米山香織3週連続タイトル挑戦 最終戦
■団体:JWP
■日時:2005年2月20日
■会場:東京キネマ倶楽部
■書き手:凸ユーレイ

1.三田英津子(NEO)、〇椎名由香(NEO)(20:21腕ひしぎ)KAZUKI(フリー)、×木村響子

 開始前、対戦者4人の組合せのうち、椎名と木村との間でだけ握手が無い。キム、早くも3・14大田区体育館、発表になった対抗戦のカードを意識。
 だが、前半は椎名のグラウンドに翻弄される場面が目立った。後半フロントキックなどで盛り返したものの…
 KAZUKIもおなじく、前半いいところなし、後半は木村のフォローに回って良い働き。

 三田さんはNEOの所属になったからかチームプレーに徹する。控えから「椎ぴー」とさかんに檄をとばし、攻めこんでからチェンジに来た椎名の頭を「よしよし」と撫でたり。

 J組が押されていた前半から、互角の勝負になった後半、なかなかの熱戦でした。
 敗れた木村が「大田区おぼえてろよ」と椎名に掴みかかって幕。


2.JWPジュニア王座決定トーナメント決勝
○松尾永遠(NEO)(17:47マック)×渡辺えりか

 前の試合を終えてすぐの三田が3階の控え室エリアから観戦「松っちゃんがんばれ!」。椎名さんも、こちらは後の試合までずっと観戦してた。

 渡辺は試合時間の8割方を、各種のジャベ(終盤に使った新技、インディアンに足を固めたWニー?アキレス腱?みたいなのはなかなかだった)や、ショルダータックルなどの力技、はらい腰などの柔道技で攻め、押しまくっていた。がしかし、そこは“よくしなる枝”たる松っちゃん。その場飛びニーアタックを何度かアクセントに使い顔面に入れ、フィニッシュでWリストアームサルト、ジャーマンと畳み掛けて、1度は返されたマック(コルバタで相手を丸めてからの横入り式エビ固め)で勝利。

 歴代のJWP認定ジュニア王者、このところは春山・倉垣・狐火名・米山と来ていたのが、ここで初めて他団体に流出。渡辺はいつもこういう役回りで悔しいだろうし可哀想だとも思うが、こればかりは自らが、試合に勝てる説得力、誰が見てもチャンピオンに相応しいというような総合的な実力を身につけるしかない。本人の努力を俟つ。

 この間、NEOのプッシュを受け続けた松尾、オールパシフィックにまで挑戦して、出た一つの答えがJWPジュニアというのは、やや中途半端なような何と言うか。
 ただ、松尾はこのところ、強さをあまり感じさせないまま上達しており、受けて受けて受け身の巧さで耐え凌ぎ、中終盤に投げ技と丸め込みの回転技で逆転勝ちを目指す、進化した先は納見佳容や古くはキューティ鈴木のようなタイプ、になりつつある。これに対して、「のれんに腕押し」「よくしなる枝」と評したJWPの木村はなかなかに言い得て妙であった。
 ただ現時点では、相手が先輩の田村でも元気でも、後輩その他Hikaruでも木村でも市井舞でもアメコンでも渡辺でも、みんな同じようなパターン試合に見えて、ともすれば常に敵のほうが強く見えてしまうことのは問題かも。


3.○倉垣翼(15:15ルナウイングから)×闘獣牙Leon(フリー)

 AtoZを辞めてフリーになった玲央奈、マスクを被ってJWPに参戦。あい変わらず背筋がスッとしてて背中がきれい。  しかしそのマスクで視界が不良だったのか、ダイヴしようとロープに駆け上がったところで足を踏み外すミス。  玲央奈のプロレスは、痛がったり悔しがったりを“生真面目に”表現するのが長所の一つでもあっただけに、表情を隠してしまうのは、現時点ではマイナス。プラスに転じることが出来るかどうか。

 それと、緒戦の相手が倉垣だったのも不運だったかな。もっとラクな相手とやらせて「闘獣牙強し」をアピールした方が良かったのでは。

 闘獣牙マイク「このリングに上がったのは米山がいるからです。しかし倉垣にも借りは必ず返す!」因縁のライバルの名を挙げ、続けて「JWPに定期参戦しますので、闘獣牙Leonにご期待下さい」。「ご期待下さい」て(笑)。真面目だなあ高瀬。興行終了後、素顔で片しを手伝い、板やロープなどリングの部品を運ぶ闘獣牙も目撃。いい奴だよな高瀬。


4.ジャガー横田(フリー)、○春山香代子(15:54キーンハンマーから)コマンドボリショイ、×ECO

 先発をめぐって揉める横田組。譲ろうとする春山、「お前が行け」と頭をハタくジャガー。
 コーナーからの檄、励ましから、クレームまで、何にでも「ジャガーさん!」と声を出す春山。ボリショイのロープ拝み渡りに同行させられて「ジャガーさん!」カウント2で返されて「ジャガーさん!!」まあカットに入ってくれって意味なんだろうが、何でもかんでもジャガーのせいにし過ぎ。笑

 それでも、試合序盤をジャガーが中心に闘って春山がフォロー役。
 中盤はボリショイvs春山が軸、大技の応酬。春山は、1・16米山戦でも見せたロコモーション・ペディグリーなど。

 終盤の春山vsECOがまたすごかった。突如として激しい打撃戦が勃発、ECOの回し蹴りが春山の後頭部、顔面にビシビシ決まる。
 全体を通して、明るく楽しく激しい試合でした。キャリアで日向と同期、年齢は(おそらく)最年長、ECOもそろそろ脇役だけでなく、自己主張してもよいのではないか。


5.JWP無差別級選手権
○日向あずみ(王者)(19:55みちドラIIから)×米山香織(挑戦者)

 ヨネちゃん試練の3週連続タイトル挑戦最終戦。

 息詰まるような目まぐるしいグラウンドでの切り返し合いからスタート。ふだんから一緒に練習していて手馴れていることもあるのだろうが、さすがJWP、前週前前週NEOでのタイトル戦とも一味違う、引き締まった空気が漂う。

 張り手の応酬。負けずに先んじてダウンを奪った米山だが、起き上がった日向怒りの形相ですさまじい1発を張り返す。逆エビ、ロープブレークに伸ばした腕をも抱え込み、涼しい顔で絞り上げる日向。これは米山とっても敵わないのではという、力の差を感じさせた場面。そのあとしばらく、日向がきっつい打撃、膝を織り交ぜながら得意技のオンパレード、余裕で進めているように見えた。

 米山は、元気や田村を追いこんだ打撃を出せずにいたのだが、中盤、ポスト上の日向を追い、一度は突き飛ばされたものの観客の声援とともに諦めず、再度コーナーに上って敵を捕らえ、ついにエルボー、ベイダーハンマーを乱発射! 以降、日向の動きが落ち、余裕を奪うことに成功。

 米山が今年から使い始めた技、ローリングソバット、ダイビングセントーン。ジャガー式バックドロップ、後方回転エビ固めからその勢いのままジャーマン、ももちろん出る。

 終盤にも突如、馬乗りからエルボーの乱打をみせる米山。  その代償、屈んだところに日向の低空ジャンピングニーを後から前から、後頭部と顔面に食らって(いま思えば眼窩骨折はこの時に生じたものか)鼻血を流すが、それでも米-ZOU、ラマヒ、逆ラマヒと、持てる技全てを日向にぶつけていく。

 粘りに粘る米山を沈めたのは、2発目のみちドラであった。


 3連続タイトルマッチを経て米山が得たのは、有形のものとしては先にも触れたが眼窩骨折、1ヶ月間の欠場。
 しかし、それまでの、楽しい試合もテクニカルでスピーディなファイトも出来て能力は高いが、身体も小さいし「強さ」には欠ける、という見方を、十二分にトップ選手に通用するだけの激しさも持った選手であるという高い評価に変え、多くの支持をかち取るという、無形の大きなものを得たのではないかかと思う。
 私個人にとっても、この米山という小さな女の子が懸命に戦い、目の前に立ちはだかる大きな壁を乗り越えようという姿に、2月の間はどれほど心を打たれ、癒されてきたことか。

 3連戦を比較してみると、日向戦が、怖さ・激しさの緊張感と噛み合って流れるスウィング感とを両立させたベストマッチであった。
 しかし日向もすごいわ(嘆息)。いくら普段から手を合わせている後輩相手だったからとは言え、3戦で一番良い米山を引き出した上で、元気・田村とは違った「一歩、余している」余裕で完勝してみせた。

 日向、セコンドに背負われて退場するチャレンジャーの背中に「米山、お前はいつかこのベルトを巻かなきゃいけない人間だと思ってる。それまで、もっと強くなって、何度でも挑戦して来い!」。




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