4・28大日本プロレス後楽園ホール大会
■団体:WWE
■日時:2004年4月28日
■会場:後楽園ホール
■書き手:タカハシ

20年もプロレスファンをやっているとなると行ってない団体の方が少ないわけだが、その数少ない団体のひとつが大日本プロレス。華のある選手 がいないのが原因ではないかなー、と勝手に今思いついたが、サムライでのTV放送はデスマッチを中心に結構見ているのだ。

・・・と言っても今回足を運んだのはそれらのデスマッチ目当てではなく、とにかくザック・ゴーウェンが見たかったという事であり、今日メイン だった伊東でさえもこれほど入ったのは初めて・・・と言うほどの入りだったから、自分と同じような人が多かったという事なのだろう。もっとも 南側の上半分のほとんどはYFCとかいうチケット・サービスのようなシステムでの観客らしいが、これは団体にとっては結構バカにならない収入 にはなるらしい、タダ券システムとはちょっと違うものなのだそうだ。

試合前には中島らも原作の映画『お父さんのバックドロップ』の撮影に時間が取られたが、登坂さんの前説等の効果もあってか、かなりいい感じで 撮影は完了していた。この映画は80年代中期を舞台にしているらしいが、80年代中期のインディー団体って旧UWFしかないはずなんだけど・ ・・。ちなみに李日韓もこの当時は女性レフェリーはいないという事で出演し損ねている。

登坂さんは「茶髪や眉毛が細いのは仕方ありませんが、携帯や写メールはちょっと・・・」などと舞台設定に協力していたが、ここで時代考証上有 り得ない重大なミスを発見してしまった。

対抗戦として敵地・後楽園に乗り込んできた宇梶剛士とAKIRAが演じる新世界プロレスの選手たちに、ホームである大日本プロレスのファンた ちは・・・強烈なブーイングで歓迎してしまうのだ。

記憶する限りでは日本でブーイングが定着したのは百田対マイティーの後楽園での世界ジュニア戦。これは確か89年の3月くらいだったはず。
まぁそんな事言ってたらキリがないんだけどね。


第1試合:"BJW vs K−DOJO":6人タッグマッチ20分1本勝負
○関本大介&井上勝正&近藤博之 対 真霜拳號&十島くにお&×旭志織(11分29秒:ラリアートからの片エビ固め)

大日本とK−DOJOの若手同士の対抗戦なのだが、この中に関本がいるのは年齢的にはともかく実力的には反則だよな。これは他の団体も連動し てるはずだが、関本プッシュが総意という事ですか?

伸びてくる新人の見分け方として、自分はストンピングの上手いのを条件のひとつに挙げているが(絶対ではないけどね)、この中では十島がデ ビュー直後からバツグンの上手さを見せていて、その成長を楽しみにしていたのだけれど、今回は全く印象なく終わってしまった。
あと近藤の腕にやるサソリ固めは面白いね。


第2試合:シングルマッチ:20分1本勝負
○マイク・サンプラス 対 ×豹魔(0分06秒:ラリアートからの片エビ固め)

電話していて試合を見損ねた事、友達と久し振りに会ってたら試合を見損ねていた事はなくもなかったが、下をチョロっと見ていたら試合が終わっ てしまっていたのは初めて。撮影に時間がかかった事からなのかも知れないが、インパクトがあったという事に関して言えば上々のブックだったと 思う。


第3試合:"BYD日本初上陸マッチ":タッグマッチ30分1本勝負
マッドマン・ポンド&×"黒天使"沼澤邪鬼 対 ○Mドッグ20&エル・ドランコ(7分15秒:シューティングスター・プレスからの体固め)

全米のプロレス・ブームの加熱によりプロレスごっこが事故を産んだ事から社会問題となり『DON'T TRY THIS AT HOME(決してマネをしないでくだ さい)』キャンペーンが行なわれるようになったが、このBYD=バックヤード・レスリングは、そのプロレスごっこが果てしなく進化した、言わ ばアメリカの草プロレスの総称なのだ。

アメリカではよくクリストファー・ダニエルズ(カレー男ね)がネタで、小団体の若手相手に「バックヤード?オレは裏庭では大工仕事くらいしか しないけど」なんて言ってるらしいが、実際のバックヤードはリングなしでやるプロレスの事で、ダニエルズはどインディーを揶揄する意味合いで 使っているんじゃないかな。

試合の方だがドランコがリングネームそのままに酔っ払いギミックで、茶色のジャケットも脱がずに試合を続けていたのはおかしかった。相方の 20はヘンテコな空中殺法で結構受けていたけれど、こちらは背は低いながらもシェイプされた体(上半身裸)で、フィニッシュには鮮やかな シューティングスター・プレスで勝利。

しかしなんと言ってもこの試合最大のインパクトは、ドランコのスワンダイブ式のムーンサルトキックによるFROMコーナーTOコーナーのヴァ ンダーミネーター。ちゃんと脳内映像で補完してください。
多分この2人はプロレスの話をしたら、オレでさえ引くような濃い話をし続けるんだろうなぁ。


第4試合:6人タッグマッチ
アブドーラ小林&×gosaku&TAKAみちのく 対 ○シャドウWX&山川竜司&金村キンタロー(13分22秒:垂直落下式ブレーンバス ターからの片エビ固め)

ドッカンバッカンな試合をしていたとは思うが、イマイチ印象が薄いなー。見てるはずなんだけど。あ、TAKAがメチャクチャ手抜きしてて、金 村が「俺ら今日2試合目だぞ。もうちょっと働け!」と怒られていた事だけ思い出した(笑)。


セミファイナル:"ザック・ゴーウェン日本初登場":タッグマッチ45分1本勝負
MEN’Sテイオー&○ザック・ゴーウェン 対 大黒坊弁慶&×下田大作(11分45秒:ムーンサルトプレスからの片エビ固め)

曲がWWEのまんまかは判らなかったが、とにかく日本初登場を果たしたザック・ゴーウェン。顔は童顔だが、背は思ってた以上にデカい!今日出 場の日本人選手でザックより大きいのは吾作と弁慶くらいじゃないか。
この試合で印象的なのはザックの運動神経の良さと、テイオーの巧さだな。弁慶や下田もちゃんと容赦なく攻め立てて「お前ら人間か!」というヤ ジまで引き出したので、最後のムーンサルトでのフィニッシュが素晴らしいものになるのだ。

−ところでなぜデスマッチで有名な大日本を選んだのですか?

ザック「ポンドがブッキングしたからだけど?」
テイオー「そのまんまじゃねぇか(苦笑)。ストレート過ぎるよ・・・」

スポナビの試合後コメントのオチは最高だったが、考えてみるとザックが試合後に記者に試合について聞かれるという体験は(ドキュメンタリーと かでもなければ)初めての経験なんだろうな。もう2度と見られないかも知れないからやっぱり来てよかった。


メインイベント:BJWデスマッチヘビー級選手権試合『ガラスボード+すだれ蛍光灯デスマッチ』時間無制限1本勝負
○(王者)伊東竜ニ 対 ×(挑戦者)BADBOY非道(16分17秒:ファイヤーバード・スプラッシュからの体固め)

大谷対非道の有刺鉄線ボード+バットの試合が後楽園で見たデスマッチの最大級なのだけれど、やっぱりドームクラスでならともかく、間近で蛍光 灯が割れる音とか聞くと本能的に引いちゃうねぇ。試合自体は面白かったし、特別なアクシデントもなく終わったし、ガラスを使ったスプラッシュ 2発じゃなくて、ギミックなしのファイヤーバード・スプラッシュがフィニッシュとなったのも「狙ったのかなー」という興味も含めて良かったん だけれど。

う〜ん、プロレス原理主義者としては体を張っている選手にネガティブな事は書きたくない・・・とか書いてたらそのまんまネガティブ発言なんだ けど、ちょっと言葉を上手く選べません。デスマッチは難しいねぇ。


<総括>
コラムのネタになりそうなんだけど、ここで他団体でザックの相手が上手くできそうな選手を考えてみたい。

まず新日本なら文句なく外道。そしてサムライですかね。無難過ぎる・・・。
NOAHなら小川は当然として、ヒールっぽくやらせたら丸藤も面白そうだなぁ。金丸はどうだろう。
01はどうかなぁ。こうしてみるとアタマ硬そうな選手ばかりだよな。最低ラインは譲らないというか。
全日本だとやっぱりカズ。カシンもそこそこやりそうだなぁ。
フリーだと東郷はできるけど、イメージ的に難しいので日高の方が巧くやりそうだな。お船ちゃん辺りだと互角にやっても問題ないよな。あとこう いうのではやっぱり大阪プロがダントツに人材が揃ってるな。

う〜ん、こうして並べてみるとやっぱりテイオーが一番巧くやりそうだよな。そのテイオーとのシングルが今回組まれてしまうというのは、やっぱ り今回が最初で最後という事か。ま、こればっかりは仕方ないかな。

さて興行自体の総評としては、会場の雰囲気も興行の流れも良かったし、外人も多かったのでかなり堪能しましたよ。ただ今回だけ特別という感じ がアリアリだったので(バックヤードの選手もゲームとのタイアップっぽいし)、また来ようという気にはならなかったなー。

華のある選手がメインを締めてくれるのが、自分なりのポイントなのかも。伊東も惜しいところまでは行ってると思うんだけど、何かが足りないよ な気がするんだよな。それが何かは知らないけれど。




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