AtoZ初観戦
■団体:A to Z
■日時:2004年5月4日
■会場:後楽園ホール
■書き手:凸ユーレイ

 堀田の全女離脱、選手引き抜き、アルシオン乗っ取り、フリーになってからの中西の初参戦と、良くも悪くも話題を集めた旗揚げから10ヶ月。そ の間、早くも退団者を続発させるなど、運営に苦しんでいるAtoZ。私は初観戦。

 妙に横に長い、厚紙にカラー印刷のチケット、リングのエプロンにもでかでかとある団体ロゴマーク、タイトルマッチ前の記念撮影、などに微妙 なアルシオン臭さを残している。ただ、裁判に負けた小川宏はさすがに姿が無く、代わりに偽ロッシー(名物ファン)が最前列にw

 苦しい苦しいって聞いてたけど、けっこう入ってる(発表1180人。最近、女子では水増し発表あんまりありません)。

 開始前、取締役エージェントマネージャーの下田美馬挨拶「今日は、社長代行(ということになっている)フランソワーズが来ませ〜ん。という ことで私も好きなようにして、メインで西尾のセコンドにつきたいと思います」。

1.牛物語〜飛騨高山遭難〜
○さるぼぼ(5:27ヒダタカヤマ)×闘牛・空

 私が楽しみにしていたうちの1つ。Diamond!やNEOで見た、キャリアも浅いのに非常にネタ達者な牛と、おなじみさるぼぼが、どんな調和を見せ るのか。…

 期待は外れて、アッサリと終わる。双方ともに、持ち味・持ちネタは少ししか。これじゃあ牛は、他団体で見た方がよっぽど面白い。
 フィニッシュは、むりやり開脚させる、恥ずかし固めテイストのエビ固め。


2.バトル・オブ・A-スピリッツ
○玉田凛映(3:35ミサイルキックから)×北尾ゆかり

 北尾、タトゥーかと思うほど大きなアザが左腕に。アゴにも内出血の後があり、堀田のセコンドについて全女で乱闘に巻き込まれたりしている、 その奮戦ぶりは伺える。

 玉田、動き悪し。それでもミサイルキックだけは流石に往年を髣髴させる。

 試合後、いつの間にかセコンドについていた、アルシオンReDRΛG時代からの盟友GAMIがマイクを渡す「体調が良くならないんですが、私はもっ と上を狙っていきます、最後まで… 8月22日の後楽園で、引退します!」。

 うーん。上がつっかえてなかなか辞めないままに、納見、藤田、玉田と、中間層が先に次々に辞めていくんだな…


3.ファイティング・テクノロジー
○玲央奈(5:00REO-NAストーンから)×賀川照子(M's)

 汗をかきかき動いて声出して、一所懸命痛がったり驚いた顔したり、ひたすら真面目にきっちりプロレスする、ストロング高瀬(玲央奈)と、天 然ヘラヘラお嬢様のてるりん(賀川)。どういうふうに噛み合わせるのか、期待半分不安半分の試合は、不安敵中どころか高瀬が賀川のキャラをま るっきり殺したまま、またしてもあっさり終わる。
 フィニッシュは前宙式のダイビングセントーン。


4.バトル・オブ・J-スピリッツ
○阿部幸江(8:15ラ・マヒストラル)×坂井澄江(フリー)

 この日4つ目にして初めて面白かった試合。

 坂井の入場曲「Butterfly」、この日は早送りしたようなハイテンポのアレンジ。
 坂井沸かせる。序盤、場外へ「阿部さんひさしぶり〜」と叫びながらのダイブ。他にはコーナーから、ぶら下がり式スパイダー・フロントネック ロック(意味あるのか?笑)。

 このところ、憑き物が落ちたように立て続けに、元Jd'勢と当たっている阿部ちゃん。坂井とも、動きを身体が覚えているのだろう、息のあった 試合運び。開き直ったかのように付けられた「J-スピリッツ」という試合タイトルに恥じない。

 同じ入り方のビクトリーAクラッチ(羽根折り固め)を1度だけ交えて、あとはラマヒを連発して追い込む阿部ちゃん。しつこいしつこい。5回 目ぐらいにガッチリ入って勝利。軽い驚き。というのは、先輩は阿部の方だが格は坂井だと、こちらが勝手に考えていたから。

 それにしても坂井はいいね。ジャガー横田と井上京子に師事する、この小さなゾンビみたいなレスラーを、プロの職人として、我々はもう少し見 直した方がいいかもしれない(我々って誰?)。


5.Diamond! Jr.5 選手権
○未来(王者)(8:29グラウンド卍)×木村響子(JWP、挑戦者)

 私のこの日の楽しみの2点目。だったが…

 お互い、自分の持ち技を順番に出していっただけ。木村は前腕パンチ、ドロップキック、首4の字、脇固め、V1アームロック、フライングクロス チョップ。4・29のキネマで見せかけたブレーンバスターにも、「決めるぞ」の掛け声とともに再びトライしかけたが、この日もやっぱり未遂。木村 は表情も固い、というか、感情に乏しいような顔つきだった。現段階では、それが一番のセールスポイントなのに…

 3・7、王者を決めたトーナメントの、準決勝で当たった試合が良かっただけに、この内容は惜しまれる。


 休憩。ここまで1時間しかかかっていない。省エネすぎるんじゃないのか?
 ここまでの試合、他所からの選手に、セコンドはAtoZの練習生、浦井佳奈子だけ(自団体選手には牛や西尾や玲央奈)。普通なら、他所の若手が 付きそうなもんじゃない?

 紙テープは、他所の選手には皆飛ぶが、AtoZの選手ではここまで未来に飛んだだけ。何か規制してるのでしょうか。

 以上2点、どこまでどういう効果があるのかわからないが、何かしら経済性効率性、スピードアップを考えてのことなのか。そう考えれば、坂井 のテーマ曲のアレンジもその目的に沿わされたものと思えなくもない(笑)。  しかし、省力化、早い進行も結構ですが、それで試合内容のほうまであっさり味気無くなっては本末転倒。


 休憩は30分。前半5試合に1時間、休憩30分ですぜ。
 どこも経営が厳しい女子プロレス団体において、現金収入に直結するグッズ販売の時間を、少しでも多く確保したい事情はよくわかる。わかるけ れどもこんなに露骨なのは…


 じつは3点目に楽しみにしていたこともあったのだがお流れに。この日ももちろん、先輩が出場する他団体それもその先輩の試合だけでなく興行 中、セコンドの雑用で走り回っている、浦井ちゃんのデビュー戦が予定されていたのだが、怪我で延期。お詫びの挨拶があって、6・16後楽園になる そうだが、この日のAtoZの体たらくでは、観に行くかどうか微妙だなあ。


セミ Real Poison Wars
○前川久美子(全女)(14:38カカト落としから)×GAMI

 暴走社長・堀田のパートナー前川登場。この日はじめて、他団体からのセコンド(前村)がつく。
 4・3お台場SDM大会で生じた因縁で組まれた一戦らしい。

 やはり前川の半笑いで始まったこの試合。足でプロレスする女のイメージに無いが、グラウンドでも巧みに相手をコントロールし、主導権を渡さ ない前川。

 逆にGAMI。先述のお台場での前川との絡みで、プロレス人生で初めて記憶が飛んだらしい。15年もやってて初めてかい。私の中にあった「強くて 上手いGAMI」のイメージが少々崩れつつあるが、それがこの試合でも実証されたような。

 パワーボムに抱え上げられかけ、その勢いのまま前川の背後に滑り落ちたGAMI、瞬間「痛たた」膝を抱える。変なふうに力が入ったのか抜けたの か、こちらも腰を押さえてうずくまる前川。  試合が中断され、GAMIの回りをセコンドが取り巻く。「大丈夫?」と玉田。レフェリーのトミーが「いいか、止めるぞ」と言った瞬間、輪の中か ら踊り出てメガホンで前川を殴りつけるGAMI。な〜んだ。わかってみれば、1人1人のセリフがわざとらしかったような。

 そこからしばし、GAMIワールド。セコンドの前村をなぜか攻撃。毒霧。コーナーへのカカト落としを、よけてみればいつの間にか金具が剥き出し に。など。それぞれ間が良かった。

 終盤、蹴り蹴り蹴りで結局前川が勝ったが、なぜかGAMI「2ちゃう?肩あげたで?」と首を傾げながらジェスチャーで、無言でしつこくトミーに 尋ね続ける。チョトワラター


メイン AtoZワールド選手権
○堀田祐美子(王者)(13:56ピラミッドドライバーから)×西尾美香(挑戦者)

 玲央奈との挑戦者決定の連戦を、病欠で中断したりやっとこさっとこ勝ち越して、たどり着いた西尾のチャレンジマッチ。この日AtoZ勢で2人目 の紙テープが飛ぶ。セコンドに、ジャージ姿、ピンクにカラーリングされたパイプを持って、臨戦体勢の下田。

 西尾、初っ端マイクを握り「お前、それ無しでも強いんだから、今日はチェーン使うな」堀田「(ニヤ〜)そうだな、お前相手ならコレ使わなく ても勝てるな」どうして堀田のマイクって、変に巻き舌だったり変にキッパリしたり、してるんでしょう。

 言った口も乾かぬうちから、さっそくの場外乱闘でチェーンを使いまくる堀田w。巻きこまれまくる下田、下田に絡みまくる前川。長すぎて飽き が来るほど存分な場内引き回しの刑のすえ、流血してリングへ戻された西尾、その後大技で反撃したり、レフェリーが巻きこまれてダウンしたり、 誤爆したり、下田がたっぷりとタイミングを取ってパイプ椅子で乱入したり、その下田がやられたり、んまあプロレスらしい派手な展開。

 負けて堀田と対峙する西尾。下田が、さあ殴れと椅子を渡すが、その矛先が向けられたのはなんとその下田。西尾「自分は辞めた人間の下でやっ ていくつもりは無い!」堀田につくわけでもなく、独りでやっていくと退場。

 堀田は堀田で、ベルトはいらんと泣き顔の下田に投げつけ「また裏切られちゃったね(これガチじゃないのか笑)。ベルトは裏切らないよ」と意 味不明なマイク。

 このあとチラと名前を出していたが、浜田文子のWWWAに興味津々AtoZの王座はいらないんだそうだ。(´_ゝ`)フーン。

 全女とGAEA(とAtoZ)、何をどう回していくつもりなんでしょうか。

 団体内に目を移すと、試合後その他大勢が団結、玉田が「暴走を止めようよ」なんて言ってたが、正直、堀田の突出したキャラに匹敵できるの は、引退している下田だけだろう。この日も伏線張りまくりで、復帰への道が秒読みに入ったような気もするが… ワンマッチ限定で、とかありそ う。




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