PPV観戦記 PRIDE ヘヴィー級GP
■団体:DSE
■日時:2004年4月25日
■会場:さいたまSA
■書き手:クジラ

【第一試合】「若き超一流バーリ・トゥーダー 対 パンクラスの意地」
ヒーリング VS 高橋

若さでもパワーでもかなわない。
ならば、オレにはこれしかない。

高橋のギロチンチョークが炸裂!
うっすらと瞳を閉じるヒーリング。

「おっさん、悪いけど、
 俺はこんなとこで止まるわけにはいかねえんだ。」

チョークをゆっくりとはずし、
上になったヒーリングの鬼のような打撃の嵐に、高橋轟沈。

第一試合いいスタートです。

○ヒーリング(1R KO)高橋●


【第二試合】「リングスロシアの末裔 対 シュートボクセのイチオシ」
ハリトーノフ 対 ニンジャ

「何がコマンドサンボじゃ、八つ裂きにしたるわい。」

ニンジャの顔、でかくなってとっぽさが増しました。
正直、見た目、めちゃくちゃストリートファイト強そう。

試合は打撃戦。
ニンジャの右に、ハリトーノフ出血。

「どうした?その程度か?オレはいつでもお前を殺せるぞ。」

ジワジワと、ハリトーノフのペースに。
ナイフで刺すような鋭い打撃が、ニンジャを追い詰める。
ニンジャの顔に恐怖の色がみえたところで、ワンツーが決まった。

絶対の自信。ハリトーノフは常に落ち着いていました。
おそらく絶対的な強さへの自信があるのでしょう。
まだまだ、隠し持っている殺人技が無数にありそう。


○ハリトーノフ(1R KO)ニンジャ●


【第三試合】「大相撲 対 超巨漢」
戦闘竜 VS シルバ

シルバのセコンドはエルソラール。そういえばこいつは
AAAのリングにも上がってるんだ。

バスケットボール、プロレス、VT・・・・
この神から授かった肉体を活かせる場所はどこだ・・・・。

戦闘竜は、山本をしたがえ入場。
丸い。筋肉と脂肪でできた肉の塊。

大相撲で使えた技が、VTに使えないわけがない。

巨大なふたつの肉体が、リングに向かい合う。

客席で武蔵丸が「負けるわけねえだろ。」
とでも言いたげな、不敵な笑みを浮かべる。

しばし間合いをとる戦闘竜。
上からのハンマーのような打撃をおそれたか。
組み付いた戦闘竜だが、グラウンドでの技術が実戦に使えていない。

シルバ、下から腕をとる。
キムラロックからチキンウィングアームロックへ。

「勝っちまっていいんだな。」

そんな表情をしてからしぼりあげるシルバ。戦闘竜タップアウト。
呆然とする武蔵丸。

力士受難の時代はまだまだ続きそう。

「見せる技だけがルチャではない。」
二回戦に向け、メキシコのAAA道場で、シルバが体得するのは、
かつてカストロやゲバラも利用したというルチャ・リブレの裏技・・・。
なわけはないでしょうが、とにかく、シルバが二回戦へ。


○シルバ(1R チキンウィングアームロック)戦闘竜●


【武士道予告】シウバ VS 近藤

「勇気があるならかかってこい。」
シウバ、王者の貫禄というより、いまここでやってやる的な顔。
さらに、ニンジャが負けたばかりだから、切れまくってます。
近藤死ぬなよ。


【第四試合】「大道塾 対 UFC」
シュルト VS マッギー

まさに格闘スーパーロボット対戦。

「何をやっても通じない」肉体同士が、
ぶつかったときどうなるのか。
期待と不安だったが・・・・。

マッギーのナチュラルなパンチは、空を切った。
シュルトが久々にきれいな一本勝ち。

どうやら体調が不完全なマッギー。

○シュルト(1R 腕十字)マッギー●


【第五試合】「暴走柔道王 対 イケメンストライカー」  
小川 VS レコ

強いということは知っている。けど、本当に強いのか?
たとえば、ヒョードルよりも、
たとえば、タイソンよりも、
たとえば、ヒクソンよりも、
だが、どこまで強いのか、誰も知らない。
底の見えない強さと、ある種のもろさという、
矛盾を背負って生きる孤独なプロレスラー 小川直也。

小川が、VTのリングに上がる。
それだけで、プロレスファンの血は沸騰寸前だ。

プロレスラーのVT。それは禁断の果実。

入場、久々のシュートに緊張気味な目の小川。
「ショープロレスに染まったやつがどれだけできるんだ?」
てな顔で、なめきった態度のレコ。
度肝ぬいてやれ!小川!

にらみ合う両者!ここに来て小川の顔がキラーに!
ゴング!レコが打撃の間合い。小川の足に、数発ローもヒット!
が!なんと小川!打撃からテイクダウン!

寝れば小川の領域。
「柔道世界一」「天才」「実力最強」
そんな言葉が、レコの脳裏を駆け巡る・・・(多分)

十字をはずすも、小川肩固めで完勝!
マットにひっくり返って、
安堵とともに一種の苦悩のような表情を浮かべる小川。

「また、勝っちまった・・・。」

そうです。小川はまたひとつ負けのゆるされない十字架を背負いました。
試合後は、飛行機ポーズとハッスルアピール。

プロレスは「巧ければ」いいと言われることもある。だが、
プロレスラーが「強さ」は、こんなにもカッコイイ!!

この試合について、あれこれという人がいるだろう。
だが、今日の小川はイカしてた!それでいいのだ!

〇小川(1R 肩固め)レコ●


【休憩】桜庭登場


「35歳になりました。残り少ない選手生命・・・」

オイオイ!引退宣言か!!
「まああと、15年か20年か・・・」

出た。桜庭節(笑)。
「ぶったおしたい奴がいる。」
シウバか。ミルコか。エルビスはなかったことにするのか?
とにかく高田劇場じゃなくてよかったです。


【第六試合】「神速のハイキック 対 リアルドンキーコング」
ミルコ VS ランデルマン

恐れなければ、破れない壁はない。
ランデルマン、見事でした。

ミルコの神速ハイキックは、全ての組技系選手を恐怖させた。
あの制空圏、あの領域は、近寄ってはならない。

だが、燃えるグラップラー・ランデルマンの選択は違った。

突っ込む!とにかく突っ込む!
タックルでコーナーに押し込む!
打撃を恐れずフックを打ち込む!
上から殴る!殴る!殴る!殴る!

気づいたら「最強」といわれた男が、血まみれで倒れていた。

ランデルマンの勇気を称えます。

この試合はクロアチアに生放送されていたとか。
ミルコ、ノゲイラ戦に続き、
選挙民に敗戦を見せてしまいました。
戦うこと以外の道を選んだミルコには、死角ができたのかもしれない。
妖刀ハイキックを抜く隙もなく完敗。

「強くなりたい・・・」
議員バッジをかなぐり捨て、山にこもり、
人斬りのような顔で戻ってくるミルコに期待。

〇ランデルマン(1R KO)ミルコ●


【あの男が参戦】マーク・ハント参戦決定
一瞬でもヒクソンか、ジョシュかと思った
自分が恥ずかしい。

【第七試合】「柔術王 対 リングス最後の遺伝子」
「怪物ですよ。」「あの重さであの速度は・・・・。」
「ノゲイラ・・・ああ、横井の勝ちですよ。」
「普通に優勝するでしょ。」「めちゃくちゃ強い。」
「ボブ・サップをジャーマンで投げた。」「怪物です。」

多くの格闘家が、横井の強さを語る。
ランデルマンに続く大金星をあげられるか。
横井!!行けい!!

試合は横井のペース。
何をやっても、
「それがどうした?こんなもんかよ。ブラジリアン柔術よぉ。」
てな顔で、寝技から立ち上がる横井。
セコンド、マリオの顔が青ざめる。

ノゲイラがどんなに攻めても、平然とかわす。
これは、似ている。あのヒーリングとの戦いに。
・・・いや、違う!
ノゲイラの記憶に浮かぶあの男の顔。(多分)
自分のあらゆる技術をもってしても仕留められなかった男・・・
ヒョードル!?

立ちあがったノゲイラは、ボクシングのスタイルに。
柔術の天才を立たせた時点で、横井の勝ちだ。

打撃技術では、ノゲイラが三枚ほど上手。
タックルに行った横井を、とらえ膝地獄。
そのままがぶったままフロントチョークに。
プライドではあまり見ない技。

「オレにここまでさせる日本人がいるとは・・・。」

ノゲイラの底の深さと、

横井の限りない可能性を感じた試合だった。

涙を流す横井。あんたまだまだ強くなるよ!

〇ノゲイラ(2R フロントチョーク)横井●


【第八試合】「伝説の王者 対 氷の皇帝」
コールマン VS ヒョードル

せまりくる年齢という限界。
悲鳴をあげる肉体。
加速するライバルたちの強さ。

勝てぬと分かっていても。
誰も自分の勝利を望んでいなくとも。

男には、リングに立たなければならない時がある。

コールマン、いい顔だ。

コールマンの弾丸タックルがうなる。テイクダウン!
コーナーに押し込み殴る!殴る!殴る!
さらにヒョードルをにがさぬよう、座ったままバックのチョーク。

この体勢。何かに似ている。
そう、父親が息子を抱きかかえ、言葉をかける仕草。
まるで、かつての王者が、新しい王者に、
何かを伝えようとしているかのような・・・。

ふりほどいたヒョードルが、パウンドへ!
だが、さらにテイクダウンを奪い!上からパンチにいくコールマン・・・
の、腕をとり、すさまじい速度で、十字を極めたヒョードル。

タップのあと、呆然と座り込み、
タオルをマットに叩きつけ、むせび泣くコールマン。
かけより、言葉をかけるヒョードル。

男の散り際は、かっこよくなくてもいい。ただ誇りを捨てずに戦えば。

ヒョードルの腕をあげ、勝利を称えるコールマン。

「コールマンは、偉大なファイターです。」

ロシアとアメリカ。サンボとレスリング。
言葉も通じない。世代も違う。

それでも、ヒョードルの胸には、
かつてのチャンピオンからの思いが確かに伝わっていました。

素直に感動。ありがとうコールマン。あなたは偉大なチャンピオンでした。

〇ヒョードル(1R 腕十字)コールマン●


だが・・・・
この試合を・・・・
美談で終われない男がいる・・・・

全試合終了後、高田の仕切りのもと、
なごやかな雰囲気の中、一瞬かいま見えた・・・

ヒョードルへの
ランデルマンの炎のような視線。

たった一度の勝利が、カトンボを獅子に変える。

「師匠の仇は、オレが討つ。」

二回戦!楽しみです。




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