2/4 PANCRASE 後楽園ホール 二分の一サイズ観戦記
■団体:パンクラス
■日時:2005年2月5日
■会場:後楽園ホール
■書き手:高倉仮面

※未観戦

第一試合 ウェルター級 5分2R
○石毛 大蔵(176cm/74.3kg/SKアブソリュート)
●外山 慎平(177cm/74.5kg/和術慧舟會東京本部)
[1R 35秒 KO]
※右ストレート

う〜ん、二人とも知らんなぁ。
すっかり僕も、後楽園ホールのPANCRASEに関して浦島太郎になってしまった、というか…。

ま、見てないモノは語れないんだけどさ。

第二試合 ライト級 5分2R
○矢野 卓見(171cm/67.9kg/烏合会)
●滝田 J太郎(170cm/68.2kg/和術慧舟會東京本部)
[1R 2分15秒 アンクルホールド]

何やら滝田は、入場時に波田 陽区の物真似をやっていたらしいなぁ。
でも試合は、女子格闘技には一言あるヤノタクが足関節で勝利。
ヤノタクの真骨頂…だったのかねぇ? と思って調べてみたら、
ヤノタクが足関節をとった後で謎のブレイク、そして同じ体勢から試合再開、
すかさずフィニッシュ…って流れらしい。う〜ん、割と微妙だなぁ。


第三試合 無差別級 5分2R
○佐藤 光留(174cm/83.5kg/PANCRASE ism)
●小谷野 澄雄(169cm/99.8kg/烏合会)
[1R 2分57秒 TKO]
※佐藤のマウントパンチで小谷野陣営がタオル投入

佐藤の勝利自体は嬉しいねぇ。
それにしても小谷野、ZSTではジェネシスバウトに出場していたのに、
PANCRASEは本戦で試合なのかぁ…。

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19:00
…という訳で、この時間に後楽園ホールに到着。
今日はフラフラとPANCRASE観戦するつもりだったんだが…。

見ての通り、今日は前座の試合が全て秒殺劇。
いつもの感覚だと「今頃は第二試合かなぁ」なんて思っていたんだが、
いざ会場に到着すると試合は既に第四試合の途中でした。う〜ん、何だか損しているなぁ。

損していると言えば、チケットに関してもどういう訳か立見席もD席も「売り切れ」状態。
このカードで満員なんて事はないだろ…等と思いつつも仕方がなくC席、5500円を払って会場入り。
で、予想通り客席はガラガラ、約7割程度の入りですかねぇ。
「PANCRASEも、こういうところは妙に修斗に似てきたなぁ…」等とガッカリさせられました。

更には、いつもタダで貰えるパンフレットも…、僕が入場した時には既に切らしている状態。
何となく精神的に貧しさを感じつつ観戦開始。
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第四試合 ウェルター級 5分2R
○伊藤 崇文(176cm/74.6kg/PANCRASE ism/PANCRASE ウェルター級 五位)
●倉持 昌和(172cm/74.1kg/フリー)
[1R 3分30秒 KO]
※右ストレート

2002年9月のDEEPにおける三島 ド☆根性ノ助戦での敗戦以来、
どうにも浮かばれない感じの伊藤 崇文だが、気がつけばPANCRASE ismの道場長になっていた。
次々に離脱していくism選手に歯止めを掛ける為にも、この試合で負けてはいられない。
昨年末に全日本キックボクシングへの出場ライセンスを取得した伊藤、その対戦相手はフリーの倉持 昌和。

試合開始なのだが…、伊藤は露骨に格下の倉持にタックル狙わる等でやや苦戦。
テイクダウンを奪われるシーンもあったりでヒヤヒヤものだったが、
何とかリバースに成功して立ち上がると、押し込んでくる倉持を捌いて首相撲からのヒザ蹴り。
たっぷりダメージを与えた後は、パンチの乱打から右ストレートが一閃。
モロに顔面に喰らった倉持はその場でダウン、伊藤が劇的なKO勝利を飾った。

で、勝った伊藤、この日は珍しくマイクパフォーマンスはナシでした。
道場長になった事で、少し精神的に落ち着いたのかねぇ?


第五試合 ミドル級 5分3R
○竹内 出(180cm/81.9kg/SKアブソリュート/PANCRASE ミドル級 一位)
●久松 勇二(177cm/81.7kg/和術慧舟會TIGER PLACE)
[判定 3−0]

その実力はマニアの間でも結構評価されていながらも、
何故かPANCRASEでは白星に恵まれない久松先生。
今日は何故かピンクのビキニを履いた青年隊を4人も帯同して入場してきた。
入場曲の11PMと相まって怪しさが倍増しております。

対するは、お馴染みPANCRASE ミドル級 一位の竹内 出。
こちらはその実力を広く知られながらも、一本勝ちが取れない為に今一つブレイクしない存在。
今日もレースクイーンに囲まれながら入場してきた竹内、クイーンの数は3人。
数では久松先生に負けているが、ビジュアルはこちらの方が全然良い、まあ当たり前なのだが。

試合の基本的な図式としては「グラウンドでリードする竹内 vs グラウンドをしのぐ久松先生」。
試合全般において両者がスタンドで差し合う場面が見られたが、イニシアチブを握っていたのはやはり竹内。
久松先生を何度もコーナー際に押し込んでは、足を掬ってテイクダウンを奪い(竹内、コレ得意だよね)、
サイドポジションや亀の体勢等で久松先生を押さえ込みつつ上からパウンドを落としていく。
無論、相変わらず一本勝ちは狙わずに確実にパウンドを落とす作戦です。嫌らしい強さだなぁ。
ちなみに奪ったテイクダウンは1Rに一回、2Rに一回、3Rに二回。
テイクダウン後のグラウンドでの支配度が高い為、試合全体の印象も自ずと「竹内優勢」の感が強いです。

対する久松先生、寝技では後手に回ったが、
全ラウンドにおいて竹内のグラウンド地獄を脱出、意地を見せる。
2Rには竹内からテイクダウンを奪う場面もあったりで「強いじゃないの、久松先生!」って感じだったが、
竹内は倒されてもすぐにバランスよく立ち上がって隙を見せない。う〜ん、地味だけど強いなぁ。
まあ、あの腰の強い竹内から何度かテイクダウンを奪えただけでも久松先生は凄いと思うけど。
ちなみにスタンドの打撃では久松先生がリードしていた気がします。決定打は皆無だったけど。

試合は判定へもつれ込み、グラウンドで試合をリードしていた竹内が判定勝利を収めた。

久松先生も隠れた自力を発揮した、とは言える試合なのだが、
竹内が相変わらずの「のらりくらりの強さ」を発揮した試合でもあったように思える。

で、試合終了後、SKアブソリュート代表である松本 天心氏がリングイン。
「ここまでSKは無敗で来ています。長谷川 秀彦と竹内 出でPANCRASEを二階級制覇します」と宣言。
宣言するのは良いんだけど…、竹内にはレースクイーンだけではなく試合にも派手さが欲しいなぁ。

それにしても、このまま竹内がミドル級王者になったりしたら…、
それこそ「PANCRASEのニック ボックウィンクル」なんて名前を襲名できるのではないだろうか。
となると、松本氏はボビー ヒーナンって事になるのか。

妙にハマるなぁ…、この図式。

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○高橋 義生よ、お前もか

10分の休憩後、高橋 義生がリングイン。
2/20のPRIDE 29においてイゴール ボブチャンチン戦が決定した事を報告すると、
謙吾、アライ ケンジと共に PANCRASE ism を離脱し、新軍団を結成する事を宣言した。

あらら、PANCRASE ism からまたしても離脱者ですか…。
って言うか、こうなってくると…、そもそもPANCRASE GRABAKAに対抗する為に、
東京道場と横浜道場を統合した事自体が間違いだったんじゃないのかなぁ…。

何でそんなに PANCRASE ism を離脱したがるのかなぁ、みんな。
それ自体は良くわかんないよなぁ、正直。

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第六試合 ライトヘビー級 5分3R
○ケステゥシャス アルボーシャス(180cm/88.8kg/リトアニア/ ラトビア士道館/PANCRASE ライトヘビー級 五位)
●佐藤 光芳(180cm/89.9kg/PANCRASE GRABAKA)
[3R 4分59秒 KO]
※グラウンドパンチ

PANCRASE GRABAKAの佐藤 光芳、昨年の戦績は3戦1勝2敗1一本勝ち…と奮わず。
しかし今年の初戦となったインドネシアでの試合では、パウンド連打で見事な一本勝ち。

この勢いを日本でも活かす事は出来るか?
対戦相手はラトビア士道館所属の空手戦士、ケステゥシャス アルボーシャス。

1R、何故か会場人気が高かったアルボーシャス、打撃のプレッシャーで佐藤を遠ざける。
対する佐藤はアルボーシャスの遠くを周りながら様子見、隙あらばタックルを仕掛けて倒しに掛かる。
これを何度かは捌いていたアルボーシャス、突きや中段蹴りで佐藤にダメージを与える。

やがて佐藤のタックルが決まるが、アルボーシャスは下からフロントチョークで反撃。
これを首を抜いて脱出した佐藤は「相手はグラウンドはまるでダメ」と見たのか、足関節を狙っていく。 アルボーシャスも足関節を狙う中、佐藤はこれを制して再び上の体勢になるのだが、 ここで何故か、再びイージーに足関節を狙っていく佐藤。
そして切り返すのはアルボーシャス、苦労なく佐藤からマウントを奪うと…掟破りの腕十字!
空手家の関節技に会場がどよめいたが佐藤は脱出、ここで1Rは終了。

2R、豪快な回し蹴りで佐藤を牽制するアルボーシャスの姿に会場から歓声が揚がるが、
続くハイキックをキャッチした佐藤はアルボーシャスをテイクダウンする事に成功。
上からパンチを落とした佐藤は、またしてもイージーに足関節を狙ってしまう。
これを切り返してマウントを奪ったアルボーシャス、数度のパウンドの後に立ち上がる。

両者スタンド、ここからは佐藤を徹底的に打撃で牽制したアルボーシャス。
中段突きを多用、時折佐藤の顔面にヒットすると、ここから佐藤は容易にアルボーシャスに近づかなくなる。

3R、やはり接近しなければ勝ち目はないと見たか、佐藤は再びパンチを多用してアルボーシャスに接近。
アルボーシャスもパンチで応戦する中、佐藤は組み付いて投げを放とうとするも失敗。
逆にグラウンドでマウントを奪ったアルボーシャス、ボディへパンチを落としていく。
アルボーシャスが立ち上がって両者スタンド、再び突きで試合をリードするアルボーシャス。
佐藤は数発顔面に喰らいつつも接近、タックルでテイクダウンを奪おうとする…のだが、
アルボーシャスは下からクロスガードで佐藤を挟み込み、首はフロントチョークでガチガチの体勢。
残り時間も少なく「このままでは負ける」と焦る佐藤は最後のチャンスとばかりに…再び足関節にトライ。

だがこれが裏目に。ここで切り替えして上の体勢になったアルボーシャス、
ガラ空きの佐藤の顔面にフルスイングの右フックを四連打。モロに喰らった佐藤、これで完全に失神。
それは試合時間残り一秒の出来事だった。
佐藤は試合終了後もピクリとも動けず、最後は担架で運ばれていた。怖いねぇ。

それにしても、一本勝ちを狙うあまりの事なんだろうけど、
ちょっとイージーに足関節に頼りすぎだったんじゃないかなぁ、佐藤は。
もう少し一つ一つのグラウンドを丁寧に攻めていれば、結果は全然違うモノになっていただろうに…。


第七試合 セミファイナル ヘビー級 5分3R
○桜木 裕司(180cm/93.2kg/掣圏会館)
●謙吾(192cm/99.2kg/PANCRASE ism)

先日行われたスーパータイガージムの興行では、
ショットガンやハンドガン、ナイフを相手に華麗な演舞を披露していた桜木 裕司。
今日は同僚の瓜田 幸造、格闘結社田中塾 田中 健一塾長をセコンドに入場していた。怖えぇ。
対する謙吾は、新軍団でもチームメイトとなる高橋 義生と共に入場。
入場曲は「男の中の、おっ・とっ・こっ」から変わっていた。
う〜ん、あの曲じゃないと謙吾って感じがしないなぁ。

で、試合なのだが…、見るからに激しい体格差(身長差12cm/体重差6.0kg)を活かして謙吾が積極的に攻める。
1R、謙吾は思いの他、鋭いタックルで桜木から早い段階でテイクダウンを奪うと、
日本人離れしたパワーにモノを言わせて、大振りなパウンドや鉄槌を連打していく。
反対に桜木、掣圏系の技術にはマウントを取られた時の対処法がないのか(と言うか、恐らく「ない」)、
謙吾のポジションを切り崩せずに大苦戦。それでもガードを駆使してダメージは最小限に抑えていた。

2Rも全く同じ展開、序盤からタックルを仕掛けた謙吾、
グラウンドで桜木を押さえ込みつつ上からパンチを落としていく。
しかも今度はサイドポジションを奪ってボディへとヒザ蹴りを突き立てるシーンもあり、
「こりゃあ、いよいよ桜木も大ピンチかねぇ」という色も濃厚になってきた。

だが3R。このラウンドもバカ正直に突進してきた謙吾に、何と桜木のハイキックがクリーンヒット!
一発で効いてしまった謙吾はそのままダウン、そしてピクリとも動かない。
すかさず襲い掛かる桜木、それをレフリーが慌てて試合をストップ。
観客席が大歓声と大爆笑に包まれる中、桜木が掣圏魂を見せ付けるような大逆転劇を演じて見せた。

だがこのフィニッシュは、決して偶然ではない事を強調しておこう。
何故ならこの勝ち方は、桜木 裕司という選手の勝ち方の真骨頂だからだ。

昨年9月に行われた全日本キックでの西田 和嗣戦での出来事。
桜木は3Rルールの中で、2Rの2分30秒までを西田に試合を支配されていた。
だが桜木は勝負を諦めずに残り30秒で試合を逆転すると、延長R、再延長Rでラッシュを仕掛け、
そのまま大逆転勝の判定勝ちを手にしたのだった。

今回の勝利も、掣圏道によって鍛えられた彼の「諦めない魂」が呼び込んだ勝利、だと言える。
勝利した本人自身は最後まで納得いかない顔で四方に礼をしていたが、僕は今日の勝ち方に掣圏の魂を見た。

…う〜ん、言い過ぎかねぇ。


第八試合 第二代ウェルター級王者決定 四人トーナメント 第一試合 5分3R
○井上 克也(175cm/74.8kg/和術慧舟會RJW/PANCRASE ウェルター級 六位)
●ヒース シムズ(175cm/74.4kg/アメリカ/チーム クエスト/PANCRASE ウェルター級 三位)

今日のメインは、国奥 麒樹真のPANCRASE離脱で宙に浮いてしまったウェルター級王者の決定トーナメント。
その第一試合は、何とPANCRASE選手が全く絡まない状態での試合となったのだ。
いやいや、PANCRASEの門戸開放路線もついにココまで来たか…。

ダン ヘンダーソンが所属する事で有名なチーム クエスト所属のヒース シムズ。
PANCRASEでの戦績は4戦1勝1敗2分1KOと今一つな印象があるものの、
一敗は明らかに体重の違う佐々木 有生(ライトヘビー級)との一戦なのでノー問題。
このトーナメントで、ウェルター級 三位の実力を発揮する事は出来るか?

対するは、このところメキメキと実力と名声がアップしてきている井上 克也。
昨年の戦績は5戦4勝1敗1KO、この戦績でウェルター級 六位というのはちょっと不思議な感じがする。
実力が順位に響いていない井上、このトーナメントを制して一気に頂点に登り詰めたいところ。

試合開始、と同時に、距離を稼いでのパンチ戦を展開する両者。
積極的にワンツーを繰り出すシムズ、それをかわす井上。
井上がミドルキックを繰り出せば、シムズはハイキックで対抗。
両者の打撃が交差するが、ここでイニシアチブを握っていたのはシムズの方か。
ジャブを有効に使い、ストレートのフォームはかなり堂に入っている感じである。
だが唐突に勝敗を制したのは井上。
シムズのストレートに合わせて井上もストレートを出すと、これがシムズの顔面にクリーンヒット。
井上は更にストレートを一発繰り出せば、これでシムズはダウン。
大歓声の中、井上は詰めの甘い所は見せずに倒れたシムズに確実にパウンドを落とす。
やがてそのパンチが顔面を捉えると完全にシムズは失速、レフリーが止めて試合終了。 見事なKO勝利を飾った井上が、ここで大いなる野望をブチ上げる。

「今日はアノ…、凄いイイ感じでシムズ選手に勝てたので、
 今度の5月はオレは絶対にタイトルを獲ると思います(観客歓声)。

 でも、パンクラスのタイトルは…オレにとっては通過点なんです。
 このタイトル獲ったら、D.O.G.で修斗の菊池(昭)選手と戦いたいです(観客歓声)。」

おお、ここに来て「他団体の選手と、他団体で闘い」と発言するとは!
ここまで言わしておいていいのか、PANCRASEっ!? 誰か彼を止める奴はいないのかっ!?
…ってか、いないか。みんな、次々にismを辞めているしねぇ。
まあ、ismに限定しなけりゃ色々いそうな感じはするけどね。

ちなみに僕は、この井上選手をあんまり知りませんでした。
というか、印象に薄かったのでしょう。今日は強さを見せてくれました。
選手として、ちゃんと覚えようと思います。スイマセン、井上選手。

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雑感:
全体で見ると、結構、面白い興行だったと思うんですが…。
何せ前半の三試合を見逃しているので、何となく損している感が強かった、というか(苦笑)。
こういう発想って貧乏くさいのかなぁ…。

っていうか、客席が7割程度の埋まり方なのに、
立見席やD席を「売り切れ」にするのはどういう了見なのか、と。
何だか妙に裏切られた気分になって…、ちょっと寂しいですね。
昔のPANCRASEはこんな商売してなかった気がするんですが…。
まあ、今度からは早く来て観戦するようにしますわ。

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以上、長文失礼。




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