1/2 全日本プロレス後楽園ホール 観戦記
■団体:全日本プロレス
■日時:2005年1月2日
■会場:後楽園ホール
■書き手:タカハシ

プロレスの神様を今選ぶとしたら自分の場合は武藤になるのだが、そうなると初詣として全日本の後楽園には行かなくてはならないのだ・・・とい うのはちょっと強引か。でも今の武藤は自分にとってそれだけの存在ですよ。当日券売り場で席種を確認すると7000円の特リンしか残っておら ず、仕方なく立ち見席を買い、1時間くらいしたら空いてる席に座ろうかな〜、などと考えていたら最終的には空席の殆どない超満員での幕開けと なった。満員である事自体は嬉しいが、ずっと立って見ているのはツラいなぁ。


<第1試合 シングルマッチ>
×雷陣 明 対 ○歳  三(6分46秒:フィッシャーマンバスター→片エビ固め)

実は最近の全日本には足を運んでいなかったので、雷陣や諏訪間を見るのは初めてなのだ。先日の『紙プロ』でのジミーさんとの対談で「職人を作 り出すノウハウが完成しつつある」と言っていただけに期待して見たのだけれど・・・今日の試合を見た限りではシャープさに欠けるという印象 だ。「職人」と「若さがない」はイコールじゃないぞ。歳三は土方の変身なのだが、マスクマンへイメチェンは余り意味がないような。ヘビー級相 手への「何クソ!」という表情も悪くなかったのに。 試合は歳三がキックで翻弄し、雷陣が合間にヘッドバットで対抗という流れ。雷陣が頭突き系統の技が得意というのはちゃんと伝わってましたよ。 これが武藤の言うノウハウの一端なんだろうな。 試合後も攻め立てる歳三を石狩が制してマイクでアピール。第一試合でやる事じゃない・・・というのは考えが古いのかな。そういう事やるレベル ではないと思うんだけど。


<第2試合 タッグマッチ>
デビッド・フレアー&×サンボ大石 対 ○NOSAWA論外&MAZADA(11分12秒:アモール・デ・ミ・ノビア)

すっかり変なベビー人気が定着しているNOSAWA。その辺を上手く試合に取り入れ、例えばデビッドがちょっとフレアー・ムーブをしただけで 「本物だ・・・」と握手を求めに行き、MAZATAに「ニセ者だよ!」と突っ込まれたりとかしていたのが印象的だ。世界タッグという看板への こだわりを捨てれば、今はNOSAWAが一番面白いチャンピオン像を作れると思うんだよね。カズはいい選手だけど、日本のジュニア相手だとそ れほどいい試合していないし、逆にジャマール相手にあれだけの試合ができるジュニア選手はWWEを含めてもいないと思うんだけど。 注目のデビッド・フレアーはガウンは本当にまぶしいくらいギラギラなのに、タイツがスパッツ風でラリアートやスパインバスターといったフレ アーがやらない技を繰り出すのが良くないね。チョップの残心は似てたけど、他は「もっと上手い人見た事あるよ」と言いたくなるようなシロモノ だった。まぁだからRAWに出ないで全日本に来てるんだけど。ただ本人が「一度日本で試合をしてみたかった」というレベルでないのなら、例え ばCWアンダーソンを相方に(WWEのトライアウト受けたみたいですけど)、古き良きアメリカンプロレスの再現をやってもらいたいなぁ。


<第3試合 タッグマッチ>
○ラブ・マシーン・ストーム&ミニ・ラブ・マシン 対 ×TAKAみちのく&ディーロウ・ブラウン(13分26秒:パワーボム→エビ固め)

こちらも初めて見たラブマシン軍団。浜田のミニは嵐のストームと並ぶと本当にミゼットに見えるな。今回もディーロウはいつも通りのいい仕事ぶ りを見せていたけど、お客さんがもっと乗せてあげれば更にいい味出せたと思うんだけどな。近くにやたら悪気のあるヤジではないけれど、会場を コントロールしたがるタイプの人がいたので、余計そう思えた部分もあるかな。 試合のハイライトはリストラBOXに入れられたディーロウが中で揺すってリングの近くまで辿りついたところかな。なんかディーロウの愛嬌のあ るキャラクターと合ってて微笑ましくなってしまった。


<第4試合 シングルマッチ>
×本間 朋晃 対 ○ジョニー"ザ・ブル"スタンボリー(3分42秒:リフトアップからのアバランシュ・ホールド→体固め)

試合前にTARUさんが出て来て、MUTAをスタンボリーとして改めて紹介・・・という事はスタンボリー、契約延長なのね。てっきり中身を入 れ替えてくるのかと思いましたが。でもいきなりFBIとか言われても困るよな〜。あれはやっぱりリトル・グイドーがいてのユニットだもん。馬 場さんの追善興行にパルンボ来るらしいけど、スタンボリーとパルンボで組まれてもピンと来ないしなぁ。


<第5試合 6人タッグマッチ>
渕 正信&荒谷 望誉&×平井 伸和 対 太陽 ケア&ジャマール&○ブキャナン(13分40秒:アイアン・ボム→体固め)

今回はブキャナンの新技であるアイアンクローを認知させるのが目的という感じかな。あとジャマールが確実に会場人気が高まり、ついでに子供好 きな一面まで広まってるのが面白かった。ブキャナンはトップロープに飛び乗ってから反転しての攻撃しか見せ場がなかったから、アイアンクロー をトップ選手がいいセルして見せれば、使いでがあるんじゃないでしょか。  


<第6試合 タッグマッチ>
武藤 敬司&○諏訪間幸平 対 佐々木健介&×中嶋 勝彦(17分59秒:原爆固め)

今年は全日本が主戦場になりそうな健介と勝彦。最初に坊主頭の勝彦が入ってきて「ツカミはOK」ってなところ。健心に健之介、誠之介くんまで 坊主らしいね。センスの良さを感じますよ。 さてこちらも初見となる期待のルーキー諏訪間の印象だけど、体が大きくてスープレックスのキレがいい平井伸和といったところでしょうか。何し ろ華がありません。 対する勝彦の方はキックに頼り過ぎてるきらいはあるけれど、体が小さいのでそれがいやらしく伝わらないのがいいのかな。単純にキレもいいし ね。 今回は武藤も健介もそれぞれが付き人をパートナーにしているのだけれど、2人の接し方も浮かび上がってくるようで面白かった。特に健介の方が 顕著に表われていたと思う。 試合は諏訪間のジャーマンがフィニッシュだけれども、落ち方が危なくて会場が静まり返ってしまったほどだった。勝彦が大ケガすると観客もドン 引きしてしまうので、ちょっと気を付けて欲しいな。  


<セミファイナル タッグマッチ>
川田 利明&×石狩 太一 対 小島 聡&○カズ・ハヤシ(21分08秒:WA4→片エビ固め)

なんか『KUI−1』でも川田−石狩劇場やってたらしいけど、しばらく見ないうちに石狩がこんな上の方で試合するようになっていたのね、とい う感じだ。ただもう少し厚みのある体を作って欲しいよなぁ。 試合は正月早々からメインらしいもので、まぁ満足。なんか当たり前のように面白いので、逆に書く事が思いつかないな。  


<メインイベント ヘビー級バトルロイヤル> 16人参加

<退場順>武藤、川田、健介、小島、ジャマール、フレアー、ストーム、平井、ケア、ブキャナン、荒谷、雷陣、スタンボリー、本間、ブラウン
○諏訪間幸平 対 ×ディーロウ・ブラウン(11分15秒:原爆固め)

開始早々から武藤が川田にシュミット式のバックブリーカーからのムーンサルトプレスを狙うと、コーナートップから落とされて早々に失格。いき なり楽し過ぎなのが武藤らしくて笑える。健介も回りから煽られてボディースラムを連発したら、そのまま抑え込まれたりとかの、正月らしい呑気 な展開で最後は諏訪間がこれまたちょっと危ない角度のジャーマンで勝ち。 試合よりもデビッド・フレアーがRODに最初すり寄るも輪に入れなかったり、試合途中から失格したジャマールがリングサイドに座って、ディー ロウの動きにいちいち拍手を観客に求める仕草等の方が興味深かったな。


<総括>
今はパッケージとしての魅力や団体への信用を強化する事を興行デザインの方向性としている全日本。ハッピーな気持ちで会場を後に出来るという 意味では、キチンと成立しているようだ。かつてジャパン女子やLLPWの地方興行を『終着の浜辺』として、試合そのものよりもその空間のダレ 具合の居心地の良さに通っていた人たちがいたように、レベルは比較にならないながらも今の全日本をその『終着の浜辺』的な存在としている人も いるのかも、と思わせる居心地の良さだった。 ただそこに落ちついてしまうと、ダイナミックさからはドンドン遠のいてしまうのが通常なので、そこが気がかりと言えば気がかりかな。あとは新 人を職人として育てるというのは理解できるのだが、平井伸和を大量生産しても仕方のないような・・・。ま、華のある選手というのは持って産ま れたものに大きく依存するのだなー、と再確認する次第でもあるのだけれど。




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