1/23 ZST Zepp Tokyo興行 観戦記
■団体:ZST
■日時:2005年1月23日
■会場:ZEPP TOKYO
■書き手:高倉仮面

16:35
東京テレポート駅からZepp Tokyoへ。
今日はZST GP-2 決勝戦の観戦。

イヤイヤ、最近は会場に向かう時間も遅くなってきた。
昔は早い時間に出かけて、開場時間までは会場のある街を周遊するのが楽しみだったんだが…。
フと、かまやつひろしの「ゴロワーズを吸った事があるかい?」の歌詞が頭をよぎる。
まあ、一人でお台場を周遊するのも虚しい訳だが。

さてさて。今回のZST GP-2…なのだが、正直、何とも地味な印象が拭えない。
参戦を見込まれた強豪選手がこぞって離脱又は欠場、大会の規模は前回より縮小し、
開幕戦を勝ち上がった選手には意外性がなく、興行の宣伝もどこか控え目な感じ。
更にはZSTという組織が、修斗出身選手の参戦こそあるものの…なかば鎖国化している印象を含めて、
この決勝戦に関しても話題性に富んでいる…、とは言い難いだろう。

だが実際は、会場前には長蛇の列が出来上がっていた。
話題性の少なさ、会場へのアクセスの悪さ、宣伝の弱さの割に大盛況。
一体全体、人気の秘密は何なのだろうか…?

「コツコツと良い興行を重ねている結果が、動員数に結びついているのか?」
「前座を増やした分だけ選手の関係者が増えた為に、観客が増えているように観えるのか?」
「このところは絶好調の所 英男の存在が、興行の魅力になっているのか?」
色々分析してみたが、本当の理由は…まあ、全部そうなんだろう。
能書きはこの辺にしてチケットを購入…なのだが、相変わらず高いZSTのチケット、立見席が5000円也。
う〜ん、何で立見席で5000円も払わなきゃならん大会がこんなに人気あるんだろうか…?と愚痴ってみる。


16:40
会場入り、と同時にパンフレットを手渡された。こういうモノをタダで貰えるのはZSTの良いところ。
パンフは旗揚げ当初と比べると紙質は落ちているけど、元々タダで貰えるモノだし、全くのノー問題。
…っていうか、これでパンフ代を別に払わされていたら会場に来てないだろうな。

とりあえずパンフに目を通す。
本日は全十七試合。う〜ん、恐ろしくテンコ盛り。
今時キックボクシングの興行でもこんなに試合数を組まないよなぁ。
まあ、このうち十二試合は5分1R制の前座カード(=ジェネシスバウト)。
実際はサクサクと進行していくんだろうけど。

会場内に観客が程よく埋まる、と同時にジェネシスバウトが開始。
5分1R制、曲もなく赤青同時に入場する選手達、試合に決着がつけば余韻もないままに選手は即退場。
試合中にずっと流れているミドルテンポのトランスのBGMも含めて、
初めてこの進行を観た時はどこか急かされている感じがして落ち着かなかったが、
最近はこの感覚にも慣れてきた…と言うよりは、正直、かなり居心地が良くなってきた。
「空間を創るのが上手い」のもZST人気の秘密かもしれないな。

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◎ZSTルール
PRIDEと比べてこんな所が違います。
・グラウンドの顔面打撃は反則
・膠着ブレイクが異常に早い
・下からのクロスガードが禁止
・パットを着用しないと、ヒジ攻撃、ヒザ攻撃が反則
・ジェネシスバウト、イサミカップは5分1R制
 本戦は5分2R + 3分1Rの3R制
 ZST-GPは5分2R制、ドローの場合は3分1Rの延長戦
・ジェネシスバウト、本戦は判定はなし。時間切れは引き分けになる
 但し、イサミカップ と ZST-GP はマストシステムにより勝者を決定する

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ジェネシスバウト 第一試合 イサミカップ ジェネシス フェザー級トーナメント 二回戦 5分1R
○植村 "JACK" 龍介(P's LAB 東京)
●寺田 功(G-スクエア)
[1R 2分6秒 ジャックロック]
※ジャックロック = 変形三角絞め

赤いモヒカンが目立つ寺田を植村がテイクダウンするも、ZST名物・即ブレイク。
再開後、再び植村はタックルで寺田からテイクダウンを奪う。
すかさず寺田がリバースするが、このタイミングに合わせて植村は下から変形の三角絞め。
暫く耐えていた寺田だが最後は根負けしてタップ。植村、見事な一本勝ち。
ちなみに寺田、落ちてました。もう少しタップが遅れていれば事故になってたかも。危ないなぁ。


ジェネシスバウト 第二試合 イサミカップ ジェネシス フェザー級トーナメント 二回戦 5分1R
○奥出 雅之(ゴールドジム サウス東京)
●横山 真樹(和術慧舟會 東京本部)
[判定 3−0]

スタンドでの打撃で奥出を近づけまいとする横山だが、奥出は恐れずに前に出続けて、
ハイキックやアッパーやヒザ蹴りを的確にヒットさせると、何度も何度もテイクダウンを奪う。
そして足関節を取ったり、サイドポジションを奪ったり、アームロックを極めたり…で攻めまくり。
一本勝ちこそ逃したが、スタンドでもグラウンドでも優位に立った奥出が判定で勝利。

ジェネシスバウト 第三試合 イサミカップ ジェネシス フェザー級トーナメント 二回戦 5分1R
○村田 卓実(和術慧舟會 A-3)
●風間 奨(パレストラ東京)
[3分38秒 腕ひしぎ十字固め]

序盤こそ足関節技狙いでやや優位に立った風間だったが、グラウンドで村田が上になってからは防戦一方。
逆に村田は一回戦でも見せた「ねちっこいグラウンド」で完全に風間を圧倒していく。
風間の下からの三角絞めをバスターで切り返すと、あっさりサイドを奪ってアームロック等を狙う。
最後はバックを奪ってからの腕十字がガッチリ極まった。
う〜ん、一回戦から観戦しているけど村田のグラウンドはこのトーナメントでは磐石の強さだなぁ。


ジェネシスバウト 第四試合 イサミカップ ジェネシス フェザー級トーナメント 二回戦 5分1R
○稲津 渡(U-FILE CAMP 登戸)
●宮川 武明(P's LAB 横浜)
[1分2秒 腕ひしぎ十字固め]

試合開始早々、稲津が引き込み下からの三角絞めを繰り出す。
これを持ち上げてパワーボムを放つ宮川だが、稲津は三角絞めを離さない。
尚も持ち上げる宮川だが…、稲津は持ち上げられた体勢のまま腕十字に移行。
何とこれが極まって宮川がタップ。ノゲイラばりのフィニッシュに会場が沸いた。


ジェネシスバウト 第五試合 フェザー級トーナメント リザーバーマッチ 5分1R
○金原 正徳(総合格闘技 武蔵村山道場)
●井田 悟(ストライプル イースト東京)
[判定 3−0]

試合開始早々の金原のヒザ蹴りで井田がダウン。
勢い良く上からボディへパンチを落とす金原、「秒殺か?」と思われたが…、
ここは井田が凌いでレフリーがブレイク、試合は続行。

だが、金原はこの後も試合のペースをキープし続けた。
井田のタックルを切った金原は、パンチ連打とヒザ蹴りでダメージを与えて井田をテイクダウン、
上からは腕関節技を狙っていき、井田にリバースされても下から三角絞めを仕掛ける。
劣勢に立たされた井田は上の体制をキープし続けたたものの…、攻める事が出来ずにブレイク。
最後は飛びつき式のスリーパーまで披露していた金原が、アグレッシブさを評価されて判定勝利。


ジェネシスバウト 第六試合 ウェルター級 5分1R
○高屋 祐規(SKアブソリュート)
●都甲 洋平(株式会社 イサミ)
[4分48秒 三角絞め]

試合開始後、高屋はジャンプからの前蹴りで都甲との距離を一気に詰めると、
そのままグラウンドへ持ち込んでマウントを奪う。
都甲はリバースに成功するも、下から三角絞めを狙ってくる高屋を相手に防戦一方の展開。

ならば、とアキレス腱を取りに行く都甲、これを捌いた高屋が再び上になったところでブレイク。
再開後、お互いに足を取りに行きグラウンド、一気にヒールホールドを極める高屋。
一回転して逃れる都甲だが、その過程で高屋は下からの三角絞めに移行。これが極まって都甲がタップ。

う〜ん、何気に実力差の大きい試合だったように思えるなぁ。


ジェネシスバウト 第七試合 ヘビー級 5分1R
△小谷野 澄雄(烏合会)
△邨中 一馬(G-スクエア)
[時間切れ]

やや小太りの邨中と立派なデブの小谷野の一戦、ZSTに吹き荒れる「MEGATONの風」。
両者は試合中一度もグラウンドになる事はなく、ひたすらノーガードで殴り合う。
単発のパンチがひたすら両者の顔面を捉え続けた末、試合終盤には両者共にバテバテの状態。
う〜ん、期待に違わない「MEGATONの風」。観客の反応もそこそこ良かったように思える。
ちなみに邨中の方がクリーンヒットを連発していたが、ダウンを奪うまでには至らなかった。


ジェネシスバウト 第八試合 バンタム級 5分1R
○川名 蘭輝(ロデオスタイル)
●矢島 雄一郎(禅道会 世田谷道場)
[2分49秒 腕ひしぎ十字固め]

試合開始、まずは矢島がパンチを繰り出しつつ川名に組み付く。
が、川名はバックを奪うと、そのまま矢島に飛びつきグラウンドへ引き込む。
矢島はピンチを迎えたが、ここは体を返してインサイドガードへ移行。その後は両者共に展開なくブレイク。

試合再開、景気良く打撃を繰り出しながらテイクダウンを奪った川名、サイドから腕十字の体勢へ。
これを脱出した矢島が上になると、こちらは足を捕ってヒールホールドを極めにかかる。
川名はこれを外すと、今度は下からの腕十字。一度は逃れたが二度目が極まって矢島がタップ。
試合時間は短いながらも、中々に内容充分な試合。


ジェネシスバウト 第九試合 ウェルター級 5分1R
△伊藤 有起(G-スクエア)
△内村 洋次郎(P's LAB東京)
[時間切れ]

5分間、激しく攻防が入れ替わった試合。
打撃に勝る内村がミドルキックやストレートを叩き込めば、
寝技に勝る伊藤はテイクダウンを奪ってパスガードを決める。
しかし内村、グラウンドでどんなに不利な体勢になってもチャンスを見て立ち上がる。
ならば、と伊藤は投げを放って内村を寝技へと引き込む。一進一退の攻防だ。

スタンドでの打撃からテイクダウンを奪ったのは内村。
強引にマウントへと移行すると、上腕を使って伊藤の顔面をグリグリ。
伊藤、この体勢をリバースする事に成功、マウントを奪いつつ足を捕ってヒールホールドへ。
これを内村が脱出、両者がスタンドになったところで試合終了。
極めっ気のようなものはありませんでしたが、好勝負でした。


ジェネシスバウト 第十試合 イサミカップ ジェネシス フェザー級トーナメント 準決勝 5分1R
○植村 "JACK" 龍介(P's LAB 東京)
●奥出 雅之(ゴールドジム サウス東京)
[判定 3−0]

ここまでグラウンドを中心に勝ち上がってきた両者の対戦だったが、開始早々に奥出のハイキックがヒット。
怯む植村にタックルを敢行する奥出だが、植村はこれをガブッてバックマウントを奪う。
だが奥出も素早くリバースに成功、これを見たレフリーは即ブレイクに。
二度目のタックルも上になりながら攻めあぐねてブレイクになった奥出、
今度は植村がタックルを敢行、一度は奥出にガブられながらも巧みにバックを奪う。
亀の体勢で凌ぐ奥出はここからスイープ、一気にマウントへと移行、チャンスを迎えたが…。

植村は下から足を捕ると、上下を返してインサイドガードの体勢。
更にはパスガードを決めてサイドへと移行し、腕を捕って極めに行く。
抵抗する奥出、植村は腕がダメと見るや、今度は足を捕って極めに掛かる。
奥出は亀の体勢になって防御、その上を植村が制する中で試合終了。
判定は、試合後半からの積極的な攻めが評価されて植村の勝利。


ジェネシスバウト 第十一試合 イサミカップ ジェネシス フェザー級トーナメント 準決勝 5分1R
○稲津 渡(U-FILE CAMP 登戸)
●村田 卓実(和術慧舟會 A-3)
[判定 3−0]

ここまでを圧倒的なグラウンドテクニックで勝ち上がってきた村田と、
二回戦を鮮やかな関節技で勝ち上がった稲津、二人の対戦は実力拮抗。

スタンドでは稲津が有利、パンチやキックで村田を攻める。
逆にグローブをはめずに試合をしていた村田、掌打を返すもまともな打撃が出せない。
これを見た稲津はハイキックを多用し印象点を稼ぐも、これらは全て村田がガード。

ならば、と、タックルで稲津を何度がテイクダウンする村田、
稲津のハイキックに合わせて決めるシーンもあったりで、グラウンドでの優位性をアピールする。
積極的にパスガードを狙ったり、組み付いてくる稲津を持ち上げてスパインバスターを仕掛けたりするも、
それ以上の攻めを稲津に阻まれて決定的なシーンを作る事ができない。
ならば、と村田は試合終盤にスタンドでミドルキックを多用、飛び蹴りまで繰り出していた。

結局、両者の実力に決定的な差が出ないまま試合は終了、この二人に5分1Rは短すぎた。
判定は、村田の得意なグラウンドでの攻めを封印し、スタンドで攻めた稲津が僅差で勝利…なのだが、
正直、マストシステムがなければドローとしか言いようのない試合内容だった。

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17:40
ジェネシスバウト終了…なのだが、ここまで一時間。
十一試合で一時間と聞くとトントン拍子に興行が進行しているように感じる、かもしれないが、
すっかりZSTに慣れてしまった今では、この時間でも妙に長く感じてしまう。
オカシイなぁ、僕はSBとかの長めの進行はそんなに長く感じないんだけどなぁ…。
まあつまり、それだけZSTの興行の中に流れるテンポが異様に速いんだろう。

…等と言っている間に、もう本戦が開始になるようだ。
「ZSTは相変わらず、進行がバカッ早いねぇ…」等と感じつつ観戦開始。

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第一試合 ZST−GP2 フェザー級トーナメント 準決勝 5分2R 延長3分1R
○レミギウス モリカビュチス(168cm/65kg/リトアニア)
●宮川 博孝(165cm/68kg/チーム アライアンス)
[1R 45秒 KO]
※膝蹴り

ZST-GP 準決勝、第一試合は「ZSTの外国人エース」vs「世界のTKの弟子」。
ZST-GP優勝候補の一角、「ZST外国人エース」"レミーガ"ことレミギウス モリカビュチス。
一回戦では「ドージョー チャクリキからの刺客」ボウラム ベラーニを、たったの5秒で葬った。
このトーナメントでは、昨年、ワンマッチで敗れている所 英男へのリベンジを果たしたいレミーガ、
相手はグリーンボーイとあれば、まずはこの試合を簡単に制したいところだ。

「世界のTKの弟子」宮川 博孝、
活動停止直前の前田道場でRINGS JAPAN勢に混じって練習していたという、貴重な過去を持つ男だ。
一回戦ではフロントチョークで「チーム エクストリームの刺客」マイク フレンチを破っている。
宮川のセコンドには「世界のTK」高坂 剛の姿。
ジェネシスバウト上がりのルーキーは、師匠の前で大番狂わせを起こせるか?

試合開始、と同時にスライディングでレミーガに襲い掛かる宮川。
その後も低い体制からのタックルを連発、どうやら有効打を喰らわずに、
レミーガからテイクダウンを奪う作戦のようだったのだが…。

その攻めがあっさりと裏目に出る。
何度目かの低空タックルにレミーガがヒザ蹴りを合わせると、これが宮川の顔面にガツンとヒット。
一発で効いてしまった宮川はあっさりダウン、もう立ち上がれない。レフリーが試合を止めて終了。

う〜ん、何と言うか、あっさりと勝負が決まっちゃったなぁ。
まあ、実績のない宮川が強豪レミーガに勝つには、これしかなかったんだろうけどねぇ…。


第二試合 ZST−GP2 フェザー級トーナメント 準決勝 5分2R 延長3分1R
○大石 真丈(171cm/68kg/K'z FACTORY)
●所 英男(170cm/65kg/STAND)
[延長判定 2−1]

ZST-GP 準決勝、第二試合は「第二代 修斗世界バンタム級王者」vs「ZSTの新たな日本人エース」。
「第二代 修斗世界バンタム級王者」という燦然とした肩書きを持つ大石 真丈だが、
ZSTに参戦してからは「5戦2勝3敗2一本勝ち」と、その実績と比べると奮わない感がある。
そして、この3敗のうち2敗が所に付けられたもの。腕十字を極められた事もあった。
今日は「三度目の正直」、因縁の相手を前に勝利を飾る事は出来るか?

もはや小谷 直之を押しのけて、ZSTの新エースの地位を確立してしまった所 英男。
昨年一年間の戦績は、グラップリング・ルールを含めて9戦7勝2敗5一本勝ちで文句なし。
しかしながら肝心な小谷との直接対決では、ヒール ホールドで一本負けを喫してしまった。
このトーナメントを制した後は小谷との再戦を実現させようとしている所としては、
目の前にいる大石は「二度ある事は三度ある」とばかりに一蹴したいところだ。

1R、ローキックで牽制する所、大石はタックルに行くも所はあっさりと捌く。
再びタックルから足を捕りにいく大石、所は反対に下から腕十字の体勢!
窮地に立たされつつも大石は腕を抜き、逆に腕十字を狙っていく。所は立ち上がって防御。

両者スタンド、所はローキックからストレートを連打、これが大石にクリーンヒット!
大きく怯む大石が強引にタックルを敢行し上になったが…、所、今度は下からの三角絞め。
大石は三角を逃れてボディへパンチを落としていくのだが、ここから攻めが続かない。
両者立ち上がってスタンド、所がストレートを繰り出しヒット、大石はこの一撃で出血。
所は更にストレートを連打し攻勢、タックルで逃れようとする大石の足を捕ってヒール ホールドの体勢。
グラウンドで回転する両者の姿に観客が歓声を揚げる中、所は極めるのを諦めて立ち上がる。
大石がストレートの連打からタックルで所を掴まえてテイクダウンしボディへパンチを落とす中、1R終了。

ここまでは「所が圧倒的な勢いで攻めている」という印象。
これは今日も所の勝ちは動かないな、と思っていたが…。

2R、ローキックを連打する所に対して、大石がストレートを放つとこれが数発ヒット。
対する所はミドルキックで反撃、これをキャッチした大石は崩してテイクダウンを奪う。
しかし所は逆に大石の足を掴んでの足関節技狙い。ヒール ホールド、膝十字、アキレス腱固め…。
しつこい攻めを何とか凌いだ大石、下から所の腕を捕らえてアーム ロック、これは極まらず。
両者共に立ち上がり、試合は再びスタンドへ。

と、ここまでは所が優勢に試合を進めてきた事がわかるだろう。しかし…。
大石が不意に放ったストレートがモロに顔面にヒットし、所の足元がフラつく。
続けて放ったワンツーもモロにヒットし、これで所は一気に失速。
「効いてる!」と見た大石、所を掴まえてヒザ蹴りを連打、更にはショートアッパーの連打で追撃。
攻守逆転、意外な展開を前にここまで元気を失っていた大石応援団が勢いを取り戻す。
所は苦し紛れのタックルを敢行するも、ガブッた大石はバックマウントを奪って腕十字へ。
何とか逃れた所は再び足を捕りに行くも、大石は下の体勢からチキンウィングで反撃。
ガンガン攻める大石を前に、所は凌ぐのが精一杯の状態。

両者スタンド。
再び大石の単発のストレートが何度もヒット、所のダメージが大きくなる。
それでも所はフラフラの裏拳をヒットさせたが、怯まない大石はタックルから高く抱え上げると、
スパインバスターの要領でリングへ叩き付ける。派手な技を前に観客から歓声が揚がる。
だがグラウンドでは所がオモプラッタで反撃、ここで2R終了
。 このラウンドは大石が取っただろう。って事は、こりゃ延長だな。

そして判定結果は…やはりドロー、3分間の延長戦だ。
う〜ん、こうなるとダメージの大きい所が俄然不利だねぇ。

延長R、まずは大石の足を捕って引き込む所、逆に大石も所の足を掴んで極めに行く。
ここから両者の足関節技合戦。両者の応援団が歓声を揚げるが、試合は大きく展開するは事なくブレイク。
所はローキック、ハイキック、ストレートと繰り出しつつタックルを繰り出すが、大石は横三角絞めで反撃。
この三角絞めを何とか崩した所はインサイドガードを奪うが攻めれずにブレイク。

残り1分、両者は打撃戦を展開。
ここで優位に立ったのは大石、ストレートの連打で所を追い込んでいく。
だが所もストレート、ローキック、ハイキックを繰り出して反撃しつつもタックルを繰り出す。
されども大石は下からの腕十字で反撃。何とか逃れた所が足関節を捕りに行く中で試合は終了。

延長判定。個人的には「攻めの手数では互角だったものの、決定打の差で大石かな?」と思っていた。
で、実際の結果は…、スプリットながらも大石の勝利。まあ、妥当かな。
これで大石はリベンジ成就させると共に、トーナメント決勝戦へと駒を進めた…のだが、
リングを足早に降りる彼から、その喜びは全く伝わってこない。どうやらスタミナの消耗が激しいようだ。
この体調で、決勝の相手はレミーガかぁ。う〜ん、これでは勝つのは厳しいねぇ…。


第三試合 5分2R + 3分1R
△櫛田 雄二郎(172cm/72kg/フリー)
△佐東 伸哉(177cm/69kg/P's LAB 東京)
[時間切れ]

最初は高田道場に入門、桜庭和志に鍛えられていたハズなのだが、現在は何故かWJの道場に通い、
あの「未成年レスラー」中嶋 勝彦を勝手にライバル視しながらプロレスの稽古に励む櫛田 雄二郎。
う〜ん、この華麗なる転身、彼に一体何があったというのか…?
そんな櫛田だが、実は昨年のジェネシスライト級トーナメント覇者。本戦での初勝利なるか?

対するは、ポスト ヤノタク?としてZSTに定期参戦している佐東 伸哉。
タコの様に絡みつく独特のグラウンドで「ハイブリッドこんにゃくレスラー」の異名を持つも、
異様なまでの極めの弱さで初参戦から泥試合が続いている、あらららら。
今日こそルーキーを相手にキッチリ一本を取れるか?取れるのか?

…と、選手についての前書きは書いたものの、実際の試合に関しては大幅に割愛。
理由は佐東絡みの試合恒例の「泥試合」だったからです、あら残念。

とりあえず、概略だけ。
佐東はグラウンドのレスリングでは完全に櫛田を圧倒、だが相変わらず極めるまでに至らない。
櫛田も佐東の攻めを凌ぎつつ上になる場面もあったが、こちらは極める体勢まで持っていけない。

佐東は2R最終盤に腕十字をガッチリ極めたり(ゴングに逃げられた)、
3Rには肩固めを狙ったり、腹固めを極めようとしたりで、極めようと努力していた事は追記しておく。
まあ、いつも通り、極まらなかったんだけどさ。
対する櫛田、1Rにドラゴン スクリューのような技を出してました。

で、試合結果は泥試合だけに「ドロー」。
う〜ん、毎回毎回この内容では佐東に上がり目はないなぁ。
結構、好きな選手なんだけどね。

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ここで休憩…なのだが、
今回はここでジェネシス・フェザー級トーナメントの決勝戦が行われた。
何と言うか…、休ませてくれないのね、ZST。

ジェネシスバウト 第十二試合 イサミカップ ジェネシス フェザー級トーナメント 決勝 5分1R
○植村 "JACK" 龍介(P's LAB 東京)
●稲津 渡(U-FILE CAMP 登戸)
[2分33秒 ヒールホールド]

PANCRASE vs U-FILE CAMPとなった決勝…って、こういう煽りはもう時代遅れだし的外れだな。
いずれにせよ、両者共に今日は一本勝ちを出しているので、好勝負が期待できるだろう。

試合開始、まずは植村がタックルを敢行、稲津をテイクダウン。
植村はインサイドガードからパスガードを狙うも、稲津はそれをさせず。
その後、試合に展開なし、レフリーがブレイク。

打撃も得意な稲津、ハイキックを繰り出すも植村はまたしてもタックルを敢行。
これに合わせて下からの腕十字を極めようとする稲津、これは極まらず。
反対に上になった植村は足を捕ってヒール ホールド…、こちらはガッチリ極まった。
程なくして稲津がタップして試合終了。植村がジェネシス フェザー級トーナメント優勝となった。
勝った植村、喜びを全身で表現しつつ、何やら叫んでいる様子。
心から喜んでいる人を見ていると、こっちまで嬉しくなってくる。

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第四試合 ZST−VTマッチ 特別ルール 5分2R + 3分1R
△小谷 直之(173cm/71kg/ロデオスタイル)
△ダリウス スクリアウディス(176cm/70kg/リトアニア)
[時間切れ]

この試合、小谷 直之にとっては「試練の一番」。

かつてはこのルールで無敗を誇り、完全無欠のエースとして君臨してきた小谷だが
昨年はアメリカ遠征で敗北、自身の庭であるこのリングでも内容は振るわなかった。
この結果、エースの座を所に明け渡してしまう事になってしまったのだ。
小谷にとっては「エース奪還」を目標としての再出発となる今日の試合は「ZST-VT ルール」。
グラウンドでの打撃が全て解禁のこのルールの中で勝利を掴む事が出来るか?

リトアニアでは無敗を誇るムエタイ王者、ダリウス スクリアウディス。
シャープな肉体と、見るからに太い太腿から繰り出される打撃はZST参戦後も猛威を奮い、
これまでのZSTでの戦績は3戦3勝3KOとパーフェクト、しかも全て1R決着だ。
そして今日の試合は、スクリアウディスにとっては千載一遇のチャンス。
ここで元エースである小谷を倒せば、一気にレミーガと並ぶ強豪外国人選手として知名度も上がるだろう。

と言う訳で、ZST-VTマッチのルールについて。
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・グラウンドでの全ての打撃(パンチ、キック、ヒジ、ヒザ)を有効とする。
・通常ルールでは禁止している「頭部への打撃」を有効とする。
・残りのルールは全てZSTルールに順ずる。
 つまり、相変わらずホールディングやクロスガード等は禁止であると同時に、
 グラウンドで膠着すれば即ブレイクである。

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これは中々に過酷なルールだ。下になったらかなりヤバいんじゃないの?

さて試合…なのだが、基本的な図式は3R通して同じだったのでダイジェストで。
基本的な図式としては、「脅威の打撃を振りかざすスクリアウディス vs 倒したいけど倒せない小谷」。
この一文から、この日の小谷の苦戦ぶりを察して欲しい。

全てのラウンドにおいて、ミルコばりにタックルを切るのが巧かったスクリアウディス。
突き放す。引き下がる。叩き込む。大きく逃げ回る。あらゆる手段を使って小谷のタックルを潰す。
距離があけば、今度はローキックを小谷の腿に叩き込み、ストレートをヒットさせていく。
特にローキックは破壊力がハンパでなく、一発決まる度に観客からどよめきが起きていた。

対する小谷は得意のグラウンドに持ち込む事が出来ずに大苦戦。
それでも1R序盤、スクリアウディスをテイクダウンして上になる場面があったが、
スクリアウディスは反則覚悟のホールディングで小谷に何もさせない。
ならば!とばかりに小谷は2R中盤、今度は片足タックルからテイクダウン、マウントを奪った。
ここぞとばかりに顔面パンチを連打する小谷、観客からは逆転劇を期待する大歓声が揚がったが…。
スクリアウディスはロープ際なのをいい事に、何と場外へとエスケープ。
露骨な反則プレーに観客からも野次が飛んだが、この行為はお咎めなし。結局ブレイクに。
う〜ん、これが反則を取られないのは納得いかんなぁ。

結局、全ラウンドにおいて打撃を喰らい続けた小谷、後半は完全に失速。
3R終盤は一方的なラッシュを貰いフラフラになっていた。
何とか時間切れに持ち込んだ為、試合結果はドローになったものの…、
犯した反則スレスレの行為を差し引いても、判定があれば勝者はスクリアウディスだった気がする。

う〜ん小谷、出直しの一戦としては非常に厳しい試合内容だったなぁ。
反対にスクリアウディスは、この一戦で自らの存在感を充分にアピールした、と言えるだろう。
それにしても、このままではZSTも「外国人天国」になっちゃうんじゃないの?


第五試合 ZST−GP2 フェザー級トーナメント 決勝 5分2R 延長3分1R
○レミギウス モリカビュチス(168cm/65kg/リトアニア)
●大石 真丈(171cm/68kg/K'z FACTORY)
[1R 3分13秒 KO]
※左フック レミーガがトーナメント優勝

ZST-GP 決勝は、順当通りに勝ち上がった「ZSTの外国人エース」と、
三度目の正直でライバルを倒した「第二代 修斗世界バンタム級王者」。
「ストライカー vs グラップラー」という、非常にわかりやすい図式となったが、
準決勝で体力を残したレミーガに対して、大石は大きく体力を消耗。正直、勝つのはキツいか?

試合開始、何とか相手をグラウンドへと誘いたい大石、定番通りに掴みに行くも突き放される。
レミーガのハイキックを避けようとした大石がスリップ、レミーガはその顔面にローキック一閃!
…グラウンドへのキックはZSTでは反則、この行為にイエローカードが出される。
インターバルの後で試合再開、尚もハイキックやローキックで牽制するレミーガ。
反則によるダメージの大きい大石だったが、向かって来るレミーガの脇を刺した。
チャンス到来、力一杯の投げを放つ大石…なのだが、レミーガは脅威の粘り腰でこれを耐える。
ならば、と大石はバックを奪って崩しに掛かる、が、やはりレミーガは倒れない。
それでも大石、執念でグラウンドへと引き込んだ…のだが、レミーガはすぐに立ち上がってしまう。

徹底したスタンド ファイトへの固執はミルコ クロコップばりである。
両者スタンド、重いローキックを放つレミーガ、大石はその蹴り足を捕って二度目のテイクダウンに成功。
観客の大歓声の中、下からの三角絞めを繰り出す大石、劇的な逆転勝利を予感させるシーンに観客は大興奮。
…だがレミーガはこの三角を脱出、観客も落胆。

そして幕切れは突然に。尚も果敢に向かっていく大石に対して、レミーガの強烈なワンツーがヒット!
崩れていく大石、勝利を確信して大喜びするレミーガ、そしてレフリーが両手を振って試合終了。
今年のZST-GPは本命のレミーガが下馬評通りの実力で優勝。う〜ん、強い。

腰にチャンピオンベルトが巻かれると、レミーガは嬉しさの余りに男泣き。
「ありがとうございました(観客歓声)。

 今日は皆さんの大変に厚い応援に助けられました。
 前回トーナメントでは優勝できなかったので…(ここで再びレミーガ男泣き、観客拍手)、
 今回優勝できた事はとても嬉しいです。

 今日は本当にありがとう、これからもZSTを応援して下さい。
 I Love You !!(観客歓声)」

レミーガがコーナーに登ってマッスルポーズを決める中、リング内には銀色の紙テープが舞い降りた。
観客も素直にレミーガを祝福。彼の涙は本当に「良かったね」という気持ちになれるものだった。

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雑感:
序文にも書いた通り、今回のZST-GPは注目度が低かったように思えるのですが…、
いざ蓋を開けてみたら、注目度なんて事はどうでも良くなってしまいました(苦笑)。
別に話題性なんかなくっても、コレはコレでアリなんじゃないかなぁ…という。
「完成された空間」、僕にとっては段々とZSTという空間の居心地が良くなってきています。

最初は慣れなかった試合中のBGMも、最近は全然気にならなくなってきましたし、
興行のテンポはサクサクしていてとても良いです(佐東絡みの試合を除く)。
音響効果が良く、照明機材が充実しているZepp Tokyoの使い方をZSTが良くわかっているのでしょう。
あとは入場料金がもう少し安ければ本当に文句がないんですがねぇ…。

今日の興行に関して言えば、ZST-GPよりも小谷の不調ぶりの方が目につきました。
かつての姿を知る者としては、今の姿は寂しい限り。早期復活を希望します。

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以上、長文失礼。




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