JWP無差別級王座決定トーナメント準決勝
■団体:JWP
■日時:2004年11月14日
■会場:新木場 1st RING
■書き手:凸ユーレイ

 備えつけのスクリーンがある会場なので、管見の範囲ではJWPで初めて、入場時にビジョンが使われる。といっても対戦者の名前が出るだけ、し かも1点、宮崎有「紀」という間違いがあったけど。笑

1.三田英津子(フリー)、×KAZUKI(フリー)(15:27首固め)ECO、○木村響子  

 なんてことのない取り合わせの4人だが、むりやりひねり出せば三田を中心として3人とも因縁あり。

 ECOは、11・3NEOで、素顔の青野敬子として対戦し、「そんなんだからLLを解雇されるんだよ!」と捨て台詞を吐かれている。
 木村は昨年12月、ブチ切れた三田さんによる教育マッチを経験。
 パートナーのKAZUKIは、所属していた頃にJd'を団体ごとダメ出しされている。

 4人ともセオリー通りにタッグをこなしているのだがどこか噛み合わず。
 木村、ウッ、ホ、ウッ、ホ、と雄叫びをあげながらチョップ。こんなキャラになっちゃったのか… 観客も戸惑っている様子、自分のすぐ近くで
見ていた木村の娘の花ちゃんも、恥ずかしいのか全く声援せず。笑
 しかし、よく足が伸びる前蹴りは素晴らしい。腹筋もよく割れている。  

 シーンとしていた場内を、三田が「オラーどうした拍手ねえぞ」と煽りようやく熱気が生まれかけるが、その三田がECO組に捕まり、入れ替わり
立ち替わりの脇固めなど、腕への集中攻撃を受けてしまう。

   中盤以降、KAZUKIがへばってしまい三田さんから檄をうける「思いきり行け」ヨレヨレで前腕パンチを打って「そんなとこやっても効かねえだ
ろ」。終盤、木村にけっこう追い込まれていたので、よもやと思ったら案の定。木村、6年先輩から歓喜のフォール勝ち。KAZUKI「おい木村!JWPの
皆さん! 自分は生まれ変わって、必ずこのリングで借りを返します!」こういうふうに使われてしまうフリー選手は辛いね…。

 ECOはあい変わらず、脇に回ってパートナーを活かす動きが冴えていた。

 
2.○コマンドボリショイ(8:04センセイ固めII)×渡辺えりか  

 短い時間ながら、全力で短距離走するような、攻防が途切れることのない試合ではあったのだが、どうも渡辺がもっちゃり見えてしまう。
 1ヶ所、ロープ際にもたれかかってボリショイの619をわざと誘い、フェイントで急に振り向き立ち上がってスピアを見舞うという動きはアイデア
もので面白かったんだけど…。
 渡辺にはどうしても、先入観からかもしれないが、肉弾戦、体力勝負のほうが似合っているような気がしてしまう。テクニック合戦でボリショイ
のイメージを上回ることは非常に難しいだろう。

 
3.○AKINO(M's)(11:03トルネードAから)×米山香織  

 今年だけで早くも3回目のシングル。それだけ手が合う、内容保証付きの一戦。

 過去の経験から米山の握手を警戒するAKINO。しかしこの日は逆に、腕を引っ張り込んでAKINOが逆さ押さえこみを仕掛けて試合スタート。

 直前の第2試合のような「息つく暇ない」というのではないけれど、こちらの戦いには緩急があった。AKINOはメリハリが、米山得意のカサドーラ
などの動きはスルスルって感じで。
 米山、モンゴリアンチョップからローリングソバット。びっくり。初めて見たのだが高さも威力も充分。
 ほかには、アキアンプロイダーを回転エビで返すなど、いつ見ても意表をつく動きがあって米山の試合は面白い。 


 AKINO「おいヨネ。こんな調子ならベルトなんてすぐ獲れちゃうよ」
 ヨネ「タッグに挑戦する挑戦するって、いつパートナー連れてくるんだ」
 AKINO「28日のキネマでパートナーを発表してやる」
 デジャヴのような。この2人の試合の後は必ずタッグ王座を巡る言い合いになるのだ。笑


     休憩。「らんまる」というオカマっぽい演歌歌手のステージがある。私的には、5月のNEOの九州ツアー以来のタイアップに遭遇。しかしこの程度
のタイアップって、団体側にメリットがあるのだろうか。売店でCDの即売をしていたから、そのショバ代とか?
 しかし、無名時代にJWPのリングにあがって、小さくブレイクした例は過去にもあるのだ。どちらも4年前のことだが、キューティー鈴木に連れら
れてネタを披露したテツ&トモとか、アクティブJ所属でエキジビションを行なったジェットイズミとか。頑張ってねらんまる君。

 この後、ボリショイがリングに上がり、先日行なわれた「ボリショイデビュー15周年興行・世界仮面武道会」の決算報告。この大会は、三田さん
が提供した100万円を元手に開催された事になっており、出た利益1万5千円を三田さんに返す云々と話しているところ、伊藤リングアナがGAMIから
伝言を預かっていると入ってくる。GAMIも15周年、格闘美の12・26後楽園で記念興行をやりたいので、セレブ(三田さんのこと)50万円出してく
れ。で、11・28キネマ倶楽部大会で、終わったはずの「セレブ伝承マネーのエツ」が復活、三田・ボリショイ組vsGAMI・X組が決定する。 


  4.JWP無差別級王座決定トーナメント準決勝
○日向あずみ(15:49みちのくドライバーIIから)×宮崎有妃(NEO)  

 1回戦で、ボリショイを破った日向と、米山を破った宮崎の対決。近くは02年2月の同期リーグ戦(30分時間切れ引き分け)、03年3月NEO2冠タイト
ルマッチ(日向防衛、こちらは見ていないが伝聞)という好勝負を演じている2人。

 力の入った手四つで始まる重々しい展開。
 宮崎のネタは目突きぐらい。恥ずかし固めは日向がローリングして躱す。

 突如コーナーポストを外し、金具を剥き出しにする宮崎。追い詰めてショルダータックルを狙うが自爆、素通しになっているので鉄柱に激突、と
いうアイデアがあったぐらいで、その後ポイントにはならず。

 激しい場外乱闘。

 序盤からチーズスターを狙い続けていた宮崎、さらにタイガーSPXも連発で投入。日向得意のWアーム式シュミット流背骨折りは自らの痛めてい
る方の膝に決める。

 重苦しい消耗戦だが、相手の動きを知り尽くしているので合い間合い間に鋭い切り返し合戦がある。宮崎の外道クラッチを逃れて日向が雁之助ク
ラッチを狙う、宮崎さらに切り返して逆に雁之助クラッチを決める。この攻防、素晴らしい。

 日向スパイダージャーマンを放つ、しかし痛い方の脚1本でポストに宙吊りになってしまい、腹筋で起きあがる。大丈夫か? 宮崎すぐさま、同
じくコーナーからデスレイクドライブで反撃。日向ビクトリースタードロップ。立体的な攻防。

 日向の決め技みちドラを返した宮崎、ついに敵の弱点・ヒザへの低空ドロップキックを発射。私、息を飲む。今度は外道クラッチもがっちり入る
が決まらない。

 最後は日向の、シャイニングウィザードぎみなジャンピングニーから、こだわりのみちドラで決着。

 重み、鋭さ、緊迫感。日向の試合としては、かつての輝優優との一連のライバル対決より、宮崎相手の方が波長がはるかに合っていて、アベレー
ジが高いと思われる。ただ、勝敗への興味はその分、高くないのだが…。


   5.同・準決勝
△春山香代子(30分時間切れ)△倉垣翼
※延長戦 ○春山(4:25キーンハンマーから)×倉垣

 春山はGAMIを、倉垣は大向をくだしての準決勝進出。日向を差しおいてのメインとなる同期(倉垣は出戻り)対決。

 こちらも序盤、力の入ったグラウンドレスリング。執拗に春山の腰を責める倉垣、なんども逆エビ、中盤には腰へのラリアット、ムーンサルトも
うつ伏せの敵の腰に見舞う。手を遣り、ガチで嫌そうな春山。倉垣サソリ固め(おそらく初公開)まで繰り出す。
 殴る、蹴る。春山の顔面蹴りはよく見る光景だが倉垣の蹴りは慣れてないためか効果が薄そう。ラリアットの果てしない応酬。

 大技合戦、春山のオレンジブロッサム、オレンジトマホーク、カナディアン背骨折りから裏返して顔から相手を落とすやつ、いずれも返される。
倉垣のルナウイングは躱され、ウイングクラッチは返される。

 終盤、どちらも体力を使い果たし、よたりながら蹴る、殴る。とにかく殴る蹴る。倉垣、試合終了2分前、1分前のコールがあっても延々と起き上
がり小法師式にラリアットを打ち続ける。タイムアップ。

 延長戦。似た展開が続いたが、とうとう春山のキーンハンマーが出て終結。

 粘っこい締め技と、とにかく打撃、プロレス流の打撃技が大部分を占める展開で、よく技術的に高度と評されるJWPで、こんな原始的な試合が観
られたのは、却って新鮮な気がした。

 実を言うと私は倉垣の勝利を予想していた。7月、ジャガー興行でのタッグトーナメント優勝、8月、プラム麻里子追悼オンリーギブアップバトル
ロイヤル優勝、今月3日、仮面武道会マスクウーマンバトルロイヤル優勝。あとの2つはお祭りかもしれないが優勝は優勝で、倉垣アゲの諸要因は
整っていたように思えていたから。

 この1週間後、JD主催M'sSTYLE主導のEXPERTという大会で、タッグながらなんと倉垣は伊藤薫を破った。プロデューサー的な立場のAKINOは、
EXPERTのエースに倉垣を考えているらしく、敵のパートナーだったアジャ様も絶賛するという、団体の内と外での評価の逆転現象が起きている。
 ま、タッグ王座に挑戦する、AKINOのパートナーは倉垣で決まりか。

 そして、無差別級王者決定の決勝戦は11・28キネマ、日向vs春山。春山が勝つのはまだ考えにくい、日向がベルトを巻いて最初の挑戦者が倉垣、
となるのでは。




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