11・7大阪プロレス後楽園ホール大会
■団体:大阪プロレス
■日時:2004年11月7日
■会場:後楽園ホール
■書き手:タカハシ

『ここまでやったなら氷河期とか言ってもいいですよ』

朝、サンスポ見たら大阪プロレスの後楽園大会があるとの告知があったので急遽行く事にした。大阪プロレスと言えば4月2日に行なわれた代々木 第二のメタメタ感が記憶に残っていたものの、今回は後楽園という事と何しろヒマなので行く事にしたのだ。

会場に入るとかなり好調な入り具合と期待感ムンムンの雰囲気にまず驚かされた。7月の後楽園には行かなかったのだが、やはり後楽園という器が 大阪プロには適当なのか、それとも代々木ではビッグマッチ仕様のカードが悪かったという事なのか・・・。いずれにせよ出されたものをおいしく いただこうとするお客さんばかりで、なおかつ満員の会場で見られるのは嬉しい事なのである。

ちなみに観客数は1716人満員が公式発表だったが、観客席はほぼ埋まっていて(バルコニーは妙に少なかったが)、今の01だったら2000 人札止めくらいにしてそうだぞ。


第一試合:20分1本勝負
○”兜王”ビートル 対 ×内田祥一(8分49秒:裏STF)

この日がデビュー三戦目となる内田だが、テーマ曲なしでの入場というのが妙に新鮮。試合の方はフツーの前座試合と言ってしまえばそれまでだ が、3戦目であり後楽園ホールという舞台である事を考えたら、これはかなりのものなのではとも思える。この前の01で、耕平と和牛太が第一試 合から技の種類と数だけだったらメイン級の試合をしていたが、この試合ではドロップキック以外の飛び技も出さず、第一試合という分をわきまえ た試合で非常にいい感じだ。フィニッシュの裏STFはビートルの決め技なのかな。


第二試合:タッグマッチ30分1本勝負
○ビューティフル・ジョー&的場真人 対 ブラックバファロー&×ユタカ(10分41秒:フラッシュバックからの踏みつけによる体固め)

ビューティフル・ジョーと言えば以前01の後楽園大会でもGENTAROが何やらやっていた事があったが、観客の無反応さと沖田リングアナの 「『CAPCOM提供試合』でした!」というのにプライドを感じさせられ頼もしいほどだった。しかしこの試合を見て、スポンサードされている 事を考えてみれば何とも失礼な話であったのだなぁ、と思いましたよ。 とにかく大阪プロレスのストーリーとの微妙なリンクやあくまで一回性のものである事、またスポンサーへの配慮等についてこれ以上ないほどに練 られた試合を見せられたらもう脱帽するしかない。 コーナーに控えるジョーがリング下に落とされて巨漢の黒人の観客に助けられるのはアドリブだと思うが、それを4回ほど繰り返し、最後に踏みと どまって喝采を浴びたり、ジョーが脱ぎ捨てたヘルメットを的場が装着すると、リング上が静止してナレーションが入ってビューティフル的場に変 身した事を解説するなど、観客との信頼関係のなせるワザだろう。全くもって期待していなかっただけに、コレを見られただけで来た甲斐があった ものだと思いましたよ。


第三試合:30分1本勝負
○村浜武洋 対 ×中嶋勝彦(健介オフィス)(10分21秒:ブレーンバスターからの片エビ固め)

いつの間にかMA−G−MAと対戦していて、この日が2戦目らしい勝彦。観客の期待はキック合戦だと思うけど、何故だか武洋さんがスカして、 しかもそれが試合の面白さにはつながらずにアッサリ風味でフィニッシュ。これも勝彦にはいい経験という事で片付けるしかないのかな?


第四試合:6人タッグマッチ30分1本勝負
ビリーケン・キッド&×タイガースマスク&ペロ 対 ○”ビッグボス”MA−G−MA&大王QUALLT&ゴア(21分58秒:ラストライド からのエビ固め)

このメンバーなら面白くならないはずがない、というカードが当たり前のように面白かったセミファイナル。これが毎月見られる団体ならともか く、大阪プロのように3ヶ月に一度くらいになると、スポットの細かい進化が鮮烈になるので非常に印象的に受け取れる。大阪で見ているとストー リー展開をある程度追いかけないと楽しめない部分もあるのだろうが、後楽園大会の場合はその必要がないマッチメークでの試合内容勝負してくれ るので、あとは自分がその試合そのものを楽しめるかだけ。それもう十二分に堪能させてもらいました。

さて試合後ゴアが湯浅を呼び込み「プロレス界を盛り上げるためにタッグを組もう」と申し入れていたが、正直に言いますけど湯浅って今のゴアが 気にかけなくちゃいけないほどの試合してるの?同期として思い入れがある事自体は別に構わないけど、観客側に「今の湯浅とゴアが・・・」とい う期待感はカケラもないからねぇ。


第五試合:6人タッグマッチ60分一本勝負
えべっさん&デンセンマン&○中西百重 対 スペル・デルフィン&×くいしんぼう仮面&風香(JDスター)(18分48秒:モモ☆ラッチ)

30代後半なのでデンセンマン直撃世代でもあるのだが、どうせなら記者席の菊地さんが踊るまでしつこく踊り続けて欲しかった。フルに踊るの1 回だけなんだもん。もったいないと思うけどなー。あと風香はリングに入ってからダンスを披露していたが、テレながらやるのが初々しくてイイ! という事は全くなく、その程度ならやらないでよと冷たく思ってしまった。何しろ他の人がプロだからね。くいしんぼうやえべっさんの長い入場 シーンの間の、ただ立ってるだけという余裕のなさがキャリアを感じるが、そもそもアストレスはプロレスはあくまでステップで、最終的に芸能の 仕事に進む事を前提としてやってるならそれはマズイような・・・。 試合はお約束通りにえべっさんのセクハラと定番のムーブが、新鮮な顔合わせで披露されるという大阪プロレスならではの魅力にあふれる展開と なった。とにかく相手の持ち味を活かすように試合を組み立てていくので、見ていてギクシャクするところがないし、観客もそれを楽しそうに受け 入れるので、相乗効果が産まれているように思う。

ここでも細かいネタが少しずつ進化して披露されているのだが、1段階、2段階くらいだと気付かないものも、3ヶ月ほどのブランクの後だと容易 にその進化のほどがわかるので、見る側にも伝わり易いというのもあるのではないかな。

風香も動き自体は「思っていたよりはやるんだな」という印象だが、アストレス自体がどこにゴール設定をしているのか見えてこないので、自分の 視界に入る範疇でのベストはいつまで経っても大阪プロレスのゲスト出演になりそうだなぁ。何せそれほどかわいくない女子レスラーがセクハラ受 けても「えべっさんもいい時ばかりじゃないなぁ」などと同情してしまうからね。


<総括>
久し振りに書いても書いても書き足りなく、そしていくら書いてもこの面白さを伝えきれない事が明らかな興行を見た。そう感じるのも4月の代々 木のダメっぷりが大きな理由だとは思うが、要するに東京のファンからしてみれば「大阪プロレスそのものを見たいのに、なんで新日ドームのアン ダーカードを見せられなくちゃいけないの?」という事に尽きる。新日本を上位概念とする意識が団体にだけ残っているというか。 ひと昔前ならともかく、これだけ活字メディアの力が失われ、TVでリアルタイムの情報も追えない状況では、とにかく会場に足を運んでくれたお 客さんを満足させて次につなげるという興行デザインの方がベターなのだろう。それを意識的にやっているのが今の全日本プロレスだが、大阪プロ レスは東京用の(後楽園とした方がいいのかな)ラインアップとして結果的にそれができているように思う。WWEのTVショーとハウスショーの カラーの違いもそうかな。

前回の代々木は気の迷いとして、次に大阪プロレスにチャレンジして欲しい事があるとするなら、それは後楽園の昼夜興行だ。現実問題としてコン ディション的には前日の東京入りを余儀なくされるだろうし、そうなると経費の問題からも会社としてはそれほどメリットがないのかも知れない が、かつてGAEAがやったような昼夜を連動させる興行デザインではなく、それぞれ独立したカラーでの興行で観客を楽しませる試みを大阪プロ レスには望みたい。4月の時からは思いきり手のひら返しているが、それを期待したくなるほど完成度の高い興行だったという事なのですよ、ウフ ン。

まーあとはかつて愛した01を思い浮かべながら書いているのだが、団体とファンの間の信頼と甘えは紙一重なんじゃないかなーと思いましたよ。 とにかく01の選手たちは「自分たちはいい試合をしている(本当にしているかはさておき)」という事に甘えてるように感じるんだよね。 とにかくここまでやってくれた上で「不況」だの「氷河期」だの言うならそれも仕方ないと言えるけれど、団体もマスコミもそこまで徹底してやっ ているとは言えない以上(実際ドラゲは結果出してるワケだし)、簡単にそんな事言ってもらいたくないのである。ホント頼みますよ。




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