『2・7WWEさいたまスーパーアリーナ大会』
■団体:WWE
■日時:2004年2月7日
■会場:埼玉SA
■書き手:タカハシ

久し振りに気合を入れての観戦となったWWEさいたま大会。半年に1回の上にRAW,SD!と交互に来ているのにも関わらず新鮮味に欠けるのはビデオで映像テンコモリだからなんだろうな。それでもショーンが試合をする姿が見られるというだけでこれだけ気持ちが高揚してくるのは、自分にそれだけ90年代後半のアメプロに深い思い入れがあるからなのだろう。自分も会場内でショーンのWWF王者時代のTシャツに着替えて戦闘準備完了だ。

広島、大阪は大苦戦と聞いていたが、デカイさいたまアリーナがほぼ満員というのは、PRIDEのように巨大な設営がない事から考えれば利益率はそれなりにあるのだろうと思う。もっともDSEはどちらかと言えばPPV収益の方が比重は大きいか。今回もスクリーンは使われず、花火もちょっぴりという本国のハウスショーを知っていれば納得でも、TVショーしか知らないファンからすれば文句も言いたくなるような演出だ。

6時近くになるとRAWのオープニング・テーマが鳴り響き、それが終わったところで会場が暗転。まずハワード・フィンケルが『WELCOM TO THE JUNGLE』で入場し、観戦の際の注意を述べ(もう全部英語だ)、続いて『LEGS』でステイシーが登場。遠めから見てもその美しさは明白だ。でもやっぱりサニーが一番好きだけど。

<第1試合:シングルマッチ>
○ザ・ハリケーン 対  ×クリスチャン(13分24秒:シャイニング・ウィザードからの片エビ固め)

  何しろ未だに昨年のサマースラムまで辿りついていないもんで、クリスチャンがまだピープルズ・チャンピオンを名乗っているのかも知らないんだけど、まさか格的にハリケーンが上という事もなく、あっさりアンプリティアーで勝って終わりだろう、くらいに思っていた。

来日直前にタッグタイトルを落としたのもエッジとのコンビ復活の布石と前向きに捉えていたが、なんかあっさりシャイニング・ウィザードで完敗。意外すぎるブックだ。ハリケーンプッシュなの?
会場のリアクションとしてはクリーンにブレイクしても、ハリケーンのポーズを真似しても、そして悪い事をすれば当然ブーイングとメチャクチャ愛されていたクリスチャン。ベビーになればなったですぐ受け入れられそうだ。

<第2試合:WWEインターコンチネンタル選手権試合>
×マット・ハーディー 対 ○ランディー・オートン(14分38秒:RKOからのエビ固め)  

ランディーについて考えるとまずオヤジを思い浮かべる・・・と言いたいが、それは日記を書くときくらいで、実際に見てみるとWWEは本当に巧く世代交替を進めるなー、と思ってしまう。スター性のある選手をピックアップし、そのために会社全体でプッシュし、必要とあれば上の選手にもジョブさせる・・・。これができているのって今の日本ではPRIDEやK−1だけなんだよね。シュートだとマッチメークである程度思惑通りに事を進められるから、選手のエゴに振り回されにくいとは言えると思う。ジョシカクもスマック独占だとそれができるんだろうけど、これだけ乱立するとそうもいかないかな?

<第3試合:WWE女子選手権>
リタ 対 モーリー・ホーリー(17分24秒:モーリー・ゴーラウンドからの片エビ固め)

タルイ試合だなー、トイレ行こうかなと思っていたらモーリーが何やらケガした様子。エージェントのフィンレイまで出てきたしガチケガかと思ったら、退場の際にロープを広げてアシストしたリタを蹴り落として試合再開。自分も含め100%信じたファンが大ブーイング飛ばしていたが、ケガがどこまで本当なのか、全部ブックのうちなのか、というのも含めてプロだな〜、と感心しましたよ。

<第4試合:世界タッグチーム選手権>
ババレイ・ダッドリー&×ディーボン・ダッドリー 対 リック・フレアー&○バティスタ(24分57秒:スパインバスターからの片エビ固め)

  考えてみるとフレアーがタッグタイトルに絡んだのは、防衛戦でも挑戦でも日本では初めてじゃないだろうか?まー国際プロレス時代までは知らないけど。
帰りに東スポ買って家に戻ってから読んだんだけど、大阪大会とカードが同じどころか、記事を見る限り試合内容まで全く同じで、色々な意味でビックリした。日本のマスコミ事情知らないのか、自分のスタイルを守り通したという事なのか。・・・どうでもいいと思ってるだけかな。

フレアーの元気さとそのフレアーの試合を楽しめる観客の中で見られたのは嬉しかったな。

<第5試合:シングルマッチ>
○クリス・ベノア 対 ×クリス・ジェリコ(21分46秒:クリップラー・クロスフェイス)  

ベノアがRAWに移籍した事で今回のツアーに追加参戦したわけだが、ジェリコもベビー転向の流れだし、エッジも来るのならベビーのチーム・カナダでも結成するのかな・・・などと自分でもそれはないだろう、という妄想もしてみる。

それにしても7,8年くらい前だったら後楽園でも前半というマッチメークが、これだけの大観衆の中で行なわれるというのも不思議な感じがする。タッグマッチなら見てそうだもんな。
試合は当たり前のように面白い・・・と言うか新日ジュニアそのままなんだけど、WOJをクロスフェイスで切り返す動きがオモプラッタっぽくて良かった。

<オースティン劇場>

フィンケルが休憩を告げようとしたところ?にビショフGM登場。GMと紹介しようとすると「違う!××だ」とか言ってるんだけど、なにぶん昨年のサマースラムまでしか見てないんでよくわからんかった。新しい、1個上の役職なんだろうなとは思ったけど。
そこでオースティンが登場してゴチョゴチョやった後に乾杯する事になり、当然ビショフが口に含んだ瞬間にスタナーというお約束。

それが終わるとステイシーとリタを呼び込んで乾杯。すると今度はランディーが登場しRKOかますもスタナー、マットも出てくるけどスタナー。ダッドリーズもハリケーンも出てきて、試合では出さなかった3Dとアイズ・オブ・ハリケーンをかますという、もうここで終わってもいいんです
けどくらいの盛り上がりで休憩。

どうも全く大阪と同じらしいんだけど、ここでしか見ない人はともかく全部行った人はちょっとつらいかも・・・などと思ってしまう。偉大なるマンネリズムって難しいんだよな。

<第6試合:スペシャル・チャレンジ・マッチ>
×ロブ・ヴァン・ダム 対 ○ケイン(10分45秒:チョークスラムからの体固め)

ケインはそれほど器用なタイプでもないけれど、バックステージでの人柄や向上心が試合に現われているところが第一線で活躍し続けている理由なんだろうな。同じようなニセ・テイカーギミックで出たブライアン・リーなんか今どこにいるかも分からないからなー。

<第7試合:シングルマッチ>
○リコ(&ミス・ジャッキー) 対 ×テスト(8分27秒:ラウンドハウスキックからの片エビ固め)  

まさかこの試合がセミになるとは思わなかったから、ケツカッチンで試合キャンセルかと思いましたよ。意図としてはシリアスなシングルマッチが3つ続くのはアレだから、1つ毛色の違う試合を挟んでって事なんだろうけど。いつかのWMのセミが女子タイトルマッチという事もあったっけ。この辺はまるっきり日本風じゃない部分だなー。

<メインイベント:シングルマッチ>
×ショーン・マイケルズ 対 ○トリプルH(26分15秒:ペディグリーからの体固め)  

『ボーイ・トーイ』『ハートブレイク・キッド』『ショー・ストッパー』『ジ・アイコン』・・・数々の異名を持ち、レッスルマニア10ではレイザー・ラモンとその後伝説となるラダーマッチを行ない、マニア筋からWWF史上最高の試合と称えられ、90年代後半はその小さな体でWWF世界ヘビー級王者としてマンカインド(ミック・フォーリー)、ディーゼル(ケヴィン・ナッシュ)、ベイダーらとの数々の名勝負を残し、そして97年11月のサバイバー・シリーズでのブレット・ハート戦でのダブルクロス事件でもその論議の中心となったショーン・マイケルズが遂にその雄姿を日本のファンの前に現した(初来日はSWS(消滅))。

93年に行なわれたWWFマニアツアーではケガのため来日せず、その後98年のレッスルマニア14においてのストーンコールド・スティーブ・オースティンとの一戦を最後に長期戦線離脱。その後一度だけ自身の主宰するTWA(消滅)でベノム相手のラダーマッチで一夜限りの復活を果たし、そして一昨年のサマースラムでのHHH戦で正式に復帰。

それでも昨年のRAWツアーでは来日しなかったため、日本ではその雄姿を見られないのではと思われていただけに今回のツアー参戦、しかもHHHとのシングル戦と日本のファンにとってはこれ以上ないプレゼントとなった。

対するHHHはリング上では『現在・過去・未来のチャンピオンたちの集まり』をコンセプトとするエヴォリューションのリーダーとしての実力を、今ツアーでは広島でケイン、大阪ではレッスルマニアでの挑戦が決まっているクリス・ベノア相手にエヴォリューションの仲間の手助けを借りる事なく防衛する事で証明してみせた。

かつてはディジェネレイト・ジェネレーションX(通称DX)としてWWFマットをあらゆる意味で掻き回したショーンとHHHではあるが、一昨年の復帰以来数々の大舞台で世界ヘビーのベルトを賭けて何度となく戦い、先日のロイヤル・ランブルでのラストマン・スタンディング戦では両者KOという壮絶な名勝負を繰り広げてきた2人。今回の対戦でもその再現となるか、期待は高まるばかりだ・・・とスポナビで自分の言いたい事は 書かれているのでちょっとアタマに持ってくる。

ショーン・マイケルズについてこれだけ思い入れが深くなったのは、ズバリ言ってR師匠の影響大なわけだが、それはさておき田中さんによると90年代にファン上がりの選手に最も影響を与えたのはショーンとウルティモが双璧なのだとか。それはやはり2人の体の小ささが「もしかしてオレにもできるかも」というボンクラをたくさん産んだという事も含めてなのだろうけれど、自分の場合は日本マットから直接の影響を受けずに作られたスタイルが、日本では存在し得ない選手という事で目を引いたのだと思う。まぁショーンについてはそのうち機会があったら書いてみよう。このまま書かない可能性の法が高いわけだが。

試合については勝手知ったる同士という感じで、改めてみると2人とも地味な組み立てをするタイプなんだよね。ショーンはPPVマッチではアクセントとしてちょっと飛ぶけど。定番の素晴らしさという感じでフィニッシュのペディグリーまでキッチリ持っていく流れなどは、HHHも昔気質の選手の系統という感じで職人肌のエージェントが上の方に残ってるWWEで重宝されるのもよくわかるというものだ。
あときっちりレスリングを見せておいて、フィニッシュを先に完璧なカタチで決めた方が勝ち、という試合の流れは説得力もあるし、一見さんにも分かりやすくていいなー、とは思いましたね。もう日本ではこの流れはどうにも変えようがないけど。

<総括>

今回のツアーではエヴォのヘルプなしで3連続防衛という、日本向けなんだか今のHHHの実力なんだかの試合だったのがポイントのような気はする。あと日本向けという事でレスリング主体のロングマッチ(全試合そうなのはどうかと思うが)というのも、彼らなりに日本をリサーチした結果という事なら、ツアーの過密さから考えてもわざわざそうしてくれたという事で好意的に受け取りたい。
日本ではTVショーとハウスショーが別物といってもわからない(見る機会がないから当たり前)人の方が圧倒的に多いので仕方ないとは思うが、これからはその温度差も序々に解消されていく事だろう。
なんかショーンが見られたという事で全部OKになってしまい、どうにもまとまりがないが東京近郊しか期待通りの集客能力がない、という今回のデータが次回のツアーにどう反映されるのか、ちょっと楽しみではある。




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