5.3.AtoZ 後楽園大会
■団体:AtoZ
■日時:2005年5月3日
■会場:後楽園ホール
■書き手:しま

(この観戦記は、全女ファンであった私が、全女消滅後、難民のような気持ちでAtoZの大会を観戦した記録なので、他団体のファンの方からしたら全女原理主義に貫かれたろくでもない観戦記かもしれませんが、そこのところはどうか大目に見てやってください。)


それにしても、全女ファンはお休みをどう過ごしているのかしら?
今年に入ってから毎月の後楽園大会+週末の地方大会(首都圏)、という観戦パターンが崩れてしまって、なーんか調子狂うなあ、と思ってたら全女自体消滅、もう完全に生活のリズムが狂ってしまいました。いつの間にやらこんな体になってしまっていたのですね、あぁコワイ。全女や女子プロのことをぼんやり考えることが生活習慣になり、それは元々ネガティブ思考の私にとってじわじわと身心を蝕まれるような、イヤァな感じの習慣。ますます悲観的な人間になっちまった気がします。自分がこんな人間だから、あの常人離れした楽観主義の全女の面々がまぶしく見えたのでしょうか。


今日はAtoZの後楽園大会。
「Meも全女ソウル!」と思わず本音を迸らせてしまった堀田が、AtoZと(心の中の)全女をどう整理してこれからやっていくのかを知りたい。AtoZは果たして“松永一族抜きの全女”なのか!?


客入りは、北側席をつぶしていたけれど、7〜8割入っていてなかなか盛況。やはり全女ファンが流れてきている様子。リングアナが「ゴールデンウィークにもかかわらず、ご来場下さいましてありがとうございます。」みたいな挨拶をするのがおかしい。「AtoZ GOLDEN WARS IN 後楽園」って銘打ってるのに、「せっかくお休みのところウチの興行なんかきてもらっちゃってホントすんません。」って感じにあふれた口上です。


全選手入場後、堀田の「今、女子プロレス界は動いています!が、AtoZは女子プロレスの中心として頑張っていくつもりですので、よろしくお願いします!」という挨拶のあと、しょぼいサインボール投げ、そのあと眼底骨折で長期欠場中の阿部の挨拶。


リングアナ、いちいち「がんばっている阿部選手に今一度盛大な拍手をお願いいたします!」など、声援&拍手を強要。選手紹介といい、試合前の口上といい、過剰な台詞回し(?)が昭和の歌謡番組の演歌歌手紹介のようなノリで笑える。


第1試合 20分1本勝負
ザ・ブラディ(8分23秒 ブラディEX)竹迫望美

普通の女の子以上に小柄な竹迫、以前どこかで見た時には「こんな子、やっていけるのかなぁ?」と思ったけど、今日は格上ブラディ相手にねばる!ねばる!必死にブラディに喰らいついていく竹迫がとても可憐かつ頼もしく見えた。

そんな竹迫には熱狂的なファンがついているらしく、
「竹迫ーっ!やり返せー!」
「気持ちで負けるなーっ!」
とすごい声援を一人でおくっている。

竹迫の技の掛け方がトロいと「竹迫、遅いっ!」、竹迫がツーで返されると「トミーさん、遅いっ!」と的確なのが笑える。

怒ったブラディが、わざわざ彼の前まで竹迫を引きずっていき、いたぶってみせると泣きださんばかりの顔でセコンドの下田に抗議抗議。
リングアナの「あまり選手を刺激しないでください〜!」のマイクには会場爆笑。
リングに戻った竹迫、必死に丸め込み技などを繰り出し、客の声援も大きくなっていく。う〜ん、素晴らしい♪これぞ第一試合の醍醐味。


第2試合 30分1本勝負
ジャガー横田(8分46秒 卍固め)華名

手首を骨折して長期欠場していた華名の復帰戦なので、リングアナの読み上げる前口上もますます燃え上る(笑)。デビューしたての華名を見た時、「うゎ〜いいなあ!全女に欲しい〜!」と心から思ったものだった。大きい声、大きいお尻、甘ったる〜い可愛い顔しながら根性はブッ太そう、という最高の逸材サン。

得意技はヒップアタックということで、復帰戦の相手はジャガーさん。

華名、倒されてもピョン!と立ち上がったり、腕をねじられても、ロープを掴んでクルリ!と回転して逃げたり、体はポッチャリしてても鈍くさくないぞーとばかりに素晴らしいアピールで客を喜ばせる。絶叫調の声が華名の魅力なので、途中で声が出なくなるとリング下から下田が「声!声!」と指示。

試合後、ジャガーさんが満面の笑みで「華名!復帰おめでとう!」「私のヒップ受け継いでくれて(嬉しい)。」「ヒップ受け継いでください、応援してます!」とマイク。本当に嬉しそう。華名も嬉し泣きしつつ「やっとリングに帰ってきました!AtoZは最高ですっ!私はAtoZのリングでこれからも突っ走って、夢をつかみ取りますっ!!」と大絶叫〜。うー素晴らしい。


第3試合 30分1本勝負
○セーラ・デルレイ&ナディア・ハート(13分39秒 体固め)●ファング鈴木&武藤裕代 *ラリアートから

びっくりするような大袈裟な前口上「アメリカ!カナダ!日本!世界をまたにかけた女子プロレスのなんとかかんとか、、、!世界のプロレス!なんとかかんとか、、、、!」

あぁ録音しておきたい、、、。

しかし、前口上と内容のギャップの激しさというものは、興行にはつきものなのですね。

でもナディア・ハートは、愛嬌とサービス精神にあふれていて試合後見ていて気持ち良かった。


第4試合 60分1本勝負
前川久美子(31分03秒 片エビ固め)西尾美香
*踵落しから

さぁ、はっきりいってここからはもう、全女からの亡命者&難民の吹き溜まりというか、キッスの世界が抜け去った全女というか、、、それともここは旧アルシオン勢がキレイサッパリ去ったあとの清々しい約束の地といっていいのでしょうか?よく判らないのですが。

全女ファンとしては、ここにいる選手たちが全女の香りを消さずに、かつ全く新しいものを創り出す力を持っていて欲しい!と願うのみ。

なかでも西尾は、AtoZで再生したエースとして、この団体を背負っていかねばならない立場なので責任重大でしょう。前川相手にどこまでやれるでしょうか。 前川は赤いベルトを肩にかけて堂々登場。

前口上「ザ・ファイナリストが、真のファイナリストになるために!なんとかかんとか、、、リベンジか?!それとも!なんとかかんとか〜!」

やっぱり笑える。

客席の声援も西尾へのものがほとんど。西尾ファンの声援というより、AtoZファン&女子プロレスファンの「頼むぞ〜。」という悲痛な願いがこもっているように聞こえます。

ところが、西尾、最初からやられっぱなし。何もできずに蹴られまくっております。前川は微笑みさえ浮かべて気持ち良さそうに蹴りまくっております。「西尾ー!勝つ気あんのかよーっ?」「遠慮するなー!」「前川を本気で怒らせてみろよっ!」等々、きっつい野次が飛び交います。西尾ファンって、素晴らしい(笑)。

うずくまってしまった西尾をなおも蹴る前川、西尾されるがまま。西尾ファン激怒!「前川〜もう終らせちゃっていいよ〜コレ!」だって。西尾「ぎゃあぁ〜!」とわめいてやっと反撃。きれいなジャーマンを3連発。

エルボー合戦。ただこのエルボーは全然きいてなくて、前川がまた笑いながら受けている。う〜む、全然相手になってない。でも25分経過の声をきいてびっくり、けっこう面白くてあっという間に30分たってしまっていた。西尾、全女にいた時とは別人のようにたくましくなったけど、ムラがあってはらはらさせる所はそのままかも。でも、このはらはら感がたまらない魅力を持っているようで。西尾をボロクソに野次っていたファンは西尾が不甲斐なかったことを本気で泣いて悔しがってるかも、、、AtoZファンは熱っぽくて頼もしい♪


試合後、前川が「オマエの成長は認めてやる。でもまだ私は負けないよ。何度でも挑戦は受けてやる。」とマイク。そしてセコンドについていた前村に「おい、前村!全女はなくなっちゃったけど、二人でこれからAtoZに参戦していこう。」と声をかけると前村がリングにあがって両手で握手。あぁ、前・前タッグは消えないのね!嬉しい♪前村、マイクをつかみ「AtoZのファンのみなさん、こんにちは、前村です。」と普通に挨拶したあと「おい!AtoZ!テメー!全女の真似してんじゃねーよ!」「全女はなくなっても、私と前川さんで全女ってものを見せてやるっ!!」といきなりかます。ヤッター♪

西尾、「“テメー”って、私のこと?かわからないけど、ここはAtoZのリングなんだよ!私も全女の西尾じゃないんだよ!」とイラつきマイクで応える。この調子でこれから本気でバチバチやってほしいです。


全女消滅で流れてきた全女難民、全女を退団して新団体創ろうがどこまでも“ソウルは全女”な方たち、そのことに苛立ちを覚えている選手、AtoZ生え抜きなのになぜか全女っぽい若手、、、一人一人みんなどこかに全女を引きずっている不思議な団体、AtoZ。


第5試合 時間無制限1本勝負
堀田祐美子・○アメージング・コング(22分25秒 体固め)●下田美馬・豊田真奈美 *ダイビング・ギロチンドロップから

堀田とA・コングは「全女ソウル」の長い鉢巻をひらめかせて登場。A・コングには全女時代にはなかったような大きな声援。4・17の涙が効いているのか?通路には「暴走」ボードを掲げたファン。花束贈呈。「60分一本勝負の予定でしたが、選手全員からの強い要請で時間無制限一本勝負に変更させてただきます。」というアナウンス。前口上は「四人の!最強〜!最高〜!の選手による〜!なんとかかんとか〜華麗なるグランドフィナーレ〜!」宝塚か。

堀田とA・コングは「ミー、ソウル!ユーソウル!」とソウルメイトになったことを強調。わけのわからない英語のやりとりが笑える。対するスウィートハーツの二人はどうなんだろ?下田はばかみたいに元気に振舞ってるけど、仕草が派手なだけでキックもパンチもまったく当ててないスカスカキックにスカスカパンチ。ドロップキックも足の先でチョンと突くだけ、この人が本当にラスカチョだったんだろうか?今日は受けに徹したと言いたいのだろうけど、あの攻撃には心底シラける。

会場には下田の勤務先(銀座のバー)の同僚と思われる方たちやらママさんやらが大挙来襲して、下田の一挙一投足に大喜びしてたけど。豊田はといえば四人の中で一番影が薄い。何年も前から太ってきていたけど、全女にいた頃はまだ飛翔天女の意地が豊田を飛ばせていて迫力があった。でももうだめなのかも。トップロープから飛ぶどころか、ロープに駆け上がることさえもう出来そうもない。飛べなくなっても豊田にはスープレックスやボムがある!と思っていたけれど、重みのある技のほうもなんとなくパッとしないじゃないの〜。このままでは悲しすぎる。もう一花咲かせてほしい。


やられ役の下田が予定通りやられて試合が終わり、A・コングがマイクで堀田に「ユー、ガッタ、ソウル?」すると堀田が「ミーソウルは、AtoZソウルーッ!」と全女ソウルを投げ捨て宣言。

客席からは、AtoZファンの歓声より、全女ファンの「えーっ!全女ソウルは〜っ?!」の非難の声のほうが大きかったりして、改めて堀田を支持する全女ファンの多さにあきれる(笑)。堀田も困るよね。なんだか「アレレ?調子狂った」みたいな雰囲気のなか、A・コングと堀田が互いの胸にバチバチチョップを叩き込みソウル交歓。激しいチョップ合戦になんとなくみんな納得したところで全て終わり。


今日の大会は面白かった。

でも、次はどうだろう。本当に一大会一大会が勝負、という気がする。全女のなれの果てみたいな団体になってそのうち潰れちゃうかもしれないし、大爆発して女子プロレスを盛り返す団体になる可能性も持っている、まさに崖っぷちを走っているようなAtoZ。西尾や華名が崖を崖とも思わず力いっぱい走っている姿を見ると「やれる」と思って嬉しくなる。あとは彼女達に続く新人が入ってくるか、こないかで全てが決まるんだろう。

以前は全女名物だった北海道の連戦巡業にもうすぐ出発するAtoZ。前村も全戦参戦することが決まったらしい。上がるリングがあることに感謝。巡業ができることに感謝。みんな怪我をしないで思いっきりプロレスしてきて下さい




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