9/4 GCM CROSS SECTION 東京FMホール雑感
〜勝って涙、勝てなくても涙〜
■団体:GCM CROSS SECTION
■日時:2004年9月4日
■会場:東京FMホール
■書き手:メモ8(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

 さてさて、クロスセクション2回目です。今回は、グラップリングルールはなし。全部、打撃ありです。当日は大雨でした。なので、満席とまではいかず。まあ、2年前のスマックの最大のイベント、ジャパンカップトーナメントの決勝がここで行われたことを考えれば、ジョシカク自体のパイは、少しずつですが、確実に成長していると言っていいと思いますが。

 とてもいい興行だったので、やっぱり記録に残しておこうと、観戦記にします。例によって、選手には大甘で書きますが、以前に比べると、スマック以外のジョシ興行とそこに出ている選手(多くはスマックとダブっているわけですが)に対して、距離感が取れてきた感じがしてるので、出来る限り、冷静に批評もしてみたいと思います。が、敬称は略しません(笑)。

 では、関係者らしく、直接選手と話した情報なども交えていきますか。


第1試合 MMAルール -53kg契約 5分2R
○筒井千尋(和術慧舟會トイカツ道場)
1R3分48秒 腕ひしぎ十字固め
×せり(SOD女子格闘技道場)

 筒井選手は、サイボーグ魂(対羽柴戦)出場後、アマスマック等も経て、ラブインパクトの旗揚げでデビュー。対する、せり選手は、やはりアマスマック経験後、3月にプロデビュー。先日の後楽園では、薮下さんと組んで6人タッグにも出てもらいました。

 打撃で押す、せり選手、グラウンドに行きたい筒井選手という展開。せり選手のパンチが、かなり当って、これは時間の問題かという感じだったのですが、引き込んで、最後は大逆転という感じの1本。

 圧倒的に押していた、せり選手、グラウンド付き合う必要なかったような気がしますが、そこはそれ。打撃でも寝技でも、堂々勝負。先のことを考えれば、目先の勝利を狙うより全然いいと思います。対する、筒井選手は、やはり打撃(というか、グラウンドに持ち込む方法)が課題でしょうか。


第2試合 MMAルール -61kg契約 5分2R
○端貴代(和術慧舟會東京本部)
2R 判定(3−0)
×菊川夏子(総合格闘技闇愚羅)

 端選手は、グラップリングマッチでスマックプロデビュー後、何戦か経て、先日の後楽園のタッグで打撃ありも経験済み。スマック柔術にも連続出場してくれて、そのグラウンドは定評があります。菊川選手は、記念すべき第1回のアマスマにわざわざ大阪から出場してくれて、その後、昨年のぎゃるずで衝撃的な打撃KOデビュー、11月のスマック1Dayトーナメントでは優勝、とんとん拍子にこの階級トップ戦線に食い込んだんですが、その後、足踏み状態が続いてます。今回から、闇愚羅さんに移籍し、心機一転という感じでしょうか。

 豪快な打撃戦を続けてきた(その分KO負けも多かった)菊川選手ですが、今回は、一転グラウンド勝負に。やはり、イチから作り直しているという感じなのでしょうか。が、グラウンドだと、さすがに端選手ウマい。圧倒的とまではいきませんが、ほぼコントールしたのは端選手でした。2R後半になって、菊川選手らしく、打撃振り回しましたが、このままでは勝ちなしと見ての、最後のバクチだったかな。

 菊川選手、今はじっくり雌伏の時という感じでしょうか。西川会長や辻さんに揉まれて、もう1ランク上を目指してください。ホント、プロ向きの選手だと思うので。待ってますよ。端選手は、待望の打撃ありに参戦。この階級、まだまだ層が薄いので、んもう、がんがんオファーさせてもらいます。ええと、よっぽど周りから「ガードをあげろ」と言われていたのか、登場から退場まで、ずっとグロープ着用の手を胸のあたりまであげてたのが、微笑ましかったです。


第3試合 MMAルール -51kg契約 5分2R
×石山絵理(RED DEVIL KIS'S)
2R 判定(0−3)
○松本未来(クラブ・バーバリアン)

 レッドデビルキッスよろしくーの石山選手は、もう紹介の必要はないでしょうか。賛否両論渦巻くヒールキャラ全開のRDKに共通しているスタンドの打撃でぐいぐい畳み掛ける選手です。この日は、赤特攻服は着用せず(セコンドの2人は木刀付きで着てましたが)、例によってやや表情作って入場。対する、松本選手は、番頭さんから名前を伺ったことある、G−SHOOTOの秘密兵器的な存在でしょうか。ちょっと内情書いちゃうと、ギリギリで出場決った石山選手の相手探しに対し、番頭さんが、敢然と送り込んできたという感じです。B柔術の実績、かなりある選手です。自分は初見なんですが(今回のメンバーで初見は彼女だけでした)。

 一気に出る石山選手は予想通りだったんですが、これに堂々応戦する松本選手。おっとビックリ打撃もそれなりにいけてます。2R開始早々には、タイミングよく前蹴りをカウンターで入れ、石山選手を吹っ飛ばしていました。で、グラウンドになると、やはり圧倒。ポジショニングだけではなく、ボディーへの膝蹴り(懐かしのアップルニュートンですな)等も交え、総合に対応している感じでした。石山選手も、1回十字であわやというシーンがあり、決してグラウンドも悪くないんですが…。

 石山選手にとっては、やはり、30秒ルールがあればという感じの展開。グラウンドでの顔面打撃のないこのルール、マウントまで取られると、両腕しっかり組みガード(?)見せてましたが、そういう消極的な方法ではなく、積極的に立ちに行くスキルが欲しいところです。一方の松本選手は、グラウンドは勿論、スタンドもそこそこ、とにかく総合であることを意識しているファイトで、かなり期待出来そうです。G−SHOOTOだけじゃなく、スマックも是非よろしく!


第4試合 MMAルール -51kg契約 5分2R
×高橋まり(パレストラ東京)
2R2分09秒 アームロック
○おっさん(総合格闘技闇愚羅)

 スーパースロータックルとかコスチュームに入れてる、おっさん選手ですが、ふわっと入ってふわっと捻って倒すテク、ウマいと思うんですよねー。キレキレな印象がないんで目立たないんですが。この日もあっさり上を取りました。が、下になった途端、高橋選手の狙いすました三角がスコン。これは間違いなく狙ってましたね。相当、がっちり入りました。いやさすがにこれはマズいかと思いしや、ここからが、おっさん選手粘る粘る。ウマいんですよ、取られてる手をしっかり畳んで、胸をしっかり張って。決りそうでなかなか決りません。残り1分近くまで粘り続けて、崩れて、高橋選手が十字に切り替えて膠着したとこで、ようやくブレイク。

 2Rに入ると、やはりふわっとTDした、おっさん選手、片足抜いてアーム狙い。これは新鮮でした。どっちかというと足関狙いの印象が強かったんですが。頭に引き付けるタイプのV1から、伸ばすタイプのV1に切り替えて。大逆転という感じですね。オリンピックにあやかった金メダル使用の一発芸もキチっとこなして。さすがスマック名物。ありがとー! 感動して、試合後、握手しにいったら、結構淡々としてて拍子抜けしましたが(笑)。

 負けた高橋選手ですが、この世の不幸をすべて背負い込んだような悔しげな表情を見せてました。けれど、帰り際に声かえたら「がんばりますんで、またよろしくお願いします!」と積極的なお答え。こちらこそ、よろしくお願いします!


セミファイナル MMAルール -55.5kg契約 5分2R
○真武和恵(和術慧舟會東京本部)
2R4分01秒 腕ひしぎ十字固め
×WINDY智美(パンクラスism)

 前回の吉田選手との対戦では、打撃を出す間もなく引き込まれてしまったウィンディー選手、今回は、久々に怖いところが見れました。ちなみに入場曲変えてましたね。ノリは前の奴と同じパターンの荘厳な感じの奴だけど。一方の真武選手はデビューからずっとミッシェルガン。対象的です。

 展開は、立ち技のウィンディー選手、転がしたい真武選手という予想通りの展開なんですけど、ウィンディー選手、益々よくなっていた気がします。倒れないスキル、倒れても立ち上がるスキル、さらに向上中というか。負けが混んで50キロ代半ばのトップ戦線から脱落したような印象もありますが、これなら、もう30秒ルールなら無敵に近いんじゃないでしょうか。1Rラストに細かいパンチの連打を叩き込んだあたりは、ああう、このまま真武選手ボロボロにされちゃうかなという感じで。

 だからこそ、勝利決った瞬間、いかにも緊張から開放された感じで、号泣する真武選手。観客の3分の1くらい(誇張なし)が、貰い泣きです。それほど、緊張感溢れる一戦でした。本日のベストバウトでしょう。真武選手、スポナビのインタビューでも答えてましたが、シングルで打撃ありの初戦がウィンディー選手じゃ、そりゃ怖かったでしょう。しかし! 逆に言えば、もう怖いものなしですね。スマックでも、お待ちしておりますよ、グラップリングTチャンプだし! 本人は「もっとゴロンゴロンする試合がしたいですー」なんて言ってましたが。


メーンイベント MMAルール -47kg契約 5分2R
△大室奈緒子(和術慧舟會東京本部)
2R 判定ドロー(0−0)
△吉田正子(NATIVE SPIRIT)

 吉田選手得意の下からの攻めは、完璧に潰した大室選手ですが、けれど、突破も出来なかったという感じですねえ。前の試合が、打vs極で、分り易い構図だったこともあり、会場大盛り上がりとはいきませんでしたが、実に見応えあるファイトでした。

 ウィンディー選手に勝って、怖いもんなしという感じで、さらにはスタンド打撃までよくなっていた勢いのある吉田選手と、慧舟會女性陣のエースとして、トリを任されて、果すべき責任を背負った大室選手。ドローで破顔一笑の吉田選手と、悲痛な表情で悔し泣きの大室選手。実に対照的な光景でした。

 帰り際、吉田選手に「打撃よくなってたねー、練習した?」と声をかけると、んもう最高の笑顔で「わかりますかぁ?」とサワヤかに。この選手、まだまだ伸びそうです。

 対する大室選手。ええと、数日前のラブインパクト3回目で、かなりケチがついたメインのドロー裁定の後、しなし選手が「これからもラブインパクトをお願いします!」と絶叫して、何というか、メインイベンターとして、プロとしての責任感が出てきたなあと思ったんですが、大室選手からも、そういう感じを受けました。ホームのメインイベント。勝たなければいけない重責。そこで結果を見せてこそプロ。それをわかっているからこその悔し泣き。

 大室選手、ここが踏ん張りどころです。ここをクリアすれば、渡邊選手や、しなし選手との再戦も、放っておいても見えてくると思います。技術的には、色々課題はあるんでしょう。けれど、ちょろっと練習して、あっという間に結果が出る天才型のタイプじゃないとないと思うし、だけど、そこをコツコツ積上げていける強いモチベーションと責任感を持っているのが、大室選手のいいところだと思うので、また次に期待です。適度に出たがりだしね(プロとして必須の性格ですね笑)。


 勝って涙、勝てないで涙。もう貰い泣きで、涙止まりませんでした。いやあ、ジョシカクならではですねえ。いいもん見せてもらいましたという感じです。

 ルール関連では、やはりグラウンドフリーなら、パウンド解禁も視野にいれるべきかなあと思いました。実際に、クロスになった瞬間、パウンドOKサイン出すという限定パウンド解除の案はあるみたいです。やってみて欲しいなあ。この思いは、自分がスマックで頑なに30秒ルールを採用し続ける(まだしばらくは)立場でいることと、矛盾しないと思ってます。何というか、GCMなら、選手のレベルを見て、安全面に考慮しながら、それが出来ると思うし。ブレイクは超早くて、アトラクトユアオーディエンスだし。

 開始前・休憩中・終了後と、全方位外交のGCMらしく、ロビーは関係者で大賑わい。これほどジョシカク関係者が集まるのも珍しいでしょう。他所の興行には滅多に顔を出さない、マイボス篠まで登場し、あっちこっちに挨拶しまくり、自分と一緒に会場にを出るまで1時間以上かかりました。興行関係だけでも、G修斗の木村さん、番頭さん、ガールズショックからは、宮田さん、小川さん、ラブインパクトからは柴田さん。そうそう、柴田さんは、川崎さんと一緒にキーラを連れてきていたんですが、たまたまその後ろに座っていたのが、ネクストシンデレラチャンプだったんですよ。「うしろからチョークで締め落として既成事実作っちゃえ!」とそそのかしたんですが、キッパリ断られてしまいました。まいっちんぐ!




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