1/3 1/3 全日本女子後楽園ホール 観戦記
■団体:全日本女子プロレス
■日時:2005年1月3日
■会場:後楽園ホール
■書き手:しま

あけましておめでとうございます。あ〜、全女の今年はいかに?いきなり心配です。
年末に高橋奈苗が、靭帯断裂&半月板損傷による長期欠場と赤いベルトの返上を発表した ときには「全女は、終った、、、」と頭を抱えました。
でも、年って明けるし、年が明ければ正月興行はやらなきゃならない、のですね、たとえ エースがいなくても(!)。

会場に入ると正面に「モモラッチ ありがとう みんなより」という選手みんなの手作り の垂れ幕が下がっている。
客の入りは五割〜六割くらいかな。

全選手入場では、中西は今日のタッグパートナー、A・コングに肩車されて元気に入場。

奈苗は最後に入場してくるが、やはり元気はない様子。
そして松永会長の挨拶「去年は台風に見舞われ、事務所を二転三転して、大変な年でした。 (客・苦笑)
今年はそんなことのないように!(客・笑)がんばっていきます。」
そして全選手によるサインボール投げのあと、「時間調整のため、小人プロレスやります」
(今井リングアナ)あくまでも「選手の準備のための時間調整ですから!」(今井)
という ことで、入場曲が鳴り始めると
「あ、もったいないから止めてください!」「早く、試合や る人でてきてください!」
と、いつも以上のひどい扱い。プリティ太田がガウンをなびかせ 先に入場。
すると「デブはどうした?」「走って来いって!」と急かせる急かせる、しまい にはコールまで省略されて
「プリティ太田とブッタマンです、早くやって下さい!」


第一試合 ×ブッタマン VS プリティ太田○ 5分32秒 色々とあった末の体固め

まったく選手扱いされてないブッタマンですが、今日はなにやらいつもと違って、とても頑 張りました。
場外のあと、リングに登れず椅子に乗って上がるところや、プリティに四の字をかけられて 伸びてるのはいつもと同じなのだが、プリティに“真空投げ”されると見事にクルリと投げ られてみせた。そのあとプリティがわざわざ靴をはいて、コーナーのブッタマンを踏み付け ると、レフェリーまでプリティに加勢。怒ったブッタマン、いい音をさせて水平チョップを お返し。

さらになんと、ジャイアントスイングを11回!あぁ、ブッタマンがこんなにヤル気 を見せたのはいつ以来のことだ?(笑)

プリティを投げ飛ばし、自分も目が回って倒れたブッ タマンを、レフェリーがよいしょ、とプリティの上に乗せてスリー。

小人の新人入らないかなぁ(その前に選手か・笑)。


第二試合
○ファング VS サソリ× 12分15秒 STO

ゴング前、ファングがサソリに「今日はまだお正月だよ、お客さんが一番だよ」と雰囲気を 和らげるよう促し、握手を求める。そこでなんとなく握手に応じてしまう中途半端なサソリ。
年の初めのカードが、これでよいのか?というイヤな予感は当り、十二分の試合が永遠にも 思えるダラダラぶり。

場外乱闘時には客から「ちゃんとやれ!」とヤジが飛ぶ始末。サソリ、 面倒くさくなると最後に出すポカポカパンチのあと、ファングのSTOでスリー。まったく脱力 する。


第三試合
○井上貴子 VS 東城えみ× 10分23秒 バックハンドブロー

東城、まだ入場曲ナシで「オネガイシマース!」と走り込んでくる。そろそろ曲作ってもい いのではないかー?
対する貴子は風邪をひいているのか、咳コンコンで不機嫌丸出し。東城の握手をイヤそーに 受けたあと、ドロップキックはいきなりかわして、自分の方からはハイキック二発お見舞い。
でも、東城のやられっぷりが、ただヒィヒィ言うひ弱なやられ方じゃないのがとても良い。
声もでかいし、美貌は衰えずにますますたくましくなってきた感じ。四方のコーナーポスト からのミサイルキックを今度は四発ともいちいち丁寧に受けた貴子も、調子づいた東城の「 もう一丁!」の五発目はさすがに受けず、バックハンドブローで簡単に仕留める。

試合後は自分のほうから握手を求めた貴子に、エプロンに座り込んで悔しそうにしていた東城、 その手を二度はたいて退場。


第四試合
中西百重、○A・コング VS ザ・ブラディ、×渡辺智子 16分52秒 スパイラルボム

当初の予定では、中西と前村がタッグを組むはずだった試合だが、奈苗の欠場による変更で、 前村が急遽Hikaruの白いベルトに挑戦することになり、前村のかわりに組まれたのがブラディ ー、しかも中西とではなく渡辺と組む事に、、、。

もはやカード内容に意味を見つけようもなく、カードが組めただけでもありがたいと思わな くてはならない(?)状態。

それにしても、この、中西への声援の少なさ、客の熱のなさは一体、、、?大江慎とのバカッ プルぶりにファンが引いてしまったとしか思えないのですが、こんなんで七日の引退興行は大 丈夫なんじゃろか?

試合はブラディーとA・コングから。背の高いコングに対抗しようと、ブラディーが「おんぶ!」
と渡辺の肩に乗り、コングに向かっていくと、負けじと中西もコングの肩に。こうして試合は コミカルな路線へと向かい、ブラディーもわりとはまって楽しい試合に。中西が鮮やかなモモ ☆OKニ連発を繰り出したり、渡辺がエプロンにいるコングに張り手をかまして大受けしたり、、 、しかし、最後は渡辺がコングのスパイラルボムにあっけなくスリー。もっと中西の活躍を見た かった客は、この幕切れにシーン。
渡辺と中西、座りこんだまま抱き合う。


休憩

今井リングアナよりいろいろインフォメーション。
まず、奈苗が右足に巨大なサポーター姿でリング上に。

「怪我をしている人間が赤いベルトを巻いているのは失礼だと思ったので、返上させてもらい ました。」
「ただモモとの最後の試合だけは出たいと、会社とモモに言ったら「いいよ」と言 ってもらえたので、明日と7日は出ます」
というような挨拶のあと、
今井「大丈夫なの?」
奈苗「、、、。」 「いつも通りの動きはできないと思うけど、がんばります!」
今井「手術はするの?」
奈苗「します。」
今井「どのくらいかかるの?」
奈苗「半年くらいです。」
今井「キミは、それで何日くらいチャンピオンだったの?」
奈苗速攻激怒「なんで、そんなこと言うのーっ!!」
今井「最短記録かと思って。また、がんばって取り返せばいいから。ね?」 というやりとり。

奈苗がリングを下りた後、今井氏の口から予想もしなかった重大発表が。
「去年は、事務所があちこち移転して落ち着かず、“楽天”の社長みたいな人が現れて全女も 助けてくれないかなぁ〜、なんて言ってたら、なんと!全女を救ってくれるという方が現れま した!!」

「タケダさんです!」
背広姿のタケダ氏なる者がリングに上がり、四方に「おめでとうございます!」
「武田吉康です。私の名前は武田信玄の武!織田信長の田!豊臣秀吉の吉!徳川家康の康!と、 戦国大名が全部歴史順に並んでいますので、もちろん、目標は全国制覇!全団体統一!です!」
「今、見てましたが、ファンというより、まさに身内!身内の新年会のノリですね!」
「世の中で一番大事なのは、お金ではありません!一番大事なのは信用です!そして、信用よ り大事なのは勇気です!この全日本女子プロレスが、みなさんに与えられるのは勇気だけだと 思います!」だって。

威勢のいいことだけ言い放って、とっととリングを下りるタケダ氏。現在の肩書きも、全女で の立場も一切説明ナシ、といううさんくささである。「で、あんた、誰なの?」というのが、 客の心の声でしょう。

今井「すーばらしいご挨拶でしたぁ!会長もこれで枕を高くして眠れるのではないでしょうか ?」(って、ふざけてるのか?笑)

さらに衝撃は続く(笑)。「明るい話題をもう一人!「チケットT-1」の二見社長〜!」(客 席からブーイング)
今井氏「え、ブーイング?(笑)、、、かまわずお願いします〜!」

知る人ぞ知る二見氏、リングに上がり「みなさん、あけましておめでとうございます。今の方 とは雰囲気は一変しますが(自分で言うのがおかしい)聴いてください。」

「8月23日、後楽園ホールで、女子プロレスオールスター戦“T-1グランプリ”を開催します。 男子プロレスラー の出場はありません。参加団体は、全女、JWP、NEO、AtoZ、Ms-style、IWA、チームOK、K-DOJO、 LLPW、9団体。7試合全てシングル戦で行います。」

ということで、このあとは二見社長のほとばしる思いを延々と(笑)。
曰く、「なんとか女子プロ復興のお手伝いをしたいと思い」

「この仕事を始めるまで、正直女子プロに偏見を抱いておりましたが、人はみな平等であること を松永会長とおつきあいするなかで教えられ」
「人としての、礼儀として、お礼を」
「団体内のゴタゴタも、団体間のしがらみもナシに!」
「T-1グランプリの“T”は、天下、闘い、トキメキ、天使、などを表わしてます」
「全女に対する義理・人情も今日までです!」(唐突にコワイ)
「女子プロには改善しないといけないところがたくさんありますが、いくら言っても改善しない 時は、鬼になります!!」(ひぇ〜コワすぎる!)
「ファンの人は叱咤激励をして下さい!団体の人に言えないときは二見に直接言って下さい!」 (よけい言えないと思います)
でも 「ネット上では、信頼しているサイト以外でなにを言われても受けつけません!」、、、 だそうです。
そして最後に 「チケットT-1では、完全接客! 8・23では、完全決着!」(韻をふんだのか)
あまりの長い演説(?)に今井氏、疲れ気味に「これ以上、説明もいらないですね、、、。」と リングを下りる。

明るい話題ふたつ、、、って言われても、これって、どうなんだろうか、明るい話題なんでしょ うか。

自力ではもはやどうにもならなくなった全女を、よその人たちに蹂躙されていくような気分です。
砂を噛むような思いってこういう感じでしょうか。


第五試合
オールパシフィック選手権 60分1本勝負
○Hikaru VS 前村早紀× 16分30秒 Lanakila-H

急遽組まれたオルパ戦、前村が白いベルトを貰えはしないだろうことは分かりきってる。でも、 そんなことは関係ない!とばかりに前村がコール前にHikaruに強烈な張り手、ガウンを着たまま リング下に落ちたHikaruにコーナートップからプランチャー、場外で激しく投げあい。う〜今日 初めて面白いかも。左ひざを痛くしたらしい前村の動きが悪くなるが、それでも頭突きで反撃。
あっという間に10分経過、、、。コーナー上のHikaruを攻撃する前村はまさに「火の玉」とよび たくなるような気迫で、レフェリーのボブを突き飛ばし、逆さまに吊るしたHikaruを殴りつける 姿には惚れ惚れする。足関節をしつこく狙う前村に上からグーパンチを繰り出すHikaru。Hikaru の「詰まるとグーパンチ」のクセは直した方がいいと思うけど。みっともないし、試合が台無し。

客席からもブーイングが起きるが、Hikaruファンの黄色い声援に隠れて本人には届いていない模 様、やれやれ。
前村、矢継ぎ早にジャーマン、フィッシャーマン、花咲きマル、と出すも切り返されて、2・9! 激しい攻防になり2・9のコールに客も盛り上がるが、最後はラナキラーHでHikaruの勝利。本当 にキツそうな前村、でも、Hikaruと軽く抱き合ってから東城に背負われて退場。

トロフィーを受け取った後、「みんな、ありがとうー!ありがとうー!」とファンに応えるHika ru。そして「T-1の二見さん、こんにちは!オールスター戦やるそうですが、もちろん私の名前は ありますよねっ?いいカードをお願いします!」とアピール。

二見社長、リングに上がってきて「全国デパート共通カード一年分」(って、一体いくらなの〜 っ?)をHikaruに授与。


第六試合
WWWA世界シングル決定戦時間無制限1本勝負
○前川久美子 VS 浜田文子× 22分56秒 カカト落し

奈苗が、赤いベルトを返上したので、これまた急遽組まれた王者決定戦。文子にはご苦労様、と しか言いようがない。

前川、コール前、ガウンのフードを目深にかぶって立つ姿には緊張感があふれている。 試合は、二人共に得意のキックの応酬に。いつもは華やかな文子が、こういう試合になると力強 い地味めな攻防をがっちりやるところが好き。シーンとするほど、緊張感がみなぎってきて、、、 こういうのもいいなぁ!と思いながら見る。通路の柱の陰から奈苗もじぃっとリングを見ている。
文子がAPクロスを何発出しても起き上がる前川、前川の蹴りを何発喰らっても起き上がる文子。
この二人のスタミナだと、どこまでもやるんじゃないかと思ったとき、文子が前川のカカト落し に沈む。
二人ともぐったりしていて志生野コミッショナーがリングに上がってきてもまだ起き上 がれず。やっと体を起こした前川が、正座して文子と握手。

Hikaruがものすごい仏頂面でトロフィーを運んでくる。いくら、反前川で奈苗派だからといって、 その仏頂面はないだろう(笑)ってくらい渋い表情。

初めて赤いベルトを巻いて、第59代WWWA世界王者になった前川。頑固な職人のようにずっと闘 ってきて、ベルトのことなど口にしないまま、ここまできた。いつのまにか「一番強いのはこの 人なのかも?」と密かに思われる存在になっていた、それって、一番すごいことなんじゃないか。
いつもは勝ても負けてもマイクはめったにしない前川がマイクを取る。

「ここまできましたが、まだまだこのベルトを巻く資格は自分にはないと思っています。」「今 日は王座決定戦という形になってしまいましたが、奈苗が復帰してきた時には、きっちりと決着 をつけたいと思っています。」「それまで、自分が防衛してこのベルトの価値を下げないように します。」と謙虚な挨拶。

でも、頼もしいです!良かった。

今日の大会は、セミもメインもよかったけど、休憩時間が一番衝撃的だったなぁ、今年はホント に女子プロ界が変わる年になるんだな、と現実を噛みしめつつ帰宅〜。




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