街角プロレステレビ観戦記
■団体:街角プロレス
■日時:2005年5月14日
■会場:六角橋商店街
■書き手:テック

先日、土曜深夜、日テレで街角プロレスという番組をやっていた。

HP:http://www.ntv.co.jp/mwe/
「この番組は、学生、サラリーマン、OL、職人、ホームレス、主婦など様々な立場の人が、価値観の異なる対立的立場同士でプロレス・マッチを 行い、心と体の交流をはかる、今までにない笑撃的格闘バラエティ番組です!
プロレス競技のみならず、競技以外のマイクパフォーマンスや周辺ストーリーも見どころ!!」というのが番組の売り文句。

簡単に言えば、ある両者が試合に至るまでの筋を再現VTRで説明してプロレス、という構成の1時間番組。
お前が気に食わない、じゃぁプロレスで決着だ!といった感じの軽いテンション。商店街一角の広場にリングを設けて行われる。戦う理由も街角レ ベル。
レフェリーにインパルスの細い方、コメンテイターに出川哲郎、解説はボクシングとか野球で見る人だったけど、NOAHでは見た事ないな。
以下、具体的に観戦記を。

第1試合 エリートサラリーマンvs就活学生

広場に特設リングを構えているのだが、なかなかしっかりした会場になっている。家のベランダからその家の奥さんらが観戦する姿もある。客は 300人くらいいるかなぁ。
年収1000万を超えるエリートサラリーマンに対するは、就職活動中の、バイト先で1日に1度は「お前はばかだなぁ」と言われるバカ学生。
エリートはタイガーマスクのコスチュームにYシャツ姿。学生はハッスルKのコピー。両者けっこう動ける、と感じながら街角プロレスとぐぐって みたら
http://wind.ap.teacup.com/uwfgakupro/
学生プロレスラーたちだった。
合わせてこんなんも出てきた。
http://www.kbnet.co.jp/rokkakubashi/machikado.html

エリートがタイガーマスク的ムーブや619などでいたぶり、タイガースープレックスで追い込むが
学生はジャンピングハイキックから流れをつかんでパワーボム(川田式のしかかり)で逆転ピン。
大技は短いリプレイと技名のテロップにより説明され、一見さんに優しいつくりだった。まぁプロレスに興味ない人対象なんだから当然だけど、く どくなくうまいこと挿入されている
勝者には15秒の企業へのテレビアピールタイムが与えられたのだが、15秒まともに話せないところもバカっぽい。
どうでもいいが、レフェリーのインパルス細い方は、ジャッジ金子に顔も動きも似ている。いやまじで。
CMに入る前、テロップで次の試合のカードが表示されるのだが、一回一回、変に興味を突いてくる。だって 次の試合のテロップ↓

第2試合 老人vs老人

だもの。
エキストラを生業とする70代老人ふたりが、現場で出会った77歳の女性に同時に惚れ、彼女をかけて戦うという流れ。
リング上には正真正銘フェイクなしに爺さんがふたり、赤パンのチャキチャキ風爺さんが黒パンの紳士風爺さんにアイアンクロー。
返す刀で黒パンが脳天から竹割り。赤パン倒れる。ドクター&看護婦がリングに駆け込み担架。秒殺KO勝ち。
大げさに倒れ、ピクリとも動かない敗者のセルが見事。
老カップル誕生のリング上をあざ笑うかのように、「そんなババァより若い女がええんじゃ!」とリング下から悪ぶるいつの間にか復活した赤パン が
エキストラの女の子に抱きつく。お互いのキャラと運動能力を考慮したなかなか素晴らしい構成の一戦だった。

第3試合 24才バツイチ子持ち主婦vs24才貢がせ女キャバ嬢

24子持ちで借金失踪した旦那となんとか離婚調停を済ますことの出来た主婦は、養育費ももらえず、パートで稼ぐ月13万で2児を養う。
しかも、日ごろのおんぶに抱っこで腰がヘルニアになるという、幸薄いキャラ作りに徹底。
対するキャバ嬢は客に貢がせたりしながら店のNo.1にのし上がり、月収200万。今ではグラビアアイドルとして活躍という設定(演ずるはAVの 夏目ナナ)
逆エビでキャバが相手の痛めた腰を攻めるという流れを見せながら、恥ずかし固めや胸強調技をなどのお色気があり、フィニッシュは忘れたけど結 局主婦が勝った。
勝者に番組提供のエバラから焼肉のたれが3年分プレゼントとされるが、主婦は肉を買う金がないと泣き出す。
そこに「ちょっと待った」の一言。リングサイドで見ていた商店街の肉屋の主人が拡声器を持ち、がんばるお母さんに肉をプレゼントするよ、と申 し出、ハンカチ必須の決着だ。

第4試合 オタクvsヤンキー

ヤンキーにいじめられたトラウマを持つ、日々、アニメソングで踊りまくるイベントに参加するアニメオタク30才が、オタク大嫌いのヤンキー19才 大学生と勝負。
ヤンキーはオタクが入場に乗ってきた自転車を二度スラムし破壊。リング下からビール瓶(飴製)を持ち出して来る。それは卑怯だ、と叫ぶ放送席 の出川にお約束の一発。逃げるオタクを商店街中追っかけまわす。
このビンは安全に出来ています、や、これは六角橋商店街のみなさんにご協力をいただいています、といったテロップがいちいち出て来るのが可笑 しい。
リングに戻ってきた二人、オタクがいたぶられそうになるが、オタク、商店街のお茶屋でひろった出がらしで目潰し。
オタクのコーナーからのボディアタックでピン。オタクには、商店街のおもちゃ屋にある彩波レイのフィギアと、自転車屋による自転車修繕無料権 が与えられた。

第5試合 アイドル10人組vsマネージャー

こいつらhttp://www.neowing.co.jp/idol/essentials/pichipachi/
がマネージャーに不満を抱き、対決へ。リング上で柔道経験者のマネージャが女の子を片っ端から投げ
「お前らとの信頼関係がなくなったら終わりだろ、俺はお前らに才能があると思ってる、けしてB級アイドルじゃ終わらせない」
などと涙のマイクで仲を取り戻し締め。バラエティとしては普通だが、プロレス側から見れば、お互い仲直りすれば試合でわざわざ決着する必要も ない、という意味で新鮮。

第6試合 童貞×2vsモテモテ大学生×2

そのままの構図のタッグマッチ。これにも学プロを使っていて、かなり動ける。というか学プロ選手を無理やり童貞とモテに分けた感もある。
試合はジャーマンのブリッジなんかきれいだし、トップロープから場外へのケブラーダとか、ツイスタープレス、スパイダージャーマンなんかも やってしまう。レフェリーが水鉄砲でモテの一人の股間に攻撃、というお約束などを挟んで試合は進み、まぁここも立場が弱の方らが勝つ。
童貞の一人がマスクマンで、試合中はがされそうになるのをレフェリーがハリセンでカットする「プロレスではマスクは剥いじゃいけないもの」と いうことを視聴者に訴えるスポットがあるのだが
勝者が夏目ナナから受けられるほっぺにチューのために、マスクを自分で脱ぐ、という結末への伏線になっていた。中身は確かにもてなそうな不器 用でウブぽい男子だった。

  メイン ブスvs美人

ブスはすっげーデブ。美人は胸のおっきいタレントぽいひと。試合中、ブスが顔面攻撃されたときに「顔はやめてー」というネタを挟み、レフェ リーが美人に加担するなどし、逆にレフェリーが攻められ、リングアナのインパルスもう一人も巻き込まれ、勢いで選手やタレントが乱入してリン グ上がどたばたしたままスタッフロールでおしまい。

この番組はWWE的な、アングルとキャラとスポットをトータルでプロデュースする手法を、日本のテレビバラエティの文法に合わせてアレンジす る、というところから出発したものなんだろうけれど
試合に至るまでのそれらを取り巻くものの見せ方は、プロレスのプロにとっても勉強になる点がいくつもあったように思う。少なくとも日テレのあ らゆるプロレス格闘技番組より小慣れていて中身がよく出来ていた。
試合をする人間がアマチュアからそれ以下の人間で作ったものを退屈することなく見せられるんだから、ブレーンさえあれば、試合だけで魅せられ るプロ達は、この番組より数段ランクの高いものをファンに提供できるはずだ。算数で考えれば。
とりあえず、NOAHの興行の、休憩前にやぼったい試合をすることの多い連中に、この番組のスタッフから知恵を与えて欲しい。




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