アジアン寝過ごし、悔恨のままノア観戦
■団体:プロレスリングノア
■日時:2004年6月1日
■会場:札幌月寒グリーンドーム
■書き手:桜新町長五郎

5・30の日曜日。ノアが札幌テイセン、アジアンが留寿都村、と興行がバッティングしていた。
これはカードや参加選手を比較してから・・・などと考えていたら、アジアンの発表はなく、 ノアが、メインを力皇vsバイソン・スミスと発表。心置きなく5・30はスルーしよう、と決めた。
ところが間もなく、アジアンに松崎とグレート・タケルが来るとの情報をキャッチ。 交通機関等々を調べると、札幌駅14時過ぎ発バスに乗れば観れる、帰りは安宿が取れると 段取りが出来たので、前日に急遽、アジアン観戦を決めた。ところが・・・・・・・・・。


当日、別件の原稿書きなどをやって気がつけば昼。準備万端だし、そろそろ行こうかと 思ったのだが、ふとTVをつける。まだ時間はあるしちょっとくつろごうと思って座ったのが 運のつき、ここで意識が消えてしまう。
目が覚めたのは16時過ぎ。アジアンには間に合わない時間だった。ああ、大失敗。

こんな事を引き摺りつつ、自宅から自転車で1時間弱のところにあるグリーンドームに向かう。
北側2階の一番前の席に座り、会場を見回すと、2Fのところどころに「立ち入り禁止」と 書かれた札のついたロープ。全開放してない?どういうこと?売らなかったの?それとも 売れてなかったの?そういや、場外入場券販売の方々(世に「ダフ屋」と言うらしい)が、 「割引!割引」と叫んでいたな・・・。

平日18時30分開始、かつ札幌中心街から遠い、という点を考慮に入れたとしても、 開始時点で、会場全体の4割程度しか埋まってない状況はちょっと寂しい。
まあ、ちょうど半年振りのノア観戦(前回は昨年11月末のきたえーる大会)なのだから、と 悪い事には目をつぶって楽しむ事にしよう。


1.○泉田 純(6:18 ランニング・ボディープレス→片エビ)×永源 遙

入場は永源が先。入場テーマで軽く客を掴む。泉田が入場して、その掴みが少し途切れる。
開始するも、試合より泉田の今後に思いが飛ぶ。どうしていくつもりなのか。ファイトスタイル は今さら変わらないとすると、秋山が「二軍」と称した中堅に甘んじるのか、いっそ永源や 百田と絡む形で前座の人気者になるのか、それとも・・・・。

などと考えてるうちに、お決まりの永源の「ツバ飛ばし」が始まる。今日は東側、西側の各一回。

特リンの多くの客は手馴れたモノ(新聞だの傘だの)なのだが、敢えてそこを避ける機転を 泉田が効かせる。
最後は、泉田が技を繰り出して決める。永源は結局殴る蹴るツバのみ。

アジアンで、見事な客の温め方を観ているせいか、少々あっさり感はあった。しかしまあ、 少し客があったかくなった雰囲気がある。さすがノアファン、と思い、これで良しというところか。


2.金丸・○杉浦・橋(17:53 オリンピック予選スラム→片エビ固め)菊地・×青柳・スティーブ

言葉を悪く使うと、「メインの余りのジュニア」の試合。青柳館長も昔、ライガーの持ってたIWGP ジュニアにチャレンジした経験を持っているし、彰俊ほどのウエートアップはしていないから、 (当人の意識はともかく)ジュニアの範疇だろう。

試合のペースは菊地&青柳が握る。菊地に至っては肩の脱臼が再発したらしいのに、ともかく 元気。若手ジュニアが完璧に食われている。

瞬く間に10分経過・・・・あれ?スティーブがほったらかし(苦笑)。最初に定番の6人連続攻撃を 出して以来、中に入ってねえ。そうなってしまうくらい、菊地&青柳が元気って事だな。

最後は、まだ復帰後、本調子とは言えない杉浦がなんとか青柳を押さえ込む。 しかし、この6人のファンではない人が試合を観たら、記憶に残るのは菊地&青柳だろう。
先輩に遠慮してる場合じゃないと思うんだがな・・・金丸と橋は。
あと、青柳よ、その元気が続くなら、いっそ「KENTA蹴撃7番勝負」とやらに立候補してみても いいんじゃないか?空手の重い蹴りでKENTAと蹴り合うのは、悪くない試合になりそうだと思うが。


3.○小川 良成(8:25 首固め)×川畑 輝鎮

一時の木戸ほどではないが、川畑は札幌で人気がある。声援多数。彼自身、北海道巡業の 合間を縫って、プロレス関係やタニマチ的な札幌の飲食店に小まめに顔を出していたらしい。

互いの風貌から、多くの人はそう感じてなかったかもしれないが、小川の方が6年も先輩である。
攻める川畑に対し、いなす小川、という形で試合は展開していく。これ、というフィニッシュホールド を持たぬ川畑に、この展開はキツい。SWSで一緒だった天龍のパワーボムでも、NOWで一緒 だったナガサキのパイルドライバーでも、新東京プロで一緒だった石川のスコーピオンでもいい。
何かもう一つ、こだわりの技を仕入れれば、「一軍半」の道はあるはずなんだが・・・。

途中、小川をリングに落とし、椅子攻撃に入ろうと川畑、西側観客席へ・・・・諦める。
そう、今日の 会場は8連椅子を使ってるのだ。1脚だけ欲しいなら本部席へいかなきゃ・・・・。

最後は、「あれ?決まっちゃったの?」とさえ感じる、唐突な首固め。小川の牙城を崩す以前に、 終始小川ペースの試合でしかなかったかもしれない。


4.三沢・○ウイリアムス・スリンガー(17:54 ロールスルー・ジャーマン)田上・スミス・×スティール

外人選手の教育マッチ、という印象が色濃いタッグマッチ。何せこの後はメインにマルビンが出る ものの、それ以外は全て日本人選手が試合を勤めるのだ。

そういや前回の観戦前に、ノアの札幌大会をほぼ欠かさず観ている人から聞いたことがあるが、 三沢がメインを張ったのは2001年にベイダー&スコーピオ組とGHCタッグを争って以来ないらしい。

出し惜しみなのか、札幌が他の選手にチャンスを与えやすい場なのか、他に意図があるのかは わからんが、地方軽視でない事を祈るばかりである。

試合はやはり、外人選手が中心で組み立てられていく。田上はたまに指示を出すものの、ほとんど 中に入ってこない。三沢もエルボーを連発してすぐ戻る。
試合後半、やっと三沢と田上が絡む。ここでいきなり三沢が田上にシャイニング・ウイザード!
(但し、田上の体勢が崩れていたので、膝が顔面に当たる、というより足が後頭部に当たる感じ だったが、まあ御愛嬌、としておこう。)7・10東京ドーム大会での武藤とのタッグ対決に向けての アピールとして、札幌のファンへのボーナストラック、というところか。

最後はダグ・ウイリアムスのロールスルー・ジャーマンがスティールに決まり終了。ここで外人選手 及び三沢が、何か会話をしようと向かい合ったのに、田上がいない(苦笑)。さっさと花道を下がって いく。「さあ、終わった、終わった」といった風情か。


5.高山・○佐野(16:29ノーザンライトボム→体固め)力皇・×井上

高山人気は相変わらずである。ここまでの興行の中で、高山の入場時のどよめきが一番大きい。
試合は、良くも悪くも井上が中心。やられっぷりや反撃を含め、どこか笑ってしまう部分がある事は 否めず、確かに緊張感が持続しない試合になった。

しかし、それは井上を責める話ではない。まだどこか、ぎこちなさがある高山&佐野のコンビが 有無を言わさず攻め切る感じではなかったし、力皇も、井上を押し退けてでも高山とやる、と いう気概を出すわけでもなかった事が、井上中心で試合が展開する起因だから。

結局井上がピンを取られたが、予備知識ない人がこの試合を観たら、心に残るのは間違いなく 井上である。

力皇がマイクを持って高山に叫ぶ。「おい、高山!7月10日、ベルトとパートナーを連れて来い!」
(ってな感じだったかな?ちょっと不正確かも)

IWGPタッグとも鈴木みのるとも特定してないな。なら、高山がIWGPタッグを巻き、パートナー は“NWAインターコンチネンタルタッグ”を巻いた、あの人を連れてきても、いいのか?(笑)。

G+の電波にも乗せるような発言なんだから、ここは「挑戦させろ」くらい言うところだって。
5・30にシングルでメインを張った事は、経験として何かを変えなかったんだろうか・・・。


6.小橋・○本田(19:52 回転地獄五輪part2)秋山・×斎藤

7・10に向けての前哨戦(・・・って言っていいんだろうな?)。しかし、まだセミ前なのに、 豪華というかなんというか。
試合開始してそんなに経たないうちに、秋山が小橋にハーフネルソン&ラリアットを食らい、 さらに乱戦で本田に顔を踏まれたのか、ダウン状態に。しばし彰俊のローンバトルが続く。

やっと秋山が復活してきたと思ったら、今度は場外戦で小橋がグロッキー状態になり、 本田が集中攻撃に遭う。

試合が15分を過ぎた辺りから佳境に。大技の攻防となり、最後は彰俊と本田に勝負が 委ねられる形となった。ここで秋山が小橋に監獄固め・・・いや、レイスやドリーが得意と した、「リバースじゃない」インディアンデスロックを掛け、さらにフロントネックロックの 複合技に持ち込む。つい、そっちに注目を向けたところで本田が彰俊を丸め込んでしまった。

秋山&彰俊が引き上げても、小橋はなかなか起き上がれず。そういうポーズをしている、 という感じじゃなく、小橋の目の焦点の合わなさが、貧血になってなかなか血が巡らない 感じに見える。秋山、何気なく首の急所を絞めたようだ。

そういえば、客が会場の6割まで増えていた。立ち入り禁止区域を「売らなかった」とするなら 8割近くは入った事になる。仕事を終えた客が来たんだろう。


7.WLW世界ヘビー戦
○池田 大輔(12:38 蹴り連発から体固め)×森嶋 猛  <池田、第13代王者に>

短期とはいえ王者として海外遠征に行った森嶋。一部のノアファンがひいき目で「良くなった」 と言ってたようなので、本当かどうかがここでわかると注目をする。

確かに「以前に比べれば」なら、いいと言える。「技の繋ぎに困ったら殴る、蹴る、ラリアット」 という悪弊はだいぶ消えたという印象である。ただ、試合がどうも、せわしなく感じる。

何が原因か・・・と思ったら、試合の上で「溜め」がないのだ。例えばラリアットはすぐ相討ち 状態になるとか、どこか王者としての余裕というか意地、が感じられないのだ。

押さえ込まれた森嶋がカウント1で返すところに至っては「森嶋が挑戦者なのか???」と 勘違いさせられてしまう。意地を張るのはそこじゃなくてさ、何発も蹴られたりラリアットを 食らったりしても耐えて、一発で仕返しする、というムーブなんかで意地を見せてはどうなの?

まあ、キャリア的には平均点以上、なんだけどね。次代のエースと言われたり、タイトルに 絡んで王者にもなってる、となると辛く考えざるを得ないんだよね。

「これで池田が戴冠でもしなきゃ、小橋と秋山のタッグ対決、メインのGHCジュニアタッグの 間に埋もれて終わりだな」なんて事を観戦仲間と言ってたら、池田が見事にやってくれた。
池田が勝つと想定しても、想像出来ないフィニッシュだったし。
記念撮影の後、本部席でマイクを持って池田が一言。「俺は森嶋のかませ犬じゃねえ」


8.GHCジュニアタッグ戦

○丸藤・KENTA(32:49 雪崩式不知火→体固め)マルビン・×鈴木

私は今日、鼓太郎が主要目的での観戦だった。TVを含めたこれまでの観戦では、やはり 一番の下っ端であるせいか、どこか先輩達への遠慮が垣間見えていたのだ。特に丸藤に 対する時にそれが見えていた。しかし、4・3のディファでのGHCジュニア戦や、4・27の ライガーとのGHC戦を観戦した人に聞くと、それらがだいぶ払拭されているらしいと聞き、 券を買う事を決意したのである。

実際に見て、その話は正しかった。なんといっても、小休止的なヘッドロックを鼓太郎が 出さず、試合を途切れさせないのだ。四天王プロレス華やかなりし頃、新日系のファンが、 「あんなのは新日ジュニアでやってるじゃん」と言っていたが、今日の試合は、当時の その二つと比べても、一つ上にいってるだろう。これまでのノアジュニアで、菊地や小川 が絡まない時にどこかあった、危なっかしさも見事に消えている。

金本がスーパージュニアの扱いの低さに対し怒りを表明していたらしいが、こいつらの 中に入って試合の質を落とさない事が、今の彼に出来るか、というと疑問である事から 考えると、別の形ででもスーパージュニアの試合のクオリティを上げなければ、その怒りに 説得力は生まれない。

試合が30分近くなってから、会場のあちこちで「不知火」を期待する声が聞こえてきた。

ふと時計を見ると、とっくに21時40分を超えている。「ああ、帰りたいんだな、こんな試合を 目の前にしてても・・・」私はノアファンではないが、少し悲しい。

案の定、客の1/4近くは、丸藤のフィニッシュ技が決まった直後に出口へダッシュ!
こんなのを観たのは何年か前の新日1・4ドーム以来か(苦笑)。


KENTAはその客の流れをちょっと気にしたようだが、何事も起こってないかのように、 勝利者インタビューが始まる。マルビン&鼓太郎への賛辞の後、やはり7・10東京ドーム に向けての話になる。ここで南側2階席から罵声が飛ぶ。

「新日とやって勝てるのか」的なのがしつこく何度も何度も。丸藤、KENTAは軽くいなすが、 しかし冷静に考えて、この2人がドームでタッグ防衛戦をやる、となるとGHCシングルで ライガーとやるのは金丸?杉浦?
こいつの言う事自体は的外れなんだが、ドームでタイトルを獲り返す、となるかどうかは 難しいところかもしれんね、ある意味。

さて、次の観戦は来週末の北都プロレス旗揚げ戦だ。予定に入れちゃったから、今度は 寝過ごさないようにしなきゃ。




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