7/21北都プロレス 選手を一見で判断した事の不明を愧じる。
■団体:北都プロレス
■日時:2004年7月21日
■会場:北海道空知郡・上富良野町社会教育総合センターアリーナ
■書き手:桜新町長五郎

向かうは上富良野町。札幌からは旭川乗換えとなる。18時開始なので、16時30分旭川発の
列車に乗ればよい。そこで、北海道に戻ってきてから約9ヶ月間、どうしても実行出来なかった
事をするために、早めに旭川入りし、歩いてその場所へ向かった。

そこにはもう、あの人はいない。覚えたてのパソコンとネットを駆使し、初期の格闘技カフェで
異彩を放った、ケーキ職人。彼が当時、素晴らしいと称えた「ゆる体操」は今や札幌の主婦の
間でブームとなり、篠原ともえの次に興味を覚えていたサトエリは、キューティーハ二ーになった。
彼が練習姿を観に行った掣圏道絡みでは、その旗揚げを支えた本間興行に融資をしていた
金融機関が破綻して姿を消した。時は否応もなく移ろっていき、当方も歳を重ねた。でも、
やっぱりまだだめだよ、蓮乃上蛙塾長。塾長の墓参りが出来るところまで、心の整理はついて
ないよ。あれからHNも変えたけど、心の中では、まだ蓮乃上義塾生という看板は下ろせないよ。
塾長がやってた店の敷地を訪れる事だって、9ヶ月かかってやっと今日、来れたくらいだから。
まだ・・・だめだね。塾長、当方が塾生の看板を下ろして、墓参りするまで今少し、時間下さい。

上富良野に向かう列車の中で、バーボンをラッパ飲みして気持ちを観戦モードに切り替える。
今日で北都プロレスも、旗揚げ第6戦目を迎えるから第1戦目とは違う何かがあるだろう、
という期待と、何も変わってないかもしれない、という恐れが交錯する。球磨川こと「地蔵」が
観れればそれでいいじゃないか、という納得が出来たところで上富良野に着く。

駅で会場の場所を教えてもらって歩き始めるが、何せ初めての街だし、「徒歩20分」という
道程は不安を掻き立てる。この道でいいんだよなぁ・・・・お!新聞店に北都プロレスのポスターが!
そこで道筋を確認させていただき、チケットを前売り価格で入手させてもらう。改めて、ありがとう
ございました。

会場、凄い立派。15分遅れの18時15分、興行開始。主催である商工会青年部の方々の挨拶
があり、チケット収益の一部を社会福祉協議会へ寄付との説明あり。
客層は・・・地元客が100人前後。部外者は・・・当方と観戦仲間しかいなさそう。


1.○ケン片谷(9:43片エビ固め)×末吉利啓
末吉は初見。近藤がセコンドに付くようだから、EAGLEの選手、なんだろうな。キャッチフレーズは、
「放て!エルボー四十八手!」って・・・期待して、いいのか?(笑)。対する片谷、しばらくぶりの
第一試合出場か・・・何かあるな(笑)。キャッチフレーズは、「シーフード・フーリガン」って・・・何???
「平成のナンパ師」は返上したのか?

末吉、キャッチフレーズ通り、多彩なエルボーを見せる。そしてドロップキック、張り手・・・・だけだ。
片谷、それらをしっかり受け止め、その(インディーの世界では)恵まれた体格を利した攻撃で返す。
末吉が攻め込まれると、近藤が末吉に指示を送る。「立て!」「攻めろ!」「行け!」
全女の、デビューして間もない選手と先輩のシングルが、こんな感じだよな・・・。この姿勢は買えるよ。

終盤、末吉のスタミナが切れたか、片谷にロープに振られたのに足がもつれてコーナーへ行ったり、
再度ロープに振られてラリアットを食らう時も体勢が崩れてしまったが、致し方なし、というところか。
最後は片谷の伝家の宝刀、バックドロップ・ホールド炸裂・・・と思いきや、ホールドせず、片エビ。
少ない技で試合を組み立てる事を、若手のうちにしっかりやらせる姿勢はいいね。


2.○トウカイブシドーV3(12:41回転エビ固め)×富良野地蔵
さあ、極私的メインイベント(笑)。先にV3入場。ハイタッチをしようとするが、地元客の方々が遠慮。
という事で相変わらずの出しゃばり、という事で、当方よりハイタッチを始めてもらい、一周。
さて、お待ちかねのお地蔵様登場!「拝むと願い事が叶います」とのアナウンスあり。
早速、体育座りから姿勢を正して正座し、手を合わせて拝礼。(旭川では、出来なかった事なのに・・・)
リングを一周して、そのまま控え室戻り・・・レフェリーのクレイン中條が引き戻す。
コールがされたが、なんか違和感がすると思ったら、選手の立ち位置が逆じゃん(笑)。あわてて
入れ替わる両雄。ネタか否かはわらかぬが、早速笑わせてくれる。

お地蔵様、微妙にバージョンアップしている。両手には鈴が3つずつついていて、さらに喋りが入る。
(ちなみに旗揚げ戦時は、終始無言だった。)まず、鈴を外すかどうかでレフェリー&V3と揉め、
さらにお地蔵様から握手を求めときながらスカす(笑)。
試合は、お地蔵様ポーズはなかったものの、V3と絶妙な間を作っていく。笑いの中にも、V3の
エプロンからのダイブなどの驚かせる技も入り、客はすっかり温かくなる。その流れを時折、
地元のお子様曰く「寒すぎ」な、クレイン中條のダジャレが断ち切ったりするんだけどね・・・。
さて、そろそろ、コーナーポストを股で挟ませた上で、観客も共同での足引っ張りがくるな、と
思ったら、V3、お地蔵様を仰向けじゃなくてうつ伏せでその状態に。こりゃ意外だ(笑)。

最後は、V3をコーナーにつめてお地蔵様が地蔵アタック!と思いきや、V3、ロープを利用して
避け、回転エビ固め。多少の唐突感はあったけど、充分に笑わせてもらったよ。しかし、
旗揚げ戦の時と微妙に異なる動きを入れて、笑わせてくれるんだから、お地蔵様はやるね。


セミ.○超人勇者Gヴァリオン(12:21体固め)×梅沢菊次郎
今日のカードを知った時、一番安心して観てられると思った試合。逆に、メイン、これで大丈夫か?
どっちかがメインに入った方がいいんじゃないかな・・・などという心配すらしてしまう。
試合は、予想通り、梅沢の武骨な技と、ヴァリオンの華麗な技が見事にスイングする。
技一つ一つの確実さが、旗揚げ戦の時よりもさらに向上してる・・・というか、これ以上の印象が
思い出せねえな・・・今(7月22日朝。試合から12時間経過)。だって、フィニッシュが圧巻だったん
だよね。トップロープからの、ヴァリオン・スプラッシュ、横90度ひねりが入ってて・・・・・。
これの印象が強過ぎて・・・・。


休憩;今日のアトラクションは、女性限定企画。リングに上がった女性がクジを引き、当たった商工会
青年部orレスラーが、張り手を食らう、ってやつ。殴られ屋、だね。


メイン.○近藤博之&菅沼修(17:57腕蠍によるタップ)豹魔&×ザ・マーダラー
気掛かりだったこの試合。マーダラーは未知数だし、豹魔は選手としては悪くないんだけど「シリアス・
ヒール」が客層に伝わるか微妙なんだよね・・・・。

おっと、マーダラー、今日2試合目(???)のようだ、おっと、豹魔、顔にタランチュラ系のペイントを
入れて、さらに憎々しい表情を作ってきてる。杞憂不要そうか?
試合開始後、即場外乱闘。所狭しと暴れまわるマーダラー&豹魔。逃げ惑う観客。OK、客の心を
掴んだね・・・なんて思いを馳せてたら、正座してた当方の膝の上に、近藤が座る。そして目の前には
怖い顔の豹魔・・・つい、当方が近藤を後ろから抱きしめてしまったら、豹魔、当方の首を絞める(苦笑)。

さらに場外乱闘は四方八方へ飛び火。近藤、会場の舞台から豹魔にローリング・ボディアタックを
決めるなど、ここでも客を驚かせる。ここで当方の脳内スイッチは妄想へ一直線。確か以前は、
片谷と同じCMA東京所属だったはずだし、SPWF道場マッチにも出てたわけだから・・・・、是非、
男色ディーノを招聘してよ、北都(笑)。ディーノが加われば、この状況に一段と厚みが増す。
それこそDDTか別団体が、札幌にディーノを連れて来た時のついで、に立ち寄ってもらう形で
いいからさ・・・。


リングに戻った試合でも、豹魔の憎々しさがうまく伝わってるし、マーダラーはしっかりしてるし、
近藤も技がキレてる・・・・菅沼ぁ〜。怪我なのか、疾病なのか、悩みでもあるのか、コンディション
悪い&練習不足も否めないな。なんとか試合にはついて行ってるけどさ、ボディスラム→二ール
キック→稲妻レッグラリアットと連続技で決めたりしたけどさ、欲を言わせてもらうなら、ここは
ボディスラム3連発、の方が・・・・。バックドロップも、形が崩れて危険な角度になっちゃうし。
2月のアジアンでの試合を10としたら、今日は2〜3程度。身体起因なのか心因なのかはわからない
けどさ、ちょっともったいないな・・・。コンディション悪さを気迫でカバーする、とかを考えて欲しいな。

最後は、近藤がマーダラーに波上攻撃を仕掛けた上で、オリジナル技(だよね?)の、サソリ固めの
腕版を決める。(そういや、さっき近藤が着てたTシャツには「腕蠍」って書いてあったな。)


スペシャルマッチ;バトルロイヤル
始まる前、着替えのお時間(???)を作るためか、このタイミングで募金開始&福祉協議会への
寄付挨拶。ここでも小さな驚きだったのは、募金がバトルロイヤル優勝賞金ではなく、全額
交通遺児への寄付、だったのと、チケット収益の「一部」でなく「全て」が福祉協議会への寄付
だった事。商工会青年部、やるじゃん。さらに、出場選手(片谷、末吉、V3、ヴァリオン、梅沢、
近藤、菅沼、豹魔。お地蔵様以外全員だね(???))がリングインしたら、青年部からも4人
参加。しかも、青年部より優勝賞金50万円、準優勝30万円、3位20万円って・・・・驚き。
ホントかな?と思った当方とほぼ同時に、某レスラーが「ホントにくれるのかよ」と小声で
つぶやいたのが聞こえ、苦笑。この、合計100万円が、興行買取金額じゃないかな?
バトルロイヤル自体は、いつも通り、というかどこかで見た風景。青年部4人がまず退場、そして
鼻フック数珠繋ぎ→首四の字数珠繋ぎ&そのまま逆エビ→スモールパッケージ転がし→
四の字で両方押さえ・・・と続き、残るはヴァリオンと梅沢。そしてもう、定番と化しているだろう、
梅沢がヴァリオンの肩のコスチュームを奪い、梅沢スプラッシュで優勝。そして皆で手をつないで
万歳。

帰ってくる道すがら、少し反省が入る。過日の旗揚げ戦だけを観て、豹魔はこの客層には
受けにくい、と判断してしまっていたのは、当方の不明であった。彼と、今日出場のもう一人、
そして一時期ど真ん中だった選手の3人が、札幌にあるアマチュアプロレス団体出身で
ある、と前日に聞いていた。それなら、屋外とかお祭りの場で試合をしたりしてる訳だから、
プロレスファンじゃない人の足を止めるだけの技量を彼が持ってるという事は想像出来た
はずなのに、試合が始まるまで彼に対し杞憂を持っていた事を、目が曇ってたと言われても
返す言葉がない。

ネット生活を始めた7年前から、よく指弾してたはずだ。「凱旋帰国試合が良くなかったからって、
一刀両断してダメ、と決め付けるのはいけない」って。西村の時とかカシンの時に。
これじゃ、決め付けてたヤカラとあんまり変わらないじゃん、当方。
改めて、旗揚げ戦の時に決めた事、「可能な限り(アジアンも)北都も観続ける」をこれからも
実践していこう。それが自らの不明に対するケジメである。

と、言う事で、アジアンの7・24豊浦(朝9時開始)と7・25上ノ国(19時開始、どっちを選ぼうかな。
車を持たない当方としては、列車&バスの運行上、豊浦は前日入り、上ノ国は当日泊まり、
が必須だからな・・・悩むところだ。




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