田村欣子31人掛け!
■団体:NEO
■日時:2004年8月14日
■会場:後楽園ホール
■書き手:凸ユーレイ

観衆947人。北側の幕を下げて入場口にした以外はそこそこ埋まった。

1.NEO版ハッスル最終戦争・キャプテンフォール時間無制限イリミネーション
○仲村由佳(C)、米山香織(JWP)、松尾永遠、千春(フリー)、X(=黒田哲広)(5-3)×タニー総統(C)、ミヤザキ総統、闘牛・空(AtoZ)、唯我
(PWNM)、X(=DJニラ(K-DOJO))
 ※(C)がキャプテン
 1)○米山(0:05後方回転エビ固め)×唯我 2)○ニラ(2:22アックスボンバーから)×千春 3)○松尾(3:12ストレッチプラム)×ニラ 4)○タ ニー(6:44パロスペシャル)×松尾 5)○ミヤザキ(10:30腕ひしぎ逆十字固め)×米山 6)○黒田(13:18ラリアットから)×牛 7)○黒田 (17:35サムソンクラッチ)×ミヤザキ 8)○仲村(20:14ダイビングフットスタンプから)×タニー

 「お前らの大好きな女子プロレスを根こそぎブッ潰してやる(by闘牛・空)。ということで、ご存じハッスルのアングルをもじり、つつましやか に続けられてきた抗争の集大成(笑)。両軍のXは男子選手とだけ、事前に発表されている。

 嫌々やらされてきた2人の総統が、やる気なさげに入場。牛が連れてきたXはニラ。まあNEOのレギュラー出演者として、つぼ原人かどちらかだと 充分予想された人選。

 ハッスル軍は、まず仲村&千春、心の同期コンビが「5,6,7,8」で入場、めちゃステップス・ダンス。次に「ハッスルM」とコールされた 松尾が「燃えよドラゴン」のテーマ、黄色の上下ジャージで登場、膝の屈伸をしてみせる。最後に米山、「勝手にしやがれ」にのって、アフロのヅ ラ、付けモミアゲ、白スーツ&パンタロン。「ハッスルクイーン」らしい。コレやるなら、同じJWPでも、橋本真弥であるところの渡辺えりかを 使ってあげて欲しかったような気も。
 こちらの男子選手は遅刻、とりあえず4対5で試合開始。

 この試合は、ここまでの入場シーンがいちばん良かったような。笑 

 松っちゃん、屈伸やフィニッシュのストレッチプラムだけでなく、コーナーへの串刺し前蹴り、ステップキックまでも見せる。面白かった。

 ハッスル軍が退場していき、仲村1人しか残っていないタイミングでお約束、「クロダ最高〜」と曲がかかって遅刻していたXが登場。
 黒田ノリノリで「どーですかお客さーん」鉄柱に相手の足を打ちつける… と見せかけてエルボー。「サイコー」の声援に、「NEOのお客さん最 高!」と応える。

 まあこんなところで。
 勝利の仲村組はハッスルポーズの後、嫌がる黒田を交えて「5,6,7,8」を踊る。

 タニー&宮崎のNEOマシンガンズ、牛に向かって「総統ごっこはもう終わりだ!」「今度は女子プロレスじゃなくて、お前自身をブッ潰してや る」。牛「え〜、3ヶ月半に渡ってお送りしましたNEOモンスター劇場、皆様楽しんでいただけましたでしょうか。これからは、自分の団体に戻って 頑張りたいと思います」。
 闘牛・空、試合内容はともかく、こういったスキットでの喋りの才能はNEOで大いに発揮されたと思う。他団体の若手を使うのが上手いNEOなの で、機会があれば今後も出て欲しいものだ。


2.玉田引退ロード@NEO
○山田敏代(GAEA)、三田英津子(フリー)(18:03リバースゴリースペシャルボム)×玉田凛映(AtoZ)、椎名由香
 山田組はいにしえの全女62年組、若手の一時期ドリームオルカというユニットを組んでいた2人。
 ダブルで玉田を攻め、なぜか場外に落ちていた椎名を呼んで両側から抱えあげ、パートナーに蹴りを見舞わせる。
 「わーい、ドリームオルカだー」と喜ぶ椎名。「私も私もー」とはしゃぐ玉田を抱え上げた山田組、しかしそのままマットに落とす。

 椎名、山田と当たるのは、1回目の全女倒産以来、超久しぶりだと思うが、腕ひしぎ、アキレス腱固め、STFと関節技主体に攻めこみ、成長の 跡を見せることが出来たのではないか。

 引退間近の玉田、この日も受け身を取り続けて終盤ヨレヨレ、軸が傾いて身体が流れたような状態で戦っている。だいじょうぶなのかな。

 なおこの試合の特別レフェリーは村山大値(ZERO-ONE)。動きのキレは相変わらずだが、リングサイドにいるとその声が、意外にくぐもっていて聞 きづらいことに気がつく。試合後は、アルシオン時代にも苦楽をともにした玉田に、おつかれさまの抱擁。


3. 田村欣子31プレイ・チャレンジ・マッチ(各1分1本勝負)
田村欣子(8-4)

 95年12月25日後楽園ホールで豊田真奈美が行なった30人がけ。スタミナでは化け物と呼ばれていた当時24歳の豊田が残した伝説に、現在28歳の田 村が挑む。

 1)(時間切れ)△日向あずみ(JWP)
 2)(時間切れ)△コマンドボリショイ(JWP)

 トップバッターは宿命の?ライバル日向。日向の体調が未だしなので、それほどキツクない。

 3)(Wアーム式DDT)×木村響子(JWP)
 4)(0:19エルボーから)×「昭和」子(DDT)
 5)(0:38パトリオットバスターから)×千春

 3選手には失礼だが、軽いところで連勝。ひいき目で、木村は気迫良くつっかかっていったと思うが。 

 6)(時間切れ)△仲村
 7)(時間切れ)△ECO(JWP)

 早くもECOのあたりから田村、肩で息をし始める。
 普通に30分続けて戦うのとは違って(それでもキツイだろうが)この試合は、出てくる相手出てくる相手が最初から決め技を連発してくるのだ。
グラウンドとか静かな展開とか、そういうものは無い。ハイスポットの連続。相手のフィニッシュ技を受け、自らも大技で応戦し続けなければいけ ない31分間。

 8)(時間切れ)△タニー
 9)○さくらえみ(我闘姑娘)(0:51ラマヒストラル)

 初めて田村が敗れた相手はさくら。みごとな集中力で、短い時間にタイガードライバー、2階からのにゃんにゃんプレス(ファイヤーバードスプ ラッシュ)、逆さ押さえ込み、と正確に畳み込んでの勝利。すばらしかい。我闘姑娘の良い宣伝になったことだろう。しかし何故テーマ曲が「ムス ターファ(クイーン)」?。

 10)(0:50コブラクラッチ)×なつみ知香(=デビュー戦、我闘姑娘)
 11)(0:47チェーンリスト)×市井舞(我闘姑娘)
 12)(時間切れ)△零(我闘姑娘)

 新人3人、いずれも♪今は〜誰も〜知らない〜♪という歌詞の同じ曲で登場。
 零は得意の、トップロープ上を側転からのドロップキックを出して、勝つかなと思わせた。全員が全員、いきなりフィニッシュを狙ってくるのを 受けなくてはいけないんだから田村は大変。

 13)(0:56パトリオットボム)×MARU(OK)  

   MARUが負けたのは意外。本人的にも、米山と同格ぐらいに思ってるんじゃないだろうか。それが、華名や木村と同じレベルに見られちゃうことに なるんだから。

 14)(時間切れ)△KAZUKI(OK) 試合時間が1分しかないのに場外乱闘したまま終了。キャラを貫くという点でアリか。

 15)(時間切れ)△武藤裕代(OK)
 16)○ファング鈴木(0:30STOから)

 2人目の勝利者はファング、毒霧からの大外刈。 

 17)(時間切れ)△華名(AtoZ) ガッチリした体格から、カウンターのヒップアタックを連発した華名。引き分けでも、デビュー後まだ2ヶ月とい うことを考えれば、その評価の高さがある程度は伺える。

 18)(時間切れ)△未来(AtoZ)
 19)(時間切れ)△前村早紀(全女)

 奇しくも全女平成13年組、こないだのAtoZ横浜文体でハズした因縁の2人が続く。笑  早紀ちゃんは場外へのプランチャを出したり、ちょっと追いこんだ。 

 20)(時間切れ引き分け)△藪下めぐみ(SOD格闘技道場) このあたり、田村はもう虫の息。表情は歪み、洒落にならないほどキツそう。ヤブはも ちろん腕ひしぎ責め。

 21)(時間切れ)△椎名
 22)○松尾(0:54横入り式エビ固め)
 23)○米山(0:49変形ラマヒストラル)

 ジャーマンのあと丸め込んだ松尾、嬉しそうに跳びはねる。このところ、亜沙美(アストレス)にまで負けたりしている松尾には、ご褒美になった かも。
 米山は、いつもの試合の通りのムーヴ、多彩な回転エビ系を連続で出し、通常の形とは自分の身体の向きが逆になるラマヒで勝利。

 この試合、トップどころとは皆、引き分けている田村に勝った4人は、我闘姑娘、チームOK、JWP、まあ松っちゃんはオマケとして(笑)、いずれ も中堅からやや上ぐらい、個性派。今後NEOマットに上がる際の、良いアクセントとしてアピールがなされたよう。この4人に勝たせたということ に、ちょっとした妙味を感じたり。 

 24)(0:54トモレクラッチ)×宮崎 「ヨシコがんばれー」と叫びながら入場した宮崎、決め技チーズスターは放ったが逆に丸め込まれる。宮崎 はやさしい好い娘だなあ、と。

 25)(時間切れ)△渡辺えりか(JWP)
 26)(時間切れ)△倉垣翼(JWP)
 27)(時間切れ)△春山香代子(JWP)

 JWP若手精鋭3人。渡辺は短い時間にやや戸惑ったか焦ったか、攻めたりず。
 倉垣はいつも通りのキレと迫力のある動き。
 笑ったのは春山。ラリアットを連発、時間切れ近くなってから、「みんなも一緒に!ハ〜イハ〜イハ〜イハ〜イ」と手拍子を打ちながらコーナー に登り、ダイビングギロチンドロップ、田村に届く直前に時間切れ、しかも躱されて自爆。

 リングを降りぎわ、場外のボリショイに頭をハタかれる春山。笑うマシンガンズ。ここまで身内にウケているっていうことは、ひょっとして春山 は勝つはずだったのかなと思ったり。

 28)(時間切れ)△ザ・ブラディー(OK)
 29)(時間切れ)△三田

 最終盤に大御所登場、いきなりデスバレーから入る三田。そのあとは、自分からは動かずじっくり間を取ってエルボー。ここにきて、相手から動 いてくれないというのも、田村にしてみれば辛いだろうな。   

 30)(0:51エルボーから)×X(=唯我)

 いつものX入場時と同じように「BABY恋にKNOCKOUT」がかかる。バックボーンの柔道技、一本背負いを連発した唯我だったがやっぱり敗れる。敗 れるところまで含めて、NEOのお約束。

 31)(時間切れ)△アジャコング(フリー)

 殿がアジャ。
 全女時代の96年8月、ディスカバー・ニューヒロイン・タッグトーナメント」と称された大会での、パートナーを組んだ相手である。
 のっけから灯油缶、裏拳、垂直ブレーンバスターと強烈に攻め込むアジャ。必死に返し続けるヘロヘロの田村。
 私は「返せ!ここで負けたら、何の為にここまでやってきたんだ」と叫んでいた。「ここまで」というのは、この日の試合時間ここまでの30人分 30分間でもあり、アジャと別れ、全女を退団し、NEOでトップを務めるまでになった数年間のことでもあり。

 1分間を終えた選手たちは、めいめいそのままリング下に居残り、試合の前半は、団体を超えて田村の対戦相手にエールを贈っていた。それが、 進むにつれ、皆が皆、田村に檄を飛ばすようになる。返せ、負けるなと。
 後日、選手たちのweb日記に、「田村の姿に感動した」との言葉が並ぶ。「昭和」子、未来…。この翌日に対戦したブラディーも、この日のメイン だった元気も。
 観客はむろん、身内の選手の心も揺さぶった、そんな31人がけだった。 

4.3WAY
○井上京子(14:14飛びつき回転エビ固め)×井上貴子(フリー)
 ※もう1人は吉田万里子(M's)

 吉田が1人浮いて嫌われていたとか、京子の全女退団の際に貴子がチクッたとか、真偽は知らねど愛憎こもごもだったらしい昭和63年組の3人。
 この日の試合も、そんな3人の16年間そのままに、くっついたり裏切ったりの人間模様。笑
 ま、軽くコミカルではありました。貴子がいちばん調子よくて、吉田にアレやれコレやれと指示を出したり京子の陰に隠れたり。実際の人間関係 でもそんな感じか?笑

5.NWA認定女子パシフィック&NEO認定シングル選手権
○元気美佐恵(挑戦者)(17:55Gドライバー裏から)×中西百重(王者、フリー)

 特別レフェリー、和田京平(全日)。リングアナの紹介に「キョ〜ヘ〜」コール。  

 ボストンクラブをかけられた中西に「まいったか?」まいってないと応えると、元気に「もっといけ!」そして再度「まいったかコラー」。
 ボーアンドアロー、かけている方の中西にフォールカウントを数える、抗議する中西に毅然と肩がついているとジェスチャー。
 場外戦に怒る京平。「チャンピオン、正々堂々としろ!」。  

 嫌な予感はしていたのだが、予想通りに厳格なレフェリングに観客大ウケ。
 私は、いままでたくさんの熱戦を生んできたNEOの選手権試合が茶かされたようで、すこし気分が良くなかった。
 試合内容が、レフェリーの存在感を超えられなかったのも事実。とくに中西のテンションが低かった。もうNEOには上がらないのかな。NEOにし て、中西を使いこなしきれなかったか。半年強の間に、京子戦宮崎戦椎名戦と、好勝負はあったんだけど、これら全部、登場直後の1月なんだよな …

 とにかく、王座を奪取した元気は感涙。
 「前の試合で田村が…(涙で絶句)…偉業を達成したのに勇気をもらいました、3WAYで勝った京子さんにも… 負けたNEOマシンガンズにも (笑。タニー&宮崎、ヘラヘラ)。NEO最高!」

 うーん、メインはいまいちだったけど、この日は何といっても田村欣子だった。




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