DDT4.20新木場大会
■団体:DDT
■日時:2005年4月20日
■会場:新木場1stRING
■書き手:犬足

DDT 4.20 新木場大会 〜NON-FIX〜

観客の数はいつもと変わらぬ120人程度、仕込みっぽい子供もいれば仕込みっぽい団体客もいる。
新木場に週一で通い始めて早2ヵ月、客席を見渡せばいつも見るあの顔、
試合が始まればいつも聞こえるあの声援。
テレビ収録なのだから、声援要員は必要である。
特にDDTは、知らなきゃ出来ない応援方法が多い。
高木三四郎の「Fire」ポーズをはじめ、MIKAMIの「スク〜〜ルボーイ」、猪熊裕介の「俺の時代が来た」、
三和太の「ぶーちゃんローラー」及び「リバース」など枚挙にいとまが無い。
さらに蛇光教団の「ガラガラ」は売店でマラカスを買わねば参加することすら出来ない。
無い場合でも手をヒラヒラさせればいいんだがマラカスありのほうが信者としてのグレードは上だ。
競うほどのグレードも無い気がするが、そこはそれだ。

そう言えば諸橋晴也&タノムサク鳥羽が流行らせようとして結局定着しなかった
「君の瞳に乾杯」などというのもあった。これは各自手持ちの飲料容器を目線の高さに掲げ
諸橋の「君の瞳に〜〜」に続いて「カンパーイ」と言うものであり、
これはシャンパングラスを掲げ相手の目を見て相手より先に「君の瞳に乾杯」と宣言することで勝利となる
伝説の試合形式『シャンピニオン・デ・スマッチ(デスマッチ、ではなく、デ・スマッチ)』で勝利を収めた
諸橋&鳥羽の専売特許となるはずであったが、やる側もやらされる側もいかんせん照れくさいというか恥ずかしいのであろう、早々に消え去った。

それらのチャントを実際にやって見せることで顔無き彼らはDDTを支えている。
リングにこそ立たないが彼らなくしてDDTの興行はありえない。
新木場1stRINGの照明が暗いのはたまたまであり、決して彼らを隠すためではない。


第一試合:○KUDO、三和太 (Wニードロップ) 健心、柿本大地×
先週4.13新木場大会において私の斜め前に座り、三和太のぶーちゃんローラーに大うけだった白人女性は、
実はNEO等に参戦経験のあるエイプリルハンターであったことが後日判明したが、
この日も三和のローラーは健心、柿本はもとより味方のKUDOに至るまで圧殺、猛威を振るった。
が、試合を決めたのは柿本へのKUDOのダイビングWニードロップであり、この事実が三和の曖昧なポジションを物語っている。
かつては次代のエースの称号を欲しいままにしていたわけだが、今ではすっかりオープニングアクト要員である。
原因は新しい技、新しい動きを身につけられないことにあるとは思うが160センチ160キロの体ではどうしても出来ることが限られてしまうのだろう か。


ちなみにKUDOはディファカップへの二度目の参戦が決まっている。前回は先輩のMIKAMIと組んで出場し
結果は第三位だったが、今回は後輩の飯伏と組んでの出場、一宮社長からは「いい試合をするのであれば出る意味は無い」
つまり優勝すれとの旨通達されており非常にプレッシャーのかかる大一番である。

試合後、ホールでのアイアンマンバトルロイヤル開催を目論み一般公募で挑戦者を募ったが結局誰も応募してこなかったとぼやく
現アイアンマンへビーメタル級王者の健心に澤宗紀ことランジェリー武藤が乱入挑戦した。が、
シャイニングウィザードからの体固めを返され王座奪取失敗、5.4後楽園ホールでなぜか太も交えて3WAYで争うこととなった。
存在感こそあるが出世しない太、膝の悪い武藤の動きの真似は得意だがそれ以上のものを出せるか不安なランジェリー、
長州力の物まねレスラー泉州力を倒してアイアンマン王者に収まったがその後泉州はDDT参戦してないしはっきり言って健介の物まねも
いい加減飽きられてきた健心が絡んで何が出せるか見てるこっちがいささか不安なカードが組まれてしまったが、
エンターテイメント団体のDDTは何の目算も無くこんなカードは組まないはずである。多分。
ランジェリー頑張ってくれ。


レフェリーコンテスト:
第二試合の前に5.4後楽園のメインイベント高木三四郎vsディック東郷のレフェリーを決めるべくレフェリーコンテストが開催された。
候補者は浅野レフェリーと大阪プロレスを辞めたと思ったらこんなところにいた松井レフェリー。
結果から言うとドロー。セミの高木&諸橋vs東郷&橋本友彦の一戦をダブルレフェリー形式とし、優秀なレフェリングを行った方を最終的な勝者と
することとなった。

カウント力を測る「ストップウォッチ見ないでとめて三秒に近いほうが勝ち」では
浅野レフェリー3秒06に対しストップウォッチとめ忘れた松井レフェリー51秒82で浅野レフェリーの勝ち、

ボディーチェック力を測る「レスラーの体をチェックして凶器を沢山見つけたほうが勝ち」では
太の胸の脂肪(乳と言いたくない)に挟まっていたフォークを見落とした浅野レフェリーの負け、
耐久力を測る「太のローラー食らって先に立ち上がったほうが勝ち」では
両者ともにダメージが激しくドロー、であった。

松井レフェリーはテッドタナベのような、声量、外見共に存在感のあるタイプであり、
浅野レフェリーはNWA公認なだけあって厳格なレフェリングをするタイプなので甲乙つけがたいのだが
ホールのメインはノールールマッチだそうなのできっと松井になるんだろうな。
そもそもノールールなんだからレフェリーなんぞ不要であり、そうなってくると当然中立の浅野よりも
東郷率いるFEC専属レフェリー松井の方が動かしやすいのであろう。


第二試合:×マサ高梨、高木省吾 (丸め込み) 男色ディーノ、HERO!○
最近プロレス業界に「たかぎ」というレスラーが増えた。俺の知っているだけでも4人。
高木三四郎、高木省吾、高木功、ドラゴンゲートのたかぎはたかぎはたかぎでもたかが高じゃなくて鷹だったか。
それはともかく
「もっと客を呼んでくれると思ったのに」だの「もう飽きちゃった」だのと自分の欠場はさておき言いたい放題の一宮社長、
本日のジェット入団試験4番勝負第三戦に男色ディーノを持ってきた。なぜホールじゃなかったのかはこの後はっきりする。

ディーノ試合前からジェットを挑発、ケツを突き出し「ジェットカモーン!」「ジャベ!」と早くも臨戦態勢。
元イケメン団体のジェットこれを嫌うが結局餌食に。ジェットのトランクスを半ケツ程度に脱がしたところでHERO!に止められる。
代わって高梨出てくるがここ最近ドラゴンゲートに参戦して飽食のディーノ、高梨には興味示さず。
と見せかけて高梨を駅弁固めならぬただの駅弁に捕らえ、ジェットに熱い視線を送る。
見かねたHERO!「子供は見ちゃ駄目だぞ〜」だそうだ。仰るとおりである。この日会場で見た光景を学校で実演したら大変なことになる。
お父さんとお母さんがすでに実演してるかもしれないがその子だってそれで生まれたわけだが、いけないものはいけない。

ホモネタに押されて印象が薄くなっているがHERO!も高梨も切れのあるよい動きをしている。特に高梨のイナヅマレッグラリアートは
単発ではまだまだ軽い印象を受けるが数ある技の流れの中でこれを決めると試合が絞まって見えて良い。と思う。
素早い攻防の末敗れた高梨だが、試合後は息を乱すことなくマイクアピール。タフだぜ。

曰く、「ジェッさんはホールにたどり着くことなく新木場で終わるレスラーだったんだ。もう面倒見切れねえ、メキシコで一からやり直せ」
とのことであり、自分が負けたわけでもないのに後輩に言われっぱなしのジェットも何か反論するかと思ったが何も語らず。
しかしどういうわけか首はつながっているようで、ホールでマ偽ナム東京とやるんだと。

ジェットはここ三試合ほど見ているが、ジェットパンチ以外にめぼしいアピール場所が無い。
どこよりもネタの消耗が激しいDDTでジェットパンチ一本で生き残れるはず無いので、どっかでキャラクター変更を余儀なくされるだろう。


第三試合:3Wayマッチ ○守部宣孝 、神咲翔、タノムサク鳥羽× (忘れてしまいました)
FECの守部、DDTの鳥羽、そして元FECだが今は全く関係ない神咲、とFECマネージャーソニー本田のそそのかされ、
鳥羽、わずか五分ちょっとで守部&神咲の前に倒れる。
俺の思い込みかもしれないが、本日の鳥羽はかなりやる気が無かったように見える。入場時はロープを跳び越えたり、試合中もギロチンドロップや
ろうとして
飛びすぎて背中からマットに落ちたり足腰は鍛えてありそうだが、集中力に欠けているのかやる気にムラがあるのかどうにも冴えない。
良いときはめざましい活躍をするが駄目な時は全く見れたもんじゃない、インディーがグローブして歩いてるような男である。
ただ最近、いい時の活躍が見れて無い気がするがスロットで負けが込んでいるのだろうか。

守部については良くも悪くも硬い印象がある。技の失敗は少ない、堂々としている、姿勢もいい、技と技の間に間が空かない、鳥羽とは正反対だ。
いいことずくめのようだが何か違う。まるで新日ジュニアを見ているようで物足りない。
一定のクオリティを保つ、常に隙の無い品質を客に提供する、社会人としては納得のハイバリューだがそういう人がチャンピオンだとなんだか
成績のいい会社員が社長賞をもらってるのを見てるような気分がして応援する気が起きない。
皆が皆鳥羽でも困るが、どいつもこいつも守部だと退屈だなあと思った。

神咲については蹴りの衝撃音が10点満点中10点だがそれ以外がすべからく2点とか、適当に作ったファイプロのエディットレスラーみたいだ。
試合もまだ2回しか見たこと無いのに適当なこと言うなといわれそうだが俺もこれ以上何もいえない。


第四試合:○橋本友彦、ディック東郷(XCT)高木三四郎、諸橋晴也×
ホールのメインを裁くのは浅野か松井か、文字通り雌雄を決する闘いが始まった。
しかしレフェリー二人ってなんか絵面がおかしいな。見慣れないせいか。でもなんかおかしいな。
しばらく試合を見てれば慣れるかな。ああ、だんだん慣れてきたいい感じ気にならないよしよし。

高木三四郎はアスリートとしての能力はともかく、プロレスラーとしての能力もともかく、えーと、
ともかく入場が世界で五本の指に入るほどうまい。俺なんか「Fire」があまりにも気に入ってCD買ったくらいだ。
ちなみにエイドリアン・バンデンバーグ「This is War」も買ったが直後に佐々木貴は離脱、アパッチへ行ってしまった。

東郷は全国区の男であるため今更何の説明が必要だろうか。でも本日はセントーンなし、ちょっぴり省エネファイト。さすが全国区。力の抜きどこ
ろがわかっている。
前回のホールではCIMAで言うところの「トカレフ(スワンダイブ式低空ドロップキックでリングの横断する技)」に挑戦、見事失敗していた。
だからかどうか知らないが1月にMIKAMIと闘った時は「後味が悪い」とまで言ってたんだが2月に高木とやった後は特に何も悪態をつかなかった。
さすが全国区。わきまえることも知っている。

レフェリー対決はまじめにレフェリングする浅野に対しろくすっぽ参加しない松井、これで高木組が勝ったら次から出番なしだがそうはならず、
先週に引き続き浅野レフェリー衝突→ダウン→その隙に松井が3カウント叩く→試合終了。
敗れ去った浅野、「ノールールなんて出来ません」と言い残し、泣きながら控え室へ。

この試合では敗戦の憂き目に会った諸橋だが、実は彼の実弟がDDTに入門している。名は正美君という。
実は今をさかのぼること約二ヶ月前、2月の後楽園ホールに兄の応援のため着ていた正美君は兄の対戦相手であるFECにリングに引き上げられ
滅多打ちに合い首を負傷、入院、卒業式にも出られず、就職先の研修も受けられず内定取り消しの憂き目に会っていた。
弟を不憫に思う兄晴也の計らいによりリング上で先生と御学友と共に卒業式を執り行った正美君は就職先としてその場でDDTへの入門を直訴、晴れ
て練習生になったのであった。
そんな経緯でFECとは浅からぬ因縁がある諸橋。

姿勢も良いしバテても腰が落ちたり伸びたりしないので常に視線の高さが一定で見栄えのする男である。TAKAみちのく辺りと同タイプか。
佐々木貴の抜けた穴を埋めて余りある。と思う。がんばって欲しい。


第五試合:トリプルメインイベント
@ ×チェリー (モアイオブイースター?)ポイズン澤田ジュリーことPSJ ○
A ○マッスル坂井(F5からの体固め )猪俣潤ことIMJ ×
B ○猪熊裕介 (エビ固め )蛇イアント ×

本日のお楽しみ、マッスル劇場である。
通常の6人タッグではなくシングルマッチ5分一本勝負を3戦行うとのこと。そうか、だから今日はタッグばっかりだったのか。
ちなみに勝ち越したほうには先週の新木場でマッスルが奪われたウェストポーチと中身(マッスルの実弟ヨシヒコの亡骸)が与えられる。
ヨシヒコとはマッスルが麻酔銃で撃たれ意識朦朧としたときに現れたDDT脅威の大型新人であり、デビュー戦で猪熊をドラゴンラナで破り、
バルコニーダイブもこなすなど派手な活躍をした。というのはあくまでプロレスの文法の中でのことであり、実際はどうなのかというと、
会場で見てもらうしかない。幸いにして本日墓堀人として復活したからホールにも出るだろう。


復帰から一ヶ月経つチェリーの動きも大分戻っており、プランチャなどのルチャの動きもそつなくこなす。が、
「『戦闘員』子」対退団以来女子部はこの人一人きり。KAIENTAI-DOJOでもIWA JAPANでも、古くはFMW女子もそうだったが、
男子主体の団体の女子選手は日頃から男子選手との闘いでもまれてる分タフかといえばそうでもなく、
女子選手との試合数も少ないので試合内容もこなれてこない。
興行の中の一服の清涼剤と見る向きも無いではないが、清涼剤扱いでよしとするかどうか、元キャットファイターはどうするのだろうか。

坂井に敗れた新人の猪俣であるが、なぜかペールワンだかペールワンの甥だかばりに全身ヌルヌルである。
その上「Be My Baby」の曲にのってクネクネ踊りながら入場、なかば踊りながら試合をする。
新人という規格外の存在だがDDTはこの手の超促成培養をやる。
いい例とは言えないかも知れないが退団した大家健などがそれに当たるだろう。
大家の場合はまだ何のキャラクターもない時期が数ヶ月あったと思うが猪俣はデビュー戦からしてこれである。
下に練習生一杯いるし、とっととキャラクター与えてしまえということなんだろうが、大家の二の舞にならなければいいが。

そんなわけで勝ち越したマッスル組が取り戻したポーチからヨシヒコではなくバギーパンツを取り出して唖然としたところで場内暗転、
アンダーテイカー風のいでたちを身にまとったヨシヒコ登場、そこでディーノも登場、ホールにおけるPSJとの蛇とホモをかけた
「ヘビトラコントラホモトラ」開催が決定されたのだった。ジェットvsディーノがホールじゃなかった原因はこれ。
多分ディーノが負けてホモキャラ封印と相成るのでここでやっとく必要があったのだろう。


総評:ナオミスーザン、佐々木貴、宇宙パワー、GENTARO、ホッパーキング、エキサイティング吉田、『昭和』、
相当数の人材を放出しつつもDDTは後楽園ホールを満員にする。人材がいないのでネタで勝負する。ネタはすぐに劣化する。
客に受けるネタをひねり出し続けるのはとても困難だ。だから皆試合内容で勝負しようとする。

良い試合を安定供給すればしばらくは持つ。だがそれもいつかは劣化する。試合内容だってひとつのネタであるからだ。
新日本プロレスがつまらないのは、自分たちのネタ(試合)の劣化速度を履き違えたからだ。彼らが思うより遥かに早く、
観客は新日本プロレスを消 化してしまった。

DDTがそうならないのは絶えず人を、ネタを入れ替えるからだ。今後もそうである限り俺はDDTを見続けたいと思う。




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