11/7 全日本女子 後楽園ホール
■団体:全日本女子
■日時:2004年11月7日
■会場:後楽園ホール
■書き手:しま

大会前日、関内駅でGAEAの里村とすれ違った。「GAEA解散後はどうするんですか?」なんて、
聞ける訳もなく、暗い顔の里村を思わず見送ったのだった。
さて、全女。今日もガラガラなのかなぁ、、、ふぅ、と家を出るときからため息。

一昨日、奈苗とHikaruと前村の三人が、渋谷と新宿で今日の大会の宣伝のチラシ配りをして
いる姿をサムライTVで見た。コスチューム姿で、道行く人に割引き(たぶん)チラシを手渡
し、新宿の歩行者天国では三点倒立を並んでやったりしてた。(Hikaruはコケてたが)
一人でもお客さんを呼びたくて、じっとしていられなくて、繁華街に飛び出していったのか。
でも、、、そこに全女のスタッフ達はいたのか?、、、他の選手は、、、?
そんなことを考え出すと、三人の姿を微笑ましく見ることができなかった。
健気、必死、一生懸命、、、今の彼女たちの心の中にあるのは本当にそれだけ?見ている私
の心は苦い。

ホールに着くと、ロビーがいつになく混んでいる。え〜ホント?と驚きつつ席に向かえば、
客席も最近では一番の入り。
西尾VSHikaruが、注目されていたり、ナナモモ見納めカウントダウン開始など、それなりに
客は入るべき大会ではあるけれど、それでも、もう客は入らないと思ってた私。
奈苗たちが、寒空の下、街で配ったチラシが本当に客を呼び込んだのなら、あんなみっとも
ないことでもやった甲斐はあったのか。恥ずかしいだろうに、可哀相に、なんて思う私が間
違っているのか。

時間より少し遅れて入場セレモニー。チラシを配った奈苗たちも客席を見てホッとしたかな。


第一試合 
  ×東城えみ VS サソリ○ 10分06秒 ランニングエルボー

東城、入場曲なしで走ってリングイン。
あくまでも新人らしく、スポーツライクに、爽やかに「オネガイシマス!」。うわ〜華奢だ
った体に筋肉がついてきて逞しくなってるぅ〜、別人のようだ。色物っぽいセクシーさは影
も形も無くなった。ひたすら生真面目な顔をして仁王立ちでサソリを待つ東城、、、ほんと
に変人(笑)。
サソリ、東城の真面目な握手には応えず、、、ならば、と低空ドロップキックを7連発お見
舞いする東城。う〜ん、でもまだ当りが弱いかも。サソリは相変わらず相手が自分より弱い
と自分のほうから弱い人のペースに同化するので、なんともいえないスロウ〜(笑)な試合
に。そのうち、どうにもならないからって、いきなりワンツーパンチでブッ倒すサソリ。


第ニ試合
 ×渡辺智子 VS A・コング○ 10分41秒 スパイラルボム

客を楽しませてみせる!という心意気で、この二人の右に出るものは無いのでは?と思う。
特に今日は渡辺を見ていて、なんだか、あぁ、“昭和のプロレス”の匂いがするぅーと思っ
た。渡辺は平成元年組なんだけど、やっぱり出自がクラッシュファンだからか、昭和の匂い
がプンプン。昭和のプロレスなんて実際は知りゃーしない私でも、平成の“楽しいプロレス”
と渡辺が発している“楽しさ”が違うことくらい判る。ニコニコしながら時にえげつない攻
撃を平然とする、ベビー顔しながら後輩を殴りつける(って書くとヒドイなぁ(笑))そん
な渡辺が持っている昭和の匂い、ってもう貴重だよ。意地でも辞めないでずっと客を楽しま
せてほしい。
コングには力負けしちゃったけど、得意技は全部出してたっぷり見せてくれた。


第三試合
 ○前川久美子、ハーレー斎藤 VS ×井上貴子、立野記代 12分24秒 カカト落し

今日は、貴子35歳!前川32歳!のお誕生日だそうで。それで、このカードは(主に)貴子へ
のバースデイ・プレゼントだったのですね。コールを受け、大好きな立野とハーレーからプ
レゼントを貰って嬉しそうな貴子。そして「ねぇねぇ♪誕生日だからワガママ言っていいで
すか〜?」「私、ノリさんと組みたいなぁー!そっちいっていいですか?」と、大好きな立
野&ハーレーふたりの間にちゃっかり割り込む。
「え?わたし、独りですか?」と唖然とする前川。ならば、と前川がハーレーを引っ張り、
タッグが入れ替わる。
ハーレー斎藤、ますます宝塚っぽい。立野はますますオバサンっぽい。
前川につかまってやられてる時の立野は「暗がりで暴漢に襲われたオバサン」そのままであ
る。「うぎゃ〜!」と叫び、暴れる様子が妙におかしくて、客も笑ってしまう。立野って、、
、面白いかも。貴子の「永遠の憧れの人」であるというのも、もうギャグの域にいってるな。
試合後は四人で仲良く手を繋ぎニコニコ客席に挨拶。


休憩

今井リングアナがリング上でいろいろとお知らせ。
まず、「御覧の通り陣容が少ないので、今年はタッグ・リーグ・ザ・ベストはできません」
ということで、8組のトーナメントで「タッグトーナメント・ザ・ベスト(仮称)」として行
うとのこと。「うち1組はプリティ太田&ブッタマン、、、ということはありません(笑)」
客席からがっかりする声若干あり。
12月4日お台場スタジオ・ドリームメーカーにて開幕、12月26日の後楽園大会で最終戦とのこと。
12月12日の川崎大会ではWWWAシングルのタイトルマッチ決定。
そして「無謀にも!正月の1月3日、4日、後楽園連戦します!大丈夫なんでしょうか?(笑)」
「来年の後楽園大会ですが、全部で5回!いや、6回?7回?」「7回です!そのうち2回が正月
です」ということだ。
がーん。とうとう、毎月の後楽園大会も無理になったか、、、。

「ライブドアがウチ買ってくれないですかねー!?」
「誰か知りあいでそういう人いたらお願いしますよー!」
、、、だそうです。

「今日、奈苗たちが配ったチラシを持って来てくれた人〜?」には、数人しか手が挙がらず、
「あれ?こんなにお客さんいるのに?」と今井氏、首をかしげる。しかし、手こそ挙げてなか
ったが、私の前の席に座っていたおじさんとカップルの三人がチラシ客であることが、このと
き判った。へぇー、ホントにチラシ効果ってあるんだー?と、路上でチラシ一枚受け取ったこ
とのない私は内心驚く。

ここから、時間があまって「質問タイム」に。
今井氏「なぁんでもいいですよ。初めて来た人で「何ナノ?この団体」みたいなことでも(笑)」

質問A「廣瀬は試合やらないの?」

(廣瀬は夏からまた戻ってきて、片側剃り上げた異様な頭でセコンドに走り回っている)
今井氏「ハイ、出たり入ったりね(笑)、、、また試合をやってから、いなくなると(笑)困
るので、とにかく今はしっかりと基礎体力をつけてから、ということで、やってます。試合は
もっとしっかり準備ができてからです。」

質問B「水島は?」

(水島は8月末から姿が見えなくなった、と思ったら9月の後楽園大会を南席で観戦していて驚 愕!)

今井氏「え〜、何?今日も来てる?」(客が「いたよ」などと言ってる)
「今日も来てます」(笑)「水島〜!どこだぁ?」あ、西側客席に友人グループとともにちゃん
と座ってた。さすがにバツが悪そうな顔。

「なんだか、欠かさず来てくれてるみたいですねー(笑)」「ああやって観戦しながら動向をう
かがってるんじゃないでしょうか?」
「自分で説明するかい?」、、、には水島がイヤイヤをして客席で小さくなっているので、ここ
らへんで水島いじりは終わり。

それにしても、辞めた選手がフッとファンに戻って客席にいる、という光景はとてもとても珍し
い、というか前代未聞な出来事なのではないでしょうか?

水島はもともとナナモモの熱狂的なファンで、客席でもすごく目立っていた存在。でも、さすが
に今は静かにちいちゃくなって観戦してる。じーっと切なそうな表情で観戦している水島、どん
な思いでリング上を見つめているんだろう?

質問C「ダンプは?」

今井氏「お客さんのニーズがあれば、いつでも呼ぶことはできますが、、、(笑)」

質問D「志生野さんは?」

今井氏「志生野さん?ちゃんと今日もいらっしゃってますよー!最近姿を現さないから心配にな
った?志生野さーん!どうぞ」
先程から客席を移動しながら観戦していた志生野コミッショナーがリングに上がり、久しぶりに 挨拶。

志生野「今日は、ガラガラかなぁーと思って来たら、お客さんがいっぱいで、嬉しくてしょうが
ないです。選手達が自らチラシを配ってがんばったとか。今は、野球も、優勝した西武が身売り
をするような大変な時代です。しかし、こういう苦しい時に来てくれたお客さんのことは忘れな
いものです。そして、こういう時こそ、選手とお客さんとの一体感が生まれるものです!
私には それが良い方向に向かう予感が今しています。皆、本当に苦労しています。これからも、女子プロレスをお願いいたします!」

みんなじーんときてしまいました。やっぱり志生野さんがいてくれてよかった。


第四試合
 ○NANA☆MOMO VS×浜田文子、前村早紀 29分27秒 ナナモモダイバー

ナナ☆モモのファイナルカウントダウンが始まって、改めてナナ☆モモの完成度の高さに感嘆す
る思い。

でも、あえてナナ☆モモは、中西の引退試合にとっておいて、そこで大爆発して封印、でよかっ
たんじゃないかとも思う。二人いっしょに引退するなら、毎回ナナ☆モモをいやというほどファ
ンの胸に焼き付けて終ればいいけど。奈苗は中西が辞めたあとも、やらなくてはいけないことが
山積みなのに、それは今すでに奈苗の課題として差し迫った問題なのに、この大事な時期に引退
していく中西に付き合ってナナ☆モモをやるという、、、。若いうちに子供を産んで幸せなお母
さんになる夢を大江慎と結婚してかなえるらしい中西に、本当に奈苗が今付き合わなくちゃいけ
ないのかな。

中西は素晴らしい選手で、一時の全女、いや女子プロ界の希望だった人。あんなに小さな体でも
赤いベルトを巻いて違和感がなかった。トップに立っても誰からも憎まれないキャラクターだった。

でも、あくまでも私の内なるイメージでは「一度でも赤いベルトを巻いた人間は、簡単に幸せに
なってはならない」つーものがあるわけ。

“赤いベルトを巻くことは、孤高であることを引き受けること”、、、なんじゃないの?

だって、、、赤いベルトを巻いた歴代の選手を思い浮かべても、みんな孤独に思えるのは私の錯
覚だろうか?それって不幸じゃなくて、カッコいいことなんだけどな。

脚を手に入れたことで声(と幸せ)を失った人魚のように、赤いベルトを得た女王は、簡単に女
の幸せを得てはいけないのだ。、、、という勝手な赤いベルト幻想を抱いている私は、引退前か
らプライヴェートでの幸せ感をふりまいてはしゃぐ中西には、実はかなり幻滅したのであった。

おめでたいことだから誰もこんなこと言わないけど、ファンの複雑な気持ちは、拍手と声援の少
なさにハッキリ表れてると思うなぁ。。

この話しになると相方は、「ひどい、ひどすぎる!モモだって幸せになる権利がある!」と怒る
のだが、いや、私だって中西が幸せになること自体はもちろん素晴らしいことだとは思っていま
す。でも、赤いベルトっていうのはね、オトコとか、結婚とか、幸せとか、を遠ざけてでも手に
入れたい“何か”として、歴代チャンピオンが命を懸けて奪い合ってきたモノな訳よ。だから、
そんなモノを一度でも腰に巻いた人が、現役のうちから「彼ともう一緒に暮らしてまぁす♪」っ
ていうのは、、、ファンを無視してる行為でしょ。それは一流選手がやることじゃないでしょ。

首も悪いという中西にムリして選手活動を続けろ、とは言えないけれど、現在の女子プロの苦し
い状況を見ていると、そこから抜け出ていく人間がはしゃいでいる姿には正直寂しさしか感じら
れない。 「私達が女子プロ界を変えていく!」と常々言っていた中西には責任があると思うんだけどなぁ。
男といっしょになるって、そんなに大事なことなのか。

全女を背負っている奈苗には「のんきに友達の幸せを祝ってる場合じゃないだろ」と言いたい。
でも、自分のこれからをガツガツ考えるより友達の花道を飾るほうを選んでしまうのが奈苗なん
だよね。歯痒いけど、この暢気さは、この世代の清々しさ&普通っぽさと裏表なんだよね。う〜む。

等等、複雑な気持ちで見てた試合は、、、やっぱりナナ☆モモを超えるタッグチームはもう出な
いかも?と思わせる素晴らしい試合。奈苗ははっきりシングルでは落ちるのだけれど、中西も実
はタッグの方が光る選手だったんだなぁ。あぁ、このチームがなくなるとは、なんと惜しい。誰
か今からでも中西引退を撤回させないか?


文子&前村もデコボコタッグのわりには面白い組み合わせだった。前村は文子に遠慮することな
く、エプロンから中西の頭を「バッチーン!」とはたいたりして客を沸かせていた。

ナナモモ両者で前村をしつこく攻めると、前村が粘る粘る。前の席のチラシおじさんがだんだん
前のめりになってきて、「うほぉ、、、」と声にならない声を発する。後ろの方では若い男の子
達が「うひー、新日より燃えるぜ」などと囁きあっている。よしよし(笑)。

4人ともに自分の技を繰り出しながら、高い次元で絡み合い、ほどけ、また絡み合い、、、いつま
でも見ていたいと思わせる試合。前村が中西に花サキ丸をきめようとするシーンでは前村への歓
声がスゴイ。4人も、いつまでもこのリングにいたいかのように見えた。時間切れか?と思った時、
奈苗のシャイニング・ウィザードを文子が受けてやり、29分27秒、ナナ☆モモしかできないナナ☆
モモダイバーで、文子が仕留められ、夢の時間は終った。


試合後、「前村!オマエむかつく!」と前村のトンパチぶりを批判する中西に「なんだ?この、幸
せ者!」「結婚〜?早いんじゃないの?」と、さらに生意気な口をきく前村。

そして、「今日はこの人(文子を指して)が負けちゃったから、、、今度は私とシングルやって下
さい!」って、ことで、川崎でシングル決定。

中西はさらに通路奥で見ていたサソリに、「そんなとこで見てるんだったら同期のナナモモのセコ
ンドつけよっ!」「サソリじゃなくて、藤井巳幸とやりたい!」って、ことでお台場でシングル決
定。

そして今度は奈苗が文子に「去年赤いベルトを獲られてから、一年たちました、、、そろそろ挑戦
させて下さい!」
すると文子「いいよ!、、、だけど、チャンピオンだから選ぶ権利はある。もっと強くなれ!オマ
エはコイツ(中西を指す)がいなくちゃなんにもできねぇじゃねぇか!」図星です。
奈苗、カッとして文子につかみかかるが、文子に「もっと!強くなれっ!」と再度言われてしまう。
あぁ、文子には何もかもお見通しである、、、こんな格下扱いされちゃって悔しくないのか?奈苗。


第五試合
  ×西尾美香 VS Hikaru○ 21分41秒 ラナキラーH(とゆ〜名前の技だそ〜です。)

さて、メイン。白いベルトを賭けての西尾とHikaruの再戦。Hikaruのコスチュームが新しい。ガウ
ンも初めて?セミのナナ☆モモより、はるかに多いテープが飛ぶ。

始まるのが待ちきれないかのように湧き上る「Hikaru!」コール。ファンのほうが熱くなっている。
セミが素晴らしかったので、この期待度の高さはメインの二人にはかなりのプレッシャーになるだ
ろうなー、と見ていると、案の定試合が始まって、いきなりHikaruがドロップキックをはずす、、、
悪い予感(笑)。

試合は最初からがつがつとエルボー合戦に入るが、なんだか二人とも固くて今ひとつ。場の空気に
煽られてガチガチになっているように見える。グラウンドの攻防のあと場外になり、西尾がHikaru
を勢いよく南側客席に引きずって上っていくと、Hikaruのスピアーで西尾が階段を転がり落ちた。
その西尾を客のカバンで(笑)バンバン殴りつけ、リング下に引きずり戻し、さらに椅子攻撃をす
るHikaru。リングに上がり、Hikaruがフロントネックロック極めようとすると、もがいて立ち上が
った西尾が顔面蹴りを喰らわせ、、、でもこれはかすっただけだった。西尾がSTFでHikaruを締め
上げると、会場は「Hikaru〜!」コール一色に。

通路奥からは、松永会長やらロッシー小川やらも出てきて、選手やファンたちといっしょになって
リングを注視している。

リング上ではふらふらになった二人が、殆どまともな技も出せずにグーで殴り合ってはブッ倒れた
り起き上がったりを繰り返している。会場の熱気がなかったら見ちゃいられないほどの、ただ乱暴
でブザマな試合、、、。最後はHikaruが新技“Lanakira-H”(奈苗のナナラッカに似ている)で西
尾をフォール。最高にドッタンバッタンして、肉体を必要以上に痛めただろう試合がやっと終る。

西尾は脚を痛めたのか、起き上がるのも辛そう。でも、二人は手を握り合った。Hikaruファンは嬉
し泣き、全女ファンも大拍手。これは二人共にへの拍手でしょう。
試合巧者ばかりの4人で魅せまくったセミから一転、こんなドタバタ試合のメイン、、、盛り上がり
はしたけれど、本当にこれでいいの?という気もする。

「下手だけど、気持ちでは負けない」という台詞がまだ許されているうちにHikaruはもう少し何と
かなってほしい。いつまでもこんな試合をしていたんじゃ、先には何もないよ。勢いと人気に試合
内容が追いついてほしい!

白いベルトの認定証授与。Hikaruがマイクをつかみ、「次は、高橋さんが赤いベルトを獲ってくだ さい!!」

奈苗にはもちろんがんばってほしいけど、でも、今の全女に赤いベルトが戻ってきたら、そこで全 てが終わり、という気がしてしょうがない。




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