1/4 全日本女子プロレス 後楽園ホール興行 観戦記
■団体:全日本女子プロレス
■日時:2005年1月4日
■会場:後楽園ホール
■書き手:しま

昨日に引き続き後楽園へ。今日は、脚の怪我をおして無理矢理出場する奈苗が、果たしてナナ☆ モモタッグを無事務められるのか心配で観に行くようなもの。他ははっきりいってどうでもいい カードです。

会場に入ると、昨日よりお客さんは少ない。最後のナナ☆モモなのに、淋しいものです。あんな にいた中西ファンはどこへ消えてしまったのであろうか。

相方がどうしても欲しい!と言うので、福袋を買ってみる。中身は去年よりショボイです。T-シ ャツも一枚しか入ってないし、昔のビデオばかり何本か。
あ、でもその中に長与千種の1987年の千葉県文化会館でやったコンサートのビデオなんてものが !(笑)どう対処していいのか分からないので封を開けずにおくことにします。

全選手によるサインボール投げでは、すぐ後ろの西尾のファンらしき男性が、野太い声で「西尾っ !こっち!こっち〜!」と熱狂的に叫ぶのであった。

そうか、今日は“最後のナナ☆モモ”というより、“まさかの西尾&Hikaruタッグ”を観に来てる ファンのほうが熱かったりするのか。どっちのタッグチームが、より客を熱狂させるか?
これは面 白いことになるかも、、、あぁ、奈苗の脚さえ大丈夫ならば。


第一試合
○渡辺智子 VS 東城えみ× 3分57秒 スクリュードライバー

なんだか内容がよく思いだせない、、、。でも、無駄にダラダラやらないでテンポよくビシッと終 ったような?
「昨日の正月第一試合も、これでよかったのに、、、。」と相方がボソリと呟いた。


第二試合
○松尾永遠 VS サソリ× 10分19秒 ラマヒをつぶして

遅い、、、サソリの動きが、、、超を超える遅さ、、、どうしてここまで遅く動けるのかと思うラ ・マヒストラル(と呼んでいいのかさえ躊躇する)を、チビの松尾につぶされて負けてるサソリ、 ナナ☆モモと同期なのに(泣)。
奈苗が欠場すると平成8年組としてひとり残るサソリ、、、でも、無事これ名馬、とかさえ絶対言 いたくないヒドさ。


第三試合
○A・コング、前村早紀 VS 井上貴子、×ザ・ブラディ 16分23秒 スパイラルボム
昨日に引き続き、ブラディーが出場。「貴子サン!」「貴子サン!」と貴子を立てるようにして実 は使って(?)うまく連係プレイを楽しんでいた。反対に、見た目は面白いチビ・デカのタッグと なった前村とコングは、息が合わず(?)失敗やら誤爆やらで、タッチのたびに頭を叩きあうはめ に、、、。

それにしても、前村の、この「一番目立ちたい!」根性と気の強さは恐るべきものがあるなぁ。昨 日も「火の玉」って言葉が浮かんだけど、、、自分で勝手に「中西さんのポストにはアタシが立つ!」
って決めてるふしがあって、実は一人暴走しまくってるのはこの人のような気がする。もうすぐ成 人だそうな。末恐ろしい(いえ、末が楽しみ)。


第四試合
△前川久美子 VS 元気美佐恵△ 30分フルタイムドロー

数年前、タッグリーグ・ザ・ベストに参戦した元気には心底あきれたものだった。体ばっかり立派 で、なんでこんなに鈍いのよ〜?と見る度にじれったくなる選手、それが元気であった
しかーし、 去年くらいから急に強さと貫録が身についてきた(ような気がする)元気、今日の前川とのシング ル戦では何を見せてくれるか、ちょっと楽しみにしてきたのだったが、、、結果は30分フルタイム ドロー。
途中で前川が腰を痛めてしまい、隙をみて自分で腰をどうにかケアしながら闘うという展 開になってしまった。昨日赤いベルトをとった今日で、だらしない試合はできない!という必死な 思いだけが前川を奮い立たせていた。前川相手に30分闘える、というのは確かに強くなった証拠だ けど、腰を痛めた相手にドローでは、元気も不完全燃焼、、、?と思いきや、けっこう一杯一杯だ ったようで(笑)。

今の元気だったらもっと凄い試合が見られると思っていたので、評価は微妙〜。

試合後、前川がリング下から「昨日、赤いベルトを巻いたのに、今日はこんな、不甲斐ない試合を してしまって、すみませんでした。」「奈苗が復帰するまで、自分がこのベルトの価値を下げない ようにがんばります、、、。」というようなマイク。

すると元気がまだ体の痛みに顔をしかめつつ、リング上から 「ちょっと、前川さん、自分とやった試合を“不甲斐ない”とか、言ってほしくないですよ〜。」
「私だってNEOのベルトを持ってる者として、昨日赤いベルトを巻いて、今日の試合がキツイことは 分かるつもりです。」「まぁ、、、でも自分、粘りすぎですよね?(苦笑)この前は(田村と)60分、 今日30分ドローって(苦笑)。」

すると、前川「美佐恵も強くなって、いい試合のできる相手だと思ってます。」
「でも私は、まだまだ自分が赤いベルトを巻く資格があるとは思っていません。」
「それは、、、中野さんが赤いベルトを巻いていた時を知っているから、、、」
声が震えている前川。
「美佐恵も、NEOのチャンピオンをベルトを持っている人間なら、今の自分に満足してほしくない。 もっともっと強くなってほしい。」 「私も、もっともっと努力して、赤いベルトにふさわしい人間になりたいと思ってます。」
じーん、、、。

前川が、今まで赤いベルトを簡単に獲りにいかなかったワケは、このベルトを誰よりも大事に思って いたからなんだ、ということが伝わってくる言葉だった。
「ベルトにふさわしい人間になりたい」
今までこんな事言った選手がいただろうか。層が薄くなって全体のレベルが低くなってしまったなか にいても前川の理想は高いままなのだ!

これを聞いて「30分ドローやっちゃったよぉ、私ってさすが♪」てな気分でいた(ように見える)元 気も、ちょっとはピリッとした気持ちになったでしょうか。
私は心が洗われた。


第五試合
NANA☆、×MOMO☆ VS ○西尾美香、Hikaru 27分27秒 スクールボーイ

とうとう最後のナナ☆モモの試合。脚を怪我してる奈苗に、相手はHikaruと西尾という試合の出来に ムラがありすぎる若い二人、、、しかもこのタッグ結成には、ファンからは「え〜!もうやっちゃう の〜?モモ引退のためだからって組むの早すぎー!」という不満の声がふつふつと沸き上がっている のだー、さぁ、どうする!モモ?!

最後のナナ☆モモだってのに、なんだかとってもリスキーな一戦となってしまったこの試合、観てる こちらもハラハラドキドキ。

今井リングアナの「時代を創ったこのタッグも、今日が最後です」のコール。


すでに懐かしく感じられるゼブラ柄のコスチュームのナナ☆モモ、そして対角線上に西尾とHikaruが 立つと、あぁ、ナナ☆モモはもう若手じゃないんだなぁ、ということを実感する。会場の声援もHika ru&西尾への方が大きく、試合が始まると何とナナ☆モモへのブーイングまで起こった
私が全女を 見始めてからナナ☆モモにブーイングが起きたのは初めてだと思う。ナナ☆モモに対してブーイング が自然に沸き起こったことにハッとなる。これは感動的だった。

“元気で明るく仲良し”のナナ☆モモは、いつまでたっても若手のイメージが抜けず、最初から最後 まで全くカラーの変わらない、悪くいえば単調なタッグにも感じられた。この二人はイメージチェン ジできないし、する気もないまま終っていくんだな、と思っていたけれど、相対する者が二人を上回 るフレッシュさをぶつけてきた時、初めて二人の絆やしぶとさが憎らしさとなって表れた。

でも、それが今日という最後の日に見られても正直むなしい。ナナ☆モモタッグは、これからが本当 に輝く時ではなかったのか?このタイミングでモモが引退するのは、やはりこのタッグが背負うはず だったものへの裏切りだと心底思うよ!、、、と恨みがましくなりがちな私の気持ち。

見ている間にも試合は、私がますます恨みがましくなるような、でも、最後には否応無く清々しくな ってしまうような素晴らしい試合になっていった。

怪我をしているナナに、脚に負担をかけないような技と動きで、かつその事を感じさせない連係プレ イを促すモモ。
モモの動きにぴったりと呼吸を合わせて動くナナ。ひときわ大きく見える今日のナナ ☆モモに、それぞれ最大限の力で飛び掛っていくHikaruと西尾。

特に西尾の、大きく美しく決まるソバットやスープレックスは、まさに本日のハイライトであり、華 であった。

「白いベルトを一度巻いてから私には“魔法”がかかったまま」と言う西尾の言葉は嘘ではなかった。
全女で鬱々とした表情でいた頃とは別人のよう。ホントに魔法みたい。デビュ−以来のベストバウト なのでは?後ろの西尾ファンの男性も興奮して「西尾〜っ!いいーっ!今日はいい〜っ!!」と大絶 叫してたし(笑)。

四人が四人とも力を出しきって見せきり、ナナの怪我がマイナスどころかプラスになって見えた、ま さに魔法のかかったような100パーセントの試合だった。

試合後、奈苗に抱きついて何か言っていた中西が、立ち上がり、西尾とHikaruを讃える。晴れ晴れと した先輩らしい顔で「いま、西尾とHikaruにはすごい勢いがあると思います!」「これからも二人を 応援してあげてください!」というような挨拶。

西尾とHikaruの表情も「やった!」「できた!」という満足感に溢れていて、二人のファンの歓声も 凄いことに。これぞ正しい世代交代劇、と思わせる麗しさと喜びと寂しさが満ち満ちる会場。

心配していた今日のメインは予想をはるかに超えるものだった。奈苗の脚はどうだろうか?今日はタッ グだったから助かったけれど、7日の中西の引退試合はシングル戦、、、ひとつ終るとまた次の心配 が、、、。




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