2/28アジアン・スポーツ・プロモーション(アジアンプロレス) 「 プロレスが地盤沈下?どこの話?」
■団体:Diamond!
■日時:2004年2月28日
■会場:北海道石狩郡当別町白樺コミュニティーセンター
■書き手:桜新町長五郎

札幌駅から、昔は札沼線と呼ばれた(今は、学園都市線)ディーゼル列車に揺られて約40分。当別町に着く。
試合開始は19時だが、まだ15時過ぎ。新日の札幌大会をスルーして、敢えて今年初観戦をこれにしたのは理由がある。アジアンが設立6年目にして、この大会で101回目、という新たなスタート地点に立つ、という事に加え、当方はこの町で幼少期を過ごしていた、という事がその理由。

住んでいた頃は、プロレスという存在を知らなかったな、と町を散策しつつ、感慨に耽る。昨年後半に、神奈川での生活を切り上げて札幌に来ていたが、改めて、「戻ってきたんだな」という実感が沸き、自らのも新たなスタート地点に立っている、という事を実感した。

しかし、会場の白樺コミュニティーセンターというところがわからない。ネットなどで地図を確認したのだが、それらしいのがなかったのだ。町を3時間ほど散策中、気にはしていたがついにわからず。案内図を見て、やっと総合体育館のそば、とわかった。確かあの辺りには昔、農業環境なんとかセンターってところがあったな・・・・

漢字が読めず、親に読み方を教えて貰った事などを思い出しているうちに、そこに着いた。あれ?そっちはあるが、白樺コミュニティーセンターが見当たらな・・・・って、このセンター、二つの名前を持ってるのかよ!

会場の広さは、バスケのコートが一面取れる程度の小さな体育館。幕の架かった舞台が、選手控え室らしい。
リングは特注・・・というより、手作り風。多分、地元の鉄工所製作なのだろう。鉄柱が四角い。
観客は100人強。客層は、地元客が8割、残りが選手の親族友人系で、私のような札幌から来た物好きは数人程度のようだ。今日は床に直接、体育座りしての観戦。地元客は、上履き・座布団・靴袋を持参しているのですぐわかる。そのほぼ半分が小学生以下、というところがなんとも素晴らしい雰囲気である。

本部席には、リングアナと・・・タニグチ?随分体型がスリムに・・・?

19時にきっちりカード発表と、チャリティ興行という事で収益金の一部の贈呈と、町の社会福祉協議会会長の挨拶。


1.○ ケン片谷<CMAプロレス>(8:45 バックドロップホールド) × GUDO<プロレスリングGUDO>

     GUDO、マーシャルアーツタイツにオープンフィンガーグローブなのだが、上半身は・・・長袖シャツ?!
  北海道の冬、Tシャツじゃ寒いから・・・という事か?「平成のナンパ師」とコールされた片谷は上半身裸なのに。
  身長はほぼ同じで体重はGUDOの方が軽そうなのだが、長袖シャツが余計にそう感じさせる。

  試合自体はオーソドックスな腕の取り合いから始まる展開なのだが、客はボディスラム一発で沸いた。
  音がハンパじゃないのだ。マット、かなり硬そうだ。さすが特注品、というところか。大技はGUDOの低空ブレーンバスター程度なのだが、客はマットの音ですっかり心を掴まれているので、適度に盛り上がっている。
  GUDO優勢の展開を、最後は片谷が体格差を利した逆転の形で勝利。
  しかし、いつの間に九州求道軍はプロレスリングGUDOと名を変えていたのだろう。


   2.○ アストロ・デ・ショッカー (12:55 横入りエビ固め) × スクリューム

  入場時、アストロが客に拍手を要求する。うむ。アストロがまだアストロでない頃の試合を、私が観た最後はいつになるだろう・・・・大日本に上がっていた頃かな。
  スクリーム登場。ふ・・・二人?片方はわかる。さっき本部席にいた時の服と変わらないから。しかし、もう一人は、昔の谷口以上に高杉風グッドシェイプな体つき・・・誰?。結局、こっちがリングに上がり、試合開始。

  でもリングにいたのは半分くらいかもしれない。主に場外乱闘・・・というか、客いじり。スクリューム2人に睨まれて泣き出す子供、笑う大人。微妙に技を出すのを抑えているスクリューム。この後にある試合で、出そうと思っている技を出さない、という事か・・・って、まさか?そんなに太っちゃったの?
  涙と笑いと歓声の中、アストロのメヒコ仕込のエビ固めにレフェリーの高速カウント、という合わせ技が炸裂。


3.○ 超人勇者Gヴァリオン<SPWF> (9:20 フライングボディプレスからの片エビ固め) × 菅沼 修

  本部席に近い一角から、菅沼への声援が飛ぶ。「修」コールだ。札幌中島時代の、木戸へのコール並み。
  この試合の後に休憩、そしてメインの6人タッグがあり、特別試合としてバトルロイヤルがある、という形なので、興行の中締めとして重要な試合だが大丈夫かな、と考えていたが、そんな不安は杞憂に終わった。
  場外にマットが敷かれていないため、トぺ系の技はなかったが、技一つ一つが華麗かつ丁寧。ウラカン・ラナ気味のフランケンシュタイナーも、綺麗に決まる。
  彼らの、試合が出来る喜び、練習した技を試合で出せる喜び、がストレートに伝わってくる。若手として、数多くの試合を経験する事も成長を早めるのだろうが、この喜びと直結していなければ意味がない気がする。

  ある団体での若手の、試合を“こなしている”姿勢に「金取って見せるモノか?これ」と思った事がある。この団体が標榜している一期一会プロレス=初めて見る人やお年寄り・子供に対するやさしさ、わかりやすさをこの二人は見事に体現している。メジャー団体に行ったら通用する強さではないかもしれないが、奇をてらわずとも、客を沸かす事が出来る旨さ、は誇ってよいと思う。

      最後は、試合開始時に脱いだマントを改めて着た上でのフライングボディプレス。ヴァリオンスプラッシュ、というらしい。公式発表は体固め、だったがヴァリオンの右手が菅沼の右足をロックしてたので、ここでは片エビ。


休憩;タバコを吸いにロビーへ出ると、先にロビーに来ていた地元客の方々の話しが聞こえてきた。
    『TVでやってるのに比べたら、SHOWっぽいよね。でも、凄く痛みのわかるプロレスだね。』
    どこかで聞いたようなフレーズが、明らかに週刊雑誌や東スポの購読者じゃない御年輩の方から出ていた。

    会場に戻ると、子供達が売店にいるレスラー達のところに群がっている。一時期「フリーク」などと呼ばれていた、たちの悪い追っかけ〜知り合いなのを自慢するために売店で長々とレスラーと話しこむヤカラ〜は、東京近郊じゃないんで、ここにはいない。谷口が女の子(小学校高学年か中学生?)のグループに一生懸命声かけてサインを売ろうとしている。こりゃ、メインで何かする気だな。


4.○ 畠中浩旭&アストロ&ヴァリオン組 (2−1) × 大矢剛功&海賊魔人バイキング&ザ・バッファロー組

     60分3本勝負、という古式ゆかしい試合形式。大矢以外は皆、2試合目なのに・・・などという意味不明(?)な事を思っていると、全員のコールが終わった瞬間から、畠中組が仕掛ける。

     試合結果は、1本目○大矢(8:15体固め)×アストロ、2本目○畠中組みんな(7:04体固め)×大矢組みんな、
     3本目○畠中(8:25パワーボム)×バッファロー

     選手みんながよく動く。途中、マスクを剥がれ、 海賊魔人バイキング→バイキング・タニグチになってしまったが改めて被り直す事もなく試合を進める。やはり試合中、タニグチさっきの女の子達に客いじりをかける。
まあ、数年前のターザン後藤みたいなタチの悪い客いじりじゃなく、この子達も楽しんでるようだからOK。

     また、バッファローは、マスクにある角を利用した攻撃を繰り返す。
途中、さりげなく大矢がトップロープからのニードロップや卍などの、70〜80年代前半の新日ムーブを披露。
考えれば、大矢やタニグチのファイトをまともに観るのは、何年かぶりになるかもしれない。
    また、畠中の重みは説得力に変わっていた。ミサイルキックも、試合を決めたパワーボムも迫力十分で、客から驚きの声が上がっていた。

    気がつけば、覆面をしてないタニグチのファイトを見たのはNEW NOWプレ旗揚げの小田原マロニエ、大矢も新生FMWのハヤブサとの抗争の頃以来か・・・。月日の流れをしみじみ感じる。


5.7人参加バトルロイヤル
    優勝賞金は、休憩時間中に客から募金したお金。千円札10数枚(うち、1枚は私が入れた)と小銭。
    6人タッグの出場選手に、菅沼が加わり開始。菅沼の「修」コールが会場全体から起こる。
    バトルロイヤルお約束の仲間割れ、四の字固めをかけた両方がピン取られ退場、エビ固めの回転で両方退場、の合間に、タニグチへの全員太鼓の乱れ打ち、菅沼への全員交代ボディ・スラム、レフェリーをみんなでコーナー押し込め、などなどがあり、客を退屈させない。

    最後は、客の心を掴んだ(?!)菅沼が優勝し、大団円・・・と思いきや、アストロが賞金を持ち逃げ、というオマケつき。

    チケット代3,000円+募金1,000円+交通費が、惜しくないと感じられた。興行全体のまとまりも、見事と言える。
    インディー観戦の醍醐味とでも言うべき、場外乱闘も練れている。狙った女性客のところにだけ突っ込んでいく選手。観客の靴を使った攻撃は、角掛留造のスリッパ攻撃に匹敵する。鉄柱を相手の股間で挟み、観客の子供達をかき集めて足を引っ張らせる、などは伝説のモンゴル・トレイン並みのインパクトを持つ。
    そこには、過剰なアピールで客を無理に盛り上げようとする嫌らしさがない。
    客は笑っていた。しかし、レスラーが「笑われていた」んじゃない。「笑わせていた」のだ。まさにプロフェッショナル。

    おそらく、前の日の興行でも、同じような試合展開だったり、同じような決まり手だったかもしれない。しかし、まさに一期一会。連戦で観ている客などほとんどいないのだから、インパクトを大事にしていけばOK。
    今日の客は、ほとんど皆満足した顔をして、会場をあとにしていた。次にこの町に来るのは、またしばらく経ってからになるんだろう。その時にはこの中の何割かがまた足を運ぶはず。その時に、進歩を見せればよい。


     追記)昨年12月初頭、北海道のニュース番組「テレポート2000」が、この団体の特集を放映した。ボランティア的にこの団体に関わっていたレフェリー兼GMにスポットを当てたモノだったが、違和感があった。レスラー達や団体名の紹介がないのだ。その頃はまだ、引越し後によるネット回復の前で、情報が途絶していたため、心に疑問を持った程度で終わった。

    そこに年末、一部週刊雑誌に「アジアン解散」という記事が載った。これは、そのレフェリーとリングアナが12月初頭に離脱していた、という事から流れた話だった。そこで、あの特集に対する疑問が解けた。

         しかし、ここに言う。アジアン健在、と。

    帰りに、最近知り合った同好の士と出会う。約束していなかったが、同じ興行を観ていた。そこで一つ、新たな事実を知る。一昨日の大会が、諸般の事情で中止となっていたそうだ。待てよ・・・そうすると、今日が100回目!!期せずして記念大会を観たことになるな。
    ちょうど今日で2月シリーズは終わりだから、結果的に区切りが良かった、と言える。次回シリーズ予定は聞いていないが、楽しみに待つことにした。


桜新町長五郎氏より一言

ネットに住み着いて7年。いろんなHNを使ってきたが、昔のHNはこうだったろ?と聞かれて嘘をつく気がない。
ファイナルカウントアップ(FCU)は猪木引退と共に封印した。当方見聞録や破多利郎は、同一HNを使う人がいたので彼らへの敬意と共にマリネラの風とした。速見洋介はメアドにのみ残した。嘉会好は、知ってる地酒割烹の閉店に伴い、その役目を終えた。今、最終見積加算、というもう一つの顔を持ちつつ、またネット界を徘徊する。




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