ライオネス飛鳥ラス前
■団体:NEO
■日時:2005年3月27日
■会場:東京キネマ倶楽部
■書き手:凸ユーレイ

 鶯谷に着いて、陸橋のところでこの日キネマのWヘッダー昼の部、JWPの春山・米山両選手とすれ違う。あれ?今日はもう上がり? セコンドや売店、撤収はお役ご免かな。シャイな自分は「おつかれさま」と会釈することしかできなかったが、挨拶出来ただけでも嬉しかった。

 会場で知人に、昼のJWPが面白かったと聞く。以前からだが、私が行かない時に限って、スゴク面白いらしいんだよね。最近では前週の道場マッチ、1月のNEOキネマも米山の優勝を見逃しているし(といって逆は真ならずで、私が行く時に全てハズレるわけではないです無論)。

 引退まであと1戦を残すのみの、飛鳥参戦効果だろうか。前日の板橋大会も満員だったそうで、この日も指定席は買えず、ひさしぶりにキネマ立ち見。

 試合開始前、前日ブラディーとのタイトルマッチで負傷、王座預かりとなってしまった田村から欠場の挨拶。ブラディーも登場、再戦しようと固く握手。
 つづいてブラ、飛鳥と京子を呼びこむ。Jd’時代に師事した飛鳥が引退する前に、取り戻したベルトを巻く姿を見せることが出来ず、感極まってブラディーは声が詰まりがち。TWF王座は飛鳥に所縁が深く、京子との因縁も、そのタイトルマッチから始まったと言えるものであった。「気持ちに納まりがついていません。試合してください、お願いします」。Xと発表されていた2人の対戦相手に、ブラディーが立候補。
 飛鳥「あんなことになって、ブラディーの悔しさも、田村の悔しさも、私と京子にはよく分かるし、受けとめている。ほんとは田村に横にいて欲しかったけど… パートナー見つけろよ」と受諾。そうか最初の予定のXは田村&ブラディーだったのか…。

 レフェリーは伊東幸子(フリー)とテッシースゴー(JWP)が交互に裁く。伊東さんの、GAEAの制服でない、黒Tシャツに黒パンツ姿はけっこう格好良い。


1.仲村由佳、○ナディアハート(12:39シャープシューター)宮崎有妃、×さくらえみ(我闘姑娘)

 カルガリーのハート家の一員、スチュの孫でジムナイドハートの娘、ブレットやオーエンの姪というナディア。身長面では、さすがに仲村やさくらよりは高いが元気や三田には及ばない。それより、ナチュラルに横幅がどっしりしている。臀部とオパーイ。
 ピンクで揃えた仲村組。そういえばブレットハートのトレードカラーもピンクだったか。お互いがパートナーのために、リングインのロープを上げようと譲り合うさまを、リズミカルに演じる。2人で♪5,6,7,8♪。ナディアはぎこちなく踊る。仲村がお姫様抱っこされてポーズ、で〆。

 対する宮崎組。さくらが青、宮崎が赤のジャージで入場。太ってぱっつんぱっつんの宮崎は、妙にもったいぶっていたが(笑)ジャージを取るとお揃い、以前格闘美で組んだ時に着たという、上がキャミソール、下がデニムの衣裳。

 先発のナディアに替わって入った仲村、すぐにドロップキックの連打。いかにも女子プロレスラーのリズムだなあと思う。  ナディアは大剛鉄之介コーチのもと、先日来日したデイビーボーイの息子ハーリースミスらと練習しているという触れこみ。宮崎は、「“女子”とも“男子”とも頭に付かない“プロレスラー”」と呼ばれることがあり、つまりどちらのリズムにも合わせることが出来る。さくらは、使う技こそヘアーホイップや吊り天井など女子らしいが、実はIジャ生まれのFM育ち、リズムは男子っぽくて、それで時たま、噛み合わない試合があったり。
 そのなかに仲村が入ると、「いかにも」って感じがするのです。

 見るからにパワフルなナディアに恐れをなして、対戦を嫌がっていたさくら、意を決して「日本の魂を見せる」と吊り天井に挑むがリフトできず、顔を覆って意気消沈、チェンジに行く。笑  宮崎は言葉の端々に「このガイジンが」と不適切な表現(笑)。仲村を恥かし固めに捕らえるが、「オーマイゴッデス!」とカットに入ったナディアに股間を蹴られ、しばし悶絶。

 仲村組、よく打ち合わせていて、腰と腰、腕と腕をぶつけ合いダンスするように仲良し連係。
 宮崎組、同じコーナーから連続ムーンサルトを飛ぶが、宮崎は標的に遠過ぎさくらは近過ぎた。それはそれでヒザが当たって痛そうだったが。

 ナディアがまだ慣れていないからか、すこし流れがブツブツと途切れて感じられる場面も。相手の足をインデイアンデスロック風に固めてヒザを落としていたが、その前におばっちドロップのようなステップを踏む必要はまったく無い。日本の女子プロレスに馴染むのは、流石にちょっと時間がかかると思われる。
 最後は「ブレットハート」「シャープシューター」と叫んでから技をかけ、なぜかいったん解いて、ふたたびのサソリで。


 第1,2試合に出場するNEO選手が多いため、前半戦のセコンドは主にJWPの渡辺、KAZUKIが務めていた。


2.吉田万里子(M’s)、椎名由香、○木村響子(JWP)(21:26変形キムラロック)元気美佐恵、タニーマウス、×松尾永遠

 青コーナーは吉田道場軍。
 3・14大田区、対抗戦でありながら団体を超えた同門対決で、勝った椎名に食ってかかる木村を、中立のセコンドについた師匠・吉田が宥めて、試合が組まれることになった模様。

 NEO軍が必要以上に対抗意識を燃やし、3人でアルファベット「N」「E」「O」のポーズだが、ムリヤリやらされた美佐恵は怪訝な顔、松っちゃんは先走って「イー!」と叫んでしまい「『ネ』『オ』だろ『イー』じゃ分からないだろ」とタニーに注意されたり、結局足並みが揃っていないことを露呈してしまう。笑
 しかし真面目に、場外乱闘を頻りに誘ったりマットに椅子を持ち出したり、関節技主体の吉田軍とスタイルの差異化を積極的に図っていたのはよかった。

 中盤以降、6人代わる代わるの乱戦。リング内で向き合う2人に、それ以外の4人が常にカットし合う状況で、最後に一騎打ちとなったのが松尾と木村。マクドナルド断ちして「マックは食わねえ」と宣言している木村、言葉通りマックに入る前のコルバタの段階で腕を取り、キムラロックに切り返したのはお見事。
 その後も、上体を横四方で固めてもう片腕をもシザースする形や、ジャイアントバックブリーカーとの複合形など、キムラロックにこだわり続けた木村。フィニッシュも、キャメルクラッチさらにフェースロックと、アームロックとの複合形で(維新力が使うらしいアルカトラズという技に似ているみたい。てか俺、維新力プロレスしてるの見たこと無いと思う笑)。

 木村は松尾からの初勝利。退場するチャンピオンを、ベルトを巻く仕種で挑発、自団体に取り戻すべくJWPジュニアに挑戦させろとアピール。 

 1人居残った元気。「ブラディー! お前の気持ちも田村の気持ちも受けとめた。同期のタッグ! 私にやらせろ! ていうか飛鳥さんとやりたい。やらせてください(かわいく頼みこむ)」。で、


  3.○ライオネス飛鳥(フリー)、井上京子(16:33逆回し蹴りから)元気美佐恵、×ザ・ブラディー(フリー)

 飛鳥はNEOで最後の試合。
 ブラディーのセコンドに武藤裕代。同じくチームOKのファングは飛鳥につく。メインでタイトルマッチを控えた三田まで現れて飛鳥を出迎える。

 志願して出てきただけに元気は張り切っていて、自分の権利が無い場面でリングイン、ブラディーと2人でクラッシュギャルズの定番Wの正拳突きを決める。
 これには直後に京子の呼びかけで、本家がお返し。

 普段と変わらず重いエルボーとチョップを元気と応酬していた京子が、コーナーを振り向いて「トモさん、最後だから受けてきなさい」と命令。元気の一撃に胸を赤く染める飛鳥。

 中盤から、記念試合でありながらいつものような消耗戦に。
 最後は、ブラディーが「押さえてて」と元気に指示、パートナーをカットしようとした元気だったが「そうじゃないコッチ!」、で飛鳥を羽交い絞めさせて裏拳を放つがかわされ誤爆。意思疎通ができていないところをすかさず。

 飛鳥はブラディーと長い抱擁を交わしたのちマイクを握り、「井上京子とやらないと終われねえんだよ!」。となって、急遽3分間のシングルマッチが実現。

※△飛鳥(3分時間切れ)△京子

 ブラディーはすぐにシェイドブレーカーズ(飛鳥脱退後、その流れを汲んだJd’でのブラディー・ファングのコンビ名)のTシャツを着てセコンドに。KAZUKIもセコンドつきたかったんじゃないのかな。3階で見てたかな。
 セコンドをかつてのように手足と使って、先の、正規の時間内ではあまり見られなかったハードコアな展開が短いほとんどを占める。場外の机(長与のサイン入りだったらしい)に京子を寝かせて、ポスト最上段からのフットスタンプで机ごと破壊する。

 あっという間の3分が経ちゴングが鳴った後、京子が飛鳥を抱きしめるようにカバー、促された伊東レフェリーが3カウントを叩く。シチュエーションは違うが、これも京子が相手を務めたチャパリータASARI引退試合のエンディングを想い出したり。

 飛鳥「この(真っ黒の)水着で試合をするのはこれで最後です。ライオネス飛鳥の存在は、天才レスラー井上京子と、ネオを外しては語れませんでした。ありがとう!
 それと、ブラディー、ファング、皆フリーになったりバラバラだから言う場所が無かったけど、裁恐軍のみんな! ありがとう。
 来週4・3、クラッシュ封印とともに引退します、観に来てください!」。

 裁恐軍はJd’時代のヒールユニット。先に名前を出したKAZUKIもその一員であったし、JWPを辞めた宮崎が復帰したのも飛鳥の声かけによるものだったらしい。この日宮崎が、ブラディーらを連れた飛鳥に挨拶したところ「裁恐軍が揃ったね!」と答えられ、感激したとweb日記に書いていた。
 この人のことを後輩選手が悪く言うのは聞いたことが無い。慕われる人柄、遺していく女子プロレス界のことは心配だろうが、ひとまず、おつかれさまでした。プロデュースする側として帰ってくる日を楽しみにしています。


 休憩、インフォメ。後楽園大会ののメインが、5月5日NEO5周年に因んで、55人参加時間差バトルロイヤルに決定したとのこと。さっそく前売りを買う。


4.NWA女子パシフィック&NEOシングル2冠選手権
○倉垣翼(=王者、JWP)(21:03ルナウイングから)×三田英津子(=挑戦者)

 三田、ゴング早々いきなりデスバレー! 
 つづく825(リバースDDT)は倉垣防御して、こちらはお返しにムーンサルトをいきなり放つ。

 派手な幕開きであったが、その後しばらく締め技の応酬。倉垣キャメルクラッチ、足4の字。三田スリーパー。
 場外乱闘をはさんで再び三田スリーパー。倉垣ウイングメモストレッチ(敵の両足をインディアン状に固めて、自らの片足で宙に吊り上げる)。重苦しい展開。

 三田がまた場外へ誘う。客席前、狭いスペースで肩車ドロップ、さらにいったんリングに戻ってトペ。倉垣はケブラーダで返す。

 中盤。倉垣アルゼンチン。三田、ショルダー・フェースクラッシャー、ギロチンなど。倉垣ラリアットなど。ムーンサルトは2度失敗。
 2発目のデスバレー、またも倉垣返す。825をこらえてバックへ回り、逆さ押さえ込みからウイングクラッチ(逆さ押さえ込みの体勢から、相手の臀部にのしかかるようにブリッジして押さえこむ)。3たびデスバレーに担がれたところ、ネックスプリングの要領で逃れる(中西百重がよくやってた動きだが、さすがに重い倉垣は着地でちょっとよろける笑)。

 倉垣、終盤に出した頭突きは効果的。
 中盤からカナディアンにこだわり、なかなか成功しなかったが、最後の最後、コレがやりたかったのかというサンダーファイヤーパワーボムがついに炸裂。ダメ押しのルナウイング(ムーンサルトから半捻りして背中から相手に落ちる)は当たりが浅かったが、ピンフォール勝ち。

 両者とも、大型だが実は器用な選手同士。しかしやはり、重量級、パワーを活かし、大技と締め技、重々しく、どっしり、ドカンドカン、という試合だった。

 試合後、ナディアがリングイン、ベルトを巻く仕種で挑戦を要求。倉垣も無言で、拳と拳をぶつける仕種で応える。そうね倉ちゃんは喋るとほのぼのしちゃうから、ジェスチャーだけでマイクアピールの代わりにするっていうのはいいかもね笑(倉垣vsナディアハートのタイトルマッチは、5・2WAP後楽園大会に決定)。




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