笑わせてこそプロ。笑われるなら・・・。
■団体:アジアンプロレス
■日時:2004年4月16日
■会場:北海道白老郡白老町経済センター
■書き手:桜新町長五郎

今回の観戦にはちょっとリスクがあった。19時試合開始なのだが、白老から札幌に帰れる最終電車が21時10分過ぎ。過日の当別町大会は興行終了まで2時間半強かかっていた事を考えると、ギリギリのラインである。特別試合のバトルロイヤルをスルーするか、それとも観た上で苫小牧まで戻り、宿泊するか・・・電車に揺られつつ悩む。

苫小牧で途中下車し、所用を済ませた後、白老に向かおうとしたら、電車の時間を記憶違いしていて、1本乗り逃してしまった。嫌な予感がよぎる。焦りつつ、白老に19時ちょっと前に着く電車に乗ったところ、偶然にも、札幌ビデオの祭典にも参戦してくれる予定の方に出会う。やはり、アジアン観戦。

幸先は悪かったが、これで取り戻せたかも(笑)。帰りもなんとかなるか、と考え直す。我ながら楽天的というか単純というか・・・。(北海道民たる気質が戻って来たのかもしれぬ。)会場は駅からすぐそばだったので、開始時刻になんとか間に合った。今日は椅子席だ。客層は・・・老若男女バラバラ・・・というか、仲間内???全席自由、という事なので堂々と(笑)、東側1列目赤コーナー横に座る。

本部席に座ってる方(以下「Aさん」)がマイクで「試合開始」をアナウンスしたが、その後しばし沈黙。
「放送席!曲かけて下さい!」とAさんのマイクが響く。5分程経ってやっと掛かった曲がドリカム?!客はちょっと沸く。待つ間、会場を見回してみると、小体育館かと思っていたら、床がタイル張り。講演とかをやるホールのようだ。ドリカムの2曲目も終わり、やっとテーマ曲「夢芝居」が掛かる・・・って、ラジカセにマイク近づけて流してる!!(機器のトラブルか、はたまた・・・。いかにも手作りチックな興行。)


1.○ ケン片谷<CMAプロレス>(バックドロップホールド) × 梅沢菊次郎<CMAプロレス>

   リングアナはおらず、本部席からAさんが選手コール。そして試合開始直後、Aさんが隣の方(以下Bさん)と「試合を実況します!」と宣言。・・・・ところが、試合が進んでも語る気配なし。右目で試合を追いつつ、左目で本部席に注意を向ける。どうも、彼らはこの興行の主催者である地元の人達らしい。Bさんの「解説したいけど技がわかんねぇんだよ」という小声が漏れ伝わってくる(笑)。

試合はゴツゴツしてるというか・・・「ど真ん中」WJテイスト。梅沢の1発目のスピアーを、突進頭突きと見紛うくらい。
特注リングの音の大きさ、だけでない技の力強さに客が沸く。気付くと、AさんもBさんも口をポカンと開けて試合に魅入っている。うむ。第一試合らしい第一試合。
最後は片谷の得意技であるバックドロップホールドでピン。「勝者、ケン・片谷!」・・・・あれ?フィニッシュ技と

試合時間の紹介は・・・?(笑)


   2.○ スクリューム (パイルドライバーからの体固め) × バイキング・タニグチ<フリー>

タニグチ、2月末よりまた少し絞れた身体つき。アジアンという落ち着き場所を得て、練習に力が入っている、という感じか。以前から、「動けるデブ」(失礼!)だったが、スピードが1割3分2厘増し、している。
スクリューム、開始前の会場徘徊はなかったものの、北側リングサイドの少年を「客いじり」の中心とする。
カメラ付き携帯での記念撮影に始まり、タニグチの股間をコーナーポストに押し付け、スクリュームが右足、少年が左足を取って引っ張る、などなど・・・で、客が見事に温まる。また、タニグチお得意(?!)の、「場外乱闘時の女性を目がけての吹っ飛びも炸裂し、歓声と恐怖が会場を包む。
さらには、客の食べてた枝豆を取り上げ、タニグチが投げると見事顔面命中。ちょっと痛がるスクリューム。
リングに戻り、先ほどの仕返しとばかり、スクリュームがタニグチの顔面を殴る蹴る。「顔は止めて、商売道具だから顔は止めて!!」とタニグチ絶叫。場内爆笑。「どこがだよ!」と客からの突っ込みまで入る。
しかし、ただ笑わせるだけじゃない。スクリュームの、タニグチへのブレーンバスターは圧巻だった。
後で気付いたのだが、本日の興行でブレーンバスターはこの一発だけ、だった。
最後は迫力十分のパイルドライバーでピン。やはり本部席から試合時間の紹介無し・・・というか、タイム図ってなさそうだ。


3.○ アストロ・デ・ショッカー (横入りパワーボム) × 超人勇者Gヴァリオン<SPWF>

ヴァリオンが先に入場。スクリュームの後だけに、正調マスクマンへの声援高く、観客とハイタッチをしつつ場内一周する。そして最後に、参加選手全員のサインの入ったゴムボールを投げようとする。近寄ったり、手を出して待ってる子供達がいるのに、何をどう間違えたのか、投げたボールはリングをまたいで、全く席を動かぬ私の顔面にダイレクトで飛んできた。あわててキャッチしてしまう(苦笑)。
一人のお子様が欲しそうに近寄ってきたので、あげることにした。良い思い出にしてね。

次にショッカーが出てくるが、拍手が少なく控え室(垂れ幕の掛かった舞台)に戻る(笑)。
拍手が会場に満ちてショッカー入場し、試合開始となるも、やはり声援が少ないとショッカーが戻りかけ、増えると逆にヴァリオンがスネる(笑)。試合が始まっても、キャメルクラッチからの鼻フック合戦に加え、時折ショッカーがスネて場外退避。女性客の膝の上に座ったり(ちょっと羨ましいぞ!)、空いた席で休んだり。試合自体は、マスクマン同士のシングルでありながら、じっくりと観せる技の応酬。
リバース・インディアン・デスロックやボー・アンド・アローなんかは、猪木DVD全集で観たばかりだが(笑)、生観戦だと、いつ以来か思い出せないくらいしばらくぶり。両者とも、スピーディーな技が出来る選手、なのだが、休憩前、という事で敢えて抑え気味、か。

そういやさっき、Aさんが「白老」と胸に書いてある柔道着に着替えてたな・・・と思ったら、やおら立ち上がって、スペース・ローンウルフ時代の武藤ばりの、トップロープを掴んでの後方大回転リングイン!!!!!!

乱入か!と思ったら即退場・・・・観客、大爆笑。地域限定ネタ披露、といったところなのか。
そんなのがありながらも、最後はショッカーが横入りパワーボムでピン。さすが、〆るところは〆る。


休憩;選手達の売店の横に、さらに机が・・・と、思ったら、さっきの枝豆だけじゃなく、パックに入った焼きそば、飲み物などなど・・・が売られてる。バザーの出店状態。

  煙草を吸いつつ、いつものごとく耳をそばだてると、どうもAさんは「アジアンプロレス白老大会実行委員会」の人・・・というか、Aさんが主催者、のようだ。改めて見回すと、観客のほとんどは青年会議所絡みの知り合いらしい。全くの異邦人は、私達と、記者風の人、の3人だけ、のようだ。


4.畠中浩旭&○ショッカー&梅沢組 (エビ固め) 大矢剛功&海賊魔人バイキング&×ザ・バッファロー組

今日は、60分1本勝負のようだ。20時15分過ぎなんで、こりゃ電車に間に合うぞ。
序盤は大矢が中心・・というか、大矢の、かなり広く長くなった額(笑)の髪をショッカーや梅沢が引っ張ったり、大矢に急所打ちを食らったショッカーが大ヒート。「ぶっ殺してやる!」「かかってこい!」を連発。恐れる大矢。
「試合放棄でいいよ」などと言い出す。そんなスッタモンダがあって、手四つになって力比べ・・・したらあっさり力負けするショッカー(笑)。
中盤、6人入り乱れての場外乱闘で、右往左往する観客。しかし、練れたモノだけに、客に怪我をさせるような事もなし。ある意味プロ。また、海賊魔人バイキングがマスクを剥がれてバイキング・タニグチに戻ったり、畠中組3人が大矢組コーナーへフレアー・ダンスしたり・・・バッファローが角攻撃をしたり、と、定番ムーブをちりばめながらも試合は進む。
そして、あまりリング内にいなかった畠中が出てから、試合は一気に後半戦へ。大圧巻なミサイルキックに客がどよめき、最後は波状攻撃の末にショッカーがバッファローからピン。そして間をおかず、特別試合へ。


特別試合.7人参加バトルロイヤル

Aさんの、特別試合を継げるアナウンス。「バトル・ロワイヤル」と言ってしまう(笑)。
優勝賞金は、休憩時間中の客からの募金。結構多くの人が札を入れてたので、結構いい額になってそう。
さっきの6人にヴァリオンが加わり開始。バトルロイヤルお約束の仲間割れが始まるが、畠中に勧誘されるバッファローを「後で白老牛を食わせるから」と引き留めるタニグチ(笑)。全員での梅沢への太鼓の乱れ打ちやボディスラム、胴下げ、そして梅沢の仕返しの全員への急所打ち・・・ショッカーのマスク剥がれ、などなどと、これまた定番ムーブを織り込んでいく中で、またも後方大回転式リングインをするAさん(笑)。
どこかで打ったのか背中が痛そうだが、嬉しそうだ。

四の字固めをかけた両方がピン取られ退場、エビ固めの回転で両方退場、などとこれも定番が続いて、最後はヴァリオンが優勝。「XX退場」ってアナウンスがなかったんで退場順はメモ取り切れず。再度Aさん登場。
募金箱を優勝者に渡す。(これも定番で別の選手に奪われる)。ここで、全て終わりかと思ったら、Aさんが「実行委員会、出てきて!!」
ハンディカムで試合を記録していた人と、売店で焼きそば売ってた人がリングに上がり、選手と円陣&手を取り合って万歳。そして、Aさん、畠中に技をかけようとして返り討ち。20時47分終了。電車に間に合う(喜)。

ちょっと時間出来たので煙草。ちょうど会議所の方々が雑談中で「A君、本当にプロレス好きだよな」談義してた。
主催者・・・というか素人の仕切り&参加、は一歩間違うと興行に締まりがなくなってしまう嫌いがある。
新日とか全女とかみちのく、で過去にあった(らしい)、「企業が買い切って社員関係者にだけ観せる興行」でも、中には社員達が参加しすぎてグダグダになってしまった例があるとも聞いている。
今回は、ほぼ仲間内だったし、試合中は選手に手出ししなかったから「セーフ」といったところか。
私個人としては、すごく失礼な物言いになるが、客に「笑われてる」Aさんを観たお陰で、客を「笑わせてる」選手たちのプロフェッショナルムーブが、よりはっきりと感じられたので、OK。もう10年近く前になるか、笑っていいんだかなんだかわからなかった、三銃士+馳健の“平成白浪五人男”をドームで観て以来、私も度量が広くなったしね・・・・。

「札幌ビデオの祭典(SVC)」については、以下参照。
http://nikkan.gaiax.com/home/saiten




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