星野勘太郎総裁フィギュア(サイン入り)、2,000円也
■団体:新日本プロレス
■日時:2004年7月19日
■会場:札幌月寒グリーンドーム
■書き手:桜新町長五郎

「注記」これを観戦記、として見ようとした方へ。横道にかなり逸れて、長文なので、避けた方が無難かと。

2時ちょっと過ぎに会場入り。野暮用を済ませ、2階席より会場を俯瞰する。花道の上の部分の
2階席は閉められていたが、他は全て客を入れている。この段階で6割強。おそらく7〜8割くらいの
入りになりそうだ。招待券が多少ばら撒かれたと聞くし、入場券を売ってくれる優しいオジサン達
の相場が一割引きのようだから、もし「満員」と団体が言い切ったとしたら水増しだろう(笑)。
但し、今年、札幌で行なわれたプロレス興行の中で、一番の入りである事は間違いない。

びっくりしたのは、女性率が高い事。グループの中に女性がいる形態ではなく、女性2〜3人連れ、
というパターンが多いのである。どこぞの団体の単細胞ファンが、「女性率の高さ」を自慢している
と漏れ伝わって聞いてるが、こと札幌においては、入場客の多さだけでなく、女性率も新日に
軍配が上がるだろう。まあ、こういう余計なところばかり観てしまう当方にしてみれば、ある意味
盲目的なファンは、(そういう感性をとっくに失くしてるだけに)羨ましいなあ、と言えるが。


1.○アメリカン・ドラゴン(7:31脇固め)×山本尚史
腕や足の取り合いという、いかにも新日前座試合、というムーブで試合が展開していく。時折、
エルボーは出るものの、少ない技で試合を組み立てている点は好感が持てる。また、
「プロレスを観に来た」というよりは「新日を観に来」ていて、しかも「観慣れてる」客が
多いようだ。声援や拍手のタイミングがうまく、早くも盛り上がろうとしているフシがある。

終盤に入って試合が動き始め、ドラゴンがトップロープからのダイビング・エルボーを繰り出すが、
驚いたのは、「打ち下ろし」ではなく、「かち上げ」だった事。簡単なようだが、バランスが取れて
ないと出来る技じゃない。「赤字垂れ流し」だの、娘婿のための「猪木の道楽」と言われ、
閉鎖も一時期話題となったロス道場であるが、こういう選手を発掘出来るのなら、多少の赤字は
眼をつぶってもいいんじゃないか?!などと無責任な事を思う。
最後は、山本が自らロープに跳んでの攻撃を二回受けた後、三回目をピシャリと脇固め。
腕の巻き込み方が、木戸の流れを感じる。中邑に、柴田に流れているのは知っていたが、
まさかアメリカン・ドラゴンにまで・・・と、これもちょっとしたサプライズ。


2.△長井満也(15:00時間切れ引き分け)△成瀬昌由
声援の中に「リングス〜」って声もあったが、いろんな意味でそれはもう、遠い過去である。
新日系とは微妙に異なる、二次U的な関節の取り合いや蹴りもあったが、長井はしっかり、
客の雰囲気をつかんだ試合をしていた。成瀬への声援に対し「成瀬成瀬って、うっせぇんだよ!」
この一言で、ただでさえ温まりのあった客席が一気に燃え上がった。
途中、「攻撃が決まったのになかなかフォールに行かない」成瀬の行動が、客を冷ましてしまう
部分もあったが、手の合いやすい相手との試合らしく、互いに楽しんでいる雰囲気が出ていた。
やってる方が楽しくて、それが観客にも感じられて安心して観てられる試合、興行の中で一つ
くらいあっても悪くはない。


3.○天山広吉&西村修(14:40逆エビ(抱え込み型))中邑真輔&×田口隆祐
試合開始前に、中邑が売店でサイン会&撮影会をやっていた。大型選手と絡む機会が多かったし、
どうしても線が細いので、映像ではそう感じられなかったようだが、実物を見て「結構デカイな」と
感心して中邑を見ていたファンが何人もいた。公称とはいえ、188cmだからね。一部他団体ファンが
中邑の容姿その他をバッシングしてるやに聞くが、素質・体格・雰囲気全てにおける、これだけの
素材に対して、及びそれを提供している新日に対しての、悲しい僻みだろうね。他団体には、
これだけの若手選手はいないからさ・・・・。

試合は、良くも悪くも田口中心で動いていく。天山&西村が、その性格のせいか、後輩を
「ぐちゃぐちゃに可愛がる」感じも出さず、さりとて余裕をかましまくるわけでもないため、
淡々と試合が流れていく。相変わらず、天山への「シュー」コールが高い。まあ、北海道だから
しゃあないけどね・・・。

思ったより天山&西村と中邑の絡みが少ないまま、危なげなく先輩コンビが勝利。
しかし、老舗というかメジャーというか豪勢というか。この試合の田口、第一試合の山本以外にも
数人、若手がいる(セコンドの長尾なんか、いるだけで目立つ(笑))し、その他にも今日はカード
組まれてないけどブルー・ウルフやエル・サムライや後藤・ヒロのコンビもいるんだからな・・・。
あ、安田や真壁もいるか(笑)。選手層の厚さが業界随一という点は、誰も否定出来ないはずだね。


4.○永田裕志(12:35片エビ固め)× 飯塚高史
そういえば、長井もそうだったが飯塚も北海道出身者なんだな・・・だから組まれたのか、と
合点がいったこのシングル。想像通り、オーソドックスな展開であり、飯塚のスリーパーが
試合のキーとなってくる。

この試合の中、好感が持てたのはセコンドについていた若手達が、じっと試合を見ている事。
先輩達の良い点は盗み、悪い点は反面教師とすればいいのだが、控え室のモニターとか、
通路の脇で見るのではなく、そこで観る事は必ず彼らの血肉となっていく。
これが徹底されている点も、やはり老舗を支える力なんだよね、ちょっとした事なんだけどさ。

試合中盤で、飯塚がヘッドロックから、クリップラー・・・もとい、クロスフェース・・もとい、
ナガタロックUを永田に仕掛けたり、ブリザード・ホールドをきっちり決めたり、と、それなりの
見せ場を作る。しかし、まだまだ完調とは言い難く、エクスプロイダーで投げられたり、ハイキック
が当たると、まだまだふらつきが残っている。
最後はリストクラッチ式エクスプロイダーで終了だが、やはり前の試合と同様、あっさり目である
事は否めないかな。


5.IWGPジュニアタッグ選手権試合
 ○外道&邪道(14:27首固め)金本浩二&×井上亘
ジュニアとはいえ、決め技以外はあまり飛ばない選手が揃ったこの試合。案の定、どちらかというと
打撃系が主となる。竹村のちょっかいが間に入っては来るが、さすがにジュニアの千両役者が3人
揃ってるだけに、そこにうまく井上を絡めて、しっかりとした試合となる。また、井上も位負けがしなく
なってきている。同期である棚橋、柴田にいつまでも置いていかれるわけにはいかないだろうし、
タイトルを取っても納得感を持たれるようになるには、あともう少しの飛躍というところか。
そんな中、外道の生きの良さが目立つ分、邪道の元気のなさが気になる。
TPG〜FMW〜ユニバーサル〜W★ING〜WAR〜冬木軍〜FMW〜コンプリート・プレーヤーズと来て、
新日に腰を落ち着けて久しい彼らであるが、間違いなくインディー時代に比べて練習環境は格段に
上がっている。野毛で彼らが練習していても、もはやヨソモノという感じはなくなっているはず。
実際、タイゴー系のオクスリの力を借りているかもしれないが、何も気にせず練習が出来る環境が、
彼らの今のガタイの良さを作っている事は疑いない。

邪道の元気のなさが、怪我か疾患か何かから来てるものなら良いのだが、整った環境の中で、
牙を抜かれてしまっているのなら、もったいない。天龍に、グラジエーターに力負けしてなかった
試合をしていた頃の邪道を、当方は知っているから。あの、説得力充分のラリアットを見たいな・・
なんて思っているうちに、外道が見事に首固めで試合を決めてしまう(苦笑)。

どっかでいいから、邪道・外道と新日ヘビーとのタッグ戦を組んでくれないかな・・・。いっそ、
高山&鈴木組でもいいんだが。


6.IWGPジュニア選手権試合
 ○ヒート(12:09片エビ固め)×タイガーマスク
入場途中の花道で、邪道・外道・竹村がタイガーに襲い掛かる。そう言えば20年前にもこんな
事があったような・・・なんて事を思ってたら、治療中、というインターバルはあったものの、
ヒートも入ってきて、試合が開始される。タイガーは、左足太腿辺りを傷めた、という流れ。

ヒートの蹴り、関節がタイガーの左足を集中するものの、どこか焦点がボケてしまう。原因は、
それがヒートの良さでもあるのだが、技のキレの良さと冷たさ。倒れたタイガーの左足を蹴る
のも、ローキックなのである。ここは足を取ってのストンピングの方が、焦点が際立つのに・・・。
結局、ロス道場から戻ってきて以来、ヒートは「冷たさ」を全面に出しているのだが、それが
執着のなさ、に見えてしまうという部分が否めなかった。これで、ヒートという仮面がない、
稔という表情がそこにあったとしたら、違う風に見えたのかもしれないが。

結局、順当なヒートの防衛、となったが、彼らに思い入れのない客が観てたとしたら、心に
残らない試合だっただろうな〜。


休憩>外でタバコを吸って、戻ってくるとグッズ売り場の一角で、妙に人だかりが空いている。
   なんだろうな?と見てみるとそこには星野総裁(笑)。遠巻きに携帯で撮影している人達
   がいるのだが、みんな近づかない(苦笑)。
   ヤバい。総裁と目が合ってしまった・・・・・うっ!!にこやかな笑顔で手招き・・・・。
   買わせていただきました。サイン入り総裁フィギュア。

休憩明け>アントニオ猪木劇場。
いや、やっぱこのオッサンが出てくると盛り上がるね。言い悪いなんて部分はとっくに超えて
しまってる。21日の釧路は「闘魂祭り」に指定されてたけど、今日来るとは思ってなかったな(笑)。
2月の時にはパチスロイベントで札幌を何ヶ所か回ってたようだけど、今回はどうだったんだろう?
当人もマイクで「なぜか札幌だけはいつも呼んでくれる」と言ってたが、スポンサー筋で義理を
欠けない人がいるんだろうな・・・。(マイク詳細に興味がある人がいたら新日HPでも見てね。)

そういや、休憩前かこの後かで、札幌の老舗ショップのリングパレスが主催する興行の御案内で、
日野さんが挨拶をしてたらしいんだけど、当方、タバコ吸いに行ってて見てないな(笑)。


7.U−30無差別級選手権試合
 ○○棚橋弘至 (8;51反則、延長戦1:24ジャーマン)××矢野通
この試合はちょっと事情があって思い入れが強い(笑)。それと直接は絡まないが、2月の興行の
時には、矢野を連れて飲み歩いていた棚橋が、昨日のテイセン興行後は、矢野を連れず一人で
飲んでいたらしい、と聞き、その「ケジメ」をつけた態度を取らせる老舗としての教育を見た。

いや、矢野は見事に化けたね。唐傘、一升瓶、馬之助スタイル、そして水(酒?)吹き、と、
なかなか様になってる。セコンドのヒロ&達俊もいい仕事するし、楽しさ溢れる試合となる。
まあそれだけじゃなく、時折繰り出す技もキレてるし、個性を売っていく「プロ」としては、合格でしょ。
一回目のパウダー攻撃が達俊に誤爆してしまい、棚橋が〆に入ったな、と客が諦めに入った
瞬間に、もう一度パウダー攻撃をかますところなど、機転と頓知が利いててOK。

これにレフェリーが反則を宣告したけど、棚橋が田中秀和「現場監督B」にアピール。そして
田中と、IWGP実行委員こと、木村健悟「現場監督A」が御相談の上、延長戦決定。ここで苦笑モノ
だったのは、レフェリーが田中の指示を受けたのにOKせず、改めて健悟に確認し、「やれ!」
と言ったら即、開始したところ。段取り通りだったかもしれないが、こういうところに何気なく、
スタッフの素の表情が出てくるもんだな・・・。

再試合開始後は一転して素早い攻防が開始され、棚橋がバックを取ったところに矢野が金的蹴り
をかました・・・と思ったら、痛がって崩れず、そのままジャーマン一閃!
まあ、当方の思い入れは置いといて(苦笑)、今日来た客の多くは、片隅に「矢野通」をインプット
して帰るだろうね。このまま「プロ」として突き進んでって欲しいものです。


8.○天龍源一郎&蝶野正洋(11:12片エビ固め)スコット・ノートン&×中西学
いやはや、技の出ない試合だな(笑)。殴る、逆水平、蹴る、殴る、ラリアット、逆水平・・(以下、
繰り返し)。2階席から見てたけど、中西の逆水平で天龍の胸板(の肉が)一瞬歪むんだから、
推して知るべし。また、ノートンが場外で蝶野に放った逆水平の衝撃は会場中に響いたし。
もう、年齢的な事を考えても中西には勝敗概念はいらないね。興行の一風景として、
単純な技の一発の重さを伝える人に徹していけば、それでOKとした方が個性が生きる。
なんの脈絡も、タイトル賭ける事も必要ないから、一度小橋とシングル組んでくれないかな。
場外雪崩式なんかなくても、それこそリング内での単純な技だけで、客の心に響く試合が
出来そうな気がするんだけどな・・・。凄い大技ばかりが出なきゃ盛り上がれない、単細胞な
客ばかりではない、って事が証明出来ると思うんだけど・・・。

中西がアピールして天龍にアルゼンチンを決め、カットされた後、トップロープからの手刀一閃、
と思いきや、天龍に張り手で迎撃され、最後は天龍の「53歳」で試合終了へ。
改めて、中西よ。今、新日が交流出来る全団体を渡り歩いてみない?NOAHや全日に限らず、
みちのくや大阪とかでも、ね。勝ち負けは置いといて、試合中にただただ相手選手をなぎ倒す
姿だけ、見せればOKと思うんだけど。ホント、DDTでの健介を見るにつけ、そう思うよ。


9.IWGPタッグ選手権
○鈴木みのる&高山善廣(16:47片エビ固め)佐々木健介&×獣神サンダーライガー
入場シーンでは、ライガーが黒くなってて、邪道外道竹村を従えて来た事に驚きの声が挙がる。
必ずしも観客が、雑誌や新聞やネットで流れをチェックしている人達ばかりではない、という事を
図らずも証明した反応である。

試合で一番面白かったのは、出だし。健介、ライガー共にみのると闘おうとして、みのるにスカされ
最後はタッチした高山がライガーを蹴倒したところ。その後は、正直想像の範囲内の試合内容で
しかなかった。もうちょっと、高山が体格差を強調してライガーを攻撃してくれれば面白みも増して
いたんだろうけど・・・。邪道外道竹村も、場外に落ちたみのるに攻撃するくらいしか手出ししなかった
もんな・・・。いっそ、そのままみのるを拉致して連れ去るくらいやっても良かったろうに。
第6試合と同様、これだけの素材があったのに、この試合程度の内容では「もったいないな」と
いうのが総じての印象。結局、危なげのない防衛。

みのるのマイク「君達にありきたりの言葉を送ろう。顔洗って出直して来い!」
そして、他に挑戦してくるヤツはいないのか!とアピールを続け、反応がなかったところで、
「じゃあ、次もNOAHだな」で〆る。猪木傀儡政権、と言われる草間社長下でも、高山をキーと
した、NOAHとの交流はto be continuedである宣言、といったところか。

しかし、今回は目立ちきれなかったが、今年の健介がいかに旬な存在かを証明する数字がある。
関東圏では珍しくなかろうが、この段階で健介は今年、札幌に4回来ているのである。2月&今回
の新日、4月のDDT、そして6月のみちのく(世を忍ぶ仮の姿での参戦だったけど)に、である。
10月のゼロワンに来る事はなかろうが、8月の全日も券の売れ行きによっては有り得そうだと
考えると、数年前の状況では想像出来ない事態だね(笑)。やっぱ、PRIDEグランプリで小川が
優勝しなかったら、今年のMVPは健介で推したい。


10.IWGP ヘビー級選手権試合
○藤田和之(11:16KO)×柴田勝頼
柴田は背負っているモノがある。それが、あのビッグマウスにつながったり、どこか不機嫌そうな
表情に出ていると、当方は勝手に思っている。そのモノが何か、はここでは書かない。気付く人、
当方と同じ考えに至る人が他にいてもいなくても構わないから。

両者がリングで対峙した時、そこには「緊迫感」という言葉が安っぽく感じられるほどの、2人、そして
柴田のセコンドの長井や星野総裁から発せられる何かがあった。TVやVIDEOになると、ここに
アナウンサーや解説者の言葉が被さるのだろう。それでしか、この状況を観れない人は、悪いが
不幸だと言い切っておこう。正直、会場の歓声すら邪魔に感じたくらいだから、もしこの場面を
観る機会があったら、音声を0にする事をお勧めする。感性があれば、わかるはず。

ボディスラムからのサッカーボールキック、と藤田優勢で進むかと思いきや、藤田のパンチに対し
柴田の見事なカウンターの右ストレートが入る。これを打ち合わせてやれるなら、二人はもっと
プロレス自体がうまいはずだ(苦笑)。
柴田のバックドロップ、そして投げ捨てジャーマンが2発決まる。ブリッヂが利いていたので、投げられた
時の藤田の表情が見えた。口開けて、「あれ?」と驚いた表情のまま、頭がマットに突き刺さっていった。
一瞬、息が詰まった事だろう。WWEで時折展開される連発ジャーマンのように、相手のジャンプ力を
期待した技とは、間違いなく一線を画している。
ただ、ここで柴田の唯一とも言える難点だが、ジャーマンの後のスリーパーに説得力がない。
例えは悪いが、大技濫発プロレスで時折観られる、「休んでるんじゃねえか」スリーパーとか
ヘッドロックと同じに見えてしまったのである。ここは、腕力を度外視して木戸の流れを受け継いで
いる、脇固めで攻めて欲しかった。勝ち負けを横に置いといて、もっと伝わってくるモノがあったはず。

柴田の気迫が藤田を凌駕していたのはここまでで、マウスピースを捨てた藤田の怒涛のラッシュ
が始まると、柴田にはダウンカウント毎に立ち上がってくる姿しか残らなかった。藤田の
二ーや蹴りを、それなりにガードしていたのだが、そこは一瞬の展開だから、伝わりにくさが
どうしても付きまとう。結局、説得力充分の蹴りが入り、柴田立ち上がれず。

藤田に「柴田の攻撃を受けてやろう」という余裕かましはなかった。それは投げられた時の藤田の
表情が如実に語っている。また、うつ伏せの柴田の頭に二ーをかまそうとした際、柴田が手で防御
しようとしただけじゃなく、頭をずらして避けた場面から、藤田は入れる気だったし、二ーをマットに
落として盛り上げよう、なんて色気を藤田が出そうとした形跡がない事もわかる。
しかし、完膚なきまでに柴田を潰そう、としていたフシもないと言える。厳しい表情の中で一瞬、
「やるじゃねえか」という表情をしていた事から、それがわかる。

たった11分強の試合だったが、短いとは感じなかった。濃縮された飲み物のように、少ないが
腹一杯、と感じるのに近いかもしれない。敢えて言うなら、当方としては、数年前の天龍vs荒谷
のJ1決勝戦以来、久しく感じなかった感覚である。

会場を出るまでに、こんな声が聞こえた。
「ケツが決まってても、ああなりたくないね(あそこまで潰されたくない、という意味か?)」
「怖い、っていうより、凄いと思った」「藤田の強さって、底がなさそうな感じがする」
勝ち負けだけでは判別し切れない何か、がそこにあったのかもしれない。
さて、頭を切り替えて、今月はもう二つ試合を観に行くか(笑)。




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