9・12プライド7:PPV
■団体:PRIDE
■日時:1999年9月12日
■会場:横浜アリーナ(PPV)
■書き手:タカハシ(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

今回のカードは前回に比べるとテーマ不在の感が強く、イマイチ盛り上がりに欠けた
ように思う。が、終わってみるとそこそこの満足感が得られたのは、団体の勢いみたい
なものかも知れない。相変わらず退屈な前座試合をメインイベンターがカバーする、
(多分)かつての新日本的な流れではある。
最初の内はプロレス最強神話(アングル?)を切り崩す事で興行を成立させようとして
いたプライドも興行の論理から今や最強神話復権をテーマとした流れになりつつある。
資本主義社会において何故プロレスが生き残ったのか?また何故今のような形態に
なったのかをリアルタイムで検証できる。考えてみると随分贅沢な時代である。
今やアメリカでは通常プロレス(WWF:RAW)が放送される同じチャンネル、同じ
時間帯で行われたUSオープンが視聴率では6分の1しか稼げない。同じスポーツ・
エンターテイメントとしては数字上でもハッキリと結果が表れているのだ。

余談はさておき試合についてだが、今回も前座の試合はろくスッポ見ていない。松井対
シュライバーは変わり果てたシュライバーとセコンドにフライとナイマンが付いた事と
初の反則裁定が下った事しか覚えていない。
マレンコ対ブラジル人は判定でブラジル人の勝ち。エンセンと闘ったトンガ人はボクシ
ング出身なのに打撃不可のルールで戦う事を了承する、器の大きい人だった。
スミスとシカティックは思ったよりはそれっぽい試合になっていた。
小路の試合は2R終了後の判定時に、レフェリーが延長と聞き「もういいじゃねぇか」
という顔をしたのが最も印象的であった。試合は延長Rで小路の判定勝ち。マイクも
冴えなかった。今まで冴えた事はないが。
桜庭とマシアスは解説やSRSでプロレス技をVTで、というのを執拗にアピールして
いたのでてっきりハナっからそういう試合なのかと思ったが、どうも違ったらしい。
マシアスは「リングの魂」秒殺ベスト10で栄えある1位(負ける方で)を取った事
もある男なのでそもそも桜庭の対戦相手に選ばれる事自体が不可思議なのだ。
試合が始まると圧倒的桜庭ペースで、マウントからのモンゴリアンチョップやフット
スタンプと見せかけてのスライディングキックなど、決めそうになると「もうちょっと
待って!」と言いたくなるような試合展開でなんとか1R終了。負けるとしたらパンチ
の得意な相手と思っているため(もっともビクトー戦でそれが単なる危惧に過ぎない
という事が判ったわけだが)、大安心して試合を楽しんでいる。結果は2R早々の
逆十字で勝利。試合後に松井相手にWアームスープレックスを披露していた。TVでは
撮り損ねていたが。
実はプライドのリングでは無敗同士のケアー対ボブチャンチン。ボブチャンチンに無敗
のイメージが希薄なのはいつも前半の出場である事とKー1で惨敗している事からだと
思う。ケアーの試合は試合として成立してないようなモノが多く、面白さとしては余り
期待されてはいないように思う。今回は天敵ともいえるパンチを主武器とする選手の
ため、1発の緊張感が試合を面白いものにした。プロレス界には久しく見られなかった
ヘビー級のぶつかり合いの後はしばらく膠着が続いたものの、2Rでタックルを潰して
のヒザの連打でまさかの勝利。ボブチャンチンが試合後に見せたパフォーマンスは2流
レスラーのインチキ空手と同レベルだが、プライド最強の象徴に勝ってしまったのだ。
プライド関係者が描いてきた青写真は勿論崩れたろうが、それ以上に高田の運の強さ、
エンセンの不運に皮肉なものを感じた。
メインは内容について言えるのは、恐らくこの2人の試合でこれ以上のものは難しいと
いう事だ。というワケでシュートだ、ワークだという事ではとやかく言う気もないが、
1R終了時にアナウンサーが少し触れたところから、会場ではかなり内容に対する不満
の声が挙がっていたのだと思う(TVでは良く聞こえなかった)。
試合は顔面パンチの連打からのスリーパーで高田の勝ち。とにかく終始高田が落ち着い
て闘っていたのが印象的であった。
全体的にはまぁまぁの内容。個人的には休憩時間中にビジョンにアメプロらしき映像が
流れていたのが気になる。




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