3/14越中と大谷と大森とコリノと。
■団体:ZERO-ONE
■日時:2004年3月14日
■会場:北海道札幌メディアパーク・スピカ
■書き手:桜新町長五郎

札幌在住なのに、所用で昨晩から別の街にいたので汽車移動があり、直前の16:58会場入り。
札幌ビデオの祭典(5/2・3開催)主催者に用意いただいた西側3列目に座り、周囲を見回す。
リングサイドは結構埋まってるが、スタジアム席は空きが多い。贔屓目に見て7割入りか。
どちらかというと濃ゆい客層かな。まあ札幌だし、テイセンで闘龍門JAPANがやってるんだから、「プロレスだったらどこでもいい」という客は来てなさそうだ。
以前の発表からカードが変わったと聞いていた。が、カード紹介を聞くとさらに変わっているようだ。
お!大谷の6人タッグがセミに昇格してる!これは新マッチメーカー大谷の意向か?はたまた、札幌出身の宇和野が入ってるんで気を使ったのか?それに、何人か組まれてない選手がいるな。怪我なのか、余ったのか、それとも・・・。


1.○ ヴァンサック・アシッド(8:35 片エビ固め)浪口修 ×

変更前は第2試合のタッグだったのが、バラされて第一・二試合でシングルとなっている。
2人の入場曲で客がちょっと沸く。アシッドの用いた、TDLのエレクトリカルパレードの曲(正しい題名知らん!)は秀逸。最初の5分間は、きっちりと腕の取り合いなどの基本ムーブが続く。しかし、なんか地味に感じる。村山大値レフェリーの「浪口、頑張れ!」「浪口、ロープに手ぇ出せ」の声は聞こえてくるのだが・・・、そうか、蹴り音、受身の音が小さいのか。
会場の音響効果(衝撃音が拡散する)のせい?マットのせい?そっちと村山が気になりだしてしまう。

最後は、アシッドのスワントーンが決まる。まあ、第一試合だから、ね。これで悪くはないか。


2.○葛西純(9:34 片エビ固め)ジョシュ・ダニエルズ×

こちらも最初の5分は、技自体は基本的なのだが、そこは葛西、というべきか、客への媚び方をよく知っている。特に手四つの力比べでブリッヂを決め、「無我ー!」と叫ぶセンスは、悪くない。
ダニエルズも、上背はないがいい選手のようだ。D・キッド、C・ベンワー的、というか、角刈りのカナディアン・ルイス(知ってる人、少ないかな?)、というところか。技一つ一つに力強さを感じる。
また、機転もなかなか。バックを取って、葛西がロープに逃げようと走り出したら、葛西のシッポをつかんで引き戻す、などの器用な面を持ち合わせているようだ。

最後は、一度スカされたダイビングヘッドを葛西が再挑戦。「好きです!サッポロー!」と叫んで。
(どうも、技名もこれらしい(笑))。
惜しむらくは二人とものガタイの小ささだが、ゼニの取れるレスラーにはなれるだろう。


3.○テングカイザー(11:50 片エビ固め)黒毛和牛太×
変更前は第一試合だったカード。二人ともの、今の名になる前の、デビュー当時を観ているだけに、ちょっと複雑な思いがよぎる。コール時、「フリー」と念を押される黒毛。
試合は、テングが黒毛に合わせたのか、ちょっと単調。なんか試合に締りがない。主因は・・・黒毛の声!
技をかけても、かけられても、響く叫び。元はビッグマウスだった(?!)テングが声を出さないだけに嫌でも耳につく。ラリアットとか、技一つ一つは悪くないのに、技より声が目立ってしまってる。本末転倒。

最後は、テングがトルネードをきっちり決める。正直、試合の長さを感じた。第一試合のままの方が良かったのかもしれない。ともかく、黒毛は今一度、自らのファイトを再検証した方がいい。


4.○ザ・プレデター、Lowki (16:53 アルゼンチンバックブリーカー)S・コリノ、星川尚浩×

変更前は試合がなかった予定の4人。早速プレデターが入場時に場外を練り歩く。逃げる客多し。
試合は、コリノワールド(「橋本、バカー」DDT、「小川、もっとバカー」STO、そして長州ムーブでのラリアットなど)が炸裂。プレデター、Lowkiも結構付き合う。特にプレデターがLowkiを持ち上げてのギロチンやボディプレスでは、食らった選手より、叩きつけられたLowkiの方が痛がる。
客もそれなりに温まってきた。まさにゼニの取れるレスラー、というところか。しかし、この中に入るとプレデターのデカさは嫌でも目立つ。

最後は、大技連発の後、アルゼンチンで担ぎ上げて終了。そしてプレデターがまた場外へ。
逃げる西側1〜3列目。最後まで逃げなかった私に、2列目の6連椅子が蹴り飛ばされたので 逃げた。退場後、1列目の客が戻ってきたら、そこにうずくまってる女性一人。本来の席の人がちょっと困ってる。どうも、逃げてる時に人波に巻き込まれ、左足を踏み外したらしい。折れてる?
人だかりが出来、会場が少し騒然となる。次の試合の紹介ビデオが流れ、選手が入場してきたが、まだ動けない。結局、机を担架代わりにして女性退場。
(ある程度目撃したが、不幸な事故。セコンドの少なさに団体側、前列観戦なのに、高いヒールを履いてきていた迂闊さに女性側、の人災側面がないわけではないが・・・。)


5.天下一JR・3団体認定ジュニア選手権
  ○坂田亘(12:59 ドラゴンスープレックスホールド;王座防衛)ホミサイド×

Lowkiがホミサイドのセコンドにつく。試合が始まると一部騒然とした客も落ち着きを取り戻すが・・・。
坂田の技もキレてるし、ホミサイドもLowkiの師匠というだけあって上手い。が、ジュニア、というだけではない軽さ、を感じる。やはり、マットの音が響いてない事が原因か。
5分を過ぎると、「坂田、付き合うな」「坂田、早く決めろ」という声が飛ぶ。最後のドラゴンも、華麗かつ綺麗だったが・・・・。

試合後、Lowkiと坂田が対峙しているところに高岩が登場し、マイク開始。(多少違うところあったら許して。)
「もめんな、そこの二人」「坂田、防衛おめでとう。こんなショッパイ外人相手に防衛してもしょ・・<噛んだ!>
つまんないだろ!01のジュニアもゴチャゴチャ人が増えてきた。この辺で、誰が一番強いか決めようじゃねえか!」

坂田の切り返し「くだらないこと、言ってんじゃねぇ!俺が一番強いからベルトを2本持っているんだ!」
(うむ、正論。)「誰が来ようと、このベルトは渡さない!ずっと俺が持ち続ける!」
ある意味、高岩も正念場か。そのキャリアと力強さから、セミ、メインのタッグに駆り出される事が多い事を考えると、純然とジュニア、とは言い難くなっている。ジュニアに専念するか、卒業するか、卒業したなら大谷と組むのか、など決断の時に来た、というところか。


休憩;客席は地下一階から入るようになってるのだが、タバコは一階の入り口前。札幌は客の態度良くないからな・・・やっぱり。飲食売店前のゴミ箱のとこで吸ってるのが何人もおる。

昔キングダムの興行で、リング触ってもいい、と言ったら客がやりたい放題やっちゃって、鈴木健が「オイ!!」と怒鳴った話が頭をよぎる。


6.NWAインターコンチネンタル・タッグ 選手権試合
  ○大森隆男、越中詩郎(15:33 片エビ固め;王座防衛)横井宏考、佐藤耕平×

ビデオで、先日の後楽園にて越中のヒップアタックにより佐藤の前歯が折れ飛んだ話が紹介される。
この段階から一部の客が沸く。試合開始後も越中大人気。一気に客のテンションが上がる。
横井・佐藤も攻めるのだが、越中はつまんでからの鼻パンチ、大森はカチ上げエルボーなどで主導権を取り戻す。横井のパンチ連打で一瞬、越中が崩れたり、佐藤の綺麗なジャーマンも出たのだが、結果的には危なげなく、大森のアックスボンバーで勝利。
セミ→セミ前、に降格されたカードだが、客の盛り上がりを観ると正解だったか。
勝利者を沖田さんが越中と間違え、大森から抗議を受けて訂正。沖田さんにつっかかるか、と思ったが、それはなし。

振り返ると、挑戦者組を王者組、特に越中がプロレス教育をしたような試合。あれ?越中、パワーボム出したっけ?逆エビは出したが・・・。まさに、プロレスが技だけじゃない、(じゃあ他に何?と言われても困るのだが)という事を越中が具現化した試合、だなぁ。大森も、ある意味伸び伸びと試合やってたな。今の大森はある意味、頭脳役をパートナーとして、自分がポイントゲッター的な立場にいるほうが生きるのかもしれない。全日に上がっても武藤とは、闘うよりは組む、という方。

(但し、おいしいところは武藤に持ってかれる覚悟はいるだろうが。)


セミ.○黒田哲広、田中将斗、佐々木義人(18分30秒 片エビ固め)
       大谷晋二郎、日高郁人、宇和野貴史×

御当地レスラー、宇和野に対し、幟が何本も立つ。入場時、宇和野はそのうちの一本を持って、新・炎武連夢(?!)ポーズを決める。アパッチは黒田人気高し。随分離れたところ(函館)とはいえ、黒田も北海道出身者、だったな。
試合開始前の両者対峙段階から、大谷と佐々木の小競り合いがある。
試合前半は大谷と日高が積極的。また大谷は、3人での攻撃(田中をコーナーに吊るしてのドロップキック、コーナーにつめての顔踏み、など)を意識的に取り入れたり、宇和野や日高に対し、コーナーから常に指示を出していた。これが専務就任の自覚?
そんな大谷に、佐々木の「お前だけは嫌いだ(ったんだ)」ドロップキック炸裂。

後半、宇和野のローンバトルが続くが、「宇和野、地元だろ!」「宇和野、自分で返せ!」と大谷の声が響く。中に入ってないのに試合の中心は大谷、か。黒田も、コーナーに押し込んだ宇和野へのラリアットの際、「地元〜!」と叫ぶ。(黒田、あんたもだろ!と思ったが。)
しかし、宇和野は成長したと思う。思い出すと宇和野のデビュー戦、初勝利試合(共に相手は、高橋冬樹、当時 新岩大樹)を私は観てるのだが、当時感じた線の細さ、小器用さも消えて、技も大きく、出すときの表情も良い。WJというより保永さんの教育の賜物、かな、これは。

最後は、集中攻撃を耐えていた宇和野が黒田のラリアットで撃沈。
終了後、多少のやり取りはあったがアパッチ3人はおとなしく帰る。一瞬、物足りなさを感じたが、宇和野が四方に頭を下げる姿を見て、アパッチ3人のそれが小憎らしい配慮と気付く。
これ、メインでも良かったのに。


メイン.○橋本真也、小川直也、高岩竜一 (11:46 片エビ固め)
       石井智宏、長州力、藤原喜明×

問題のメイン、というところか。紹介ビデオは小川のやつ。ハッスル話も出てくるのだが、2のガファリ戦がない。ちょっと編曲されたパワー・ホールが掛かると、長州への客の声援高し。
あれから20年と1ヶ月ちょっと。まさか長州と藤原が組む姿を札幌で観る事になるとは、想像がつかなかったな・・・。

試合は小川中心。やはり、なるべく橋本は出さない、という事か。石井を押し戻して長州を呼び込む小川。が、結局大きくは絡まず(2回くらい、かな。2回目は長州を小川が大外刈り3連発決めたが)。しかし、石井が積極的に中に入るのはわかるが、藤原もなぜかよく出る。

元気ならいいのだが・・・・息切れが客にもわかるのに引かない。頭突きや脇固めのキレは往年と変わらないだけにスタミナのなさが、ある意味むごい。
「藤原さん、頭突き!」「藤原さん、もういい!」「藤原さん、立って!代わって!」
長州の、ちょっと聞き取りにくいが聞こえる声。それを聞くたび、心が少しずつ冷める。

橋本は、これ見よがしのサポーターを右肩につけながらも、ケサ切りや地獄付きなどを出す。
客は沸く。しかしそれは技の凄さではなく、「よく、(その状態で)技を出したな」という感じ。
本当にそれでいいのか?橋本。
やっと代わった長州が、乱戦の中、橋本に「ちん太、XXX(聞き取れず)」ラリアット。
橋本にとっては言われたくない呼び名のはずだが、エキサイトせず。

最後は、スタミナ切れの藤原に「俺ごと刈れ」。しかし、華麗とは言い難し。
リングを去る長州に、橋本のマイク。
「長州さん、あんたこんなもんじゃないだろ(以下省略)」もうだめ、心の中で橋本への突っ込みが止まらない。さん付けはねぇだろ、お前がこんなもんなのか、などなど。
次に小川。長州にやる気が感じられない、次はぶっ殺す、などと言っているが、一部マニアから「PRIDE〜」とか「ハッスル〜」などの声が掛かる。
と、言うことで全員起立。小川の、優しい説明と「恥ずかしがらないで」という頼みに一同が応え、

「3・2・1・ハッスル・ハッスル」

そして、小川が橋本に振る。「スピカに出世した〜」(前はテイセン、だったんだな。違うところが今日やってるけどね。)そして、お決まり、「3・2・1・ゼロ・ワン」。はい、撤収。

客を掻き分け急いで会場を出て、後からくる客の反応を確認してみた。いい意味で優しさ、悪い意味で諦め、というべきか「しようがないな〜、こんなもんだろうな」という反応。
どうだったろう?下の試合は発表通り(第一・第二試合をタッグのまま)として、メインをセミ前にし、その後に休憩を入れてセミが越中の、メインが大谷の、タッグだったとしたら。
今日の客層は、スレてた(ベテラン?)のが多かったから、これでもOKだった気がしてならない。13日の函館、15日の旭川はどうかわからないが、最悪、橋本欠場、でも客入り自体はほとんど変わらなかった(当日券が伸びたフシなし)様子なんで、どうせカードを変えるならこのくらいやっても良かっただろう。

興行全体としては、赤点でもないが合格点とも言い難い、という感じだろうか。正確に言うと越中がいなかったら赤点、かも。

さて、文中に出ている「札幌ビデオの祭典(SVC)」については、以下参照。
http://nikkan.gaiax.com/home/saiten




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