こんどはJWPとNEOの合同興行
■団体:JWP&NEO
■日時:2005年3月14日
■会場:大田区体育館
■書き手:凸ユーレイ

 大田区体育館に来るのは3回目。最初は00年5月の大阪プロレス、デルフィン対村浜の異種格闘技戦(笑)。友人と2人、帰り焼き肉食ったっけ。2度目が01年9月、闘龍門5way敗者髪切り金網戦(マグナムが坊主に)。これ、ビデオの祭典をやった翌日で、やはり友人と2人眠い目をこすって観たんだった。帰りはまた焼き肉だったような。

 ともあれ、月曜日の6時半から大田区はキツイ。会社から三田線浅草線京浜急行と乗り継いでなんとか間に合う。
 会場前には宣伝カー。なぜか倉垣の入場曲をバックにナレーションを入れていた。

 動員は意外に健闘(発表750人)。年配のおじさん達とか中学生の集団とか、近所っぽい人が多かったような。
 ロビーには吉田万里子、玉田凛映、たぶん下田美馬の姿も。客席には斎藤清六。この人、見続けているのはとにかく凄いが、なんだか自分の行く末を見せつけられているような気もして微妙(笑)。

 合同興行、全試合が対抗戦。リングアナは石田亜矢子(NEO)、伊藤こ〜へ〜(二瓶組?)が交互に、メインは2人がそれぞれ両軍を呼びこむ形。レフェリーは第3試合まで浅野グレース恵(フリー)、セミとメインはテッシースゴー(JWP)。

 入場式、先頭に並んだ椎名さんの先導で何やら怪しい動きを繰り返し遊んでいるNEO勢に対し、棒立ちのJWP勢(笑)。コレ、JDとの合同興行と同じだな…。挨拶はJから春山、Nから三田。


1.○椎名由香(10:52丸め込み)×木村響子

 両団体から、誰を第1試合に出すかといえば、ともに気持ちで闘うこの2人。
 前半、椎名が関節技で支配。木村も、関節技が得意ということになってはいるがその実、取るのにモタモタしたりして、スムースな流れるようなグラウンドの動きが出来るわけではなく力任せにゴツゴツ…という感じ。椎名さんも、瞬発的なスピードはあるが、巧さより気迫、というタイプなので、相性はいいのかもしれない。

 木村反撃、ストンピングを顔面へ。足が歯かなんかに当たって椎名一瞬ハッとした顔をするが、それ以降ことさらにヒートするわけでもなかった。

   木村はフロントキック、がっつり入ったSTF。椎名はしつこい三角締めが印象に残った。
 フィニッシュは、キムラロックを仕掛け、防ぎ、せめぎ合いもつれて回転するうちに椎名が強引に決めた。

 勝ち名乗り後、木村をハタく椎名、さらに頬を軽く張ってから握手を求める。応じない木村。ここで、教え子同士の対戦ということでセコンドについていた吉田がリングに上がって、渋る木村の腕をとって無理やり握手成立。なんだこのために来たのか吉田(笑)(その後、3・27NEOキネマで、この3人が組む6人タッグが発表される)。


2.○KAZUKI(10:25K-クラッシャーから)×仲村由佳

 3・4北沢大会でJWPに入団したKAZUKI、所属選手としての緒戦。やや笑みを浮かべてリングイン、相手を格下と見ての余裕か。といってもこの2人、デビューに1年の差しかなく(KAZUKIが平成9年、仲村は10年。歳は4つ違う)、油断できる相手ではないはず。

 KAZUKI、コーナーに追い詰めてのニーアタックを先に決めて「オー!」。JWPに上がって以来真面目一辺倒だったので、少しは昔の味が出て良かった。しかし調子に乗った2発目をすかされ、いまではジャンボ鶴田に代わって本家となった仲村に、正真正銘の「オー!」を食らってしまい、リングから転落。仲村かさにかかってエプロンから延髄ニー、再びエプロンからのダイビングフット、さらに場外で長い長い助走をとってのジャンピングニー、「オー!」×3、を決める(それに合わせてセコンドの宮崎が無表情のまま腕を3回挙げる。笑)。

 何回か書いたが、仲村は独特な、オリジナルな佇まい・リズムを身につけることに成功していて、もうたいていの先輩には存在感で引けをとることは無くなっている。ハタいて、スカして、ちょっと喋ったり、憧れの下田のスタイルにすこし近づいてきているかも。

 コーナーロープ3段目に敵を固定して、リバーススプラッシュ風に舞い降りるニードロップや、シュミット流背骨折りなど、この日もヒザのヴァリエーションをいくつか見せたKAZUKI、最後は得意技、太陽ケアのハワイアンスマッシャーに似た顔面砕きで勝利。


3.マスカラコントラゴミ分別マッチ
○ECO(6:27横入り式エビ固め)×タニーマウス

 同じく3・4北沢で因縁を吹っかけられ、マスクを賭けることになってしまったECO。タニーは、敗れたら一生ゴミの分別を守らねばならない。

 北沢と同様、ゴミ袋を持って入場のタニー、中身をエプロンで撒き散らし「地球を汚してやる」と環境仮面ECOをさっそく挑発。

 試合はまあ… タニーのお笑いネタだけで構成されていた。カンチョー。フゥ〜跳びからの3だろ〜にECOが付き合ってくれないのでスネる。やたらゴミ袋を被せての攻撃にこだわる。ついにECOの袋詰めに成功、そのまま台車に乗せて体育館の隅まで輸送、場外カウントアウト勝ちを狙う。最後は、あまりの無法ぶりに怒ったグレースが、逆にタニーにゴミ袋を被せたところをECOが丸めて。


 ここまで、格別観客を沸かせるような試合も無く。対抗戦と銘打たれてはいるが、ふだんのJWP、ふだんのNEOで普通に交流して実現している試合と同様かそれ以下でしかない。
 会場のせいでもあるか。狭いキネマや板橋なら、ヲタの皆なも一杯いて、熱戦も細かい攻防も伝わり易いけど、偶々プロレスが来たので行ってみっかと近所の人たちが来る広い体育館ではなかなかね。私が経験した中では、JでもNでも九州に巡業に行った時の会場の雰囲気の方に近いかも。あと、昨年6月のJWP八王子大会。大田区も八王子も、観衆の規模がこれぐらいしか集まらなければ、都内というより地方の大会ですね。


4.JWP認定タッグ選手権
○倉垣翼、AKINO(M’s STYLE)(=王者)(19:42ルナウイングから)井上京子、×松尾永遠(=挑戦者)

 京子のスティンクフェースにAKINOの顔面ウォッシュ。
 子どもたちの声援に気づいたAKINOが気を良くしてさらに煽るが、京子はわざわざ場外に降りて子どもらの席に近づいていって威嚇。
 コーナーに上がったAKINOにおもむろに近づいて京子「見つけた〜(嬉)」AKINOは「見つかった〜(怖)」。

 第3試合まで、いまいち場内全体に届いていなかったのがようやくここで沸く。ほぼ唯一といっていい有名レスラー井上京子の力は偉大だが、AKINOも奮闘。彼女は昨年の八王子大会でも第1試合に出場していて、必死に場内を盛り上げようと声を出していたのを思い出す。

 内容面でも京子は圧倒的な存在感。独りで2人をまとめてなぎ倒したりとか。

 倉垣は、京子をアルゼンチンで持ち上げ、観客をビックリさせたという1点で、この日は良しとする。

 試合展開的には、中盤以降、敵を分断して京子に攻撃を集中していた王者組が、終盤標的を変更、倉垣と松尾の一騎打ち状態に。
 松尾はやっぱり良くなってる。以前は、長い脚を持て余すかのように当たりが弱かったドロップキックもビシッと決まる。受け身を取り続けてスタミナが切れかかる終盤も、ジャーマンなどでよく反撃、例によってよく粘ったが、結果はまたしても善戦に終わる。


 これで、対抗戦はメインをまたずしてJWPが3勝、勝ち越し。だが、好試合だったセミを持ってしても、激しくはあったが京子や倉垣のほのぼのムードがまさって、対抗戦らしい殺伐とした雰囲気を感じることは出来ず。
 もともと、合同興行だからといって“対抗戦”にしたのが唐凸だったような気も。普段から、苦しい現状のなか、力を合わせ助け合っている両団体が、お互い潰し合うような、価値を落とし合うような(言い換えればイジワルな)闘いをするとは思えないから。本来、対抗戦の魅力はそういった、噛み合わなさにあると思うのだが。
 ともあれ、メイン。


5.アイアンウーマンマッチ
 ※30分間でギブアップ/フォールを多く奪った側のチームが勝利。30分フルタイムの後、ギブアップ/フォールが同数の場合は5分間の延長戦を最大2回まで行い、それでも決着がつかない場合は引き分け

田村欣子、元気美佐恵、三田英津子、宮崎有妃(2-1)日向あずみ、コマンドボリショイ、春山香代子、渡辺えりか

 両軍の先発は日向と田村。いずれも、自らの団体にとどまらない、世代を代表する実力者2人がいきなり対峙して、観客、ヲタを中心にどよめきが走る。私の中でも、ようやくこれこそ対抗戦だなという気運がすこし高まる。

 が、すぐにJ側4人出てきて、春山と渡辺が田村の両腕を取り、日向は背中に乗り、ボリショイが股の間から顔を出してポーズ。Nも負けず、コーナー四方からそれぞれ敵をホイップ、リング中央で鉢合わせさせて4人同時にエルボーからポーズ(だが揃わず。笑)。

 はじめ田村が入れ替わり立ち替わり攻められ、その次に捕まったのが渡辺。米山欠場の代打としてカードに名を連ねた彼女こそが、この試合のキーパーソンである。8人のうち1人だけやや格落ちと思われ、勝負としても内容としても、渡辺の出来が鍵となる。彼女の側からしてみれば大きなチャンスでもある。
 結論から言うと渡辺は健闘したと思う。N軍の重い波状攻撃によく耐え、反撃はスピア、ショルダータックルなど、シンプルかつ確実な技で。大きな元気を払い腰で投げても見せた。
 複雑な関節技(ジャベ)を得意とする彼女だが、代わる代わる敵が出てきて大技中心の展開で消耗も早く、それにカットプレーが頻繁になる多人数タッグで、難しい時間のかかる技は使いにくい。じっさいタニア(リバースゴリースペシャル)には2度挑戦して失敗していたし。

 中盤、急に展開がバタバタ。日向にロープへ振られた三田が、そのまま場外の春山と渡辺にトペ、さらに日向のキックがボリショイに誤爆、続けて宮崎がトラースキック、元気のGドライバー、そして

1)○田村(16:42エルボースマッシュから)×ボリショイ。

 試合続行、今度は春山が捕まる。JWP苦しい展開。
 しかしここで出てきた日向が鬼神のごとく、エルボー×2、ジャーマン×2、で4人を蹴散らかす。
 さらに田村に、延々といつまでやるんだっていうぐらいにロコモーションジャーマン。  8人入り乱れ、カットし合いフォローし合う中、

2)○日向(25:49みちドラIIから)×宮崎。

 30分時間切れ間際、JWP追い付く。たしかに日向は強いんだけど、逆に言えばJで目立っているのは日向1人。やっぱりここでも日向か…。複雑な思い。対するNEOは田村、元気、三田と粒が揃っている。

 試合続行、さっきの仕返し、田村がTRS(裏Wリストアームサルト)とコブラクラッチSPXとで繰り返し繰り返し日向を投げ続ける。日向と田村、両エースがエルボースマッシュの応酬、意地の張り合いのうちに30分時間切れ。

 5分間の延長戦。ここで再度、キーパーソン渡辺が前線に。三田に対し、弱点を突いたヒザ十字で攻め、デスバレーをなんと自力で返すも三田の新技が決まり 

3)○三田(3:54 825(エツコ、=リバースDDT)から)×渡辺。

 このフィニッシュ技、相手の首を抱えた三田が自らもジャンプして放つ、落差十分で説得力あり。

 延長の時間切れまで1分余、三田を捕らえて連係でヒザを攻めるもそのまま、試合終了。
 バンザイするセコンドの京子、仲村、松尾ら。メインを勝ったほうが印象度が強いもんな。
 三田マイク「NEOに入って良かったです」。


 メインは流石に大熱戦で面白く観られた。ただJWP側で、内容だけでない、“勝負”の部分を担ったのが極端に言えば日向1人だったのが、ファンとして少し、物足りないところではあった。
 あと、この興行にとどまらないことで、蛇足かつ見当外れかもしれないが、NEOの選手は総体的に、ふだんから他団体選手と当たることが多い為かいろいろなタイプの相手に適応できているのに対し、JWPは内弁慶、自団体内の試合は非常に質が高いが、そうでない場合の適応能力にやや難があるような気がしています。




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