古き良き?Jd’ 4/25ヤブサカ(藪下めぐみ・坂井澄江)自主興行
■団体:ヤブサカ(藪下めぐみ・坂井澄江)自主興行
■日時:2004年4月25日
■会場:新木場 1st Ring
■書き手:凸ユーレイ

4・25 ヤブサカ興行 新木場大会

 駅前に何も無い、というか、材木問屋と流通倉庫ばかりの新木場。初めての会場、その材木問屋に挟まれた 1st Ring へ。風が強くて寒い寒い。
 藪下、坂井をはじめとしてファング、KAZUKI、おばっち、計5人のデビュー7周年を記念し、現在はそれぞれフリーであったり、所属団体が分かれ ているが、一時期でも“Jd'”(以前の団体名表記)に在籍したことのある選手を可能な限り集めての興行。バトルスフィアより2回りぐらい広い倉 庫が満員(発表350人)。よき時代のJd'(はたして現実にそんな時代があったのか、あまり見ていないのでよくわからないが)の再現を期待した人 たちなのだろう。

 雑用に走り回っているのは、藪下たちよりはるか後輩だが既に引退している富松恵美(化粧が濃くて変だが巨乳)、もう1人、普通すぎてすぐに わからなかったのだが、去年のうちにデビューしてすぐ辞めた和田優の姿が。この人、私がサインをもらった女子レスラー、2人のうちの1人なん だよね(もう1人はアキュート冴)。

 有楽町線が事故で遅れたとかで、当初、休憩時に行う予定だった“山手線選手権”が試合前に。つまり山手線ゲームで、2,3年前のJd'でよく 行われていた、勝者にベルトが受け継がれるという競技。
 怪我で試合に出れないおばっちがゲームを仕切り、OGのCooga(わざわざ覆面をして子連れで参加)、鳥居はるみ(初めて見た)、富松、和田 に加え、まだ現役の松尾永遠(NEO)、斎藤啓子が出場。
 最後の王者・山本千歳(やはりキャリアが浅いうちに辞めた)と、このベルトの生みの親であり常にタイトル戦線に絡んでいた西千明(同じく引 退)は、来場できず。この2人も好きだったんだけど…

 同じ日の昼、JWPのファンイベントにも参加したんですが、ゲームみたいなことをすると大概、後輩が自ら敗れますね。プロレス団体、試合と一 緒で悪しき慣習か。笑

 リングアナ、大会の前半は、1月に“JD”(現在の団体名表記)をクビになった高瀬氏。
 入場式、Jd'への入団時期と微妙にズレて、キャリアの浅い順にコールされる。最後のジャガーさんの時に、誰がリングインのロープ上げをする か(=誰が一番ジャガーさんを尊敬しているか)を争う。チャメっ気でわざと違う場所から入ろうとするジャガーさん。
 挨拶は飛鳥。


1.○ザ・ブラディー(JD)(2:51ダイビングセントーンから)×木村ネネ(JD)

 ブラディーの入場時、ロープ上げを行なったのは、よき時代のJd'におけるヒール、裁恐軍の同士だったファングとKAZUKI。

 木村は噂通り。末恐ろしい人材。
 クラシックのピアノ曲で入場。まったくの無表情、というか目を見開いたまま固まったかのような表情。動きは、ごく独自のスローモーなテン ポ。オカシイ。動きがオカシイ。西君を超えているのでは…

 本体JDスターの興行において、この時点で何故か続けてカードが組まれておらず、ごく一部で話題となっていたブラディー。そのことについて何 らコメントは無かったが、イキイキと戦う。
 デビュー間もない木村を、秒殺はすれど気遣い、ダウンしたままのところを上からかがんで何やら二言三言。


2.○斎藤啓子(JD)(7:45丸め込み)×リングアナマシーンIV世 with おばっち

 自らの7周年でもある記念興行で、出場できないおばっちの役回りは、さっきの山手線選手権と、この試合でセコンドを務めること。

 マシーンは男。リングアナを名乗るだけに、高瀬アナを威嚇、非常に敵対視。

 デビュー1年半の斎藤だが既に歳は27。セコンドについている時など、Tシャツ姿にもヘンに色気があるというかエロいのだが、普段のリング上 は猪突猛進ファイトで好感が持てる。ま、この試合はネタでしたが。

 斎藤、途中でセコンドの和田を呼び込み、連係で現役時代の得意技、倒れこみ式ヘッドバットを連発させる。復帰して欲しいなあ…


3.○ドレイク森松(フリー)(13:23毒霧→ラリアットから)×TSUNAMI(JD)


 森松の時も、ロープを上げたのはファング&KAZUKI。

 試合は太った2人がドッタンバッタンしてただけのような。

 5月でハワイに帰国するTSUNAMIに、ドレイクが惜別のマイク「ユーアンドアイ、トゥディワズラストマッチ」TSUNSMI帰りかけて「ハイ」森松 「英語覚えてきたんだからちゃんと聞けよコノヤロー。アイドントフォゲッチュー」TSUNAMI「アリガトゴザイマス」と涙。


4.○阿部幸江(AtoZ)、亜利弥'(フリー)(18:41ビクトリーAクラッチ)MARU(JD)、×松尾永遠(NEO)

 ここからレフェリートミー。JDの選手を裁くのはひさしぶりか。

 当初の発表は、阿部vs亜利弥'、MARUvs松尾の、ほぼ同期入団で、かつ袂を分かった、それぞれ2組のシングルの予定で、楽しみにしていたのだが …

 しかしこの4人、皆ヘタの部類に入ると思う。ゼンマイ仕掛けのMARU、思い切りが足りず長い手足を持て余し気味の松尾、キャリアに応じてこな れてはいるが“ヘタウマ”で、未だに体力的に厳しいものを感じさせる気がする阿部ちゃん、同じくヘタウマながらこの中に入ると一番ウマいよう な錯覚が起きるアリヤ(この人の、カウンターの前蹴り、反動を利用して90度ずつ向きを変え、4方向に走る動き、けっこう好き)。

 それでヘタさが噛み合ったのか、20分弱飽きが来ず、若手側も食らいついて白熱した、意外や好試合になりました。
 フィニッシュは、阿部のもうひとつの決め技ラ・マヒストラルと同じタイミングで入る、羽根折り固め。


 マイク、阿部「7周年おめでとう。私達は8周年なんですが10周年ぐらいまで目指したいです」亜利弥'「私達Jd'1期生のことも忘れないで下さ い」。

 1年前、沈みかけた船JDから、いち早く脱走した阿部だが、その問題については何も触れず。セコンドのおばっちが「あんた謝りなさいよ」とか 何とか言っていたような気もしたが、よく聞きとれなかった。

   休憩。AtoZの売店に、5・4のデビュー戦がケガで流れそうな浦井ちゃんと、むかし各団体で2ショットポラロイド撮影していたお姉さんの姿が。
 全女の松永正嗣(4兄弟のどれかの息子)が、小川宏と並べて、堀田独立騒動の黒幕に名指ししたのが、この2ショット屋であった。ま、そのAtoZ もヤバい現状で、今となっては全てが虚しい気もするが…
 行ったことが無いので、かつての2ショット屋が実際にAtoZで働いているのをこんな場所でようやく確認できた。


セミ ○ブラディー、宮崎有妃(NEO)(19:04裏拳から)救世忍者乱丸(JD)、×武藤裕代(JD)

 ブラディー組のロープ上げ、やっぱりファングとKAZUKI。

 前半、乱丸と宮崎中心に笑い交えて沸かせる。
 乱丸ノリノリで動きもキレる。ボディスラムにいこうとして持ちあがらず、「みんなー、力をくれー」「シャキーン」「シャキーン」「パワー」 と観客と合唱しポーズを取ったあと、何故か軽々と成功。

 宮崎、チーズスターにいこうと相手を肩に乗せる、が、一瞬なにかに気づいたように敵を肩から降ろし、もう一度トライ。持ちあがらず。「みん なー、力をくれー」(以下略

 宮崎、武藤と向き合って片足を差し出し、「持ってよ」。拒否されても「いいから。持ってて」。しぶしぶ相手が応じたところ、すかさずもう一 方の足で延髄切り(笑)。宮崎のJd'時代、たしかこの武藤と仲良かったと聞いたことがある。

 乱丸にバックを取られた宮崎、投げられまいとロープ際へ、パートナーのブラディーに腕を伸ばす。武藤が加勢に来て乱丸の後ろに付く。しばら く4人が連結したままで、レフェリーのトミーさん「何がやりたいんだ!」ワラター。
 しかししかし、結局武藤が引っこ抜いて眉山に成功。

 トミーさん、ブラディーとも久しぶりで、「反則するなよ」と念を押すが、JD本体でついこの最近までベビーだったブラディーは「私いまはいい 子だよ、ねえ」と観客に振る。

 後半はブラディー、武藤中心で迫力あるやり取り。
 本体のJDでは、正体が伏せられたまま覆面を被りヒールを演じていた武藤、ひさびさの素顔でのファイト。何度も何度も回転して裏拳を打ち続け るブラディーに、頭突きと垂直ブレーンバスターで一歩も引かず。
 1つ前の試合と対照的に、宮崎を中心として巧い攻防の試合で面白かった。

メイン ジャガー横田(フリー)、藪下めぐみ(SOD格闘技道場)、坂井澄江(フリー)(2-1)ライオネス飛鳥(フリー)、ファング鈴木(JD)、KAZUKI(JD)
 (1)○ファング(11:54山嵐から)×坂井
 (2)○坂井(12:59小包固め)×ファング
 (3)○ジャガー(22:19カッターJから)×KAZUKI

 飛鳥組側、セコンドにブラディー、森松、宮崎、MARUら、裁恐軍以降、ヒール側にいたことのある選手達。ジャガー組にもCooga、阿部、おばっ ち、富松、斎藤、和田ら歴代の正規軍陣営がつく。
 ヤブサカはお揃いのコスチューム。

 1本目の最初からセコンド総出の大乱戦。場外乱闘もにぎやか。ヒール側全員によるストンピングの輪になぜか加わる阿部ちゃん(笑)。たしか にヒール系ユニットにいたこともあったっけ。しかし、ベビー側が皆でストンピングを放つとなぜかそこにも阿部ちゃんの姿が。「なんだよアイ ツ」とヒール側、ヘラヘラしている阿部。笑

 ブラディーは、さっきの言葉とは裏腹に(笑)、押さえこんで反則行為からトミーさんの目をそらさせる役割に終始する。

 飛鳥の机をコーナーに据え、ヒール側それぞれ対角線を走ってアタック。標的は、やっぱり坂井。笑
 坂井あい変わらず技を受けまくり、ゾンビのように起き上がり続けたが、最後はファングの高いバックドロップで獲られる。

 2本目はお約束、1本目の結果をひっくり返して速攻で。

 3本目。藪下が大きい飛鳥に腕ひしぎで飛びつく飛びつく。藪下は、スワンダイブで場外にすっ飛んでいったり、試合にタテの動きの彩りを加え る。
 最高齢ジャガーさんもローンバトルに耐えて奮闘、得意技Wアーム式パイルドライバーもいつもながらエグく、フィニッシュはコーナーからの前 宙式両カカト落としで決めた。

 3本勝負を観るのも久しぶりだったが、プロレスのいろいろな要素が詰まっていておなかいっぱい、満足でした。この日、第4試合からの3つの タッグマッチ、どれも熱戦で楽しかった。


 全試合終了、ジャガーが挨拶

 「私の教え子達が7周年、ということで参加させていただきました。皆、Jd'を経て、フリーや他団体、それぞれの道を歩んでいます。女子プロレ スはどこも厳しく、私も力になれなくて、歯がゆい思いもありますが、出場した選手と、女子プロレスを、皆さん、愛して、応援してあげてくださ い」


 主催者を代表してファングがマイクを握る
 「JDでは最近、マイクを持つことも少ないですが… 私は29でプロレスに入り、先輩方や同期に支えられ、後輩に教えられ、ここまで7周年、 やってきました。これからも、魂のプロレスを胸に、上がっていきます。本日は有難うございました」。


 この興行から4日後、29日の後楽園で、JDは、アストレスと乱丸と木村以外の選手を解雇、団体としては大幅に形を変えて生き残りを目指すこと になった。私は観ていないが、おそらくその大会より、このヤブサカ自主興行の方が、“さよならJd’”に相応しかったのではないかな。




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