大相撲平成十七年春場所 初日〜中日 観戦記
■団体:日本相撲協会
■日時:2005年1月4日
■会場:大阪府立体育会館
■書き手:高倉仮面(TV観戦記)

大相撲は本日(5/8)より、五月場所がスタート。
今場所の焦点は、稽古総見時に勃発した朝青龍 vs 露鵬の因縁抗争、
先場所は後半から徐々に調子を取り戻し、ついに朝青龍をも破った栃東の動向、
そして先場所は試練の場所となった白鵬の「大関取りへの道」…といったところになるでしょう。

しかし、このサイトを読んでいる方には、今の相撲をどこから観ればいいのかわからない人もいるでしょう。
そこで僭越ながら、いまさらながら先場所の様子についてメモしたものを観戦記にしてみました。
これが今場所を見るに当たってのガイドとなれば幸いです。

では、頭を2005年3月あたりまで戻してご覧下さい(苦笑)。


…本当は、もっと早く出そうとしてたんですけどねぇ。

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◎初めに(初日に記述)
相撲をちゃんと見るのは、本当に久しぶりです。
それこそ15年ぶりくらいかなぁ?

今回、相撲の覚書を書いてみた理由としては…、
・世間が言うほどに今の相撲はつまんないのだろうか?という素朴な疑問
・単純に今の力士や相撲がサッパリわからないから、書いていく事によって覚えていく というのが主な理由です。

観戦方法ですが、NHKの深夜にやっている「大相撲・幕内の全取組」を毎晩録画しました。
本当は千秋楽くらいは生観戦しようかなぁ…とも思いましたが、
春場所は大阪での開催なのでアッサリと諦めました、

んで、試合数の多い大相撲興行、たとえ幕内の取組だけを書いていたとしても、
その全ての試合を観戦記にしていると何日あっても時間が足りなくなるので、
とりあえず横綱・朝青龍と、好きな力士の魁皇の取組は毎日書いていき、
他に目に留まる取り組みがあれば書いていこう、という感じでメモしてみました。
まあ、世の中のブロガーの中には毎日の幕内の取組を全て書いているツワモノもいるようですけどね(苦笑)。

さて、この春場所の見所としては、
「横綱・朝青龍の快進撃を誰が止めるのか?」というお馴染みの図式に加えて、
「二度目の返り大関の栃東が番付をキープできるか?」「新関脇の白鵬の史上最年少大関昇進なるか?」
が主な焦点ですね。特に白鵬はモンゴル力士ながら若さと端整なマスクで人気も高いので要注目。

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◎初日
※今日の魁皇
○魁皇(184cm/175kg/友綱/大関/1勝0敗)
●若の里(185cm/159kg/鳴戸/前頭筆頭/0勝1敗)
[小手投げ]

左肩痛で稽古不足、満身創痍の状態で今場所を迎えている魁皇だが、初日から伝家の宝刀が炸裂。
元関脇・若の里に右上手を切られた魁皇。ならば、と左腕をかんぬきに極めて、必殺の小手投げ。
う〜ん、これがあるから僕はこの人が好きなんだよねぇ、得意の右上手を切られた事はマイナス要素だけど。
ちなみに初めて魁皇の小手投げを見た友人のPON君、「ヤバイですよアレ! 相手の腕が折れますよ!」。
まあ確かにこの技で対戦相手を何度も破壊しているしね…。


※目に留まった取組
○安馬(185cm/113kg/モンゴル/安治川/前頭十一枚目/1勝0敗)
●隆乃若(191cm/151kg/鳴戸/前頭十二枚目/0勝1敗)
[寄り切り]

PON君イチオシの小兵力士、安馬。
身長自体は185cmと小さくないのだが、何せ体重が少ない。
113kgは幕内力士の中では最軽量で、実際、見た目にもどうにも細い。
そんな安馬なのだが、身体は小さくても小細工なしで相撲を取る。
今日の一番も真正面から隆乃若の懐に飛び込み、あっさりと寄り切り。
う〜ん、引き相撲や周り込む相撲が多いモンゴル力士の中で、これはイイ力士だなぁ。


○玉春日(182cm/155kg/片男波/前頭十五枚目/1勝0敗)
●豊桜(182cm/141kg/陸奥/前頭十四枚目/0勝1敗)
[叩き込み]

闘志あふれる一番、お互い一歩も引く事なくガンガン張り手をかまし合う姿に観客は興奮。
突っ張りを得意とする豊桜は若々しく、張り手合戦の合間に頭から激しくぶつかっていく。
だが玉春日は、この勢いを逆に利用しての叩き込みをキレイに決める。ベテランの味。
それにしてもいい試合だった。激しい取り口に会場も大満足。
こういう試合があると、興行全体が引き締まるよね。


※今日の朝青龍
○朝青龍(184cm/144kg/モンゴル/高砂/横綱/1勝0敗)
●琴欧州(204cm/141kg/ブルガリア/佐渡ヶ嶽/小結/0勝1敗)
[掬い投げ]

新小結という事もあり活躍が期待される琴欧州だったが、やはり横綱は強い。
今場所はまわしを金色にして挑んだ朝青龍、大きな琴欧州の喉を右で押し上げ、
顎の上がった琴欧州を左から掬い投げ。磐石の相撲内容、今場所も優勝に向けて隙がない。

※初日全体の流れ
初日から三役が格下に次々と敗れる(栃東、雅山、白鵬、岩木山)、波乱の内容となった。
特に白鵬は史上最年少の大関昇進が掛かった大事な場所なだけに、黒星発進は痛い。
そんな中でも朝青龍は完璧な内容でキッチリ白星。
「この調子ならまたしても朝青龍の優勝かな?」と予感させる初日の結果。

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◎二日目
※今日の魁皇
○魁皇(184cm/175kg/友綱/大関/2勝0敗)
●岩木山(186cm/179kg/境川/小結/0勝2敗)
[下手出し投げ]

立会いで押し相撲の岩木山に細かく突っ張られた魁皇、出鼻を挫かれて足元がおぼつかない。
右上手も取られてピンチを迎えたが、左の下手を取ると捻るように出し投げでこれを退けた。
最後こそ巧かったが、「大関としての相撲」としては危なっかしい事この上ない内容。
得意の右上手を切られた初日と共に「やはり体の状態が良くないのかなぁ…」と思わせられる一番。

※目に留まった取組
○黒海(188cm/158kg/グルジア/追手風/前頭四枚目/2勝0敗)
●白鵬(192cm/146kg/モンゴル/宮城野/関脇/0勝2敗)
[突き出し]

同期による外国人ライバル力士対決…なのだそうだ。
出だしから突っ張りで前に出る黒海に対して白鵬は真正面から受けるのだが、
あまりにも「受けの姿勢」すぎて反撃に転じられない。
反対に黒海は隙なく突っ張り連打、あっさりと白鵬を突き出した。
どうしたのか白鵬、初日の相撲も内容が悪かったが、今日の相撲も内容が悪い。
史上最年少の大関昇進が賭かった今場所、そのプレッシャーは思いの他、重いのか?


※今日の朝青龍
○朝青龍(184cm/144kg/モンゴル/高砂/横綱/2勝0敗)
●若の里(185cm/159kg/鳴戸/前頭筆頭/0勝2敗)
[外掛け]

朝青龍の強さの一つにスピードがあるのだが、今日の一番はそれが出た印象。
頭から当たった両者、だが次の瞬間には朝青龍は左を差していた。あとは右から外掛け。
若の里は先場所まで関脇を勤めていた関取、決して弱い相手ではない、と思う。
それを、こうもあっさりとねぇ…。相手に相撲を取らせない一番、強いなぁ。


※二日目全体の流れ
白鵬は上位陣との取り組みを前に痛すぎる連敗。
史上最年少大関昇進に暗雲が立ち込める。

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◎三日目
※今日の魁皇
○魁皇(184cm/175kg/友綱/大関/3勝0敗)
●垣添(177cm/140kg/武蔵川/前頭二枚目/1勝2敗)
[押し倒し]

初日、二日目と不安材料の残る相撲を取ってきた魁皇だったが、今日の相撲は万全。
得意の右で垣添の左腕をカンヌキに極め、左から強引な喉輪で押し倒し。
豪快な取り口は調子の良い証拠、とても左肩を怪我しているとは思えん。

※目に留まった取組
○石出(176cm/122kg/放駒/前頭十七枚目/1勝2敗)
●豊ノ島(171cm/126kg/時津風/前頭十三枚目/2勝1敗)
[押し出し]

ややバランスを崩しつつも、豊ノ島の胸に頭を付けて押し出し。
相撲歴13年目にして初めて前頭まで登り詰めた石出、これが幕内初白星。よかったねぇ。


○土佐ノ海(187cm/154kg/伊勢ノ海/前頭三枚目/3勝0敗)
●千代大海(182cm/156kg/九重/大関/2勝1敗)
[押し出し]

立会いでぶちかまし、千代大海の動きを止めた土佐ノ海がそのまま押し出し。
土佐ノ海の当たりが良かった一番だが、千代大海には痛い一敗。
これで早くも三役で全勝をキープしているのは魁皇ただ一人に。
正直、情けないなぁ。こりゃ今場所も本当に朝青龍が優勝かねぇ…。


※今日の朝青龍
○朝青龍(184cm/144kg/モンゴル/高砂/横綱/3勝0敗)
●琴光喜(183cm/158kg/佐渡ヶ嶽/前頭二枚目/2勝1敗)
[突き出し]

昨日に続いて元三役と対戦した朝青龍だが、今日も危なげなし。
先場所まで小結を務めていた琴光喜のかち上げを喰らうも、これを全く問題にしない。
あとは持ち前のスピードを活かして左右の喉輪、最後は右で琴光喜を突き出し。
今日も相手に相撲を取らせなかった朝青龍、強いねぇ。


※三日目全体の流れ
取組についてはあまり記述してないのでピンとこないかもしれないが、とにかく三役に元気がない。
特に関脇、小結はここまで全員全敗(雅山、白鵬、岩木山、琴欧州)。
この辺の番付の人達は上位陣と当たる事も多いからしゃーないけど、ちょっとねぇ…。
そして何より今場所の主役・白鵬が白星なし、失望している人も多いだろうなぁ。
反対に朝青龍は三連勝。ヤバイなぁ、また優勝かねぇ?

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◎四日目
※今日の魁皇
○琴光喜(183cm/158kg/佐渡ヶ嶽/前頭二枚目/3勝1敗)
●魁皇(184cm/175kg/友綱/大関/3勝1敗)
[押し出し]

魁皇、昨日の相撲内容から一転、
このところ四連敗している元関脇・琴光喜を相手に全くいい所なし。
立合いで琴光喜に頭から突っ込まれると、この時点で腰が浮いてしまった。
あとは「押せ押せ」の琴光喜、土俵際の叩き込みも焼け石に水だった。
大完敗だな、これではどちらが大関かわからんよ。
魁皇自身も「負けた…」という表情をしていた。



※目に留まった取組
○安馬(185cm/113kg/モンゴル/安治川/前頭十一枚目/3勝1敗)
●豊桜(182cm/141kg/陸奥/前頭十四枚目/1勝3敗)
[とったり]

小兵の業師、安馬。この人の相撲は本当に見応えがある。
今日は押し相撲の豊桜の左腕を手繰って投げた。いわゆる「とったり」というヤツである。
腕を手繰るのは安馬の得意の相撲なんだそうな。ウム、覚えとこう。


○高見盛(188cm/140kg/東関/前頭八枚目/3勝1敗)
●旭鷲山(180cm/142kg/モンゴル/大島/前頭六枚目/2勝2敗)
[寄り切り]

人気者の高見盛に対して、旭鷲山は仕切り線から大きく下がって構えた。
高見盛は立会いを踏み込みきれず、旭鷲山はモロ手で動きを止め、左下手を取って前に出る…、
と、ここまでは旭鷲山の相撲だが、高見盛は土俵際で右上手を取って逆転の上手投げ、
旭鷲山も粘ったが、ついに足が出ると人気力士の勝利に観客は大歓声。人気あるなぁ。


※今日の朝青龍
○朝青龍(184cm/144kg/モンゴル/高砂/横綱/4勝0敗)
●旭天鵬(191cm/154kg/モンゴル/大島/前頭筆頭/2勝2敗)
[引き落とし]

今日はモンゴルの先輩力士・旭天鵬との対戦となった朝青龍だが、全く問題なし。
右の喉輪で押し上げる朝青龍、旭天鵬はこれを外して左右をおっつけ、頭もつける。
だが朝青龍が身を引くと、旭天鵬はあっさりと土俵に両手をつけてしまった。
今日も相手に相撲を取らせない。今日も相手は横綱の黄金のまわしに手が触れられない。
磐石の強さを見せる朝青龍、懸賞金も右手を受けとる余裕ぶり(注)。

注:
朝青龍は左利きで、これまで懸賞金を左で手刀を切って受け取っていた。
この行為に対して「懸賞金は右手で手刀を切るのが『ならわし』である」として、
横綱審議委員の内館 牧子からクレームがついていた。


※四日目全体の流れ
大関・魁皇が敗北、これで三役に全員黒星がついてしまった。対する横綱は四連勝。強いなぁ。
この時点での全勝力士は横綱・朝青龍と、平幕の玉乃島と海鵬の三人。
う〜ん、海鵬は相撲内容もいいようなので注目してみようかな?

追伸。新関脇・白鵬にようやく初日。今場所の主役としては遅すぎるね。

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◎五日目
※今日の魁皇
○魁皇(184cm/175kg/友綱/大関/4勝1敗)
●旭天鵬(191cm/154kg/モンゴル/大島/前頭筆頭/2勝3敗)
[上手投げ]

昨日は自分の相撲が取れなかった魁皇だったが、今日は相手に相撲を取らせなかった。
開始直後に左下手を取った魁皇、その後で右上手を取る。
万全の体勢からじりじりと土俵際へと寄っていき、最後は得意の右からの上手投げ
。 連敗癖のある魁皇だが今日は文句なしの勝利だ、ヨシヨシ。

※目に留まった取組
○土佐ノ海(187cm/154kg/伊勢ノ海/前頭三枚目/4勝1敗)
●栃東(180cm/148kg/玉ノ井/大関/2勝3敗)
[押し出し]

現在まで上位陣と当たって3勝1敗、2日目には大関・千代大海を一方的に下した土佐ノ海。
今日は大関・栃東との対戦となったが、この日も開始直後から前に出て攻めまくり。
押しの勢いを殺したい栃東は土俵際で引いてから周り込むが、土佐ノ海はこの奇襲に引っ掛からない。
相手の位置を確認しながら再び張り手で前に出て、最後はそのまま栃東を押し出し。
これで土佐ノ海は2大関・2関脇から白星、元関脇の面目躍如といえる活躍。
反対に返り大関の栃東は2勝3敗と寂しい戦績、大関の威厳なし。


※今日の朝青龍
○朝青龍(184cm/144kg/モンゴル/高砂/横綱/5勝0敗)
●垣添(177cm/140kg/武蔵川/前頭二枚目/2勝3敗)
[押し出し]

完全無欠の横綱・朝青龍。
今日も頭から突っ込んできた垣添に強烈な左喉輪、右喉輪を喰らわせると、
垣添を押し込みつつ左下手、右上手と取っていき、そのまま物凄い勢いで押し出していく。
この時点で垣添は既に土俵を割っていたが、朝青龍は勢いに任せて押し込んでいき、
最後は左の太腿を抱えて胴タックル状態、一気に場外まで落ちていった。
今の朝青龍の「鬼のような強さ」を象徴する一番、これで横綱は先場所から数えて20連勝。強いっ!!


※五日目全体の流れ
大相撲というものに注目していなくても今の朝青龍の強さは周知の事実であろうが、
こうして相撲に注目して見てみると…、本当に鬼のように強いのね、この人。
何せこの5日間、対戦相手が全く相撲を取れてないからねぇ…。
そんな横綱に、明日は絶好調の土佐ノ海が挑戦。この一番は楽しみだなぁ。
追伸、注目しようとした矢先に海鵬に土。新小結・琴欧州にやっと初日。

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◎六日目
※今日の魁皇
○魁皇(184cm/175kg/友綱/大関/5勝1敗)
●琴欧州(204cm/141kg/ブルガリア/佐渡ヶ嶽/小結/1勝5敗)
[送り出し]

琴欧州の大きな体を真正面から受け止めた魁皇、やや勢いに押されたが、
土俵際で右の手繰り、尚も押してくる琴欧州をかわして送り出し。
大関らしい「胸を貸す相撲」、昨日と今日の魁皇は相撲の内容が非常に良いねぇ。 …それだけに、苦手・琴光喜に喫した一敗が痛いんだけどさ。


※目に留まった取組
○黒海(188cm/158kg/グルジア/追手風/前頭四枚目/5勝1敗)
●十文字(185cm/158kg/陸奥/前頭七枚目/2勝4敗)
[叩き込み]

ここまで4勝1敗の黒海、突っ張りで十文字を突き放し、両腕で相手の両肩を掴んで少しづつ押していく。
付き合わされた十文字も押し返すが、いいタイミングで黒海が引くと十文字はバランスを崩して手をついた。
黒海はレスリング出身。成程こんな相撲もあるのか、勉強になった。


※今日の朝青龍
○朝青龍(184cm/144kg/モンゴル/高砂/横綱/6勝0敗)
●土佐ノ海(187cm/154kg/伊勢ノ海/前頭三枚目/4勝2敗)
[押し出し]

どこまで強いのか、朝青龍。
今場所は素早い立会いで好調の土佐ノ海をしても、朝青龍の金のまわしに手を触れられない。
立会いから当たってくる土佐ノ海からあっさりと左下手を取ると、
頭をつけながら馬力に任せて押し込み、そのまま押し出し。
全くもって完璧な相撲内容、一体、この横綱に誰が勝てるというのだろうか…?


※六日目全体の流れ
早くも優勝戦線に残る力士が絞られてきた感じ。
全勝は横綱・朝青龍と平幕・玉乃島、これを一敗で魁皇と黒海が追う展開。
贔屓の魁皇が優勝戦線に残っているのが嬉しいね。

追伸、六日目にして三大関(魁皇・栃東・千代大海)が揃って白星。
不甲斐ない、という言い方もあるだろうが、
それだけ下の力士が力をつけている…という事にしておこう。

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◎七日目
※今日の魁皇
○魁皇(184cm/175kg/友綱/大関/6勝1敗)
●土佐ノ海(187cm/154kg/伊勢ノ海/前頭三枚目/4勝3敗)
[押し出し]

今場所好調の土佐ノ海を相手にしても、大関・魁皇は堂々としたものだった。
押し相撲が得意の土佐ノ海を逆に押し込んでいき、そのまま押し出し。
身体は満身創痍なハズだが、今日は力も強かった。いいねぇ、大関だねぇ。


※目に留まった取組
○安馬(185cm/113kg/モンゴル/安治川/前頭十一枚目/5勝2敗)
●十文字(185cm/158kg/陸奥/前頭七枚目/2勝5敗)
[寄り切り]

幕内最軽量なのに体の大きな十文字に対して真正面から突っ張っていった安馬、
腰の重い十文字に反撃されるも、左の前まわし、右の前まわしとガッチリと掴んで寄り切り。
小兵ながらも力強い相撲、安馬は本当に内容が良い。この人はこの先伸びるよ、要注目。


○玉乃島(186cm/158kg/片男波/前頭七枚目/7勝0敗)
●普天王(181cm/154kg/出羽海/前頭十三枚目/3勝4敗)
[叩き込み]


あれよあれよと全勝をキープしている平幕・玉乃島、今日は勝利への執念を見せた。
真正面から左四つになった両者、普天王を玉乃島の上手を切って一気に押し込むも、
玉乃島は土俵際で執念で廻り込みながら、押し込んでくる普天王を叩き込み。
内容は悪かったが、「全勝を守る」という執念が白星に繋がった感じ。
この先は上位陣との対戦が控えている玉乃島、好調をキープできるか?


○高見盛(188cm/140kg/東関/前頭八枚目/5勝2敗)
●黒海(188cm/158kg/グルジア/追手風/前頭四枚目/5勝2敗)
[叩き込み]

今場所の高見盛は勝つ時の相撲内容が良い。
真正面からぶつかって来た黒海を体で受け止めると、ちょっと引いて叩き込み。
人気者の高見盛、今日の勝負に掛けられた懸賞金は11本。手取りで33万円也。
反対に黒海は優勝戦線から一歩後退、帰り際には高見盛を一睨み。
悔しさがこちらにも伝わってくるシーンだった。


※今日の朝青龍
○朝青龍(184cm/144kg/モンゴル/高砂/横綱/7勝0敗)
●出島(180cm/159kg/武蔵川/前頭五枚目/3勝4敗)
[引き落とし]

元大関・出島、一度目、二度目と立会いに注文をつける心理戦を展開。
三度目の立会いでようやく合うと、朝青龍は得意の右喉輪。しかし出島は右を差す。
朝青龍は今場所初めて黄金のまわしに手を掛けられた。心理戦が功を奏したか?
だが四つ相撲は「モンゴル相撲」をベースに持つ朝青龍本来の相撲、左上手から強引な外掛け。
堪える出島だったが、朝青龍は土俵を中心に強烈な左の上手投げで出島の体を崩し、
最後は半身になった出島を左上手からの「超」強烈な引き落とし。
物凄い勢いで左肩が土俵に叩きつけられた出島は悶絶、その様子を朝青龍は上から睨みつける。

これまで「鬼のように強い」と書いた事もあったが、今日の相撲は「鬼」そのもの。
出島の注文相撲に怒りを露にした朝青龍、持ち前の「気性の荒さ」が相撲に出た。怖ぇ。


追記:
出島が打ち付けた左肩には翌日からは大きな青アザが残り、
左脇腹には痛々しいテーピングが施されていた。
注文相撲の代償はあまりに大きい。


※七日目全体の流れ
全勝は朝青龍と玉乃島、一敗で魁皇が追う展開。
最終的には朝青龍 vs 魁皇…という図式になっていくのかな?
それにしても今日の朝青龍は怖かった。

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◎中日
※今日の魁皇
○魁皇(184cm/175kg/友綱/大関/7勝1敗)
●白鵬(192cm/146kg/モンゴル/宮城野/関脇/3勝5敗)
[寄り切り]

頭から突っ込んできた白鵬の腕を手繰って、半身になったところを寄り切り。
魁皇、万全の相撲内容で一敗をキープ…というところではあるが、
寧ろ今場所は主役になるハズだった新関脇・白鵬の勝敗に対する淡白さが気になる。
もう現役最年少大関はムリだけど、この内容では来場所以降に繋がらない。
ファンは多いんだからもっと頑張らないと、ねぇ。


※目に留まった取組
○琴ノ若(191cm/175kg/佐渡ヶ嶽/前頭九枚目/5勝3敗)
●春日王(183cm/151kg/韓国/春日山/前頭十一枚目/0勝8敗)
[上手投げ]

大関・横綱になれる大器を持ちながらも怪我に泣かされてきた琴ノ若。
気がつけば現役最年長になってしまったが、今場所は元気に相撲を取っている。
今日は得意の四つ相撲、長身を生かして上から腰を入れて鯖折り。
これで崩れた春日王を難なく上手投げ、大きな体を活かした相撲で春日王を退けた。
対する春日王は中日にして早くも負け越し決定。この人も今場所は怪我に泣かされている。


○琴光喜(183cm/158kg/佐渡ヶ嶽/前頭二枚目/6勝2敗)
●千代大海(182cm/156kg/九重/大関/5勝3敗)
[寄り切り]

長く勤めた三役から陥落した琴光喜ではあるが、本人は復帰に向けて虎視眈々。
今日も前に出てくる千代大海をスッとかわして、脇を刺してアッサリと寄り切り。
序盤に上位陣を相手にしてもこの戦績、これで琴光喜は三大関を撃破。
この調子をキープしていれば来場所は三役への復帰か?


※今日の朝青龍
○朝青龍(184cm/144kg/モンゴル/高砂/横綱/8勝0敗)
●岩木山(186cm/179kg/境川/小結/1勝7敗)
[寄り切り]

押し相撲の岩木山は頭から当たっていく。胸で受けた朝青龍、両まわしを取って万全の体勢。
しかし岩木山はその腕を抱えて強引に前に出る、やや馬力に押される朝青龍、ドッと沸く観客。
だが両まわしの有利は揺るがず。堪えた朝青龍が押し込んで寄り切り。
ちょっと押される場面もあったが、今日も朝青龍の相撲は完璧と言えるだろう。
これで先場所からの連勝は23、負けねぇなぁ。
反対に岩木山、久々の三役復帰も1勝7敗と後がない。小結の家賃は高かったか?


※中日全体の流れ
本日、平幕で勝ちっぱなしだった玉乃島に土、いよいよ全勝は朝青龍のみに。
ここまで相撲内容が完璧なだけに、中日なのに優勝が見えている印象。
追うのは一敗の玉乃島、そして魁皇。何とか一矢報いて欲しいなぁ。

明日の朝青龍、相手はレスリングの黒海。これは楽しみ。

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●初日〜中日までの雑感
とにかく文中に何度も書いていますが、朝青龍が強いのなんのって…。
これに追従する上位陣が魁皇しかいない、というのもちょっと情けない話ですな。
まあ、僕としてはひいきの魁皇が残っているのでノー問題ですが。

それにしても安馬はいい力士だなぁ。小兵なのに力強くて、何より相撲が巧い。この力士には要注目です。

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「大相撲平成十七年春場所 九日目〜千秋楽 観戦記」へと続




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