1・8NOAH日本武道館大会TV観戦記
■団体:NOAH
■日時:2005年1月8日
■会場:日本武道館
■書き手:タカハシ

先日『いいカード』について考えてみたが、『いいカード』そのものを定義するなら見たいと思わせるカードで、『いい試合』は見た後の評価で決 まるものかな。見る側からした『いいカード』というのも2種類あって、試合のクォリティーはともかく、結果と展開が予想しにくいものと(魅力 的顔合わせ前提として)、やる前から試合内容の良さが保証されているものとある。NOAHの昨年のカードで言えば前者は小橋対高山で、後者は 小橋対秋山とすれば分かりやすいかな。今回のトップ2試合は前者に分類されるカードと言えるだろう。自分もどちらかと言えばこのタイプのカー ドの方が好きなんだけど。 今回はG+の当日放送。深夜0時半からなので、朝ビデオが録画できているかちょっと心配でしたよ。


<第1試合 15分1本勝負>
×百田 光雄 対 ○永源遙(7分48秒:揺りイス固め)
録画の利点は見たくない試合を無理して見る必要がないという事だ。試合後に永源が丸藤のGHCベルトに挑戦をブチ上げたそうですね。


<第2試合 6人タッグマッチ30分1本勝負>
斎藤 彰俊&○井上 雅央&杉浦 貴 対 泉田 純&菊地 毅&●川畑 輝鎮(14分51秒:アルゼンチン式背骨折り)
録画の利点は見たくない試合を無理して見る必要がないという事だ(その2)。


<第3試合 6人タッグマッチ30分1本勝負>
小川 良成&○SUWA&リッキー・マルビン 対 モハメド・ヨネ&KENTA&●鈴木鼓太郎(6分59秒:トリプルF→体固め)
7分足らずそれぞれの見せ場が凝縮された、WWEのTVマッチのような試合だった。この6人を使って永源対百田より短い試合にするのというの も贅沢な話だ。 試合の話に戻るとNOAHでのSUWAを見るのは初めてなのだけれど、「オレは馴れ合わないぜ」という態度を特に出さないでいたのがちょっと 意外な感じ。また7分足らずという事もあり、最後のレザボア・ドッグス状態からSUWAと鼓太郎の1対1の状況になっても、ジョン・ウーから のFFFとは言え、フィニッシュになるとは考えが及ばなかった。今回はここで決まったが、いつかどこかの団体がレザボア・ドッグスからフィ ニッシュに行かないで、また流れを戻す・・・というのをパロディー的にやったら面白いな。 あとジョン・ウーからのFFFをちゃんと必殺パターンとして扱ってくれていたのも良かった。  


<第4試合 タッグマッチ30分1本勝負>
田上 明&○佐野 巧真 対 本田 多聞&×潮崎 豪(13分10秒:北斗ボム→片エビ固め)
録画の利点は見たくない試合を無理して見る必要がない事だ(その3)。


<第5試合 タッグマッチ30分1本勝負>
秋山 準&×橋  誠 対 ○森嶋 猛&丸藤 正道(12分18秒:バックドロップ→体固め)
録画の利点は見たくない試合を無理して見る必要がないという事だ(その4)。それでも丸藤と秋山の絡みだけは見たかったのだけれど、森嶋が 入っているというだけで見る気になれなくなってしまった。


<第6試合 GHCジュニアヘビー級選手権試合60分1本勝負>
○[王者]金丸 義信 対 ×[挑戦者]高岩 竜一(18分22秒:雪崩式ブレーンバスター→片エビ固め)
スワンダイブやジャーマン、ウラカン・ラナといったイマドキのジュニア必須アイテムを常用していない分、お互い異色とも言える対戦となった が、試合前に高岩がベルト落としていたり、それほどNOAHにメリットのない交流という事で高岩ジョブは明白過ぎた・・・という意味では興味 がそそられないカードだった。 試合の方もグラウンドの攻防がもっさりしていて退屈だったし、大きく湧いたのも変な落ち方した時くらいだったから、自分的にも最後まで気分が 乗らなかったという事なんだろうな。


<セミファイナル スペシャルマッチ60分1本勝負>
三沢 光晴&○力皇 猛 対 天龍 源一郎&×越中 詩郎(15分53秒:無双→片エビ固め) 
「NOAHファンから声援を送られれば、もうNOAHの一員という事です」というカブさんの言葉が真実であるならば、天龍ももうすっかり NOAHの一員という事なのかな?意外なほどの大歓声の中堂々と入場してきた天龍に、会場でこの空気を味わえなかった事を初めて悔やむ気持ち になった。
で、試合の方だが「天龍の衰えをまざまざと見せつけられてしまった!」というのが正直なところだ。最近ではチョップ合戦で打ち負ける事も増え てきた天龍。例えば土方相手でも一瞬目が飛んでしまう事もあったくらいだが、その時は目を背けたくなるような(ホントは目を輝かせてますけ ど)倍返しで天龍らしさを発揮してくれていたのだ。ところが今回の試合では倍返しどころか、何気ない攻撃でも踏んばらずに倒れたり、やられた ままでお返しせずにタッチを求めたりと、非常にらしくない動きが目立っていた。 自分がNOAH参戦で一番見たいのは秋山との対決なのだが、秋山の容赦のない攻撃に対しての受けというのがテーマであるため、このままではた だ悲惨なだけで終わってしまいそうな予感がして仕方ない。とにかく正月から調子が上がっていないだけである事を切に願う。  


<メインイベント GHCヘビー級選手権試合60分1本勝負>
○[王者]小橋 建太 対 ×[挑戦者]鈴木みのる(25分22秒:豪腕ラリアット→片エビ固め)
自分が日本のプロレス界に強く望むのは、何と言っても『必殺技の復権』だ。しつこいようだが昨年のHHH対ショーンで2人が見せてくれた「必 殺技をどちらが先にリング中央で完璧なカタチで決めるか」で組み立てるプロレス本来の姿を見て、リセットすべきは必殺技の消失だ!と思ってる ワケですよ。
その点では今回の試合は「小橋のラリアートが鈴木にどう決まるのか?」というテーマが、見る方もやる方も定まっているという意味では、最も古 典的な試合とも言えるのだ。少なくともこの試合を政治的背景を含めて勝敗を予想する人ならば、誰だって小橋が勝つと予想する事だろう。もちろ ん自分もそうだし、結果もその通りとなった。

その中でこの試合に魅力を感じるのは、小橋がいかに鈴木相手に武道館のメインにふさわしい試合をしてみせるかと、鈴木がどこまで小橋相手に (今後のNOAH参戦を見据えて)商品価値を示していくか、という事になるだろう。その2点について言えば2人とも100点満点の試合を見せ てくれたと思う。

試合は小橋が新日道場に飾ってある猪木の写真のようなポーズ(高田総統もやってましたけど)で、鈴木を迎え撃つ構えで始まった。高山はこの ポーズを自身の経験から「馬場さん的」と評していたが、なるほどインタ王者時代はこんなポーズも見せていたような記憶がありますねぇ。

鈴木はと言えばレスリング・ムーブで翻弄しつつ、あくまで自身のカラーを出していく事を主眼としていたようだ。狙ったものかはわからないが、 顔を作っている時とチョップをかわす時のスピードの差が上手い具合に緩急となった事もあり、より素早く鮮烈に見えたのが印象的だ。また三角絞 めを2回出していたが中邑のように中途半端に極めておいてギブアップを迫るのではなく、小橋に抜かれそうになってバスター食らいそうになった り、タランチュラ式に極めたりと十分極まっていないのでさえ説得力があるというか、理詰めというか(ちょっと身贔屓が過ぎるかな)。

結局右腕を殺されていてクラッチできない小橋が、珍しいバックドロップの連発から(高山が解説でナイスフォローしてた)、『介錯!』と画面に 大きく文字が効果として出そうなラリアートでみのるが憤死して試合終了。小橋は試合後も右腕を挙げる事すらできずに、破れたものの「右腕をも らう」という公約は果たしたみのる・・・と文脈読み取るかのような書き方するのも失礼なほど面白かった!
やはりお互いの攻防の焦点が観客に伝わっていると、客席からの緊張感が試合にも相乗効果を与えているかのようだ。これで剛腕大魔王がまたまた 防衛(13回目ですか)。ただドームで観戦した時に感じたのだけれど、観客は心から小橋の勝利を願っていて、小橋もその期待に勝利と試合内容 でキッチリ応えているんだよね。

少なくとも小橋に対して「そろそろベルト落としてよ」という気持ちにはならないし、自分でさえそうなのだからNOAHファンなどは尚更だろ う。

あとは強力・・・というよりは魅力的な挑戦者をいかに連れてくるかだが、期待はやっぱり天龍かなぁ。NOAHファンの間で時期挑戦者の力皇が どんな位置にいるのかは知らないけれど、いくらなんでも小橋対力皇の一本売りで武道館が埋まるとは思えないしね。三沢も丸2年ぶりに重い腰を 上げるのだろうけど、王座を引き継いでいこうとまでは思っていないような・・・。 その辺のNOAHフロント陣の手腕にも注目・・・と、投げやりなオチで終わらせる事としよう。




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