11/3 ZST Zepp Tokyo興行 観戦記 (ZST-GP2開幕戦)
■団体:ZST
■日時:2004年11月3日
■会場:ZEPP TOKYO
■書き手:高倉仮面

16:15
りんかい線にて東京テレポート駅に到着。歩く事約5分、Zepp Tokyoへ。
今日はZST GP-2 開幕戦の観戦である。

昨年のZST GPには小谷 直之、所 英男、矢野 卓見、今成 正和が「ZST四兄弟」として出場したが、
何と全員揃って二回戦で敗北という大波乱が発生。混乱の中で優勝を飾ったのはマーカス アウレリロだった。
だが今回は、小谷 直之は海外の試合でイーブス エドワーズに敗北した影響で未出場。あ、そうですか。
そして矢野 卓見、今成 正和はZSTを離脱した為に未出場。あら、いかんともしがたい話だな。
更には前回優勝者のアウレリロはPRIDEへと転出。あらら、ちょっと寂しい話だな。

そこで…と、ZSTが満を持して出場を発表したのは、五輪での試合で一回戦で日本代表の笹本 睦と対戦、
笹本の俵返しを下半身に手を掛ける事で防いだ事でも有名な「疑惑のメダリスト」。
アマレス グレコローマン58kg級の銅メダリスト、アルメン ナザリアンだった。
(レスリングのグレコローマンでは、下半身を攻防に用いるのは反則)
…のだが、これまた練習中の怪我で欠場。あらららら、かなり厳しい話だな。

更には9月の大会で実力者 "元ジャッカル"の大石 真丈をフロントチョークで秒殺し、
今回のトーナメント出場が期待されたジェフ カランも…、これまら怪我により欠場。
あららららららら、「泣きっ面に蜂」とはまさにこの事だな。
何と言うか…弱り目に祟り目という感じで選手が次々に消えていく。
それでも開催日は迫ってくる訳で、マッチメイカーはさぞかし頭を悩ませただろう。
で、最終的に決まったトーナメント表を見ると…選手の人数が半分の八人に縮小している。
選手を見ても…正直、昨年のGPと比べるとグレードダウンの感は否めない。
それでも開かれるZST-GP。ご苦労さん、な話である。
で、そんな興行を僕が観戦しようと思ったのは…あんまり理由はない。
「ただ、何となくZSTが見たくなった。GPだし」。
そんな曖昧な観戦理由、ダメですかね? イヤ、ダメでももう観ちゃったんだけどさ。

チケット購入、二階席6500円を払って会場入り…相変わらずちょっと高い。
パンフがタダなのは良しとしても、この値段であればワンドリンクをつけるべきだよ。


16:20
会場入り。

ZSTは会場に入ってからはあまり金が掛からないのがいいところ、
まずはタダで貰えるパンフレットに目を通して、とりあえず驚いた。
今日は全十五試合もあるのね、全日本キックや新日本キック並だな。
「そう言えば、前回観戦した時も、それくらい試合数があったっけなぁ…」
何て思っていたら、早速、前座のジェネシスバウトが始まった。
二階席から選手を見下ろしつつ観戦。

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◎ZSTルール
PRIDEと比べてこんな所が違います。
・グラウンドの顔面打撃は反則
・膠着ブレイクが異常に早い
・下からのクロスガードが禁止
・パットを着用しないと、ヒジ攻撃、ヒザ攻撃が反則
・ジェネシスバウト、イサミカップは5分1R制
 本戦は5分2R + 3分1Rの3R制
 ZST-GPは5分2R制、ドローの場合は3分1Rの延長戦
・ジェネシスバウト、本戦は判定はなし。時間切れは引き分けになる
 イサミカップとZST-GPはマストシステムにより勝者を決定する

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ジェネシスバウト 第一試合 ミドル級 5分1R
△伊藤 有起(G-スクエア)
△滝野 吉通(ロデオスタイル)
[時間切れ]

グラウンドで上になったり、三角絞めを極めようとしたりで伊藤が押し気味に試合を進めていたが、
滝野は途中で「掟破りのTKシザース」を出していた。ちなみに会場にはTKもいたんだけど、
この試合で伊藤のセコンドについていたかはどうかは記憶の彼方に。


ジェネシスバウト 第二試合 イサミカップ ジェネシス フェザー級トーナメント 一回戦 5分1R
○風間 奨(パレストラ東京)
●大島 信哉(GRABAKAジム)
[判定 3−0]

5分1Rのルールでトーナメント戦をやるとはZSTも大胆だな。
ちなみにこの試合からは判定はマストシステム。大島は柔術着を着ていた。

グラウンドで激しく上下が入れ替わる一進一退の攻防だったが、技を仕掛けていたのは風間。
ラウンド序盤にヒールホールドを極めそうになったり、腕ひしぎ逆十字や三角絞めを狙う。
だが大島もラウンド終盤に腕ひしぎ逆十字を仕掛けたりで、内容的には決して負けてはいない。
最終的には攻めの姿勢を最後まで崩さなかった風間が判定勝ち。


ジェネシスバウト 第三試合 イサミカップ ジェネシス フェザー級トーナメント 一回戦 5分1R
○横山 真樹(和術慧舟會東京本部)
●井田 悟(ストライプルイースト東京)
[判定 3−0]

この試合は一方的だった。スタンドになっても井田もすぐに引き込んじゃうから、試合はずっとグラウンド。
で、横山は上の体勢をキープし続ける。井田が下から崩そうとしても、粘り強い動きでそれをさせない。
中盤には、横山が腕ひしぎ逆十字を極めそうになるシーンもあった。
このグラウンドでの動きが評価されて判定で横山が勝利。試合内容を見れば順当だ。

ジェネシスバウト 第四試合 イサミカップ ジェネシス フェザー級トーナメント 一回戦 5分1R
○植村 "ジャック" 龍介(P's LAB 東京)
●駒津 純二(U-FILE CAMP町田)
[判定 3−0]

植村、試合開始早々にいきなりテイクダウンから腕ひしぎ逆十字へ。
かなりしつこく極めようとする姿に応援団も大歓声。
結局は逃げられてしまったが、その後も駒津のパンチにタックルをあわせる等で試合を優位に進めた。
駒津もグラウンドで上になるシーンはあったが、極めを披露するまでには至らず。
勝負は判定となり、試合運びにも応援団にも勢いのあった植村が勝利した。


ジェネシスバウト 第五試合 イサミカップ ジェネシス フェザー級トーナメント 一回戦 5分1R
○寺田 功(G-スクエア)
●坂本 猛(フリー)
[判定 3−0]

2回に渡ってマウントを奪った寺田、腕ひしぎ逆十字を仕掛けるもいずれもハズレ。
しかし上のポジションはキープし続けた、マウントとったりサイドをとったり。
坂本は最後まで寺田の上になる事が出来なかった、となれば判定は寺田の勝利にするのは必然。


ジェネシスバウト 第六試合 イサミカップ ジェネシス フェザー級トーナメント 一回戦 5分1R
○稲津 航(U-FILE CAMP登戸)
●出口 直樹(ストライプル行徳)
[判定 3−0]

ふ〜ん、U-FILE CAMPって登戸にもあるんだねぇ。
ちなみに出口は胴着を着ていた。

出口はグラウンドが得意なのか、何とか稲津を引き込もうとするんだが、
その度に稲津は中腰の状態から下になる出口の胴着を無理矢理掴んで防御。
となると勝負はスタンドになるのだが、ローキックやヒザ蹴りで優位に進めたのは稲津。
出口は稲津の打撃を嫌がるシーンも多かった為、その辺も判定のマイナスになった気がする。
とは言えダウンを奪えそうな打撃という感じでもなかったので…正直、ピリッとしない試合であった。


ジェネシスバウト 第七試合 イサミカップ ジェネシス フェザー級トーナメント 一回戦 5分1R
○奥出 雅之(ゴールドジムサウス東京)
●金原 正徳(総合格闘技武蔵村山道場)
[1R 4分22秒 腕ひしぎ十字固め]

試合開始と同時にダッシュした金原だが、奥出は下から足関節を狙う。
これがダメなら、と奥出はタックル。今度は金原がこれをガブってフロントチョーク。
奥出は脱出、だが金原は下からの三角絞めからスイープしてからバックを奪い、腕ひしぎ逆十字を狙う。
奥出が更にこれから逃げたところでブレイクに。中々、攻防のレベルが高い。

ハイキックを繰り出した時にバランスを崩す奥出、倒して上になった金原が腕ひしぎ逆十字狙い。
これを崩した奥出、金原の下半身を掴んで足関節を繰り出すと、これが結構ガッチリ極まった。
だがこれを冷静に捌いて脱出した金原、下からの三角絞めで逆襲。しかし奥出はこれを脱出、ブレイクに。
接戦を制したのは奥出。金原のタックルで潰されながらも、下からの腕ひしぎ逆十字で逆襲。
これがガッチリと極まって金原がタップ。見応えのある攻防だったな。


ジェネシスバウト 第八試合 イサミカップ ジェネシス フェザー級トーナメント 一回戦 5分1R
○村田 卓実(A3)
●西 哲也(バトラーツジム B-CLUB)
[1R 4分37秒 腕ひしぎ逆十字固め]

一方的も一方的、大一方的な試合。
村田は序盤の攻防で西からテイクダウンを奪うと、
暫くの間、サイドとマウントとポジションを替え続ける。
そして逆十字やスリーパーを狙っていくが、とりあえずいずれも極まらない。
とはいえ、ここまで一方的に試合を進めていく村田、こりゃ極めるのは時間の問題だ。
で、ブレイク後もすかさずテイクダウンを奪うとポジションを変更し続けて西を撹乱、
最後は腕ひしぎ逆十字固めでタップを奪った。実力差がありすぎたか?


ジェネシスバウト 第九試合 イサミカップ ジェネシス フェザー級トーナメント 一回戦 5分1R
○宮川 武明(P's LAB 横浜)
●矢島 雄一郎(禅道会 世田谷道場)
[判定 3−0]

ふ〜ん、禅道会って世田谷にも道場があるんだねぇ。どうしても長野のイメージが強いけど。

まずは矢島が足関節を仕掛ける。しつこくこだわる矢島だが、宮川は足を抜いて脱出。
で、矢島の見せ場はここまで。露骨に寝技を狙う矢島を見た宮川、徹底的に寝技に付き合わない作戦に出た。
スタンドで確実にダメージを与えて、寝技に持ち込もうとする矢島に全く付き合わない。
試合終了間際にはストレートで矢島からスリップダウンまで奪った宮川が判定で勝利。
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17:30
ジェネシスバウト終了。一時間で九試合を終了させたワケだ。
この進行の速さとテンポの良さは全日本キックと双璧だ。

本日の客入りは、ジェネシスバウト時は「今日は不入りかなぁ。まあGPのメンバーが弱いしねぇ」、
とか考えていたんだが、最終的には満員の入りになっていた。根強い人気だな、ZST。

…何て思ってたら、もう本戦が開始のようだ。
会場内にはトランスの曲が流れると、ステージが突然爆発!
「おお、この手の演出って何となく懐かしいな!」と思う中、選手が次々に入場。
特にメインイベントを務める所と勝村が入場した時には、大きな歓声が沸いていた。
そんな中、「やっぱりクラブ系の箱は音響が抜群に良いねぇ」などと考えつつ観戦開始。

ちなみに、試合中は相変わらずBGMが鳴りっ放し。
最近はコレにも慣れてきたけど、やっぱりBGMを鳴らすならオールスタンディングの方がいいと思う。

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第一試合 クルーザー級 5分2R + 3分1R
○渡辺 悠太(180cm/88kg/G-スクエア)
●クラフター M(身長不明/体重不明/フリー)
[2R 4分46秒 腕ひしぎ逆十字固め]

渡辺 悠太は小さい頃からゴルフをしており、高校にもスポーツ推薦で入学したにも関わらず、
なぜか毎日欠かさずレスリング部に出稽古に行っていたという変わり種。
G−スクエアでは「世界のTK」高坂 剛や「怪物くん」横井 宏考と一緒に練習しているそうだ。
今日が本戦デビューとなる渡辺、「謎のマスクマン」クラフター Mを相手に勝利なるか?

ちなみに紹介映像では、何故かクラフター MはMさんと呼ばれていた。
そしてMさんはグローブをしていない。したがってパンチはなし、但し掌打はあり。RINGSっぽいね。

1R、片足を取って来たMさんを潰してインサイドガードを奪う渡辺。
だが何も出来ない…ZST名物・高速ブレイクだ。

両者スタンドから試合再開。
タックルに来たMさんをガブッて潰した渡辺、足関節を狙うMさんから逃れると、
インサイドガードからパスガード、サイドを奪って腕を取る。
これを下から崩したMさんは、リバースで上になると逆に腕を取って逆襲。
渡辺が逃れたところでブレイク。一進一退の攻防、だがまだまだ両者共に様子を見ている感じ。

三度目のスタンド、またしてもタックルに来たMさんを潰した渡辺、そのままマウントを奪う。
…が、Mさんはこれをリバースして上になると、またまた足関節を狙っていく。
渡辺、これから逃れて中腰になりMさんの上になろうとしたが、ここでブレイク。

四度目のスタンド、Mさんはまたまたタックル。今度は成功、そのままサイドを奪う。
そしてマウント、満を持してMさんは腕ひしぎ逆十字を狙っていくも、
渡辺は事前に察知して上半身を起こしてこれを逃れると、
ニー オン ザ ベリーの体勢からボディへパンチを落としていく。1R終了。

2R、Mさんのタックルを引き込んだ渡辺は、
首を取りつつスイープを決めて上になるが、Mさんもすかさずグラウンドを脱出。
で、スタンドの中、渡辺がパンチをヒットさせると、Mさんはこれを嫌がる素振りを見せる。
これを見た渡辺、組み付いてきたMさんを突き放してパンチを何発もヒットさせる。
尚も嫌がるMさんはタックルで渡辺に組み付くも、これをガブった渡辺は腕ひしぎ逆十字を仕掛ける。
これは未遂に終わるも、尚も上のポジションをキープした渡辺、
ニー オン ザ ベリーの体勢からボディへパンチを落としていく。

だがMさんは今日何度目かの足関節を狙い…何とこれがドンピシャ、膝十字が極まったのだ!
伸びる右足、苦しそうな渡辺だが…この膝十字を何とか右足を曲げて逃れた。
すかさず立ち上がった渡辺、Mさんも仕方がなく立ち上がる。

Mさんは何度目かのタックルを繰り出す…が、これを切ってワンツーをヒットさせる渡辺。
これにMさんも掌打で対抗するも…スタミナは残り少ない様子、苦しそうに渡辺に組み付いて引き込む。
このチャンスに渡辺は、Mさんをパスガードしてマウントを奪うと逆十字の体勢へ。
そしてこれが極まった。伸びる腕、暫く耐えていたMさんだが、
その腕がへの字になったところでタップ。

渡辺は初本戦で初勝利をモノにした。応援席にいる横井も嬉しそうだ。
それにしてもMさん、最後はバテバテだったなぁ。マスクの中身は案外ベテランだったりして。


第二試合 クルーザー級 5分2R + 3分1R
○サム ネスト(182cm/88kg/オーストラリア)
●ケスタティス スミルノヴァス(178cm/88kg/リトアニア)
[2R 4分58秒 チョークスリーパー]

「バルト三国最強の男」、ケスタティス スミルノヴァス。
現地では「リトアニアの高田」と言われている事をいい事に、
紹介映像では無理矢理「ビターーーンッ!」をやらされていた。
勿論、入場曲は「トレーニング モンタージュ」。かなりのいじられっぷり。
対するは「海パン男」「RINGS最終興行に間に合った男」、サム ネスト。
リングスの常連だったクリストファー ヘイズマンの弟子でもある。

1R、「リトアニアの高田」がその実力を発揮する。
スミルノヴァスは鋭く素早いワンツーで会場をどよめかせると、
尚もパンチを繰り出してネストにプレッシャーを掛ける。
そしてタックルでネストからテイクダウンを奪うと素早い動きでマウントを取り、
ネストのボディへと重たいパンチを落としていった。
う〜ん、何と言うか、とても『高田』とは思えない動きである(笑)。

尚も上のポジションをキープしたスミルノヴァス、ニー オン ザ ベリーの体勢。
打撃を嫌がるネストはグラウンドから逃れようとするが、これを見たスミルノヴァスはバックを奪い、
フェースロック気味にネストの顔面を無理矢理捻り上げる。そしてチョークスリーパーの体勢、極まるかっ!?
だがネストは何とか首を守りきり、腕を取ってきたスミルノヴァスをリバースして上になる。

…のだが、ネストがパスガードする瞬間を狙ってスイープを成功させたスミルノヴァス、
今度は腕を取ってのアームロック狙い。これがダメでも、ポジションだけはサイド・マウントと進めていく。
ここで1R終了。何と言うか、スミルノヴァスのどこら辺が『高田』だというのだろうか?素晴らしい。

2R、打撃戦の中、スミルノヴァスはネストに組み付き、持ち上げてテイクダウンを奪う。
…のだがネストはリバースして上になると、下から抜け目なく逆十字を狙ってくるスミルノヴァスを潰して、
サイドに近いハーフマウントからボディへとパンチを落とし、更にはバックを奪おうとするも、
この瞬間を狙ってスミルノヴァスはリバースに成功する。ここでブレイク、スミルノヴァス強し。

この後、何度か組み付いては離れ…という展開が繰り返されたが、
再びスミルノヴァスはネストをテイクダウン。ネストはクロスガードで防御、だがZSTルールでは反則。
ネストが足を解いた瞬間、スミルノヴァスは再びマウントの体勢へ。ネスト、絶体絶命か?

だがネストはブリッヂからリバースに成功、スミルノヴァスの上になると、
サイド、バックマウントとポジションを移行しチョークスリーパーを仕掛けた。
と、これがガッチリと極まった。程なくしてスミルノヴァスはタップ。
ネストが本当に苦しい展開の中から勝利をモノにした。

それにしても勝ったネストも素晴らしいが、スミルノヴァスも良い選手だった。
これからもどんどん来日して、ZSTのクルーザー級戦線を盛り上げて欲しいところだ。
ただ、ZSTってこの階級の日本人がいないんだよなぁ…。


第三試合 ZST−GP2 フェザー級トーナメント 一回戦 5分2R 延長3分1R
○宮川 博孝(165cm/68kg/チーム アライアンス)
●マイク フレンチ(178cm/68kg/アメリカ/チーム エクストリーム)
[1R 4分1秒 フロントチョーク]

ここからはZST-GP。
その第一試合は、アルメン ナザリアンやジェフ カランが来日できなくなった為に、
繰り上がりでGPに出場する事が出来た人同士による対戦だ。

チーム アライアンス所属という事で、TKの弟子となる宮川 博孝。
実はRINGS活動停止直前に、前田道場でリングス ジャパンの面々と練習していた貴重な経験を持っている。
極真空手は三年、総合格闘技は四年。振って沸いたチャンスを掴む事は出来るか?
対戦相手は、ジェフ カランに代わってチーム エクストリームから送られて来た刺客、マイク フレンチ。
初代UFCライト級王者 ジェンス パルバーを生み出した名門チームから、また新たなるスターが生まれるのか?

試合開始、まずはスライディングを連続してグラウンドの展開を望む宮川。
そしてスタンドからフックを放つと、これがフレンチの顔面にヒット。
応援団の声援の中、すかさずタックルを繰り出す宮川だが、これはフレンチに切られてしまった。
宮川は尚もミドルキックを繰り出しつつフレンチに組み付いていくが、これもフレンチが切る。

スタンドでの勝負を望むフレンチ、パンチで宮川の動きを牽制、ストレートがヒット。
だが宮川はこれに怯む事なく三度目のタックル。で、これまた切られてしまった。
しかもフレンチは亀になる宮川のバックマウントを奪う。
警戒した宮川は正面を向き、これでフレンチはマウントの状態になったが、
宮川は下から足を使ってフレンチの動きを邪魔する。フレンチ、ここは無難に立ち上がる。
マウントを奪いながらもそれをアッサリと放棄するのは、フレンチが立ち技系の選手だからか?
それとも「顔面パンチなし」という大きな制約のあるZSTルールがそれをさせるのか?
試合は再びスタンドの展開となったが…、終わりは唐突に訪れた。
ワンツーを放った宮川、このうちストレートがフレンチの顔面を捉えた。棒のように倒れるフレンチ。
会心の一撃に宮川から思わずガッツポーズが飛び出した。宮川、一回戦をKOで飾っ…、

飾っていない。レフリーが試合を続行させたのだ。
勝ったつもりになっていた宮川は大きく戸惑い、会場もやや騒然としていたが、
宮川はここで焦る事なく、フレンチの足を取ってヒールホールドを極める。
嫌がるフレンチが上半身を起こしたところを、宮川は首をとってフロントチョークの体勢へ。
これがガッチリと極まった、程なくしてフレンチがタップ。宮川、今度こそ勝利を手に掴んだ。

勝った宮川がマイクを持つ。

「皆さん、ご来場ありがとうございます(観客拍手)。

今月の7日、僕の師匠の高坂さんがPANCRASEのNK興行でタイトルマッチをやります(観客歓声)。
高坂さん、横井さんもチームアライアンスはこれからどんどん行きます。
ZST共々、これからも応援、よろしくお願いします(観客拍手)。」

振り返れば、本日はチーム アライアンスもG-スクエアも無敗。
宮川の勝利を含めて、皆、師匠の大一番を前に最高の報告が出来ただろう。
あとは高坂がPANCRASE 初代 スーパーヘビー級 王者になるだけだな。


第四試合 ZST−GP2 フェザー級トーナメント 一回戦 5分2R 延長3分1R
○大石 真丈(171cm/68kg/K'z FACTORY)
●ステファン ギリンダー(168cm/64kg/オーストラリア)
[1R 31秒 腕ひしぎ逆十字固め]

「ジャッカル柔術」「第二代修斗世界フェザー級王者」大石 真丈。
佐藤ルミナもが崇拝する実力者である事は広く知られてはいるが、何とZSTでの戦績は1勝3敗と奮わない。
修斗の古豪の実力は既に錆び付いているのだろうか? いや、そんな事はないハズだ。
ここはこのトーナメントを勝ち上がって、元修斗王者としての実力を示したいところだ
対するは、当時SB王者だった前田 辰也のRINGS参戦において、その試合相手を務めたステファン ギリンダー。
…そりゃそうと、前田はもう復活しないのかねぇ? SBもZSTもキミを待っていると思うんだがなぁ。
所が名指しで前田の名前を出したのも、もう二年も前の話か…。

試合開始、まずは組み付く両者、大石はギリンダーをコーナーへ押し込んでいく。
で、自ら引き込んでグラウンド、三角絞めから腕ひしぎ逆十字がガッチリ極まってギリンダーがタップ。
っていうか、ギリンダーは普段は立ち技ばっかりやっている前田に寝技で極められた人なので、
この程度の実力だというのは予想済みな訳だが。

ともあれ大石は秒殺勝利。二回戦に弾みがついただろう。


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◎10分休憩
進行にうるさいZST、10分休憩はキッカリ10分休憩なのである。寸分の狂いもない。

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第五試合 ZST−GP2 フェザー級トーナメント 一回戦 5分2R 延長3分1R
○レミギウス モリカビュチス(168cm/65kg/リトアニア)
●ボウラム ベラーニ(172cm/63kg/オランダ)
[1R 5秒 KO]
※ワンツーパンチ

ZSTの外国人エースであるレミギウス モリカビュチス。
小さな体に見合わない強烈な打撃でZSTでKOの嵐を築いてきた男である。
だがここ最近の二試合では所に三角絞めで絞められ、小谷には腕ひしぎ逆十字固めを極められた。
そしてこのトーナメントには所が出場。まずはこの試合に勝利して、トーナメントで所を撃破、
行く行くは小谷へのリベンジ戦へと繋いで行きたいところだ。
対するはオランダキック界の名門・ドージョー チャクリキ所属のボウラム ベラーニ。
キックでは88戦68勝と中々の戦績を納めている選手である。ZSTルールで実力発揮なるか?

試合開始…と同時にダッシュしてベラーニに突っかかるモリカビュチス。
会場がどよめく中、ワンツーからヒザ蹴りでベラーニを後退させると、更にヒザ蹴りかワンツーを繰り出す。
これがベラーニの顔面を打ち抜いた。ダウンするベラーニ、モリカビュチス、あっという間のKO勝利。
そしてこの間、わずかに5秒! いや〜、早かった早かった!

騒然とする会場、興奮したアピールしまくるしモリカビュチス。
そして立ち上がり、必死に何かを抗議するベラーニ & チャクリキ陣営。
ベラーニはダメージ自体はあまりなさそうだ。フラッシュダウンか何かの類だったんだろう。
当然ながらこの抗議は聞き入れられず、ベラーニは大変に不服そうにリングを後にしていた。
対するモリカビュチスは上機嫌、リングの上では腕立て伏せのパフォーマンスを見せていた。
最高の型で初戦突破、この先で狙うのは所の首、そしてGP優勝だな。


第六試合 ZST−GP2 フェザー級トーナメント 一回戦 5分2R 延長3分1R
○所 英男(170cm/65kg/STAND)
●勝村 周一朗(172cm/64kg/K'z FACTORY)
[1R 38秒 フロントチョーク]

本日のメインイベントは「ZSTのエース vs 修斗現役世界ランカー」。マニアも注目の一戦である。

「ZSTの日本人エース」所 英男。今年は8戦して6勝2敗、4つの一本勝ち…という素晴らしい戦績。
特に寝技限定のトーナメントであるGT-Fで優勝を飾ったのは大きいと思う。
5月5日には以前負けているレミギウス モリカビュチスにもきっちりとリベンジを果たした所、
このトーナメントでの優勝の先にあるのは、もう一人の日本人エースである小谷 直之へのリベンジマッチだ。

対戦するのは、修斗世界フェザー級八位の勝村 周一朗。
以前は養護施設で働きながらプロ格闘家をやっていた「リアル タイガーマスク」みたいな人だったらしい。
入場時の大歓声を聞くにつれ、今日は沢山の応援団が駆けつけたようである。
実力もあり人望も厚い男。新天地で勝利を掴めるか?
試合開始、まずは所がミドルキックからタックルへと繋いで勝村をテイクダウン。
そのまま足を取って足関節を仕掛けていくが…早々にこれを諦めた所は、
インサイドガードからボディへパンチを落としていく。
そして上半身を起こした勝村の首をフロントチョーク、何とこれがガッチリ極まった。 暫く耐えていた勝村だったが…あえなく失神!
この間、わずかに38秒! イヤイヤ、これまた早かった!

慌ててリングに上がってくるドクター陣。
勝村の容態が心配されたが…、やがて立ち上がると所と抱擁を交わした。
最後はノーサイド、会場からも安堵の拍手が沸き起こった。

で、勝利した所がマイクでアピール。
「本日はご来場、誠にありがとうございます(観客歓声)。

 本来出場を予定していたナザリアンとカランが欠場で、出場選手の実力は横一線だと思っています。

 ここはZSTだ、という意地で頭ひとつ抜け出したいと思っています。
 このGPを勝ち上がって、また小谷君に挑戦できるよう頑張ります(観客歓声)。
 また応援してください。ありがとうございました!(観客歓声)」

しかしまあ所は、修斗の現役世界ランカーを秒殺しちゃうかねぇ…。
こうなってくると、ZSTに限らず色々な舞台で活躍する所が観たくなっちゃうんだがなぁ…。
まあ、まずはこのトーナメントを優勝してからですな。

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雑感:
相変わらず、試合内容は濃くて興行の雰囲気は淡白なZST。
本日の興行の終了時間は19:00でした。つまり興行は2時間半で終了という短さです。
しかも、本戦だけなら1時間半。こんなに短い興行は、ZST以外では第一回のThe Best以来です(笑)。

個人的にちょっと気になったのは、膠着ブレイクのタイミングでしょうか。
以前に比べてやや遅くなっていた気がします。
観る側の我侭を言えば、以前のタイミングはあまりにも早すぎた気がするので、
今回くらいの方が他の総合ファンを取り込みやすいように感じました。

トーナメント自体は、順当な選手が勝ちあがったなぁ、と。それ以上でもそれ以下でもないですねぇ。
まあとりあえず、決勝興行も観に行こうとは思っています、ハイ。

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以上、長文失礼。



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