NEO九州遠征
■団体:NEO
■日時:2004年5月21日22日
■会場:久留米リサーチパーク、シーハットおおむら
■書き手:凸ユーレイ

 NEOの九州遠征である。

 1戦目。西鉄急行で久留米より1つ手前の宮の陣という駅から、15分、何も無い、田んぼの中を歩き、筑後川に架かる大きな橋を渡って、久留米 リサーチパークに到着。

 道すがらにポスターが1枚も貼られておらず、会場について初めて、「第1部歌謡・ものまねショー」「第2部プロレス」となっているのを知 る。ン????

 第1部のトップバッターは峯崎舞子という演歌歌手。東京でデビューしたはいいが売れず、地元で活動していらっしゃる方らしい。キャリア12年 というが、39歳の私より明らかに歳上に見える。
 この峯崎さんの妹(これも歌手・女優らしいが見たことない)も登場、こちらは若くて可愛かったが。
 「小指の思い出」が聞けたのが良かったかな。「プロレスのリングに生まれて初めて上がりましたが、マットがふかふかで柔らかいんですね」 と、何やら言ってはいけない系の一言も。


 つづいて第1部は、北海太朗という芸人のものまね。芸歴40年、「昭和40年上方お笑い大賞銀賞云々…」とズラズラ受賞歴が紹介されていたが、 まったく存じあげませんでした。
 まあ、坂本九と植木等は似てたかな。ものまねの合い間の喋りが全くつまらない。ヘタな客弄り、みのもんたと綾小路きみまろをヘタに混ぜたみ たいなのを長々とやる。つまらない。・・・


 特別リングサイド7000円の席だったが前から6列目(最後尾)、それでも演し物の最中に本とか読んだら可哀想だし、ロビーに出て煙草吸った り、第1部のあいだじゅう時間を潰すのに苦労しました。


 この日は興行終了後、博多に戻って友人宅に泊めてもらう予定だった。  プロレスだけなら18時半開始、20時半ごろには終わるだろうと予定して伝えていたのに、予期せぬ歌謡ショーがダラダラ続いてなかなか終らな い。
 ようやくプロレスが始まったのが20時半。しかも入場式まで律儀に。


 とはいえ、いつものNEOのテーマ曲が流れると、知らない土地で古くからの知己に会うような、なんだかホッとした気持ち。


1.○椎名由香(10:37ラ・マヒストラル)×仲村由佳

 開始早々、両者が互いに敵をロープに磔、「イクゾー」と煽る応酬を見せただけで沸く場内。
 よかった。あきらかに戸惑いが場を支配した第1部より、空気が暖まった。

 2年前来たときにも感じたことだが、久留米はプロ レス好きな土地柄なのかも。さすが坂口征二を生んだ町。今回は、前回よりもワンランク、素朴な人々が集まっているように思ったが(発表473 人)。

 あと、九州の893関係の人達は、東京より、髪型が異常にキマッているような気がした。角刈りにしろオールバックにしろ… あ、一般人かも しれません、一般人でもソレっぽい風体だということで…  893さんは今回、入口近くで、ビールなど飲料販売を担当。

 試合のほうは、グラウンド、軽くラフファイト、場外乱闘があり、両者のラマヒストラルのかけ合いの末、終了。このフィニッシュ、小じんまり していて、素朴なお客さん達には分かりにくかったかも。


2.○武藤裕代(フリー)(7:53垂直ブレーンバスターから)×松尾永遠

 地方で地味〜に元Jd'対決が実現。JDから退団者が続出しているので(先日アストレスの東城えみも離脱)、今後各団体で増えていくかもしれま せん。

 大きい武藤にかよわい松尾、この対比だけでウケる要素が備わっている。
 武藤の頭突き、雪崩式ブレーンバスターの衝撃音で沸き、松尾がなかなか逆エビに返らない大きな敵を上からの張り手をかまして返し、やられ続 けた終盤、逆襲のジャーマンを決めては沸く、お客さん。


3.○田村欣子、倉垣翼(JWP)(14:09パトリオットバスターから)×タニーマウス、米山香織(JWP)

 米山、私には初見の新コスチューム(紺・銀・黄ラメ)。

 タニーがよく喋る。

 敵をコーナーに押しこみ、「ヨネ行って来ーい」と対角線にパートナーを振って突撃させるが、カウンターの前蹴りを食らって米山撃沈。こっそ り忍び足で控えに返ろうとするタニーだが、見つかってしまい(当たり前だ)、お前も行けと振られるが、米山振り返されやっぱり撃沈。

 コブラツイストに捕まって「ヨネ〜助けて〜」。声もデカイのでやはりよく沸く。
 「フゥ〜跳び」も見せる。お約束性が強いネタだけに、ウケが心配だったがそこそこ笑いをとる。
 米山が捕らえた相手にエルボー、1度目は自爆、2度目も躱されたが寸止め、2人両手を水平に広げて「セ〜フ」。相手チームに「んなわけねえ だろ」と突っ込まれる。

 田村は体調が良くないのか?終盤、受け身を取り続け、最後に逆転する役でのみ出演。

 倉垣はおもに序盤、回転系・空中系の動き(敵の連係クローズラインを側転で切る、セカンドロープ飛び乗っての反転ドロップキック、ケブラー ダ)で目立っていた。
 米山の、いろいろな入り方をするカサドーラ、ラナは、高度過ぎて分かりにくかったかもしれない。


メイン ○井上京子、春山香代子(JWP)(18:55ナイアガラドライバーから)×元気美佐恵、宮崎有妃

 石田リングアナに「地元福岡県出身」と紹介された春山。京子からは、檄を受けたりタッチするたび「ジモット」と声をかけられ、敵の宮崎から はゴング直後に「何が地元だー」と恥ずかし固めを決められる(京子がレフェリーに、「地元なのに…」と真顔で抗議したのは可笑しかった)。

 京子が絶対的なベビーフェイスなので、自然と元気組がヒールになるのだが、元気も宮崎も春山を捕まえてなかなか京子に登場の機会を与えず観 客を煽る、巧い。

 そんなわけで、やられ役だった春山だが、郷土の選手を苛めてヒートを買う、というには本人の知名度がほとんど無いので、パートナーがやられ て怒った京子が仕返しに爆発、というほうが正しいような展開に。春山、ロープワークの途中、足がもつれ転倒する場面が。膝が悪いのだろうが、 弱弱しく見えてしまうんだよな。

 京子のスティンクフェース大受け。東京から来ていたファンの「京子ちゃ〜ん」「美佐恵ちゃ〜ん」の声援がかけ合いのようになり、京子がイチ イチ反応、これも地元のお客さんの笑いを誘う。

 宮崎はあい変わらず意味がやや不明なトペ式回転エビ固めを、春山は、得意のダイビングギロチンの、距離が合わなかったのかセントーンに変え て放つ。それはそれで威力があるように見えた。



 九州2戦目。
 大村駅から、また15分ほど歩いて会場へ。駅前に飲み屋が多かったりマンションが建ってたり、人の多い町だと思ったが、やはり興行のポスター は貼られておらず、もっとも気になっていた「今日も歌謡ものまねショーを見せられるのか」という問題への解はなかなか与えられず。会場につい て「あ、やっぱり今日も…」ということになりました(苦笑)。

 シーハットおおむらは2年前にも来た会場。そのと きは九州在住の友人と2人スタンドからの観戦だった。

 今回は、7000円払うと入口にいた関係者の方?のご好意で、席番のついていない席を最前列に作ってくれる。ガラガラだったのに、どういう配慮 だろうか?

 ガラガラ(発表196人)なだけでなく、地元のお客さんは今一つ、プロレスを楽しみに観に来たという感じがなかったような。お年寄りが多く、 若い衆は学生時代の同級生が久しぶりに会ってたり、そんな、村の青年部主催の慰労会みたいな雰囲気だった。逆にむしろ歌謡・ものまねショーの ほうが受けていたような感触も。長与千種を生んだ土地なのに(力道山を生んだということになっている土地なのに)… 

 かく言う私も、峯崎舞子の「絆という名の酒場」なる歌、ちょっと覚えてしまいました(笑)。「リングふかふか」発言はこの日はナシ。頼まれ たか。

 ものまねの北海太朗は、前夜ウケなかった春日八郎をやめたり、小ざかしい微修正をしている(笑)。峯崎さんの歌の間はずっと着席していて、 北海に替わると席を立った私だったが、植木等のところだけ戻って聞く。一緒に口ずさんでしまうほど、歌そのものが好きなので。


1.○椎名由香(8:09STF)×松尾永遠

 小気味よくキビキビとスピーディなファイトの椎名、続けて第1試合を任される(私の観なかった3戦目は違ったようでしたが…)。ただ、フィ ニッシュはこの日も分かりにくかったかも。蝶野が使うならまだしも。観客も「え?もう終り」って感じ。
 椎名のセコンドに春山。仲いいな。

 松尾は、大小・強弱の対比で見せることが可能だった前日に比べると、まだまだ。動きに説得力が低いんだよね、蹴りとかちゃんと当たってな かったりするし…


2.○宮崎有妃(8:41ムーンサルトプレス)×米山香織(JWP)

 東京でも見た記憶が無い、興味深いシングルマッチ。

 米山の、相手をキャメルクラッチに捕らえて耳元で「ギバーップ!」でやつが受ける。京子の次に受けていた。わかりやすいもんな。あと、同じ くキャメルから、鼻の穴に指入れる応酬とか。
 宮崎、ボストンクラブをかけてさらに敵の爪先に噛みつき。「噛んでる噛んでる」とアピールされレフェリーがチェックすると口から吐き出す、 繰り返し。とうとう見つかるとペッとレフェリーに唾を吐きかける。宮崎、微妙にヒール風味なの、巧いな。この日は場外で、エプロン駆け上がり 式ドロップキックを見せる。
 米山の各種丸め込みは、やっぱり高度過ぎるのか、いまいち沸かず。
 米山のセコンドに椎名。


3.○元気美佐恵、倉垣翼(JWP)(14:48Gドライバーから)春山香代子(JWP)、×武藤裕代(OK)


 前日は「フリー」とアナウンスされた武藤、この日は「チームOK」と紹介される。本人からの変更の要求だろう。チームOKとは、JDと契約をしな かったブラディー、ファング、KAZUKI、おばっち、MARU、斎藤とのユニット名。

 ともに固い頭の武藤と倉垣、意地の張り合いで延々と頭突きのラリー。鈍い音が何度も響き、もうそれぐらいにしておけと双方のパートナー、元 気と春山がそれぞれ止めに入るが巻き添えを食って頭突きでダウン、という一幕あり。

 その武藤、実戦が少ないためか動きに若干もたつきがあり。対する倉垣、前夜同様、側転で敵チームのクローズラインを切る、片足ずつ2人まと めてミサイルキック、セカンドロープ飛び乗り式ドロップキック、ケブラーダとこの日も目立つ。

 春山、敵に背を向け観客にアピールしたところを逆襲される場面がままある。大昔の、人気がなかった頃のジャンボ鶴田や、なんとなくイメージ 的に永田裕二を連想する。この日もダイビングセントーンを披露、してみると、膝のダメージを考えての得意技の変更なのかもしれない。あと、 ローリングクレイドル(反対回し付き)はウケていた。セコンドは椎名。仲いいな。

 この2連戦、元気について特に言及することが出来なかった。申し訳ない。6・13キネマ倶楽部大会で、元気 vs 武藤のAWF世界選手権試合がある ようです。


メイン ○井上京子、仲村由佳(21:51ナイアガラドライバーから)×田村欣子、タニーマウス

 仲村、私には初見のダイアル固めやインディアンデスロックを見せる。終盤グロッギーになり、京子にローンバトルを強いたものの、立派にメイ ンの大役を務めた。

 タニーの「フゥ〜跳び」、ここが北沢タウンホールであるがごとくに、場外でセコンドとともに、観客をも巻き込んでダウンした相手の上で手を ヒラヒラさせながら跳ぶ。やりたい放題。しかし飛ぶ瞬間は笑いが起こるんだが、「3だろ〜!」は意味が通じてないんじゃないだろうか(笑)。

 タニーにしても、仲村のジャンピングニーからの「おー!」にしても田村の「エースクラッシャー!(観客唱和)」にしても、東京と同じお約束 のネタを堂々と演じる。東京から遠征についてきたファンが助けてはいるのだが。

 タニーのパロスペシャルとキン肉バスターは、プロレスには詳しくないような若い客にもウケていた。  

 田村は地方だとまったく目立たない。

 前日の元気にしても、東京で何度京子に勝ってメインを張っていても、ひとたび地方にでれば、スティンクフェース、ダンシングツリー、「ゲッ ツ!」からのラリアットなど、客受けの点からでも、勝敗の説得力という点でも、京子にまるで敵わない、ってことが今回よく分かりました。




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