかった心の強さには心底敬服する。
そして桜庭はいよいよヒクソン戦が見えてきたと言いたいが、ズバリ判定を不服(と
いう事にして)グレイシーのプライド撤退となりそうな気がする。あとメチャクチャ
吹っかけられてプライド側断念とか。その時は是非アブダビの王子に助けていただき
たいものだが。
今回は桜庭絶対有利を予想しつつも、やはりグレイシー姓のVT初敗北の歴史的(?)
瞬間を同時代に見ることができてファンとしては本当に幸せだ。93年にグレイシー
が表に出て、97年にヒクソンに高田が敗け、そして99年に体重差があるとは言え
リヴェンジできたのを全て目の当たりにしてきたのは最高に幸運な事だと思う。
結果的にプライドはまたもプロレスラーに助けられ、ファンは桜庭に救ってもらった。
ここまで来たらホント行けるところまで行ってもらいたいものだ。



ヴァンダレイ・シウバ (判定) 松井 大二郎
フランク・トリッグ (KO、1R 5分00秒) ファビアーノ・イハ
アラン・ゴエス (肩固め、1R 9分16秒) カール・マレンコ
マーク・コールマン (判定) ヒカルド・モラエス
トム・エリクソン (判定) ゲーリー・グッドリッジ
イゴール・ボブチャンチン (KO、1R 1分23秒) F・ブエノ
ヘンゾ・グレイシー (判定) アレクサンダー大塚
桜庭 和志 (レフェリーストップ、2R 13分16秒) ホイラー・グレイシー




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