NOAHドーム
■団体:NOAH
■日時:2005年7月18日
■会場:東京ドーム
■書き手:凸ユーレイ

 テレビも無く、生でも年に2,3回しか男子を観なくなった私。そろそろまた… という気が少しして、このドーム興行は発表後すぐ、まだ三沢vs川田が噂だった頃に、ファンクラブ先行発売で予約した。じつは私、NOAH旗揚げ当初、経済面の苦しさを少しでも助けようと「NOAH’s ARK」に入会しているのだった。

 ただ、いきなりドームもアレなんで予習しておこうと、6・10後楽園の選手会興行にも足を伸ばした。旧全日のファン感謝デーや、NOAHになってからはクリスマスやハロウィン、この類の大会のほうが、笑いが混じっても充実した、見甲斐のある興行になることを経験上知っていたからである。
 が、コレはぬるかった。楽しいとか笑えるとかをゆうゆう上回ってぬるかった。ドームが心配になるほどだったのだが….

 ドーム興行も、02年10月、蝶野vsチャイナのあった新日以来、約3年ぶり。いちおうビジョンに頼らずリング上がぎりぎり分かる1階スタンドの前方の席である。センターバックスクリーン両脇のみ観客を入れず、アリーナ席も満杯。発表62000人。
 ほぼ定刻、すんなり第1試合がはじまった。


1.杉浦貴、○SUWA、青柳政司(9:32FFFから)×菊地毅、百田光雄、中嶋勝彦

 上記の選手会興行でツルツルになった菊地の髪がもう伸びている。エッと思ったのだが冷静に考えれば当たり前か。
 中嶋君は初見。軸がまったくぶれず、ムダなく最小限短い弧で回るスピンキックが綺麗。浜田文子に見習わせたい。

 コーナーに詰められ中嶋にドロップキック浴びたSUWA、対角線に振り返され、待ち受ける菊地へカウンターでジョンウー。いい動き。フィニッシュもSUWA。微妙に飼い殺しされているようでいて、大舞台で勝ち役。高評価なのか、それとも後で展開が分かったように新王者への挑戦者、ということか。


2.○モハメドヨネ、森嶋猛(8:26キン肉バスターから)本田多聞、×潮崎豪

 開始早々、スクラップで潮崎を持ち上げようとしてズルッと落としそうになる森嶋。ダメだこりゃ。
 潮崎がしばらく捕まり、ようやく出て来た多聞に2人してやられるヨネ組。多聞のほうがあきらかに強く見えてしまうのではダメじゃん。第2試合という位置もさもありなむ。

 初見の潮崎、きれいなドロップキック、森嶋を投げ切ったジャーマン。どうみてもこっちの方が、少なくとも森嶋よりは、スジが良い。次代のエースというのなら、あきらかに潮崎のほうが近い。
 最後、ダブルインパクト式でヨネがコーナー最上段からニールキック、という派手な技で決まらず、あらためて得意技で… っていうのは蛇足なような。


3.斎藤彰俊、越中詩郎、○井上雅央、川畑輝鎮(11:56首固め)田上明、佐野巧真、×泉田純、永源遥

 ダークエージェント組、越中を筆頭に4人連続でケツ、最後の川畑だけスカされるというネタ。
 田上と越中は長くやってるだけあって会場人気が高い。越中なんてこの日、ケツ以外の技を出していないのでは。
 この試合にも熱く途切れない声援を送りつづけるNOAHファンはやさしいなあ、と。


4.○ムシキング・テリー(7:59ミストクラッシュ)×ブラックマスク

 テリー、ゴングが鳴っていきなり、DDTで飛びつき、さらに空中で相手の首を、腕から脚にはさみ替えてコルバタで投げ飛ばす、という軽業。
 しかし私の目には、ポスト最上段からのダイアモンドカッターやファルコンアローを放ったブラックマスク(正体はリッ●ー・マル●ンらしい)のほうが動きが良く見えた。終了後に会った知人が言っていたが、悪役の方が身体が小さい、ってどうなんでしょうね(笑)。


5.GHCJr.ヘビー級選手権
○KENTA(挑戦者)(20:38ブサイクへのヒザ蹴りから)×金丸義信(王者)

 序盤、打撃の応酬。表情の変わらない金丸。
 自爆で痛めた金丸のヒジをKENTAが狙って集中攻撃、以降グラウンドの静かな展開が続く。

 突如として目まぐるしく、コーナーから飛んだ金丸をKENTAがキャッチ、肩に担いでgo2sleepを狙うが着地され、そのままブレーンバスターで投げようとして逆にDDTで返される。というシークエンス、流れるようで素晴らしい。その直後、ブサイクへの膝蹴りを食らってすぐさま金丸起き上がって垂直ブレーンバスター!

 ここから金丸猛攻。ブレーンバスター、タッチアウトの連打。KENTAことごとくカバーをはね返す。
 ポスト最上段から雪崩式を狙った瞬間、逆にKENTAがリング内に投げ返して逆転、この後は形勢が再びひっくり返ることなくKENTA攻め続けて戴冠。

 静と動、緩と急、手の内がわかりきった両者ならではの名勝負。個人的には最後、もういちど金丸が逆転していたらもっと満足出来たのだが。


6.GHCタッグ選手権 鈴木みのる、○丸藤正道(王者)(24:55雪崩式不知火から)秋山準、×橋誠(挑戦者)

 橋ががんばる、当初目論見通りの試合に。しかし橋は、動きにどうもムダがあるというか、目的に沿って直線的にスムーズに動けていないというか。
 秋山と鈴木、えんえん張り手の応酬。ちょっと珍しい場面だったが、後の試合でこの数十倍アップしたヴァージョンが見られたのだった。

 鈴木の身体を踏み台にして丸藤が不知火を放ったのにはちょっとびっくり(ふだんまったく見ていないので)。ただ、これは秋山が言ったことのように記憶しているが、鈴木と組むことで丸藤の魅力が減じているような気もしなくもない。


7.GHCヘビー級選手権
○力皇猛(王者)(17:11無双から)×棚橋弘至(挑戦者)

 序盤、タバコを吸いにいって、ロビーのビジョンでしばし観戦。

 トペを身体で受け止めることが出来ず棚橋が上滑りして本部席の机に激突したり、ロープワークから走りこんできての首固め(電光石火っていうんですか?)も受けられず棒立ちのままでいたり、力皇の動きが悪すぎ、直前まで患っていた病気のせいかと思ったのだが、あとで聞いたらいつもああなんだと。なんか身体の軸がブレて、横にフラつきがち。

 わざわざ呼ばれてきてそんな力皇に負けるんじゃあ棚橋も可哀想かなあ。1度不発気味だったトペを連発したのは、わざと避けられて「チャボ戦で鼻から大流血の藤波」を再現しようとでもしたのかと(笑)。  棚橋に、もういちど刺されろ系のヤジが飛んでいたが、考えてみれば力皇も、女がらみで本場所をスカして相撲を辞めてるんだよね。いまの奥さんがその時の女性なら、棚橋よりは罪が軽いかもしれないが(笑)。


8.○天龍源一郎(10:27ラリアットから)×小川良成

 飲んでいた酒が、前の試合中から利きはじめてきて、眠い。
 小川が先にWARスペシャルを出したりステップキックを出したり、ってとこは覚えているが、オチかけた一瞬に試合が決まってしまった。ごめんなさい天龍さん。
 興行終了後、『しま田』へ行ったのだが既に満員で入れなかった。罰が当たったのかも。


9.○小橋建太(23:38ラリアットから)×佐々木健介

 いきなりバックドロップの打ち合い、ラリアットが早くも飛び出す(健介)。それだけで、どっと沸く場内。期待に満ち、こんな光景なかなか見ないかも。

 チョップ合戦。もうとにかくチョップ合戦。いつまでやるんだっていう。この時、客席は最高潮。

 ハーフネルソン2連発。健介は場外でのノーザンライトでお返し。さらにリングでタイガーSPX。肉体が弾け合う。緩みも無い。

 健介、逆1本からストラングルと、元々の自分のオリジナルを出した辺りで、ちょっと攻めが小さくせせこましく見えちゃったかも。

 理屈抜きで面白かったが、しかしコレ、初対決だからこそ出来た内容だよね。2回目もコレやったら本当の馬鹿かと。
 それと、小橋が絶対的に支持されている有り様は、聞きしに優る光景であった。


10.○三沢光晴(27:04エルボーで)×川田利明

 入場時、爆発する川田コール。さらに、それに倍する三沢コール。あまりこの2人の闘いに、リアルタイムの思い入れがなかった私でもグッとくるものが。

   ロープ際ダウンした三沢の顔を、川田が踏みにじったところから、えげつない展開。

 場外マットをはがしてパワーボム狙う川田、こらえた三沢が逆に、床へ直接タイガードライバー。
 川田ジャンピングキックを顔面に。腕でガードしない三沢。
 垂直パワーボム、というかフリーフォール・パイルドライバー(99年大阪、川田が腕を骨折しながら三冠を奪取した時の決め技)。三沢の首が垂直にマットへ。
 タイガードライバー91は汗で滑ったか、さらに不自然なかたちで川田の頭が打ちつけられる。

 なんでそこまでするの?っていう、切ない気持ちにさせられるとともに、特にセミの試合と比べると、頑張りや努力が違うほうへいっちゃってる気がした。


 けっきょくNOAH勢以外で勝ったのは、実質所属みたいなものかもしれない(選手会興行にも出場した)第1試合のSUWAだけ。
 反対に、試合後マイクで喋ったのは鈴木と佐々木と川田だけ。

 と、なんだかんだ言っても、全体に満足できました。たしかに第1〜3試合を割愛してもよかったのかもしれないが、並べられた料理を極力全部楽しむようにする貧乏性の私には、アレはアレでまあそれなりに。力皇の試合は要らなかったかもしれないが。
 男子も、これだけの熱気でこれぐらいの内容を見せられるのなら、まだ捨て去るには早いかも、と思いました。 




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