GAEA旗揚げ9周年記念興行
■団体:GAEA
■日時:2004年4月30日
■会場:国立代々木第2競技場
■書き手:凸ユーレイ

 個人的な好みとしては3・14NEOの方であるが、客観的に出場メンバーを見ると、こちらの方がオールスター戦の名に相応しいと思われる、GAEAの 旗揚げ9周年興行。2日前の闘龍門に続けて代々木第2。

 演出にはさすがに金をかけていて、闘龍門には無かったビジョンが2基。私はスタンドのヒナ壇にいたんですが、入場式で自分の後ろにズラリと 選手が並んだのにはオドロイタ。以降、選手入場はすべて、スタンドの中段から現れるという形。

 上の方に若干空席があるとはいえほぼ満員(発表3200人)。プロレス全般に詳しいわけではないが、GAEAだけを昔からテレビ等で見ている、と いった客層が多いように感じられた。年配の方の比率が高いような。こうした層を持っているのは強いよな。


1.植松寿絵、○輝優優(11:14エルボーで)Hikaru(全女)、×林ひとみ

 全女がGAEAのビッグマッチに上がるのである。
 まあHikaruは、BPM(ブラットパックマッチ)絡みだし若手なので、それほどのインパクトがあるわけではないが、前川にアメコンもである。
 興行が進むにつれて、GAEAと全女が組んで何かを企んでいる雰囲気がそれとなく匂ってくるのではあるが、とりあえず林・Hikaru組は、いつもの ファイトに比べればなぜか元気が無った。

 セコンドに、全女の水嶋みたいな小っちゃいのがいたような。林に続く練習生か? あ、水嶋「も」いました。笑

 この試合に限ったことでも、GAEAに限ったことでもないが、フォールされているパートナーのカットに入る時、上から踏んだり叩いたりするだけ では本来、カットにならないのではないか。敵のカバーを外すような動きをしなければ。

 輝は本人的にこんな位置でいいのか…(哀


2.○アイガー with 沖野小百合(LLPW)(7:32呪縛)×獣神サンダー・さくライガー(広田さくら)

 広田のコスプレ、アイガーにかけてライガー。テーマ曲、マント、もちろん覆面つき。

 アイガーを私は初見。リング上で微動だにしないアイガーに焦れ、独りでロープワークから受け身を取りまくる広田。  アイガー場外へ。暴れて最前列の椅子を奪い取る。調教師役の沖野に叱られ、素直に椅子を戻す。

 「お前、意外と良い奴だな」と、ロープを上げてリングへ迎え入れる広田。と見せかけて、インする瞬間手を離し、アイガー股間を痛打。

 広田の背後にピタリと隠れるアイガー。「どこだどこだ」と広田。

 何もされてないのに前や後ろにバッタリ倒れるだけのアイガーを尻目に、豊田の物真似「ヨッシャイクゾー」からコーナーに上る、と見せかけて ポスト上で3点倒立する広田。

 対抗してアイガー、対角コーナーでポージング。

 ひとしきり攻撃して自軍コーナーへ帰り、沖野に頭をヨシヨシしてもらうアイガー。

 とうとう沖野が乱入、竹刀を振りかざすがことごとく空振り、誤爆。その間が絶妙で。ついにはときめきメモリアル(キス攻撃)を食らってしま う。

 広田、アイガーにはボラギノール(浣腸)を決めるものの、腕サソリ固め(=呪縛)をかけられてすぐギブアップ。

 試合後に、アイガーの口から噴射されるパウダー攻撃を受け、泣きながら広田「こんなに入場が長い相手はアジャコング以来だ! 9周年やってき て、いろんな奴がいることを知りました!」ちなみに広田はGAEA旗揚げ2年目にデビューしているので、まだ丸8年ぐらいなんだけどね(笑)。最後 に捨てゼリフ「みんな〜 国民年金はちゃんと払えよ!」。

 前日のJWPに出たECOといい、ちょっと前の話だがbaby-A(M)といい、LLの中堅層は、それまでに何かストレスでも溜まっているのでしょうか。

皆、ガラッと変身しますな。


3.○吉田万里子(M's)(11:27エアレイドクラッシュから)×カルロス天野

 これ、単なるスパーリングみたいになるかと心配していたら、意外に面白かった。  双方とも、関節技の入り方が、速い、きれい、工夫している。
 どちらかといえば吉田優勢で進むが天野、要所要所でカルロスゴーン(スタンドでの飛びこみ式ヘッドバット)、鮮やかな飛びつき腕ひしぎで反 撃。エアレイドクラッシュも、下からの三角締めで切り返したり、滑り降りて回転エビに丸め込んだりしたが、4度目ぐらいにガッチリ捕獲され、 落とされて fin。


 吉田のセコンドは遠田ちゃん(萌

4.○尾崎魔弓(フリー)、KAORU、井上貴子(フリー)(13:28シャイニングヤクザから)×デビル雅美(フリー)、ダイナマイト関西(フリー)、イーグ ル沢井(LLPW)

 この日、試合数が多いだけに休憩は無く、サクサクした進行が心がけられていたようだ。
 で、私はこの試合の序盤を第1煙草タイムに設定。前々日の闘龍門の時は寒かった喫煙所が、この日は生暖かい。昔はこの会場も、建物の中で煙 草が吸えたのに、変な法律が出来たおかげで…

 戻ってみると、何やら罵声が飛び交っている。リング上には追放されたはずのポリス! 太ったなあ。私の隣に座っていた年配のご夫婦が「おデ ブちゃんになったわねえ」なんて言ってる。この人達、GAEA内のことについては詳しかったが、外からきた選手のことはやっぱりほとんど知らない 様子だった。

 場内のファンは素直に熱くなり、ポリスが乱入するとヒートアップ。こういうファン層を育ててるのもGAEAの強みだよなあ。
 イーグルがベビーの立場になるのも珍しいっちゃあ珍しい。

 内容は、あい変わらずドッタンバッタン、入れ替わり立ち替わり、スカして切り返して、連係、誤爆、見得を切る、独特な間の、GAEAらしい試 合。

 欠場から復帰戦のKAORUも元気そうでした。


5.○堀田祐美子(AtoZ)、前川久美子(全女)(14:54ピラミッドドライバーから)×豊田真奈美(フリー)、山田敏代

 堀田がGAEAに上がるのである。
 豊田の全女退団→GAEA登場を機に使われた“元全”というアングルに、堀田が反発してガチで乱入、その後昨年4月の旗揚げ8周年のビッグマッチ に出場、アジャと喧嘩マッチを行なって以来のことである。

 堀田の強行出場には、当時彼女が在籍していた全女の、若手選手をGAEAと交流させたい、そのきっかけに自分がなれれば… との意図があったと されている。堀田の離脱後、BPMという形で交流が実現するようになったのはなんとも皮肉な話であるが。

 入場。

 堀田のパートナーは、団体の垣根を越えてその暴走に伴走する前川。
 元・黄金コンビの豊田&山田、スタンド中段から姿を現してその場でがっちり握手。ちょっとカッコ良かった。しかし試合では…
 アノ豊田真奈美が、蹴られて蹴られて蹴られまくって、一方的な敗北。アノ豊田真奈美にこんな扱いをしていいのか(笑)。
 豊田側にしてみても、GAEAを出たら他に行くところは無いと思うが、中にいて今後この2人にリベンジする機会はあるのだろうか…

 GAEA側が負けて、痛快な気持ちがすると同時に、やや不可解な思いも残った一戦。

 前川はいつも通り、ニヤつきながらの序盤。いいね。山田と全女式押さえ込み合戦したり、終盤にはレフェリーを捕まえて、堀田がチェーンを使 うのをチェックさせないまま豊田との一騎打ち状態に持ちこむ、名演出ぶり。

 で、フィニッシュも、脚にチェーンを巻いてのニールキックから、堀田の得意技で。


6.○アジャコング(フリー)(14:15裏拳から)×アメージングKONG(全女)

 前述の、堀田とGAEAとの騒動の後、当時アルシオン社長だった小川宏の発案で、アテツケに全女にあがることになったA・コング。
 今では立派に、偽者ではなく自らのアイデンティティを確立しているアメージングKONGがそれである。アジャと小川の民事訴訟が和解したことも あって、堂々のA・コング対決。

 ではあるのだが、試合はなんだかドガチャカしてただけで印象に薄い。アメコンの負け方が大人し過ぎるような。

 私は決着がついてすぐ、第2煙草タイムへ向かった。

セミ AAAWタッグ選手権 
○長与千種、ライオネス飛鳥(フリー)(挑戦者)(19:28二段蹴りから)×永島千佳世、シュガー佐藤(王者)

 入場前に間に合う。前フリのビデオ上映が長くて助かった。
 スタンド内の通路から自分の席に戻ろうとしたら、客席中段を入場ゲート代わりにしている関係上で止められてしまったのだが、それが却って幸 いで、王者組の勇姿をごく間近で見ることが出来た。

 試合はこの日のベストマッチ。それすべて永島のおかげ。

 永島は神。あんなに小っさくて細い女の子が(もう28だけど笑)、大女相手に動く動く。これで華さえあればなあ、中西百重に匹敵するスターの 素材なんだけど。華だけが無いからなあ。

 勝機は私の見たところ2つあって、1つはシュガーの裏投げに続けてファイアーバード・フットスタンプを決めたところ。もう1つは終盤、長与 と1対1で、テキーラサンライズを決めたところ。だったのだが。。

 敗れてマイクを持つ永島「応援してくれた皆さん、すみません。負けてしまいました」「(クラッシュに向かい)アンタたち、やっぱりカッコ良 いわ」どっと沸く館内。しかし、現在進行形で本当に格好良いのは飛鳥だけだと思うぞ。同じ週ヤブサカ興行にも出て、そちらでは前に出すぎず ジャガーや藪下、坂井を盛り立てて見せてしかも自らの佇まいもきっちり印象づける、そんな振り幅も大きければ奥も深いこと、過去の遺産だけで 食ってるくせに自分が主役じゃなきゃ光れないオイシイとこ取りの長与に真似できまつか? ま、長与もこの日は、しっかり減量してきて、動きは 良かったけどね。


 つづけて永島「世代交替、成仏させるってこと、自分で口にしてからずっと考えてたけど、いま分かった。若い古い関係無いわ一所懸命やってれ ば」「ずっと防衛してください。そうでないと倒し甲斐がない。今日は悔しさ半分、嬉しさ半分だ!」いいのか永島、それを認めちゃって…


 ただ、王者組に倍する、何倍もするクラッシュに対する場内の大声援、あれを聞くと、こいつらをチャンピオンにしなきゃしょうがない、って気 持ちには私もなったのだが…

 しかし事態は、この後1週間も経たないうちに、またコロッと変わる。爆


メイン AAAWシングル選手権 
○里村明衣子(挑戦者)(24:07スコーピオンライジングから)×浜田文子(新間事務所、王者)

 次代の旗手と目されてからも長い、2人の直接対峙である。
 ただ、2人とも、役者としては大根同士。大箱のメイン、シングルのタイトル戦であることを意識してかグラウンド、関節技、締め技が両者とも 多かったのだが、里村のは何か小手先というか小細工というかちょこざいというか、変なアレンジが入るんだよね。インディアンデスロックから、 片腕をハンマーロック、もう片腕を相手の首に巻いて決めるボーアンドアローとか。バッファロースリーパーみたいなのやろうとして入り方間違え てるし(笑)。


 まだしも浜田の攻めの方が、荒っぽい分面白みがあるような気が。デスロックとキャメルクラッチの複合技や、ジャベ風に入った裏十字など。ポ スト最上段から場外へのフランケンという、破天荒な技を成功させた後、ケブラーダには失敗してトップロープから足を滑らせたりとか、失敗もコ ミで何するかわからないハラハラ感が、魅力っちゃあ魅力かも。


 この2人だからこその凡戦を危惧していたことを考えれば、まあ面白かった。浜田は、単調な攻防に終始しがちな勝ち試合、アルシオンでのア ジャ戦、昨年の中西戦、今年1月の関西戦など(ベルト取った試合ばかりだ笑)より、負け試合、デビューしてすぐのアジャ戦など、の方が出来が 良く感じられる。

 また、先ほどの永島のときの比喩で言えば、華だけはある選手なんだよな文子って。

 ファイトのセンスは認められなくても、持って生まれたかのようなベビーフェイス性、だけはあると思っていた里村だが、それも3月の元気美佐 恵戦を見るとそうでもなかったような。このチャンピオンは厳しい気がするが、まあ、若い2人が大箱のメインでタイトルマッチ、やり終えて感慨 が… 

 と思う間もなく、アメコン乱入。この2日後の、全女でのWWWAシングル防衛戦の挑戦者である浜田に襲いかかる。追ってアジャが、ベルトを奪い 取ってリングイン。つい先ほど、因縁の試合を終えたばかりの2人のコング、一瞬顔を見合わせた後ハイタッチ、アジャは里村を襲う

 「WWWAはコイツ(アメコン)が、(持ったベルトを指差し)AAAWは俺がお前(里村)から獲る!」わかり易い説明有難うございます(笑)。
い やー余韻が消されたなあ、と思っていると、2コングはタッグベルトへの挑戦も表明。  スタンドにクラッシュが現れ、5月5日の後楽園でのタイトルマッチにGoサイン。余韻消されまくりの矢継ぎ早な予告編。

 結果はともかく内容が良かったセミ、アイガー、吉田−天野、豊田の負けっぷりと、トータルでは充実した感想を抱きかけていたが、最後の最後 に出てくるのがまたしてもクラッシュかよ、と、ちょっと割り引かれた感じ。

 そしてそして。2日の全女後楽園では、この日敗れたばかりの浜田がアメコンを破ってWWWAを奪い返す。1月に、アメコンに敗れてWWWAを失った直 後、関西を破ってAAAWを奪取した、ちょうどその逆パターン。文子は試合後のインタビューで、防衛戦の相手としてアジャ、クラッシュ、堀田の名 を出したそう。

 さらに5日のGAEA後楽園、クラッシュが、獲ったばかりのベルトをWコングスに奪われる。
 ついでに、間に挟まれた4日のAtoZ後楽園では、堀田が応えて文子への挑戦をほのめかす。

 紙面飾ってな〜にがやりたいんだGAEAと全女コラ。あんまりワクワクしないぞコラ。

 これで、物語の中心人物に中西百重がいれば、ワクワク感も違っただろうな、とも、中西もこの中に埋もれちゃったら魅力が半減するかもな、と も、思うのであった。




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