こどもの日記念0505ZST5(ファイブ)ZEPP TOKYOトホホ観戦記
■団体:ZST
■日時:2004年5月5日
■会場:ZEPP TOKYO
■書き手:地獄犬SUN

今成の判定を不服とした離脱、それにくっついてヤノタクも離脱(ただし、鎖骨骨折中なのでいずれにしろ出場はムリ)と前途に暗雲立ち込める

ZST、KOK直前のリングス並みの寂しい試合数わずか5試合。

まぁ、ここ3大会ばかりトーナメントやっていたもんで10試合とかが当然みたいな気がしていたけれど、少ない試合数でも充実してりゃいいじゃな いか、とかなんとか思いながら会場についてみたらやたらに人がいる。後で知ったのだがZSTはじまって以来の満席だったそうだ。

いや、おれの前の列4席分くらいは最後まで誰も来なかったけどね。チケットは売り切れだったらしい。

ジェネシスバウト(早い話が前座)全10試合サクサクと進行する。

ここで印象に残ったのは折橋。ただし、悪い意味で。デカいばかりでキレは無いパワーは感じさせない愛嬌も無い。かつてリングスで試合をした相 手、日本ヘビー級2(1は高阪)の声があがるまでに成長した横井とはちんとてほどの差がついてしまった感がしたのであった。


■第1試合
宮野 孝裕(宮野道場)空手界の撃墜王
 VS
ダリウス・スクラウディス(リトアニア)顔の怖いレミーガ

宮野、大会荒しの異名があるらしいが実はなかなか童顔。空手衣着て入場。試合では上は脱いだ。

ダリウス、ビデオを見る限りではそうは思わなかったのだが現物をみたらたしかにおっかない顔をしている。

宮野、アガっているのかもともとそういう動作の人なのか、どうも動きが硬くてぎこちない。蹴りはいかにも空手家らしい膝をいったん抱え込んで から足先を飛ばすような二段モーションだがなかなか速い。

が、打ち合いになって押されまくり。パンチをもらいながら後ろに下がってしまう。

何度目かの打ち合いのさなか、ふと空いた間合いからダリウスの飛びヒザ。これが見事に顎にヒット。

宮野昏倒。

このヒザ蹴り、相当効いたらしく目を覚まして引き上げる宮野、何度も同じしぐさで同じ事を繰り返し喋っていた。かと思ったら途中でいきなり崩 れ落ちて担がれるように退場。さらにこの後レフェリーやリングドクターが何度か控え室と往復していた。


■第2試合
花井 岳文(Twist)真・足関十段
 VS
佐東 伸哉(P’S LAB東京)ハイブリッドこんにゃくレスラー

佐東、改名したのか。名字を変えるって珍しい。おれは変則好きなもんでプレミムチャレンジで打撃でボコボコにされながらもクネクネと関節を取 りに行く佐東(当時は佐藤)にはちょっと萌えて、佐東(当時は佐藤)どうしているんだろうZSTに出れば良いのにと思っていたら出場だ。嬉し い。

花井は...顔立ちは二枚目なのかも知れないが、ちょっとなんつーか、頭でっかち?バランス悪い、つーか髪型膨らみ過ぎ。あれ、パーマ失敗し たんだろう。

こんにゃくファイト炸裂かと期待したら意外なほど鋭い打撃で佐東が攻勢に立つ。花井、足を取りに行きアンクルかアキレスかヒールか、よく見え ない。

スタンドになると佐東またまた結構鋭い打撃を見せる。花井、やや及び腰。

苦し紛れな感じで組み付いくるのを潰した佐東の両足が花井の左腕に絡みつく。手は右腕を絡め取る。腹固め。極まらず。あまり惜しくない。

花井、関節よりとりあえずグランド打撃に活路を見出したいようだ。手足を取るよりパチンパチンとボディを叩く。

インターバルの間、佐東泣きそうな顔でセコンドと話をしていた。泣きそう、というか本当は泣き顔に見えた。大人なんだからまさか試合中に泣き はすまいああいう顔なんだろう、と思ったのだ。

2ラウンド、佐東のかなりいい感じの左フックがヒット。ガクンと崩れ落ちるかに見えた花井の土下座タックル。ここで突き放して打撃戦に持ち込 めば佐東の勝機があったのだろうがそのままグズグズとグランドへ。

このラウンドだったか、仰向けの佐東に向かって花井が浴びせ蹴りみたいな動きを見せて避けられていたが、あれなんのつもりだったのだろう。セ ントーンか。


3ラウンド、両者スタミナ切れ。グタグタともつれ合いパチンパチンとボディパンチ。 弱ったな。二人とも良い所出ないじゃないか。特に花井、実は攻める気無いんじゃないかと思えるような安全運転。安全運転したって判定自体無い ルールなんだから勝ちにいかなきゃしようが無いのに。負けるよりは引き分けが良いか。そりゃそうか。

てなわけで、時間切れ引き分け。

引き分けと言えば、佐東が何を狙ったのか跳んだら花井が低空タックルに来て頭の上跳び越した珍しいシーンがあったが、両者役割を交替して同じ シーンがもう一度あった。珍しい。


■第3試合
大石 真丈
(SHOOTO GYM K’z FACTORY)第二代修斗世界フェザー級王者
 VS
内山 貴博(総合格闘技武蔵村山道場)世界の(予定)奥多摩の男

大石、「ジャッカル」のあざなは縁起が悪いとかで外したそうだ。今日もなかなか分別のありそうな大人の雰囲気をただよわせている。

内山、リトアニアでの試合映像が流れるがよくこれだけ打たれて逆転勝ちできたもんだと思わざるを得ないボコられっぷり。

大体なんだよ、世界の奥多摩の男、って。象は鼻が長い、かよ。それに武蔵村山は奥多摩じゃないだろ。瑞穂町とか青梅市とか間にまだまだある じゃないか。ネタにマジレスカコワルイ。

まずは打撃から飛び込んだ内山が引き込んだのか大石のテイクダウンかグランドへ。 大石が身体を密着させようとするが内山足を利かせて入らせず。両者決め手なくブレイクがかかる。

ふたたび打撃から今度は本当に引き込んだ内山。が、これをチャンスとしたのは大石。腕を取られたと見せかけて逆に腕十字の体勢に。内山もがい て逃れようとするがついに極まる。

ZST初勝利の大石、じつになんともホッとしたような表情が印象的だった。


■DOUBLE MAIN EVENT 1ST
レミギウス・モリカビュチス(リトアニア)小さなミルコ
 VS
所 英男(STAND)小さなヴォルク・ハン

前大会GT-Fトーナメントでは変な長袖シャツを着たまま試合をしていた所、こりゃ刺青でもいれたんじゃないかと思っていたのだが、そういうわけ では無かったようだ。

レミーガ、七三分けみたいな髪型になっていたがもあいかわらずの男前。

雪辱なるのかまた得意の失神か、という失礼な煽りナレーション、こういう失礼な扱いが似合うのが所の良いトコロ。こういうのって対象を間違え ると本当に惨めな感じになってしまうのだが、そうはならないのはある意味人徳(の、ようなもの)だな。


試合開始
KOの山を築いたレミーガの恐るべきパンチとヒザに対しては距離をとって様子を窺うかと思いきや、なんとパンチを振りながら飛び込む所。打たれ る前に打て。見る前に跳べ。

観ていて驚いたわけだが、たぶんレミーガもかなり驚いたな。これで所がペースを呼び込んだ。

打ち合いながら組み付いてテイクダウン、いつもの素早い動きで手足を取りに行く。 いきなり腕を取って腕十字。おおお。秒殺か。あ、抜けた。

所は押さえ込んで形を作って極めに行く、というよりスキを見つけてそこを取る、という観客にしてみたらじつにありがたい動きの多いスタイルな ので、その分自らもスキが多くなる...かと思うがそのあたりはよくわからない。今日の相手なら逆に極められる心配はあまり無いわけだが。

思い返してみれば所が勝ちだけを狙った試合といえばプレミアムチャレンジのヤノタク戦くらいのもので、相手が不得意の打撃でヒット&アウェイ という当たり前といえば当たり前の姑息な戦法ではあったが、あれ以外はとにかく「動き続けて取る」というさすがリングスファン出身な所スタイ ルな試合ばかりだ。


インサイドガードから上手いことヒザを割って正座のまま相手の身体を歩いてパスようなやりかたでマウントを取るとすかさず腕十字、しかしレ ミーガは相手の身体を持ち上げんばかりの強引な引っこ抜き方で逃げる。

強引なのである。ヤノタクは三角極めかけたのにこれで持ち上げられてバスター食らって鎖骨骨折したのだ。

ヒヤリとするようなレミーガのヒザ蹴りを胸に受けてそれを捕まえてテイクダウン。思い切って飛び込んでカウンターになることもあれば、このよ うに間合いを潰して威力を殺ぐこともあるわけだ。

再びヒザを割って相手の身体の上正座歩きパス。そして上から三角を狙う。

レミーガこらえる。身体をねじってひねってブリッジしてこらえる。が、ついにタップ。おおおおおおおおお、やったやったやった。所勝った。

所、それは嬉しそうにリングを駆け回る。観客は立ち上がり拍手で応える。

ZSTガールにはさまれて写真撮影。もう普通のあんちゃん。

不思議な選手だ。あんなにまで恐持てしない格闘家ってそうそういない。ちょっとオッチョコチョイのバイト君、みたいな風情なのに試合はやたら に面白くて、そして勝つ。

ああ、満員800人の観客の前だけじゃもったいない。もっとたくさんのひとに見られるべき選手だ。


■DOUBLE MAIN EVENT 2ND
マーカス“マキシマス”アウレリロ(アメリカン・トップチーム)第一回ZST・GP王者
 VS
小谷 直之(ロデオスタイル)去年まで無敗

所のダイナミック極まりない激勝に続いてZSTのエース復活なるか、と観客席の期待はふくらむ。でも、嫌な相手だよなぁ。硬いし地味だし面白く なくて強い。

後からチャンピオンベルト(たぶんZSTGPの)掲げて入場して来たアウレリロをじっと見据える小谷の目付きはなかなか鋭いものであった。

ふと気付いたのだが、やけに肩から腕が太い。こんな太かったかなぁ。筋トレかなりやったのか。

試合開始。
ああ、いかんいかん、小谷がスタンドで打ち負けている。さほど効く感じのパンチでは無いが小谷の当たらないパンチに比べればはるかに有効。そ の証拠に、小谷、あせって組み付きに行って、グランドに移行するとなんだか嫌な感じのポジション。

誘い水だな。あの打撃は。

クロスガード禁止おまけに守備的ホールディング注意されるというルールなわけだが、いくらそういうルールにしても動かない選手は動かないわけ だ。
いや、動いてはいるんだがね。微妙に攻めるような動きはしているわけだが、いやはやなんとも実に手堅いのだ。

誰が、ってアウレリロがだよ。

小谷もZSTにあってはかなりオーソドックスなタイプなもんでなかなか試合が動かない。 そうするとブレイクでスタンドに戻るわけなんだが、前に書いたように小谷が何故か打ち負け。そしてまた地味なグランドに。

そうこうするうちにレフェリーが試合を止める。
何事かと思えばアウレリロが目の上を切ったようでそのチェックと止血。が、たいしたことが無いようで試合再開。

小谷が飛び込んで胸を合わせロープに押し込む。左下手からテイクダウン狙ったところで再びタイムストップ。

今度は両者出血らしい。いやいや、アウレリロはたいしたこと無いようだが小谷がかなり出血しているようだ。

和田レフェリーが小谷コーナーまで行き何事か説明か確認かしている。

しばらくの止血処置の後、試合再開。観客喜ぶ。
すぐにグランドの展開になり上になったアウレリロが押さえ込んでいるのかと思ったらいつのまにやら方固めのかたちに。すると小谷の傷口から ジョワジョワと大出血。ジューサー肩固めか。

ここで、ゴング。
レフェリーストップでアウレリロ勝利。

喜ぶアウレリロ、悔しくて挨拶も忘れてリングを降りてしまう小谷、かわりにあわてて相手陣営に挨拶に行く小谷兄、あまり沸かない客席。

和田レフェリーから、次に出血したら試合は終わりの確認を選手とセコンドにした後の出血なのでレフェリーストップです、という旨の説明。この ひと、説明あまり上手くない。「あの」が23回くらいあった。「あの今の試合についてあのご説明あのいたします。あの両選手あの...」

マイク渡されたアウレリロが挨拶。
例によってコーチと観客と小谷に感謝の通り一遍なやつ。小谷は武士だそうだ。客席あまり沸かず。


総括
宮野の応援に来ていたらしい親子がすぐ目の前に座っていた。小学校低学年かと思われる男の子、宮野の試合こそ関心を持って観ていたようだが、 それ以降は退屈で退屈でしかたが無い様子でリング以外ばかり見回していた。騒ぐわけではなくおとなしくしていたのだが、子供には面白くなかっ たんだろう。

では、おれはどうだったのか、と言えば所の試合が素晴らしすぎて120点、大石が80点、アウレリロはもう来なくてもいい30点、ZSTガール二人しか いなかったけど小野寺愛ちゃんがいたから80点、その他モロモロ総合で75点ってとこですか。

音響やら映像についてはもう良くできていて当たり前、というレベルなので採点外です。メインの試合順が入れ替わっていたらもうちょっと良い点 数になったかも。

あ、試合数が少なくて休憩が一回しかなかったのでビール2杯しか飲まなかった。これくらいがちょうど良いっちゃ良いな。ってなんだか本末転倒 な感想でお終いです。




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