キミは太子郎のバックブローを覚えているか?
■団体:パンクラス
■日時:2004年11月26日
■会場:後楽園ホール
■書き手:フリジッドスター

ゲートが終わったくらいのタイミングで会場に入ると、客席は五割強と云った感じ。
リングサイドのイスは一列だし、こりゃ厳しいなあ。


【第1試合 ウェルター級戦 5分2ラウンド】
○石毛大蔵(SKアブソリュート 74.1kg)
(1R4:22 レフェリーストップ)
×小池秀信(チームGRABAKA 74.1kg)

組んだ石毛がテイクダウンに成功し、ハーフからパウンド。小池も一端はフルに戻すが、
石毛はイノキ-アリからの踏みつけも見せ、さらにキックを連打する。クロスガードで凌ぐ小池だが、
石毛はインサイドから上体を起こした強烈なパウンドを連打。さらにバスター気味にマットに
叩きつけ、再度パウンドを連打すると小池の動きが止まった。

石毛はサンボ全日本で田中秀昌を下して優勝してるだけに、やはりかなりの猛者だね。
この選手は、今後ウェルター級戦線の台風の目になるんじゃないかな。


【第2試合 無差別級戦 5分2ラウンド】
×太子郎(パンクラスMEGATON 141.7kg)
(2R4:02 ネガティブファイト)
○折橋謙(チームPOD 108.1kg)

1R。いきなりのフック連打でラッシュをかける太子郎だが、オリケンはリングを横に回って逃げる。
テイクダウンした太子郎が上四方から攻めるが、オリケンは体を入れ替えバックマウントを奪い、
そのまま立ち上がりパンチを浴びせる。投げて上になった太子郎だが、オリケンは立ち上がると
顔面蹴りを放っていく。スタンドに戻ると、オリケンはローの連打で圧倒。
足を殺された太子郎は、スタミナ切れとの相乗効果で動きが鈍る。

2R。突っ張り気味のパンチで前に出る太子郎が、何とバックブローまで披露し会場大爆発。
オリケンはローを効かし、太子郎の動きが止まる。動きのない太子郎に注意が与えられる。
前に出る太子郎だが、オリケンはクリンチからのヒザとアッパーで攻撃。再度動きが止まった
太子郎に、イエローカードが出る。オリケンはさらにローを連打。動きが止まり戦意喪失した
太子郎に対し、消極的と云うことで負けが宣告された。

ローで足を殺し、また序盤のラッシュを捌きスタミナ切れを誘ったオリケンの作戦勝ちだった。

この試合を見る限り、大晦日はホイスの楽勝なんじゃないかなー(笑)


【第3試合 ウェルター級戦 5分2ラウンド】
○アライケンジ(パンクラスism 74.5kg)
(2R3:33 左ハイキック)
×野沢洋之(スタンド 74.3kg)

1R。パンチで前進する野沢だが、アライはこれを捌きつつカウンターを当て、
野沢は思わずマットにヒザを付く。アッパーとヒザ蹴りで追撃するアライに対し、
コーナーに詰めた野沢だが、突き放したアライは打撃戦に打ち勝ち上を取る。立ち上がった
野沢は今度は若干打ち勝ち気味で、ロープ際で飛びつきフロントチョークを狙う。
逃れたアライはアッパーを効果的に使い、試合を優勢に進める。テイクダウンしたアライが
イノキ-アリからのパウンドとカカト落としで攻めるが、インサイドに入ると野沢は三角を狙う。
スタンドに戻り、アライはコーナーに詰め肩パンチ。野沢も体を入れ替え、ヒザで反撃。

激しい打ち合いで、アライは鼻から出血。

2R。鋭いパンチでプレッシャーをかけるアライに対し、野沢はミドルキックで反撃。
フックで前に出たアライが差してコーナーに詰めるが、展開なくブレイクに。前に出る野沢に対し、
アライはステップワークで捌きつつカウンターを当てていく。ミドルとローで距離を作る野沢は
パンチからタックルに入るが、アライはこれを潰すと両差しでコーナーに詰めヒザを放つ。
アライは三発のジャブでタイミングを図ると、ノーモーションの左ハイ一閃!
崩れ落ちた野沢は完全に失神し、全く動けなかった。

打撃系の選手を当てたので、今日はアライの良さが生きた試合だった。
スタンドレスリングも強いし、東京スタイルの正当な嫡子はアライであると実感した。
あとは寝技の偏差値を20くらいUPすれば、ウェルター級のトップ選手になっても
おかしくはないだろう。


【第4試合 ミドル級戦 5分2ラウンド】
×佐藤光留(パンクラスism 81.9kg)
(2R5:00 判定0-3z,19-20 19-20 19-20>)
○久松勇二(和術慧舟會TIGER PLACE 80.9kg)

1R。パンチ当てた先生はテイクダウンに成功。ヒカル君が下から足を取りにいくと、
先生は足を抜いてスタンドに。スタンディングバックに付いた先生に対し、ヒカル君はアーム狙い
から回転して上になる。先生はスイープし、スタンドに戻していく。
パンチのワンツーを当てるヒカル君に対し、先生はローを走らせる。
投げて上になった先生に対し、ヒカル君はヒザ十字とセンタク挟みで応戦する。

2R。フロントチョークで引き込むヒカル君だが、先生はあっさり首を抜きインサイドに。
ヒカル君のガードからのアーム狙いを潰し、先生はバックマウントを奪う。ヒカル君もフルに戻すが、
先生は鉄槌連打からパスしハーフに。肩固めを狙いつつサイドに移行し、十字を狙うも失敗。
上四方に付いた先生だが、ヒカル君は体を入れ替えインサイドに。イノキ-アリから飛び込み
ハーフにパスしたヒカル君だが、有効な攻めてに欠く。先生はフルに戻し、
ヒカル君のパウンドを防御する。

パンクラス初勝利を飾った先生は、マイクで今後の逆襲とピンク軍団結成をアピール。
まあこれほどの実力者が、今まで未勝利だったのがオカシイわけで。ヒカル君は、
ワンランク下の相手から出直すべきだろうな。光留塾は終わった? まだ始まってもいないぜ!


【第5試合 ミドル級戦 5分2ラウンド】
×渋谷修身(パンクラスism 81.6kg)
(2R5:00 判定0-3<19-20 19-20 19-20>)
○花澤大介13(総合格闘技道場コブラ会 80.7kg)

1R。フック連打で前に出た花澤は、両差しからテイクダウンを狙うも、
逆に押し返した渋谷が上に。しかし立ち上がった花澤は、足を刈ってテイクダウンに成功。
ハーフからボディにパウンドを放ちつつパスを狙うが、渋谷も足を抜かせない。
何とかサイドに移行した花沢だが、渋谷はリバースし上に。だが渋谷はハーフマウントから
攻め手を欠く。

2R。フックを当てて前進した花澤が、コーナーに詰めてテイクダウン。
立ち上がった渋谷だが、花澤は組み付いてからの執拗な外掛けでテイクダウン。
密着してコツコツとパウンドを放つ花澤に対し、渋谷は全く戦局を打開出来ず試合終了。

以前のパンならドローにされてもおかしくない内容だった。しかし、この前メモ8さんとも
話したんだけど、最近のパンは不可解判定が全くないんだよねえ(「宮田 vs. NUKINPO!が最後」
とはメモ8さん説)。渋谷はこれじゃあ、パンクラスになめられても仕方がないよね。


【第6試合 ミドル級戦 5分2ラウンド】
○竹内出(SKアブソリュート 81.9kg)
(1R5:00 ドクターストップ)
×梁正基(スタンド 81.9kg)

梁は左肩にテーピングをしている。

1R。差してテイクダウンを狙う竹内だが、梁の腰は重く倒れず。
コーナー際で膠着が続きブレイク後、差した竹内が時間はかかったものの、粘り強く
テイクダウンに成功。パスして、ハーフ、サイド付き鉄槌を放つも、梁は懸命に凌ぐ。
ラウンド終了後、肩の痛みを訴える梁。肩の脱臼、もしくは亜脱臼の疑いがあるとのことで
ドクターストップがかかった。試合後松本天心が、「竹内にチャンピオンシップを」とアピール。
竹内を立てればWKが立たず、岡見を立てればSKが立たず。難しいところ。


【セミファイナル ライトヘビー級戦 5分3ラウンド】
○佐々木有生(パンクラスGRABAKA 88.2kg)
(3R5:00 判定3-0<30-29 30-29 30-29>)
×白井祐矢(アンプラグド国分寺 89.4kg)

1R。アグレシッブな打撃で先手を取る白井だが、佐々木はテイクダウンし上に。
ハーフから押さえ込む佐々木はコツコツパウンドから、パスしてサイドを奪取。
佐々木マウント奪うも、白井はTKシザースで返して上に。インサイドからのパウンドと、
イノキ-アリからのキック連打で攻める。インサイドからパウンド当てるも、佐々木は足関狙い。
白井が逃れ、勝負はスタンドに。激しい打ち合いも、佐々木はテイクダウンしマウント。
白井はまたも返し上になり、強烈なパウンドをヒットさせる。

2R。パンチで前に出る白井に対し、佐々木は両差しでコーナーに押し込む。
突き放した白井はパンチで前に出るが、佐々木はボディへのヒザをヒット。
白井のパンチも当たるが、フックをかわした佐々木はスタンディングバックに付きパンチ。
再度距離を取った白井が果敢にパンチで攻めるが、佐々木はテイクダウンしインサイドから
パウンド連打。さらに佐々木は、イノキ-アリからの強烈な飛び込みパウンドも当てるが、
白井は立ち上がりパンチで前進。

3R。果敢に前に出る白井に対し、佐々木はカウンター狙い。白井のパンチでバランスを崩す
佐々木だが、何とか立て直し組み付く。投げて上を取った白井だが、インサイドから攻めあぐね
スタンドに。アグレッシブにパンチで攻める白井に対し、ミドルで距離を取る佐々木。
残り一分でフックで攻勢に出た白井。かなり白熱した打撃戦だが、佐々木はパンチを
打ち返しつつも、真っ向からの打ち合いは避け、距離を取ってポイントアウト。

僅差でも佐々木の完勝なのだが、どうにも煮え切らない試合だった。内藤戦同様、
キャリア差を考えれば佐々木はもっと圧倒しなければならないはずで、まだまだ迷走は
続いているのか。一方の白井は気持ちが強く、将来性のある良いファイターだと思う。


【メインイベント ライトヘビー級戦 5分3ラウンド】
×山宮恵一郎(パンクラスGRABAKA 89.2kg)
(3R1:20 ヒールホールド)
○グスタボ・”シム”・マチャド(グレイシー・バッハ・コンバット・チーム 89.1kg)

1R。郷野仕込みのアウトボクシングでリングを回る山宮に対し、シムは鋭いローを連打。
タックルに入った山宮に対し、これを切ったシムは上になりハーフマウント。山宮が下から
ガッチリとホールドし、シムは有効なパウンドを打てず。徐々にスペースを作ったシムは、
重い鉄槌を交えつつパスを狙うも、ハーフから足が抜けず。

2R。アウトボクシングからボディブローを放つ山宮だが、シムはミドルからの
コンビネーションで強烈な右ハイを当てる。両手を上げてノーダメージをアピールする山宮だが、
ペースは完全にシム。シムの鋭く重いローキックに、会場から思わずため息が漏れる。
タックルに入った山宮だが、受け止めたシムは両差しでコントロールし、ヒザを打ちつつ
テイクダウン。ハーフから攻めるシムだが、山宮はフルガードに戻す。クロスで凌ぐ山宮に対し、
シムは頭部とボディにパウンドを打ち分ける。

3R。シムの強烈な右ハイ二連打で、ガードの上からでも効いて思わずのけぞる山宮だが、
冷静にアウトボクシング。胴タックルから抱えあげ、今度こそテイクダウンに成功した山宮、
ハーフから押さえ込みにかかる。だが山宮がパス狙いに動いた隙を見逃さず、シムは華麗な
ヒールホールド! 一瞬の内に完全に極まり、膝を破壊された山宮はタップした。

シムはイイねー。強烈なパウンドもなかったし、ハーフから足抜けずに苦労してたけど、
打撃と関節技の切れ味がハンパじゃない。ボクシング+レスリングが席巻する昨今は珍しくなった、
キックボクシング+サブミッションと云うオールドスクールなスタイルが卓越してるし、
腰も相当に強い。あと何よりも、アルメイダやテレルみたいに強過ぎないところがイイ(笑)。
これならパンで持てあますことなく、当面はパンで見ることが叶いそう。
近藤、郷野、菊田のトップ3との対戦が楽しみだ。


客入りは六割前後と、かなりの苦戦。おまけに、リングサイドのイスは一列のみ。
そりゃこのカードじゃあ客呼べるはずはないよな。シムを見たがるヲタなんて、日本で100人も
いないだろうし。興行全体としても盛り上がりに欠いて、今日は失敗だろうね。
収穫はアライの左ハイと、シムの素晴らしいパフォーマンスくらいだろうか。

そうそう、リングアナが宮田さんじゃなくなってたよね?




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