いとしさとせつなさとこころづよさと・・・その1
■団体:アジアンプロレス
■日時:2004年9月17日
■会場:北海道・さっぽろ村ラジオ石造りたまねぎ倉庫
■書き手:桜新町長五郎

これから何本かの観戦記を書いていく上で、先に告白しておく話がある。当方が「破多利郎」とか
「速見洋介」をHNとしていた頃に、足繁く観戦していた団体にIWA JAPANがあった。そこには、
ザ・グレート・カブキが、そして「若社長」と呼ばれていた選手と、輝きに満ちた女子選手が
いたからだった。そして、彼らが団体から離れた時、当方にとってのIWA JAPANは、
優先的観戦団体から、数多くの観戦選択肢の一つに変わっていった。

そして、当方の北海道へのUターンは、それらとの訣別となり、その頃の事は想い出として
昇華した。「もう彼らのファイトを見る事は、ほとんどないんだろうな・・・」という一抹の寂しさと共に。

しかし現実は、時に人の想像を超えるモノをもたらす。アジアンプロレスの分裂と北都プロレスの
旗揚げによる、北海道のプロレスの2団体化、そして興行数の増加が、思い出を現実の世界
へと引き戻す事となった・・・・。って事で、時折回想に耽る事を了承いただきたい。

さて、この会場は1年前にもアジアンが興行を打った所である。札幌5局目のコミュニティFM
である「さっぽろ村ラジオ」が、多目的ホールとして使用している倉庫なのだが、リングを置くと
椅子席が2列しか並べられない広さである。元々、NPO法人を中心にして運営している
ラジオ局なだけに、倉庫の隣にある本社もプレハブ作りという、良くも悪くもチープさが漂う。

しかも商売っ気がないというか、自分とこの倉庫でプロレス興行があるというのに、全くと
言っていい程、番組で興行が紹介されてなかった。(当然、村ラジオのHPでも紹介されて
おらず。)「本当に興行、あるんだろうか・・・?」なんて不安すら覚えた。

当日、自宅から自転車で10分で会場に着く。興行を観に行くのにこれ程時間が掛からなかった
のは、数年前の大日本プロレス南足柄大会以来だろう。

客の中には一部見慣れた顔もいるなぁ、などと思っていたら興行開始時間となった。開始
案内のアナウンスがあり、選手のテーマ曲がかかったのだが・・・・出てこない(苦笑)。
結局、10分強待ってやっと試合開始。一体、何があったんだろう・・・・?!


1.○ザ・グレート・タケル(9:24ボディプレス→片エビ固め)×澤 宗紀

早速想い出の選手登場(苦笑)。まだタケルになってない頃の試合や、アジアン・クーガー達と
Jolt Jokersを組んでた頃の試合が頭を駆け巡る。対する澤は初見だが、総合格闘系インディー
によく参戦している選手と聞き及んでおり、2次U系なコスチューム(長いスネ当て等)をしている
ところを見ると、キックが得意そうだ。どういうルートで招聘されてきたんだろう?とちょっとした
疑問を覚える。
試合は、タケルのスピードと澤のキックがうまくスイングしていた。また、澤のアピールが客の
笑いを誘うなど、ツボをしっかり押さえており、インディーにありがちな危なっかしさはない。
惜しむらくは澤のキック、特にローキックが綺麗に決まるのだが、わずかな角度の問題か、
音が会場に響かない。実際の威力はともかく、音が響かない事には素人客の心に届きにくい。
線はまだ細いがタッパ(身長)はあるし、これからもっと経験を積んでいけば化けていくだろう。
最後は、ちょっと体勢が崩れたもののシャイニング・ウイザードを決めたタケルが、華麗な
フライング・ボディプレスからピン。IWA JAPANの前座で、DDTのMIKAMI達と熱い闘いを
繰り広げていた頃のタケルが、確かにそこにいた。


2.○ショッカー(14:24飛びつき逆十字固め)Xスクリューム

さあ、アジアン恒例の試合登場。今日も楽しく激しく、そして笑わせてもらおう。
入場時に写メールへのVサイン&記念撮影に始まり、場外乱闘での客への抱きつきや、
客の荷物や靴を使っての攻撃、そして、数人来ていたお子様と共同での、コーナーポスト
を利用した急所攻撃・・・・何度見ても笑えてしまう。しかし、笑わせてばかりではなく、
リング上での闘いがスピーディーかつ激しいので、試合として見事にメリハリがあるものに
なっている。何せ、アームホイップ合戦で、そのスピードと音に客が感嘆するのだ。

スクリューム、一段と高杉風(最近だと橋本風、と言ったほうがいいか)グッドシェイプに
磨きがかかっていたのだが(笑)、そのスピードが衰えていないのはさすが。

札幌という事もあり、プロレス興行初見、という客は少なかったようだが、しっかりと客の
心を掴んだ。郡部での興行ほどじゃあないが、前座でこれだけ盛り上がるのは、
札幌でよく興行をやるメジャー系でもほとんどないな。いよ!千両役者!


3.○大矢 剛功(9:20バックドロップ→体固め)Xスタン・リー
松崎の負傷(アゴ骨折)欠場、そして理由不明だがタニグチが参戦してないアオリか、
大矢のシングルが組まれていた。FMWでのグラジエーター戦以来だな・・・大矢のシングル
を生観戦するのは。対するスタン・リー。さっきまでレフェリーやってた(この試合は澤が裁く)
んだが・・・・誰かと思ったら佐野直じゃん。まさか札幌で彼のシングルを観るとは・・・・
ある意味、これもサプライズだな。

試合は、大矢によるリーへの教育マッチ風。リー、もう「若手」とは言えぬキャリアなんだが、
大矢は、野毛で小鉄にしごかれた最後の方の世代だからな・・・・。(ちょっと下がって
天山世代になったら馳健になっちゃうもんな・・・。)
結局、危なげなく大矢が卍なんかを織り込みつつ、伝家の宝刀バックドロップでピン。
最後まで、拮抗した試合展開にはならなかったが、メイン&バトルロイヤルも控えてるし、
休憩前だし、大矢のシングルが観られたんだから良しとしよう。

メイン.畠中浩旭&維新力浩司&ショッカーvs大矢 剛功&ザ・グレート・タケル&センセイ・アキラ
     (18:45 ○畠中<パワーボム>×タケル)

  ちょっと長めの休憩を挟んでのメイン。特別参戦(札幌だけ)の維新力以外は皆、二試合目(??)
だから、休む時間もいるだろう、なんて事を思いつつ観戦。アキラは黒ストロングマシン風マスク。
(これが翌日、大きな意味を持つ事になるとは想像だにしえなかったな・・・・)
会場の都合か、今日は1本勝負か・・・それとも3本勝負、辞めちゃったのかな?
試合の見所はショッカーと大矢の絡み。「大矢、出て来い!!」「てめぇ!ぶっ殺してやる!!」
何か特殊な感情がこもっているとしか思えぬショッカーの怒り。そして、苦笑しつつ対戦を
避ける大矢。しかし最後、手四つになった瞬間に力勝負であっさり負けてしまうショッカー・・・。

何度観ても驚くし、何度観ても面白い。いわんや初めてこのやり取りを観る人達は・・・・である。
さらに、維新力の動きもいい。PWCとかでたまに試合をやっているそうだが、普段からしっかりと
鍛えてないとその動きは出来ないはず。アジアンの、楽しく激しいプロレスを壊すことなく、
しかししっかりと存在感を示すあたりは見事の一言である。スポットじゃなく、継続参戦して
くれないかな・・・・。

あっという間に試合は15分を超えていき、最後は乱戦の中、説得十分のパワーボムが炸裂
して、メイン終了。


スペシャルマッチ;6人参加バトルロイヤル

メインの選手がそのまま残ってバトルロイヤルへ。定番のムーブがあり、そして畠中が大矢に
四の字をかけた瞬間、両者が押さえられ退場、となってからは乱戦となって、最後はタケルと
アキラ残り。第一試合とは違って(??)、タケルがラ・マヒストラルをきめて優勝。

興行終了のアナウンスと共に、一気呵成と出口へ急ぐお客様達。札幌の観客って、どこの
団体でもそうなんだな・・・と妙な感心をしてしまった。ある意味、不思議なんだよね。
東京とか だと、ドームならこういう事はあるけど、後楽園ホールとか両国とかだと、全試合終了後ダッシュ
して帰る客なんて、あまり目立たなかった気がするな・・・。北海道でも郡部だとそんな事ないし。
札幌気質、なのかな・・・?
せっかく売店に立って商売に励もうとしたタケルとリーが「フケるの早いな・・・」って驚いていた。

さすがにリーのTシャツを買うほどのマニアではないし、自宅の押入れにはタケルのサイン入り
Tシャツは何枚もあるもんな・・・と思い、通り過ぎようと思ったんだが、タケルの扇子500円也、
が売ってたので購入。そういや先日、仁木町での某団体観戦の帰り、居酒屋「より道」で
会ったお子様に、お気に入りだった扇子をあげちゃったんだったな・・・。そんな機会がまた
ありそうな気がしたので、サインを書きますよ、ってタケルの申し出をお断りしてしまった。
どう考えても失礼な奴だよな・・・。


観戦仲間などなどと会話した後、とりあえず自転車で家路に。途中、空腹に耐えかねて
明太子御飯大盛り&背油たっぷり豚骨ラーメン(替え玉つき)を平らげる。これが間違いの元。
本当は、ススキノのプロレス酒場「人間発電所」へ行くつもりだったのに、荷物を置きに家に
寄った際に満腹感から、ついうたた寝してしまった。気がついたらもう11時。この興行の券を
売ってくれた店へお礼に行かなきゃいけなかったんで、心で手を合わせて「人間発電所」行きを
パス。そして向かった店では・・・・・・(以下自粛)・・・・・・。




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