4・27闘龍門『エル・ヌメロ・ウノ』決勝大会@代々木第二体育
■団体:WWE
■日時:2004年4月27日
■会場:代々木第二体育館
■書き手:タカハシ

グレイシー・バッハに通ってる女性で、闘龍門の東京大会にはほとんど毎回通っている人がいるのだが、その人に頼んで今年の『エル・ヌメロ・ウ ノ』決勝大会のチケットを取ってもらう事にした。

昨年の決勝大会は試合内容はもちろん、堀口プッシュのトーナメント、シークレット・ゲストとして高山登場と、至れり尽くせりの豪華テンコ盛り 興行で「このままだとレッスルマニアばりのプレミア興行になる可能性もあるのでは?」と思ったものだ。

会場に入ると2階席を50席ほど潰して、それぞれのチームの旗を4ヶ所飾っていたのだが、これは多分もし完売したなら追加席として解放する予 定だったのではないかな。プロレスショップ・アメリカンでも先日のNOAH武道館と並んで好調な売れ行きだったらしいが、当日券も一部では あったがまだ残っていたようだし、今回に関してはチケットが取れないという評判がマイナスになったのかもな、と思った。


闘龍門を観戦する時はいつもだが、アンダーカードどころか(多分これは当日発表だろうけど)、誰が決勝進出するのかも把握しておらず、ドッ ティー、CIMA,キッド、モッチーの4人が決勝トーナメント出場選手として出た時も、ドラゴン・スクランブルでの出場ワクについて触れられ なかった事から、この4人がAブロックでもうひとブロックあるのかな?と思ったくらいだ。

どうもドラゴン・スクランブルは別の会場でやったようなのだが、バトルロイヤルは好きではない自分も毎回「これでもか!」とばかりに練りに 練ってくるこの試合を楽しみにしていたので、ちょっと拍子抜けしてしまった。

ちなみに開催前は悪冠一色プッシュという事でモッチーの優勝を予想していたが、この組み合わせだとキッドの優勝っぽいな、と予感した。ただ昨 年の堀口は期待に見事に応えていたが、キッドでしばらく回していくのはツラそうだし、ファンからのそういう気運も盛り上がっていなさそう・・ ・。どうせ当たらない予想はともかくとしてまずは目の前の試合を楽しむ事とした。


<第1試合 8人タッグマッチ>
堀口 元気&○横須賀 亨&ミラノコレクションA.T.&YOSSINO 対 ウルティモ・ドラゴン&スペル・シーサー&×セカンド土井&新 井 健一郎(14分20秒:横須賀カッターからの片エビ固め)

第1試合と言えばどこの団体でも一番下っ端の選手、もしくは若手の中でもイチオシの選手たちが勤めるものだが、闘龍門はその不文律?を破って 今回のように上の選手同士のタッグマッチで会場を温めるのが定番となっている。これはウルティモがWCW時代にTVの開始時間から(カズ言う ところの)カークラッシュ・マッチで視聴者を惹きつける手法から学んだものじゃないかな。WWEでもクルーザーをそういう使い方してるよね。

最近新日本もこれに追従したらしいが、このように他団体のマネと言われても取り入れるべきものは取り入れていくのが吉。もっと他団体の視察と か積極的にやってもいいくらいだ。

さて今回もその役割は十分過ぎるほど果たしたわけだが、ウルティモがフツーにラインアップされていてちょっとビックリ。てっきりフロリダ・ブ ラザース相手のXかと思ったんだけど。試合はもう自分がどうこういうレベルではなく、試合内容を高めようという意識で共通している選手同士で やれば、ここまで進化するのだなぁと思いましたよ。


<第2試合 ハンディキャップマッチ→タッグマッチ>
ダニエル三島&○マイケル岩佐 対 TARU&×岡村 隆志(8分27秒:フロリダブラザーズが岡村の凶器攻撃を主張→反則勝ち)

三島や岩佐のようなどうにもならんと思えるような選手も、いいギミックを与えれば有効活用できるといういい見本だ。5分過ぎると相当ツライ が、対戦相手のセンスを見計らう意味でももう少し続けて欲しい。


<第3試合 「EL NUMERO UNO 2004」トーナメント準決勝第1試合>
○ドラゴン・キッド 対 ×望月 成晃(10分30秒:ウルトラ・ウラカンラナ)


<第4試合 「EL NUMERO UNO 2004」トーナメント準決勝第2試合>
×CIMA 対 ○近藤 修司(9分02秒:キングコングラリアットからの片エビ固め)

どちらの試合も印象に残っていないけど、この手のリーグ戦を決勝だけのつまみ食いにすると、意外性とかリーグ戦の流れとかを味わえないので興 味半減どころじゃない。そう言った意味でもドラゴン・スクランブルは入れて欲しかったなぁ。


<第5試合 シングルマッチ 30分1本勝負>
×ドン・フジイ 対 ○大鷲 透(10分54秒:パワーボムからのエビ固め)

この試合で初めて選手へのコールが起きたところからしても「世界はベタを求めているなぁ」などと思ったりした。大鷲を徹底的にオーバーさせて きた事で、このような大味な試合でも体が大きいだけに大会場でもそれなりに映えるというものだ。闘龍門のスゴイところはこのように一致団結し ている事で、昨年末の興行でもミラノ&マグナム&CIMAのトリオが大鷲たちと試合をするのに、介入等のエクスキューズがあったとは言え CIMAがピンフォ−ル取られている事。お祭りイベントのようなものなのに、そこまで徹底するかと半ば呆れてしまった。

試合は中途半端なパワーボムで3つ入ってしまったが、ここはもう一回やり直してでもキッチリ観客が納得するだけの一発でフィニッシュとした方 がお互いのためにも良かったと思う。

『ホーガン自伝』にもあったのだが、ロックがロックボトムを連発している際「もう一発イケルか?」とホーガンに尋ね、ホーガンが「もうダメ だ」と答えながらも「オレのために頼む!」ともう一発出させてもらってフィニッシュに繋げたという一節があった。

・・・ま、大鷲対フジイでロック対ホーガンを引用するのもどうかとは思うけど。


<第6試合 タッグマッチ 45分1本勝負>
○アンソニー・W・森&谷嵜 なおき 対 "brother"YASSHI&×菅原 拓也(10分28秒:エレガント・マジック)

菅原に裏切られた事で心の傷を負った王子が・・・という文脈で試合が組み立てられるんだけど、ケガとかならともかく、この手のアングルが試合 内容まで左右するのは個人的には引いちゃいますね。とは言え会場はオール完全肯定で居心地が悪い(ウソ)のでちょっと違う方向で試合を見てみ るが、初めてみた谷嵜の手足のちょっとした仕草が妙に気になって目が離せなくなる。

特別どうこうと言う事でもないのだが、村山レフのロボット・ムーブとは違うけど、何故だか強く印象に残るのだ。今回唯一出場していた闘龍門X の選手がこの谷嵜だけというのは、その動きだけでなく何か他にもあるのかなー、などと思っているうちに試合が終わってしまった。
谷嵜についてはちょっと注目していきたい。


<第7試合 「EL NUMERO UNO 2004」トーナメント決勝戦>
○ドラゴン・キッド 対 ×近藤 修司(17分00秒:ドラゴン・ラナ)

典型的ハイスポットタイプの選手であるキッドと、試合組み立てが巧いというタイプでもない(と認識している)ドッティーの決勝という、闘龍門 のトーナメントにしてはそれほど捻った印象のないカードが決勝。なんというかココまでは想像の範囲で、闘龍門は今までこの2つ上くらいは行っ てたと思うんだよな。

この手のトーナメントではいつも書いてて恐縮だが、いかに得意技を残して勝ち上がるかが、その試合を盛り上げていくポイントになるわけだ。

今回の試合もそれは楽々クリアしていたが、特にドッティーはキングコング・クラッチにジャイアント・スイングを加え、ランサルセは一度かわさ れて背面からリバースで叩きつけるといった、もし自分で考えてるとしたなら相当なセンスを見せつけた。なるほど上がるべくして決勝に上がった と言えますね。


一応試合前の予想としてはドッティーが優勝してバッドエンドになるところを、マグナムが出てきて一掃&ダンスで無理矢理ハッピーエンド・・・ としていたが、そうなるとモッチーとの微妙な関係というアングルには幾らなんでも早過ぎだろうという事で却下。しかし冒頭にも書いた通りキッ ドで今後しばらく回していくのは・・・という事でキッド優勝も『?』という感じ。

まぁとにかく見るしかないかという事で見ていたら結局キッドの優勝となった。フィニッシュは久々の公開となるのかドラゴン・ラナであったが、 この技もスゴイ事は間違いないが、何しろ日本デビューからずっと見てきてるからねぇ。つまらないわけではなく、驚きがなかったというか。

試合後はアイサツで口篭るキッドを遮るようにマグナムが登場し、例の調子でダンスを始めるとキッドの優勝もチャラになったかのような雰囲気に してから去っていった。こうして見ると今の正規軍は全く華がないし、こういう扱いなのも仕方ないのかな。

それにしても手足の長いミラノはダンスをしていても上手い下手を超越して非常に目を引く存在だ。こんな選手が決勝に出ないでも十分興行が成立 しているんだから、闘龍門はスゴイなーと改めて感心した次第。キッドの優勝はまぁもうどうでもいいな。


<総括>
どうやらウルティモも主流にはそれほど介入してくる様子でもないし、下からも選手が育っているしで今後益々上昇していく事は間違いなさそう だ。ただ今のプロレス不況では、それほど大化けする事もなさそうだし、この辺で頂上が見える辺りまで来たという感じもなくはない。その中で 益々マニアは足が遠のき、闘龍門しか見ないファンを生産し続けるのかなと思うので、この調子で頑張ってください・・・としか言いようがねえ なぁ〜。

一応なぜあんま見たくないのかについて考えてみたが、最初のうちは裏読みするマニアのその上を行っていた事が魅力のひとつなのに、マニアを相 手にする必要がなくなって、試合内容は練りに練っても、周辺まではそこまでやらなくなったというのがあるかも、というのとサスガに試合の進化 についてもそうそう驚かなくなってきたというのもあるかなぁ。馴れたというか。

とにかくチケット代は十分堪能したので、来年の決勝はまた行きたいです。




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