2/22 さよなら武道館。又会う日まで。
■団体:全日本プロレス
■日時:2004年2月22日
■会場:日本武道館
■書き手:ばり

初めて武道館の地を踏んだのは九年前。その時のメインは三沢VS田上の三冠戦。それから様々な沿革を歩みながらも通い続けた武道館。
この急な坂を登るのも最後だと思うとその徒労感も特別なものがある。客の入りは八割ぐらい(と思わせて)。憂愁の美を飾るには一寸寂しいものがあるが仕方ない。

今日は一人で観戦したのでじっくりと思考を巡らしながら試合を見る事が出来た。


奥村茂雄 グラン浜田 ●石狩太一 11分58秒体固め(ジャンピング・エルボードロップ) アブドーラ・ザ・ブッチャー○ えべドーラ・ブーチャン ヤス・ウラノ

ブッチャーが軸となった試合展開ではないので何処か散漫な印象が残る。えべドーラもいたのだからもう少しブッチャー色に染めても良かったと思う。
石狩は星守る犬といった感じ。もう少し身体能力と相談してプロレスして欲しい。誰もが丸藤になれるわけではない。


平井伸和 ○土方隆司 09分08秒片エビ固め(フィッシャーマン・バスター) 荒谷望誉 保坂秀樹●

荒谷と保坂の土方への交互に繰り出されるボディースラムでやっと試合の方向性が定まってきたまでは良かったが、土方の逆転への切り返しのハイキックが些か不発気味で蹉跌を踏んでしまった。
ハイキック連発でフォローしていたが覆水盆に帰らず。


嵐 Hi69 ●河野真幸 12分06秒片エビ固め(ダイビング・ボディプレス) TAKAみちのく ザ・グラジエーター○ ブキャナン

ブキャナンに華を持たす事が出来たら全日本も三冠戦挑戦者の選手層に厚みが出てくるのだが。
試合は如何に嵐という瑕疵を紡ぐかに焦点が集まっていたように思える。


○本間朋晃 宮本和志 12分27秒片エビ固め(シャリマティ) NOSAWA● MAZADA

正に水を得た魚。久々に本間らしい仕事が見れた。途中一階席最前列と同じ高さに設置してあった入場ゲート上での殴り合いからの花道への落下の際、設置した机にではなく花道に直に腰を痛打してしまう失敗をしてしまう事があったが、それをものとせずプロレスをやり続けた根性は流石。

それに比べ宮本の試合振りを例えたら乳母日傘。ハードコアスタイルで体張らなければコンセンサスは得られないだろう。団体の意向として宮本を大事にするのならば、このハードコア路線に宮本を出しているのは無駄という事になるだろう。


○天龍源一郎 10分43秒エビ固め(パワーボム) 渕正信●

天龍は予告通り北斗を帯同して入場。しかし和田に制しされ試合中は大人しく椅子に座って観戦していた。
私としては渕を木刀で血だるまするぐらいやってくれるのかと思っていたが、中途半端にも程がある。単なる無駄なノイズに過ぎない。あれなら無い方が増しだ。

ただ前半の中途半端なスポットを払拭する渕の大車輪振りは良かった。
今の渕なら北斗や蛙飛び(は出なかったけど)と言ったものに頼らなくても良い試合は出来ただろう。寧ろそのサービスが蛇足になってしまった感がある。


世界ジュニアヘビー級王座決定戦
○カズ・ハヤシ 14分31秒エビ固め(ファイナル・カット) BLUE−K●

KというかTAKAが脚を怪我するというスポットがあり、其処から脚殺しを軸に試合を組みたてていった。

脚殺しされているのならばもう少しTAKAはもう少しムーヴ的な制限を作ればリアリティーが出るし、その制約の中から普段と違った展開が生まれていたと思う。
結局お互い持ち味を十全と出し合っていて普通の試合になっていた。


●小島聡 19分23秒片エビ固め(ニ−パット) 太陽ケア ○

凶器ニーのエクスキューズで何処まで登れるだろうか。それにしても凶器ニー絡みのスポットが無かったら平坦な試合だった。いや見ていて退屈だったけど更に酷かっただろう。


○武藤敬司 ボブ・サップ 15分05秒体固め(シャイニング・インパクト)ジャマール ディー・ロウ・ブラウン●

サップは見る度に下手になっている。あれでは幾らジャマールがバンプ取ってキャリーしてもフォローしきれない。全日じゃなかったらバルコから「ジャマールは悪く無いぞー」とか声が飛びそうだ。

それでいてサップ中心にスポットが組まれているのだから救いようが無い。レヴェル的には休憩前以下。


第9試合 メーンイベント 三冠ヘビー級選手権試合
シングルマッチ 60分1本勝負   [王者]○川田 利明 [挑戦者]橋本 真也×(ZERO−ONE)

七月両国の反復。中々こんなシメントリーなバーターも珍しい。お互いウィークポイントの肩と膝への攻撃に徹底し、お互い強さと弱さを交互に表現し対称性を保ったまま試合が終わってしまったという印象が残る。総和零な終わり。

試合から何も生まれる要素が無く”済ました”と形容した方がいいだろう。或る意味この何も残らない試合というのは最後の全日武道館のメインに相応しい試合かもしれない。


感想。

私的には結構楽しめた。今の全日本は色々な人材がそれぞれのカラーを出していて、九試合もあったが殆どスタイルが被る事が無かったので単調という感じは受けなかった。

時間も三時間三十分で終わったのが良かった。最後だからといって無理に5時間ぐらいやっていたら印象も又違ってきただろう。

橋本VS川田を見ると対抗戦は最早集客は見込めないが客が沸くのは確かだ。プロレスの基本は戦いなんだというのが今更ながら改めて判った。
この対立構造を団体内で如何に築けるかが今後の課題だろう。その点においてRODは不足だ。余りにもクリーン過ぎる。




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