凱旋式にして、出陣式。近藤有己、vsシウバへ!!
■団体:パンクラス
■日時:2004年3月29日
■会場:後楽園ホール
■書き手:グリフォン

近藤有己凱旋興行である。「不動心、動く。」がキャッチコピー。
マリオ・スペヒー戦がお茶の間に与えた衝撃は、やはり大きい。その衝撃の波が、後楽園ホールを満員に埋めた。
(勝敗フォームは、観戦記速報(メモ8氏)を借用した)

ふだんはゲートから見逃さないようにしているのだが、今回は仕事の関係でゲートは間に合わず。そういう時に限って、いい試合
があるんだよな(笑)。
入場したらNUKINPOが勝ち名乗りを上げているところだった。
それも、腕十字を。修斗でかなりの実績を積んだ相手に、鮮やかに極めてだという。見たかったな。

あとひとつのゲートは、申し訳ないがあまり印象に残らず。


×佐藤光芳(パンクラスGRABAKA) vs 内藤征弥○(A-3)
(1R3分30秒 三角絞め)

佐藤の復帰戦。佐藤もなーーーんか、実力をはかり兼ねる選手でなあ。たとえば彼が客のブーイングも気にせず、タックルしてライアンドプレイでしょぼく勝つつもりなら、たとえば松井大二郎、小路晃、はては田村潔司にだって勝ってもおかしくないような気がしないでもない、そんなイメージが個人的にはある。しかし、それは客観的に見ればアマレス・エリートが総合格闘技を席巻していた数年前のイメージ。
結局さまざまな対処法が進歩していく中で、佐藤はそれに対抗する手段を持たず乗り遅れた感あり。それは同じGRABAKAの石川と比べれば一目瞭然。ランキングのみならず、こいつの試合にゃ金払いたくねー、こいつの試合があるから見に行く、という集客力も圧倒的に差がついた。
あ、佐藤のことばかり書いたが内藤の寝技ももちろん鮮やか。2年後に飛びぬけるスターは彼だと思う。


第2試合 ミドル級戦 5分2ラウンド
△長谷川秀彦(SKアブソリュート) vs 梁正基△(スタンド)
(2R判定0−0)

梁選手に関しては「どこでどんな練習をしているのだろう?」という部分が謎。STANDって、ジムなのかといえばジムじゃないらしいんだよねえ。スポンサー企業というか。どんなコーチがついているのかとかも、やはり分からない。所選手とかとやってるんでしょうけど。

果たして長谷川選手にテイクダウンを奪われ、非常に苦しい展開。梁が勝つなら、スタンドのビッグヒットかと思ったが、それも不発。しかし苦しんで上を取り返した末の、パウンドの威力には目を見張るものがあった。
これだけで長谷川を猛追し、ドローに持ち込んだわけだから(個人的には判定はやや長谷川だが)。梁なんだが、「近藤スタイル」を積極的に導入したらどうだろう?テイクダウンを狙う相手を、その際の攻防でがんがん殴ってダメージを与え、そして倒れてもなんとかまたスタンドに戻す。そんな戦い方が一番向いているのではないか。
それともグラウンドにまだ穴があるなら、ZSTでやっていくという手もあるが、体重がちょっとZST向きではないしね。


第3試合 ミドル級戦 5分3ラウンド
 中西裕一(フリー) vs 佐藤光留(パンクラスism)
(3R判定0−2)

佐藤光留。
一度は私なども、佐藤が出る”けど”次の興行は見に行くか---という感じでマイナス要因にしか捕らえてなかった。
しかし、今見直すと、けっこう試合自体は面白いから不思議。
最近はパンクラスでもそのへんのことを売り出しにかかっているが、「ヘン」という個性のほかに、徹底的な足関や無意味な?投げを狙うというスタイルに、勝敗以上の価値を見い出してもらうという戦略は着実に浸透している。
そのおまけに、デモリッショントーナメント優勝という価値までついたのだから、ここで勝っていけばさらに人気が出ることマチガイナイ。

しかし中西、おんぶおばけのごとく、ひたすらバックについて思うがままに相手をコントロールするという戦法をもち、堅い試合をする男。それを埋め合わせるかのように、かぶいた入場をするものの、微妙に狙いがわからないところも不気味な選手だ。

まあ、佐藤は勝てないだろうと予想すると、いきなり佐藤がとんでもないスープレックス!!
あれは会場が沸いたね。そしてバスター!!
しかし、やはり地力は地力。中西のおんぶおばけは、分かっているのにみなやられてしまう。
あの状態をキープしていけるのは、やはり只者ではない。足関節を最後に狙う佐藤だが、結局長い時間をおんぶおばけ状態に取られてしまった。

しかし、判定は僅差で佐藤。当然納得できません。
急所蹴りの減点1もあるが、そもそも故意に見えないので減点まですることはなかったと思うのがひとつ。
そして、そもそも俺的判定ではバックを奪ったこと自体が大いにアドバンテージになるので、こんな話は予想もできなかった。

ただし、佐藤は後ろの相手をめがけて、けっこう効果的なパンチをその状態から放っていたのも事実だが。

まったく「バックを取る」こと自体を採点しなかったんだとしたらこうなるのかねえ????????????(と、はてなをたくさんつけておく。)
後ろから殴っていく中西だが、結局すきあらばスリーパーを狙うというスタイルは捨てて、もっとがんがん殴って最後に極めにかかってもよかったのではないか。

ま、後味のよくない試合でした。あと、散々言われた後ですが、佐藤のファイトスタイルは「小さな美濃輪」にさらになってきました。そして弱点も、見事に受け継いだと。


第4試合 ミドル級戦 5分3ラウンド
○石川英司(パンクラスGARABAKA) vs 北岡悟×(パンクラスism)
(3R判定3−0)

北岡が殴られるのって、なんて愉快なんだろう(笑)。
というのもオーバーでね、パンクラスのミドルとウエルターはあまり差がないことも、北岡はそもそも絞ってウエルターにしていることも知ってるけど、でも石川と対峙した北岡は、「体格差」を何よりも感じた。メガトンとの試合以上に。
そこで判定まで粘ったんだから、北岡も褒めるべきでしょう。石川も、当然褒めるべきだが。
しかし石川は、上山に足を極められまけたときの面影はない。


第5試合 ライトヘビー級戦 5分3ラウンド
○デビッド・テレル(シーザー・グレイシー・アカデミー) vs渋谷 修身×(パンクラスism)
(1R3分4秒 上四方からのスリーパー)

強い、強い。テレルってよくパンクラスに来たよな。
次は郷野、山宮といくのか、近藤か菊田か。あるいは武士道か(笑)

渋谷も強いのに、どうしてこう壁を敗れないのかなあ。松井大二郎vs渋谷修身なんてのは見てもいいかも。でもグダグダっぽいな。


セミファイナル スーパーヘビー級戦 5分3ラウンド
○高森啓吾(パンクラスMEGATON) vs 石井淳×(超人クラブ)
(1R40秒 レフェリーストップ)

メガトンなんて金の無駄だと思っていた私の読みは、尾崎さんに完全に及びませんでした。興行のアクセントとしてはやはり最高です。山本キッドをK-1に上げた谷川の読みも私の想像を超えて成功しましたが、やはりこういう決断をしたトップはたたえないと。
でも、ローキックはすごかったけどパンチはまだ全然荒い気もする。正確にカウンターを当てる相手にはどうだか。
つうか、相手をぶん投げて寝技を見せてよ、元柔道家(笑)


メインイベント ライトヘビー級戦 5分3ラウンド
○近藤有己(パンクラスism) vs スティーブ・ヒース×(シーザー・グレイシー・アカデミー)
(1R4分2秒 バックからのチョーク)

近藤有己の試合を、安心して見たことは一度もない。小谷野や栗原との試合だって、心配してたんだから(笑)。
ましてや、相手はシーザー・グレイシージム。
初登場で、とんでもない強さを見せパンクラスの上位陣を軽々やぶってみせたクラウスレイやテレルもここのジムだ。
ならば、ヒースだけ弱い相手だとはとても考えられまい。

しかし、終わってみれば完勝、圧勝、激勝。スリーパーで柔術家を破るというおまけもついた。
特筆したいのは、桜庭が猪木アリを破るために編み出した腿へのローを進化させ、隙あらばローキックで寝ている相手の「顔面」を狙うという技だ。あれには「鳥肌たった」ね。

リングサイドに駆け上がったジョシュと抱擁したあと、控え目な表現ながら、間違いなくきっぱりとシウバ戦の抱負を語った。そう、出陣のほら貝は鳴ったのだ。l

それでも、自分の読みはシウバの圧倒的な有利。
ただしその読みが、通用しないのが近藤有己だ。さあ、それに賭けろ。




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